■お万が療養中に2度将軍に召されたお蘭ご懐妊
★3月吉日・いわた帯の儀式
★臨月が近づくと乳母を選定
実直そうで身体健康な婦人が呼び出され面接。選ばれたのは牧野内匠頭の家臣・矢島治太夫の妻
★臨月
産褥用の畳が入る
天井からひもを垂れ下げる。産婦の力綱だ
★出産予定日
産婦は白無垢の装束
髪を引き詰めに結ぶ
★8月2日
強すぎる陣痛
★8月3日
若君誕生
白木たらいの産湯に金・銀の箔を沈める
産着は鶴亀松竹の模様に葵の紋
★若君御誕生の吉報の急使を走らす
家光38歳で初めて世嗣を得た
「あっぱれ!若を生んだか!」
産婦におほめ言葉をかけた
産婦は起きあがり手をついた刹那
血気逆流で人事不省に陥り、激しい大出血をきたした
人事不省は回復したが生気虚脱して、再び常人の健康に立ち返れぬ半病人の状態だった
ともかく
お蘭は「お楽の方」に昇格
若君は父の幼名「竹千代」を継がれた
お楽の方の両親は古着屋を廃業し楽隠居、兄は世嗣の伯父にあたるので町人に置けず、常州二万石の城主となって「蛍大名」と陰口を言われた。「お尻の光」
お蘭の産後の不幸が大奥に知れわたると、みな噂した「お琴は狂乱、お振は早死に、お万の方の向こう立つ女はことごとく手傷を負い敗退する」
お万はこうした大奥の女の感情の渦中に置かれる我が身の位置が嘆かわしく思う