るるの日記

なんでも書きます

大奥総取締役は女の潜在意識を読めないと勤まりません

2022-02-19 11:23:20 | 日記
春日局は将軍家光の喜ぶことは何事も叶えてあげたい忠勤精神で生きていた。お万という玩具が家光の手中に納められたことは春日局自身の満足でもあった

気がかりは「お万は上様によく仕えているのか」である

近衛天皇を悩殺した玉藻前は金毛九尾の狐の正体を現して、那須野に飛んで行き殺生石と化した妖しい美女だが、お万という伊勢の狐はまだ正体を現さず上様に仕えているのだろうな、、
という意味だ。正体を現せば家光は悲しむ

春日局は長い旅から帰ったばかりである。通常は給与額は春日局が指示で定まるのだが、春日局の留守中は将軍の指示で給与を定めていたので
春日局はお万の給与を聞いた

〈給与〉
★切米100石(年俸)
【御年寄は50石、将軍の女児を生んだお振150石】

★御合力金100両(被服費)
【御年寄50両】

★15人扶持(1日主人5合、部屋方3合ずつの計算で1ヶ月ごとに給与)
★炭
★薪
★風呂沸かす木
★灯油
★お万の弟が上様の御呼び寄せに預かる
★介添役藤尾も御切米25石(お万の被服費につぎこみお万を飾る)

ふむ、この給与額を見るとまだお万という伊勢狐は正体を現さず、将軍を化かして楽しませてくれているようだな、、しかし
春日局は長すぎた旅を悔いた





「人をかばう」ことは哀れな人を余計に哀れにさせる行為にもなる

2022-02-19 10:35:03 | 日記
お琴が金魚を噛みきったその日の午後、将軍家光は大奥に入られ小座敷に入る。お万をまた見に来たのだ
女嫌いだった家光には超珍しい現象だ。なお、お琴が金魚を噛みきった事件はお万は内密にしてある

お万は藤尾を従えて現れ、将軍に絵具一色と金魚を頂いた御礼を述べる。と同時に「飼い猫が金魚一匹を噛みました。恐いので金魚は池へ戻したいです。それと猫はいかがしましょう?」と将軍に聞いた

もちろん将軍は「お万の愛する猫ならばあまり叱らず、金魚の代わりにまたたびでも食べさせなさい」とやさしい

事実はお琴が金魚を噛みきったのだが、この「猫が金魚を噛んだ」という捏造話は瞬く間に大奥中に広まり「いかに上様はお万には弱い、めちゃ惚れ状態か」の証にされた

お琴にとっては将軍に事実が知られて死罪になる方がまだましだっただろうな。まだまだ嫉妬に燃える日々を送ることになる。哀れな女、、



金魚を噛みきる嫉妬女【お琴】・冷酷能面な女【お万】

2022-02-19 10:11:44 | 日記
当時、金魚は貴重な珍魚でした
将軍が「わしの金魚は美しいだろ?」と自慢げにお万に言うと、お万は「絵に描きたいわ」と御愛想に答えてしまったところ、その日のうちにお万の部屋に将軍からの贈り物が届く

★絵具
【朱、丹、白緑、黄白、群緑、金粉、銀粉、猩々緋(えんじに近い)、臙脂(えんじ)各種】

★筆
【線描用、彩色用、連筆(筆を何本も重ねた)、蒔絵筆】

★筆洗い

★絵具皿

★水墨画用の墨

★唐紙、画箋紙(書を書く用)、鳥の子紙(和紙)

★狩野派の原画の花鳥
山水の手習い用の本

★これらを納める両扉棚

★8匹の金魚

お万は猫を飼っている
お万だけでなく大奥では飼い猫を持つ部屋が多かった。猫はどこからでも忍びこめるからお万は頭を悩ます
「猫が金魚に危害を加えたらヤバイ」
将軍からの貴重なプレゼントの金魚はありがた迷惑。心が重い。。
それに将軍に「絵に描きたい」と言ってしまったからには、金魚を絵にしなければならない
お万は金魚絵を描くことに集中した

そこへお琴がそーっとお万の部屋前に現れた。血走った眼で泉水の金魚を集中して見ているので、部屋でお万がその金魚を描いていることに気づかない

お琴はなんと一匹の金魚をつかみ、噛みきった。金魚の亡骸が泉水に落ちる。お万に見られていることを知らずにお琴は去った

お万はひぇ~と思ったが、騒がずにこのお琴をしばらく泳がせておくことにした。お琴がなぜこのようなことをしでかしたか、、理由は読める
「女の嫉妬だ」。。しばらくしてお万世話役の藤尾に確認した「申し訳ございません。お琴は上様一度のお戯れのあった女です~」とのこと

お万は内心
「まあいい私は人の憎しみを受けないといけない立場だからな。上様には一度のお戯れであろうと、あの女にとっては一大事だったんだろう。あわれな女だ。まあ上様もまた私以外の誰かと戯れるだろうが私はあのような嫉妬に狂わない。バカバカしい。私は能面のように冷酷だからな」と思いながら

藤尾には
「上様には一度のお戯れであろうと、女の身には一大事なものですよ。かわいそうなお琴さま、、」と泣いてみた