♦️資本を増やせ
明治政府の重要課題は資本主義列強国と肩を並べる強国となることだ。そのために欧米諸国の経済制度、技術、設備、機械などを導入し、産業を育成した
【貨幣・金融】
資本の発展のためには、どうしても必要な、貨幣・金融制度
伊藤博文によって新貨条例交付
金銀銅の新貨幣を造幣局で鋳造し、金本位制を定め、円、銭、厘の十進法を採用した
1878年銀貨適用制限が撤廃され、銀本位制となった
1872年新しい政府紙幣を発行
次に
伊藤博文・渋沢栄一らが中心となって、民間資金を仰ぎ各地に銀行が設立され、紙幣を発行
インフレを招いたが、産業資金の創出に役立った
資本ができ、近代産業が発展
近代化政策は、教育・文化・思想・生活に大きな影響を与え
文明は開化された
■宗教
★神道による国民教化★
政府は王政復古によって「神武創業の始」に立ち返るため、神祇官を再興。国学者・神道家を登用した
神道を中心とした国民教化をめざして【大教宣布の詔】を出した
神社制度を設け、官幣者・国幣社など神社の社務を定め、祭式を統一するなど、政府の保護のもと神社神道の普及に力を注いだ
1879年、戊辰戦争の戦死者を合祀するため政府により設けられた招魂社は、靖国神社と改められ、別格官幣者に位置づけられた
国民に対しては、「天皇が古くから日本の統治者である」という宣伝が行われ、神格化が進んだ
政府の出した神仏分離をきっかけに廃仏毀釈運動が全国に広まり、寺・仏像・仏具・経典などが破壊された
しかし神道による国民教化は
【仏教の排斥というやり過ぎ】によって国民に十分受け入れられなかった
★キリスト教
キリスト教は新政府になっても禁じられた
長崎の浦上では多くの信徒が捕らえられ、改宗を強制され、キリスト教国はこれに激しく抗議した
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岩倉使節団が欧米を視察したとき、キリスト教禁教が外交に悪影響を与えていることを知って、1873年(明治6)ようやくキリスト教禁教を解いた
■教育
日本が列強国となり、近代化を進めるためには国民の知識を高めることが必要。政府は国民の啓蒙・開明化に力をそそいだ
1871年、文部省を設立
1872年、学制を公布
「国民各自が身を立て智を開き、産を治めるために学問が必要である」とする【功利主義教育観】に立脚する国民教育の建設につとめた
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2万校の小学校が設立
〈問題点〉
男子小学校就学率50%
女子18.7%
※男女の初等教育に格差あり
※農民の貴重な労働力である児童の通学
※授業料・学校設立費の負担
■思想
「人間の自由・人間の権利・個人の自立」を尊重する欧米の自由主義・功利主義の思想・学問が世に受け入れられた
★福沢諭吉「学問のすゝめ」
発行部数70万部
若者に大きな影響を与えた
「人は生まれながら貴賤の別があるのではない。学問を学んで、封建的な身分意識を打破すべき。自主・自由の精神に基づく個人の独立が、一国の独立を支えるものである」
■新聞・雑誌・出版事業
1870年、横浜毎日新聞、東京日日新聞、日新真事誌、朝野新聞、読売新聞、郵便報知新聞、朝日新聞
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政論新聞の色彩
■豆知識
欧米諸国から雇い入れた外国人は1870年で500人余。イギリスが過半数を占めた。1892年は130人。この頃は技術より法制度や軍事制度をドイツ人に学んだ
お雇い外国人は高給取りだ
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1870年、鉄道建設建築所長モレル(28歳)の場合
(1ドル1円)
初年度月給は洋銀700ドル
3年目1000ドル
日本政府の最高官職の月給800円
最下級のお雇い職工72ドルは、日本人職工の10~15倍