西暦2010年2月11日
ゼントラーディ軍第118基幹艦隊(ボドル基幹艦隊)が地球周辺に展開した。
目的は・・・・・・・地球人類の絶滅である。
数百万いるゼントラーディ軍艦艇は地球に向けて砲撃。
地球の9割がこの攻撃により損失。
一時的とは言え、地球は死の星に変わり果てた。
無論、この攻撃で地球人類はただでは済まされず。
9割近くの人間が死に絶えてしまう結果になった。
ただ・・・・・
【2月11日.日本列島.九州.熊本.ボドル基幹艦隊決戦から2時間後】
ゼントラーディ軍の砲撃により壊滅した熊本。
加藤清正が築城した熊本城は無惨に破壊されてしまい。
熊本の街はこの世から消滅したかのように破壊され尽くしてしまった。
宮本幸雄「こいつは酷いな。地上から出てくれば・・・・・・」
地球統合陸軍.極東・太平洋方面軍所属.宮本幸雄.大尉
鍋島計胤「空襲よりもひでぇ、クレーターが出来てやがる。」
地球統合陸軍.極東・太平洋方面軍所属.相馬計胤.大尉
悲惨な状態になった熊本の街に防護服を身につけた兵士が街の中を歩いていた。
彼らは極東・太平洋方面軍所属の兵士であり・・・・
ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊砲撃時に地下の統合軍基地におり。
戦災から逃れていた。
アレン「全く酷いな、民間人の避難誘導してなかったら死んでいたぜ。」
警察官.アレン・クーパー巡査長
宮本幸雄「確かにな、多少なりとも救えたのなら幸いさ。」
助かったのは兵士だけではなく、警察官などの人々もおり。
決して多い数ではないが、地下に数多くの民間人も避難している。
しかし、砲撃直前にも避難誘導していた兵士や警官もおり。
避難していた民間人と共に殉職していた。
「宮本大尉、上からの命令で鍋島隊.ハミル隊と共に他のエリアの地区のシェルターの探索が指示されました。」
宮本幸雄「分かった、動ける人間を集め鍋島隊とハミル隊と共に生存者探索に向かう。」
宮本幸雄大尉率いる第19支援歩兵中隊も同様であり。
宮本や鍋島と言った指揮官は、避難民を地下トンネルに誘導して難を逃れたが・・・
トンネルを入り口付近にいた部下や他の隊は爆風で吹き飛ばされ。
戦死、運良くて負傷と言う被害を受けている。
先頭にいたとは言え、部下が死傷してしまう事に関してはかなり負い目を感じており。
もうこれ以上、部下を失いたくないと考えていた。
その後
一旦地下に戻り73式大型トラックに乗り込み、かつての地図を便りに生存者救出に向かった。
途中、鍋島隊とハミル隊はシェルターを発見し救助活動に入ったため・・・
残りのシェルター探索の車列は宮本隊のみになった。
キィィィィィン
「おや?あの可変戦闘機と通常戦闘機何処の部隊だ?」
宮本幸雄「さぁな。」
腕を組ながらトラックに乗る宮本達の上にVF-1AとF-2改による編隊が通りすぎる。
何処か飛行隊を有する部隊が飛んできたのだろう。
宮本はそう思いながら目を瞑る。
ガンッ
宮本幸雄「おわっ!?なんだ?」
「隊長、あれを?」
宮本幸雄「何?・・・・・なっ・・・・だいだらぼっち!?」
破壊された建物と高速道路の残骸付近に夜営する巨人がいた。
彼らはボドル基幹艦隊決戦時に地球に流れついた残留ゼントラーディ兵である。
偶然にもこの熊本の街に流れついており、次の作戦行動を行うため待機していたのであった。
「隊長・・・・・シェルターは・・・・」
宮本幸雄「車両隠せ、そして下車。死にたくなかったらな。」
「はい。」
宮本隊長「アクトン軍曹・アレジ軍曹・塩谷軍曹・エイトケン軍曹・宗軍曹は警戒待機。」
『ハッ』
シェルターはゼントラーディ人達がたむろしている一歩手前にあり。
下手すれば見つかってしまう場所にあった。
遮蔽物は積み重なった残骸と僅かながらに残った建物の廃墟のみ。
まずは乗っていた車両をある程度の位置に隠し。
乗っていた宮本隊は降車し・・・・・
宮本幸雄「各員、行くぞ!」
『
はいっ!!』
シェルターに向けて低姿勢で走る。
なるべく出来る限り見つからないようにし、ゆっくりでいいから生存者を救出。
自分たちのいた基地へ帰還する。
とは言え、相手は見たことのない巨人(ゼントラーディ)うまくやれるか。
桐野奈美「隊長、シェルターの入り口発見。瓦礫で多少埋まってますがなんとかなります。」
宮本隊.桐野奈美.軍曹
宮本幸雄「いいか、避難民が生きていたら低姿勢に移動できるようにサポートしろ!」
桐野奈美「はい。」
宮本幸雄「田島軍曹・深見軍曹も手伝え!」
シェルターに到達し、避難民が上手く脱出できるような環境作り・・・・
宮本は一人シェルターに向かった。
宮本幸雄「こちらは地球統合軍第19支援歩兵中隊隊長、宮本だ!誰かいるか!」
シェルターの入り口付近に立つと・・・・・
ドアをドンドン叩きながら生存者がいないか確認する。
何か反応はないのか?
