るるの日記

なんでも書きます

プロ側室「お万の方」

2022-02-19 17:05:24 | 日記
将軍家光はお万の方という、智慧優れ、打てば響く魂を持つ、美しい女性を得てから、寝間のひとときでの心通わす対話に酔い心地になる
智慧と才気に溢れた言葉に恍惚とさせられる

愛らしく輝く眼の豊かな動き
あるいは長い睫毛を伏せ
ときには美しい眉をひそめ
吐息し
瞳に情緒溢れさせ見上げる

家光はお万のしなやかさに包まれ
溺れる快楽に浸り
新しい生気を生む

家光は女人が性の悦楽の他に
男に及ぼす甘美で強い精神力のあることをお万を得て初めて知った

優しい春日局の義理の姪「素心尼」【乱心のお琴を預り、日夜心を尽くし、一生面倒を見ます】

2022-02-19 15:23:04 | 日記
春日局の義理の姪・素心尼は、春日局の片腕となって秘書役を勤めていた
金魚を噛みきったお琴がとうとう乱心した。お琴は寺の娘。素心尼は春日局に告げる

「この度、上様より一寺を賜わりました。お琴が寺の娘とあれば、これも何かの縁。私が引き取り一生を見てやりましょう。上様より長らく御信任を受けた御恩に対し、せめてもの私の御奉公でございます。お琴の心の病気も御仏の加護をこうむって癒える日もあろうかと思われます。つきましては気の毒な乱心のお琴を預りますからには、日夜心を尽くさなければなりませぬゆえ、大奥勤めも退きたく、伯母上、この儀お許しいただきます」
素心尼は大奥の雰囲気から絶縁したかった

素心尼は伯母の部屋に連なる部屋から順に「おいとま乞い」の挨拶に回った。このとき素心尼は初めてお万と会った

素心尼は思う
「今、老いゆく私は大奥を下がって一寺の開祖となって仏道に入る。この若き方は立派な比丘尼寺の住職を捨てさせられて、大奥の側室になって入られた。皮肉な対象。これこそ前世の輪廻の因縁か、、」
素心尼はしばらく言葉が出ない

お万は丁重に客に手をついた
素心尼はあわてて「どうぞお手をおあげくださいませ。私は一時世を捨て尼寺にはいりました。伯母の進めで長らく大奥に勤めましまが、このたび上様の有り難き思し召しにて、一寺を賜り、大奥をおいとまいたします」

お万は素直に、静かに、すらりと言われた「おうらやましいことでございます」

お万は素心尼の人柄がすぐわかり素直にされた。人によってはなかなか厳しい一面も見せる。その人は春日局。それは観音菩薩応現身像。相手にふさわしく変身される

わざと鮮やかな装いをして嫉妬させ逆襲する作戦

2022-02-19 14:34:43 | 日記
■春日局は一つの仕事に取りかかった。それはお万に似た町娘を見つけ大奥へ入れる準備をすることだった

お蘭(19歳)
大奥へ入ってからは
春日局の部屋で行儀作法を見習わせ、御三の間に勤めさせ、やがて中臈に進ませ、将軍の側室にさせる計画だ

■9月9日
易の陽数が重なる重陽
菊の節句を祝う
大奥でも将軍は普段使わない広間に出て、お目見え以上の女中全部に将軍から丸餅と菊花1枚を添えて賜り、将軍は春日局の献ずる盃に菊の一片を浮かべた菊酒を召し上がった後、女中一同にも酒・肴を下さる

この日のために高級奥女中は、おかいどり(多分ドラマでよく見る色鮮やかな上着着物みたいなやつ)を新調する

■席順
★将軍→上段
★春日局→下段右
★御年寄以下→春日局に間をおいて左右
★お万→下段左(春日局と相対)
おかいどり模様はどの雛型見本にもない意匠

※白綸子(絹織物)

※右前すそから袖へ
肩から背へ
大きく区切って紫紺地の匹田絞

※匹田絞りの中に直径一尺の大輪の白菊黄菊の花弁が四方に走り巻くのが背から片袖へと、裾の前後に三輪ずつ染めぬかれてある

※斜め半身は地白のまま

■春日局、呉服頭のお奈美を呼ぶ
大奥のデザイナーでもある
春日局
「今日のお万のおかいどりは、おいくら?それと絞り模様はあなたの考えか?」

お奈美
「藤尾殿が御自分の給料もみなお万の方さまにつぎこんでいた程の金額です。絞り模様はお万の方さまの御指定です。御用達呉服商人も感服しておりました」

春日局
「今後は絞職人の手間のかかる匹田絞は禁止にします。それと近くこの部屋にお蘭と申す女中が来て御三の間に出仕するが、御三の間の儀式にはおかいどり着用につき、費用をかけず、見事に人目を引く美しいものを仕立てるよう願います」

