ハヤテの髪ピン

　　　　　　　　　　　　　　【西暦２０６４年惑星マリオン】
メガロード０３が降り立った惑星マリオン。
ハヤテは祖父母の住む実家のある惑星マリオンから旅立とうとしていた。
そろそろいい歳になったのでいろんなところに行ってみたいという事であった。
既に姉のアヤメは地球へ行き女優として活躍している。
ハヤテも姉のアヤメの影響で外の世界への憧れを抱いていた。
ラウラはそんなハヤテを見てまるで４年前戦死した父ライトみたいだなと思った。
ライトはいろんなところに行くのが好きであり、娘のアサヒを連れていろんなところへ旅行していた程である。

ハヤテは一週間後どこかの惑星の便に乗り込む予定だ。

下手したら今生の別れになるかもしれない・・・・・そんな旅なのかもしれない。
この広い銀河そう珍しい事ではなかった。
そんなある日。

ラウラ「ハヤテ、ちょっとおばあちゃんと出かけない？」

ハヤテ「えっ！？」

ハヤテは祖母ラウラの言葉に戸惑う。
突然祖母から何処かへ出かけないと言われる。
ハヤテは間抜けにＯＫを出した。

　　　　　　　　　　　　　　　【惑星マリオン.空港公園】
　　　　　　　　　　　　　キィィィィィィン

ラウラ「う～ん、いい風。」

惑星マリオンに配備されている可変戦闘機ＶＦ－１７１ナイトメアプラスの編隊が基地から離陸する。
この地はかつてここの基地で勤務していたライトとハヤテの思い出の地である。

ラウラ「ハヤテ、ソフト買ってくるわね。」

ハヤテ「ありがとうばあちゃん。（・・・・まるで同い年の恋人みたいだな「。）

ハヤテは祖母のラウラを見て、その服.６０歳を越えた老人には見えないなと思った。
ゼントラーディ人は長命であり、老化を抑える因子がよく働く。
ラウラはあんまり若いころとは変わっていない。
まるで同い年の恋人のような感じである。

　　　　　　　　　　　　　　　　数分後

ラウラ「はい、ハヤテ。」

ハヤテ「サンキューばあちゃん。」

ハヤテはラウラからソフトクリームを受け取る。
このソフトクリームはここで栽培されているマリオングレープのソフトである。
ハヤテの幼いころの好物だ。
周りから見たら似たような顔の同士のカップルにしか見えない。
するとハヤテが・・・・・・・

ハヤテ「なぁばあちゃん。」

ラウラ「なぁにハヤテ？」

ハヤテ「聞きたい事があるんだが、ばあちゃんはなんでバルキリーに乗ったんだ？」

と聞く。
ハヤテはラウラがなぜバルキリーになるのかを聞く。
両方の祖父母は可変戦闘機乗りであり、親戚にも多くのパイロットがいた。
ハヤテはなぜパイロットにあこがれるのか理解はできなかった。
その問いに対し・・・・・・

ラウラ「憧れと空を飛ぶうれしさかなぁ・・・・」

と答える。
ラウラはクァドラン乗りであったが可変戦闘機の模擬戦の後、可変戦闘機に一目ぼれをして可変戦闘機パイロットへ転向した。
そして・・・・・・空を飛ぶ嬉しさ・・・・・・・・・

ハヤテ「空を飛ぶ嬉しさ？」

ラウラ「最初は憧れだったけど、可変戦闘機に乗るうちにね・・・・空を飛ぶ嬉しさに気がつけたのよ。」

ハヤテ「どんな気持ちなんだ？」

ハヤテは空を飛ぶ嬉しさの感想を祖母ラウラに求める。
それに対し・・・・・・・

ラウラ「人生最高の至福の時かな。」

ラウラはそう答える。
その時のラウラはいい笑顔をするとラウラの旦那は言う。

しかし・・・・・・・・・・・

ハヤテ「だがばあちゃんは軍隊に入っていたんだろ、それで自由に飛べなくなる心配はあったんじゃないのか？

ハヤテは自由人の性格である、あんまりルールとかに縛られたくないという信条がある。

ラウラ「あったわね、出世しすぎると飛べなくなる。周りの人に言われたわ。」

ハヤテ「だが俺は分からない、なぜ空を飛ぶ事が人生最高の至福であるか？親父だってそうやって・・・・・・」

ラウラは感情的になってきたハヤテに対し・・・・

ラウラ「いつか気が付けるわ、なんたってハヤテは私の自慢の孫の一人だもの。いつか飛ぶ嬉しさを味わえる時は来るわ。」

ハヤテ「ば.ばあちゃん。」

ラウラ「旅立つ前にこれを髪につけてから行きなさい。」

ラウラはピン止めを外しそれをハヤテに渡す。
ラウラも正直孫であるハヤテとの別れは悲しい、その目から涙が流れていた。
その様子に気がついたハヤテはラウラの目から出てくる涙を手で拭き取り・・・・

ハヤテ「ばあちゃん、いつか帰ってくる。ばあちゃんそれまで元気で・・・・」

ハヤテとラウラはお互いにハグをした。
まるで若い恋人同士のように。

そして一週間後、ハヤテは遠い銀河へ旅立った。
その後、だらだらと仕事をしていたという手紙を見て激怒する母アサヒ。
だがラウラはそんな仕事はハヤテには似合わないと思っており、いつか空を飛べる嬉しさが分かる時までその状態が続くだろうと思っていた。

その数年後、惑星アルシャハルでヴァール化による戦闘に巻き込まれたハヤテが空を飛ぶ喜びを感じる事になる。
それが原因で歴史的事件に参入するがそれは別の話である。