宮本は敵に襲われる可能性を頭に入れながら、何かの反応に期待する。
栗原健夫「あんた、地球統合軍の軍人か?」
地球統合軍警務官.栗原健夫.少尉
宮本幸雄「あぁそうだ、あんたは?」
栗原健夫「俺は極東・太平洋方面軍警務隊九州第2区所属の栗原だ!」
宮本の反応に答えたのは、髭の生やしたMPの腕章をつけた兵士だった。
名前は栗原健夫.少尉、30代前半の同年代の男だ。
彼の後ろには部下らしき男女の警務官と、陸軍兵士が数名いる。
栗原健夫「今はどうなっている?」
宮本幸雄「外は地獄だ、何か異様な雰囲気になっている。危険だから、ここを出ないか?」
栗原健夫「地獄だと?」
宮本幸雄「それに見知らぬ巨人がいる・・・・」
外の状況を知らない栗原から状況を求められ、宮本は返答する。
宮本の言葉を聞いた栗原は、冷静さを保っており。
話を最後まで聞いた。
栗原健夫「分かった、その基地とやらへ行こう。」
宮本幸雄「外の空気が異様なので布を口に被せて、トラックまで向かってくれ。」
栗原健夫「了解した、ここには民間人が多い。先に行かせてやってくれ。」
話を聞き終えた栗原は宮本に民間人を先に行かせるように言う・・
民間人を救うことは最優先だと分かっている宮本は了承し、民間人を先に外に出す。
それを確認した後に、宮本は栗原らと部下と共に外に出てトラックに向かう。
トラックまで向かう道中はとてつもない危険であり。
いつゼントラーディ人が振り返り襲撃してくるのか分からない。
例え乗っても無事に基地までたどり着くか・・・・・・
桐野奈美「隊長?」
宮本幸雄「あぁすまんな、少し不安でね・・・・とにかく行くぞ。」
桐野奈美「はい。」
宮本は不安になりながら、トラックまで中腰で進む。
なんとかトラックまでたどりつき、避難民と残存兵の怪我人を乗せる。
全員収容したら基地までトラックで進む。
栗原健夫「大尉、あんたで最後だな。」
宮本幸雄「あぁ後は基地に戻るだけだ。」
相手はバレてない、いける・・・・宮本は思った。
巨人たちことゼントラーディ人達は今の宮本達の様子に気がついてない。
このまま上手くいけば助かる・・・・・・・
宮本は希望を胸に、トラックを動かそうとする。
しかし
ズゴォン
宮本幸雄「なんだ?」
突然、ゼントラーディ軍部隊が攻撃を受けた。
一体何が起きた、何処からの攻撃だ!
宮本は周りを見渡すと・・・・
宮本幸雄「おわっ!?」
クァドラン・ローとヌー・ジャデル・ガーが、残留ゼントラーディ部隊を攻撃していた。
一体何処から飛んできた物なのか、統合軍のマークはない・・
ただ分かるのはIFFの反応が友軍であると言う事であり・・・・
連中が奴らと同じマークを持っていると言う事だ。
同士討ち・・・・・
もしくはこちら側についたのか?