無理難題

お万が美しく見えるのは衣装のみならず、それを着る中身の麗質なのに、それに気づかない嫉妬に燃える春日局であった

■お万の逆襲
お万が藤尾に言う
「菊の祝いの席の春日局は御機嫌が良くないように見えたが、このおかいどりのことだろう。もうこれは脱ぐので藤尾の古いのを着ます。上様に何か言われたら『春日局のご機嫌を損ねないための用心です』と申し上げますわ。。冗談ですよホホホ」

翌朝、御仏間礼拝に将軍を迎える時、お万は藤尾のおかいどりを借りて着ていた
将軍は「昨日の菊の模様をなぜ着ないのか?」と聞かれ、お万は答えた
「匹田絞は大奥の御法度とは知らず、過ちを犯しましたので申し訳なく、今日は藤尾のを借りました」

春日局はあわてふためいて「お万の方さまが知らないゆえの過ちを誰がとがめましょう。御遠慮なくお召し遊ばせ」
将軍は春日局の仕業と解ったのか「その通りじゃ、春日局の親切に申す通り遠慮はするな」


お万は見事に疋田絞戦の勝利者となった

お万の智慧「側室の立場・将軍の立場・春日局の立場」で出来事を読む

2022-02-19 13:06:04 | 日記
■春日局はお万に大奥の心得を語る

★「第一、いかに上様の御寵愛をこうむるとも、それに馴染まなき事」

★「第二、お寝屋にてのおねだり事はいっさい申さぬ事」

★「第三、側室同士は嫉妬の念起こすまじき事」

■お万は静かな能面のような顔で、表情を変えず春日局の言葉を受け入れた
それから、お万が言葉を発する
まず感謝の言葉
「おさとし有り難く身に染みて承りました」
それから、お万の感想を述べる
「その心得を守りますことは、人間の業ではあまりにも難しいです。いつ心得を背く過ちをおかすか知れません。その時は潔く春日局さまの処罰を受けます覚悟。。つまり処罰を覚悟いたす程、この心得、我が身の肝に命じて守らせて戴きます」
一礼
お万は春日局を手玉にとってやった

■春日局は「この女は聖女と妖女が背中合わせに住んでいる」と断定した
この魔力ある女を家光の側に置くのはヤバイ。許せない

■お万は部屋へ戻ると、介添役の藤尾に言った

「藤尾、大奥の心得を春日局さまから聞いている時、余りの腹立たしさに耐えかねて、ついあのように逆らいました。藤尾、側室の身になって考えて欲しい」

「第一の上様の御寵愛に馴染まない事とあるけれど、上様のお情け深まるにつれ側室も馴れ親しみ、心の紐を解くのが誠の愛」

「第二のおねだり事申すまじきとあるけれど、二人きりの寝間だからこそすがりたくなる事もあるかも知れない。まさか廊下で人目はばからずおねだりなんかできないし」

「第三の嫉妬の念起こすまじきとは、女心への無理。上様を愛してこそ生じる嫉妬は当然」

「上様の身になって考えてみても、上様に馴れ親しめもせず、お寝間でもの申さず、ほどよき妬みや恨みも見せられぬ側室では、上様に何のお楽しみがあろう」

「この掟こそ上様が女人の色香に溺れぬことを防ぐ苦肉の策。春日局の謀りごとであろう」

「それに春日局は私に憎しみを向けられている。表面の猫なで声の裏に憎しみ心が見える」

お万はそう言い放ち、大笑いした




光持つ者は(人は全て光を持つ)どのような環境に置かれても光輝く「他人にも自分にも支配されない」

2022-02-19 11:57:47 | 日記
春日局は長旅が終わり久々に大奥へ姿を表した。そしてお万をチラ見した瞬間「これは恐るべし」とたじろぐ

能面のような静かで冷酷な気品が
無言の意思表示をする
圧迫されそうだ。これは、、私の支配下に従属しない女だ
尼から還俗させられた復讐心を持つ女だ

家光に会う
家光は春日局に言う
「私は伊勢の比丘尼を還俗させてしまった。だから不憫で特にいたわりたい。しかしそれに甘えるようなあさはかな女ではない。賢く、優しく、理非曲直の判断は男も及ばぬ。もしあのまま伊勢の寺にいても名僧知識の誉れを得ただろう。それに年齢はまだ17歳なのに誠に深い学識を備えている。美しく、才能に恵まれたお万が私の側近くにあることを嬉しく思います」

春日局は素直に喜べない
家光の頭から冷水を浴びせたかった
今まで家光の心を独占してきた春日局と家光の間にお万が立ち塞ぐ。ただひたすら家光への盲目的愛情から、無理やり尼僧を還俗させ大奥へ入れた仏罰か、、、