桐野奈美「どうします?」
宮本幸雄「決まっている、そのまま出せ!巻き込まれるぞ!」
宮本はゼントラーディ人同士の戦闘に巻き込まれないために、そのまま出すように命令を出す。
命令が出され、宮本隊のトラックの車列は基地の方へ向けて移動した。
幸いにもゼントラーディ人達は宮本達に気がついてない。
栗原の部下の一人.富田幸弘.軍曹が、トラックの間から撮影。
クァドラン・ローの暴れっぷりを出来る限り撮影し。
後に退役し映画脚本家になると、リメンバーラヴを男と女で戦う設定にした。
その時のヒントがこの時の戦闘であったのは言うまでもない。
鍋島計胤「よぉ宮本戻ったか。」
宮本幸雄「鍋島、貴様生きてたのか?」
鍋島計胤「まぁな、他の隊も無事だ。」
宮本は無事に基地にたどり着いた。
様々な障害物と、道中シェルターから出てきた民間人や残存兵を拾っており。
数十人の生存者を救うことができた。
鍋島などの面々も生きており、特に鍋島はやりきったのか煙草を吸っている。
宮本幸雄「全方位のシェルター回ったか?」
鍋島計胤「各隊や他の決死救助隊も調査した、ダメなのもあったが大体生きていた。ただ・・・・」
宮本幸雄「ただ?なんだ?」
鍋島計胤「避難民の数が少ない、もっと入るはずだが・・・・・」
宮本幸雄「やっぱりな、俺も違和感を感じていたんだ。鍋・・・・原因は分かるのか?何故避難民の数が少ないのか?」
鍋島計胤「俺の予測では異星人艦隊が攻めてくると信じない人が多いと思っている、日本人は危機的な事に関しては軽視する傾向がある。二つ目は、避難シェルターの距離が遠い事だな。」
宮本も鍋島と同じように煙草を吸いながら意見交換する。
最初は二人だけだが、他の隊や警察や消防などの救助隊の参加指揮官も加わる。
どれも言う事は避難民が少ないなどであった。
更には巨人達の事に関しても・・・
巨人に関しては様々な意見が出たが、どれも自分達がどうしようも出来ない案件であり。
もう触れない事で一致した。
そして
3日後。
宮本幸雄「友軍と連絡ついたんですか?」
一条幸隆「あぁ現在SDF-1マクロスを初めて、各方面軍司令部と戦災を逃れたエルメンドルフ基地.ミッドウェー基地.硫黄島基地.南鳥島基地.父島基地.南極大陸など、各地の基地とコンタクトを取れた。」
熊本基地.司令官代理.一条幸隆.中佐
鍋島計胤「おぉ。」
一条幸隆「我が基地はここを維持し、東京の極東・太平洋方面軍司令部と同様に機能している佐世保基地の指揮の元現状を維持しろとの事だ。あと更にだが、共有情報によると・・・・・」
熊本基地は世界各地に残存している地球統合軍残存部隊と連絡がついた。
各地で共有された情報によると、敵はゼントラーディ軍。
ボドル基幹艦隊決戦後、地球へ落着した残留軍であり。
現在交戦中、各地の統合軍は戦闘状態に入っていると・・・・
更に友軍のゼントラーディ部隊もいるとの事。
そして敵と遭遇した場合は応戦しろと・・・・・
「ゼントラーディ軍だって?」
「巨人と戦闘状態って戦える状況じゃないぜ、外は地獄なのに。」
それを聞いた将校達はざわざわする。
戦闘状態・・・・・戦える状況じゃないと・・・・・・
熊本基地は地下施設は生き残ったが・・・・・
戦力の大半を失った・・・・・
今の戦力は・・・・・
◆熊本基地にいる戦力
人員
・陸軍兵士.230名
・海軍兵士.12名
・空軍兵士.7名
・海兵隊員.28名
・警官.56名
武装
・デストロイド・シャイアン.2機
・90式戦車.3両
・73式大型トラック.20両
・9mm拳銃
・M9
・9.65mm拳銃
・64式小銃
・89式小銃
・M16
・M4カービン
まともに戦える状態ではない。
日本人の兵士を初めて、アメリカ人.イギリス人.インド人.ドイツ人などの兵士がいて・・・・
まだ統合して間もないからか、価値観が纏まらず荒れるが・・・・
この時は珍しく意見は一致する。
「レフテナント・カーネル・イチジョーの考えは?」
一条幸隆「我々にはまともな戦力はない、敵に襲われたら一溜りもない。」
「なっ・・・・・・・」
海兵隊の代表の少佐は一条中佐に意見を求めるが・・・・
帰ってきた答えはまともに戦えないと・・・・
この場はざわつく。
一条幸隆「ともかく、各員は地下の栽培施設と・・・空気浄化システム.水浄化システムの維持に専念するように解散。」
ざわつく中で、一条中佐は基地内で機能している各システムを維持するように言って解散。
将校達は納得言わない顔でこの場を去った。
鍋島計胤「あほ中佐、考えはないのかよ。打開策。」
宮本幸雄「ないだろう、あれでは・・・この状況でどうする事も出来ない。俺も中佐の立場ならあぁ言うさ。」
鍋島計胤「だけどよ。」
宮本も不満に思ってたが、正直・・・・・もうどうする事は出来ないと知っていた。
もう既に今のこの状態、いやマクロスが落下した時から・・・
いつかはあぁなると・・・・・
その後、宮本は基地を維持しながらなんとか終戦まで生き残った。
新統合軍に引き続き参加し、陸軍大佐に昇進し退役。
この時の地上戦における、いつ襲われるかの緊張感に関する話は後に本として出し。
ベストセラーになる。
この本の中身に関しては、皆様の想像にお任せします。
時は遡り・・・・
【佐世保基地地下.潜水艦施設】
地上との出入り口を解放し、九州で唯一まともな基地.佐世保。
統合戦争時に建築され、地上はやられても核兵器や隕石でも耐えれる程の強度がある。
その地下施設の潜水艦ドックは自衛隊やアメリカ軍から引き継いだ潜水艦や・・・
最新鋭の潜水艦が待機している。
「バージニア、テキサス、ハワイ出港します。」
「目標、五島列島。攻撃目標ゼントラーディ残留部隊の集結ポイント。」
その中からバージニア級原子力潜水艦3隻が出港する。
目標は五島列島のゼントラーディ残留部隊の集結ポイント。
九州に展開する統合軍部隊を援護するのが、目的だ・・・・
「上手くいきますか?司令?」
「上手くいってもらわねば困る、戦後の我々の利権としてな。」
「はぁ。」
だが
司令官的には何か別の考えがあるようである。
その内容とは・・・・・・・・・・・
「ここで我々が成果あげなければ、宇宙軍の連中が調子に乗る。それだけは・・・・」
宇宙軍に対して・・・・
今成果あげないと戦後復興に最優先に回されるのは宇宙軍である。
今回の大戦でわかった事は主役が宇宙。
海兵隊はまだしも、陸海空の三軍は明らかに冷遇される。
宇宙軍嫌いの佐世保潜水艦隊の司令官はそれが気に入らない。
そうならないように、潜水艦隊を利用し海軍が役に立つ事を証明したいと考えていた。
潜水艦隊は佐世保基地を出港、艦隊司令は艦隊に希望を託すかのようにニヤけ・・・
パイプ煙草を吸いながら艦隊の姿を見続ける。
【主人公】

宮本幸雄
【所属】
地球統合陸軍
新統合陸軍
【階級】
大尉
【性別】
男性
【種族】
地球人
【生年】
1977年
【出身】
日本国千葉県松戸市
【解説】
地球統合軍極東・太平洋方面軍九州.熊本地下広域基地所属
(地上は旧.陸上自衛隊熊本駐屯地から引き継いでいる。)
マクロス落下前は陸上自衛隊に所属する自衛官である。
統合戦争に従軍し、日本国として最後の極秘作戦に従事し成功させている。
既婚者であり、家族は月面に移住している。(単身赴任)
戦後も生きているが、その詳細は後の物語で語られる。