ズドドドドドド ズドドドドドドド ズドドドドド
桐原中尉「くそ敵さんめしつこ過ぎる!」
ゼントラーディ軍はマクロスに対し執拗な追撃を開始した。
毎日連続した戦闘で多数の死者を出していた。
だが毎日のように出現する敵はある程度したら撤退する事を繰り返していた。
イェル「貰ったよ!」
ズドォォォン
イェルがリガードを機銃でうち火達磨にさせる、火達磨になったリガードは真っ直ぐ下に落ちて爆発する。
桐原やウォルター.イェルの3人のノンバリケン小隊はスカル隊と共に善戦している部隊だが。
戦況を好転させるほどの力にはなっていない。
どんなエースでも大きな力と大きな力との戦闘の前では無力。
それに抗うには自分達の部隊以外の連中と上手く協力して戦う事である。
戦争はそう単純じゃない、戦争は想定外のつき物のアブノーマルな世界である。
常識で想定外だらけのアブノーマルの世界に抗うのは難しい。
己もアブノーマルにならなきゃ、生きてはいけない。
キィィィィィィィィン
そんなアブノーマルの世界から帰ってきた桐原たちノンバリケン小隊。
彼らは既にいつもどおりの日常だと考え気にしなくなった。
そしてマクロスは火星軌道上に辿り着く。
すると火星サラ基地に謎の信号を確認。
ただちに偵察としてキャッツアイ207番機を出撃させた。
「こちらキャッツアイ207番機、基地周辺に異常なし。クリア。」
偵察機はそのまま飛び立つ。
だがその様子を除く物がいた。
ゲラオ「スカウトリガート、ゲラオよりカムジン隊長へ。偵察機がそちらへ向かいました。」
大地の裂けめにグラージとリガートの大部隊がひかえているが、偵察機は気づかずに上空を通過してゆく。
その中にいたのはカムジンである、ブリタイが呼びだしたマクロスへの刺客である。
その後偵察機の後にマクロスがサラ基地に降下してくる。
ゲラオ「敵艦降下中。着地。着地しましたが、重力機雷が有効範囲からはずれています。」
カムジン「慌てるな。そのうち敵は基地に近づく。そうすれば重力機雷の作動エリアに入る。それで二度と飛びたてなくなるはずだ。 じっくりとやれ、じっくりとな・・・・」
カムジンの悪意に気がつかないマクロスは火星サラ基地に降下し物資の搬送を開始した。
桐原中尉「基地周辺異常なし。車両の護衛にあたります。」
桐原の部隊も護衛の任務に就く。
補給物資を受け取るまでの辛抱である。
ディー軍曹「中尉殿、お久しぶりです。」
桐原中尉「久しぶりだなヴァーミル軍曹。」
以前会った事のあるディーだ。
相棒であるマリアも健在であり、共に活動していた。
桐原中尉「お前も見ないうちにパイロット乗りの面だな。」
ディー軍曹「以前言った覚悟の通りですよ、いつまでも弱弱しいオペレーター娘ではありませんよ。」
ディーはマリアと共に何度も戦闘を経験し成長してきた。
以前見た弱弱しいオペレーターであったが今では何処にでもいるベテランパイロットに近い面になっていた。
ディー軍曹「それより三浦少尉との関係はどうですか?」
桐原中尉「三浦少尉との関係って?」
ディー軍曹「とぼけちゃって、今噂ですよ。」
今女性兵士の間では桐原と佐枝子との関係が噂になっていた。
事実、桐原と佐枝子は友人以上恋人未満のように仲がいいため、恋愛に飢えている女性兵士では噂にされるのは当然である。
桐原と佐枝子は恋人関係と肯定する意思がないのにも関わらずだが・・・・・・・
ディー軍曹「まぁ今後の進展に期待しますね、失礼~
」
桐原中尉「お.おい待て!!」
ディーは別のエリアの警護のため行ってしまった。
桐原は今の話で自分が噂の種になっている事を知ってしまった。
だが・・・・・・・・・・
カムジン「まだか!」
ゲラオ「はっ。カムジン隊長、重力機動効果最大です。獲物は罠にかかり釘づけです。
」
カムジン「よおし、野郎ども! 攻撃開始だ!」
カムジンの部隊が一斉に飛び出してきた。
これにより空がゼントラーディ軍の戦闘ポッドで埋め尽くされた。
その数は1000機、これは地球で言う一つの地域をカバーできるほどの大戦力である。
ウォルター「隊長・・・・・・」
桐原中尉「くそ数がいつもより多い・・・・・・・・行くぞ!」
ググググググ
桐原中尉「なんだ!?」
重力機雷が発動しマクロスを抑え込む。
バルキリー部隊も一瞬フラッとするが慣れると機首を戻す。
桐原たちは地上へ降下し地上戦に備える事にした。
ズドドドドドド ズドドドドドドドド ズドドドドドドドドドド
桐原中尉「キリがない・・・・・」
桐原達は建物の影に隠れながら銃撃戦を開始する。
上空からの攻撃は別の部隊に任せればいい。
はぐれないように小隊を一か所に集結させる。
イェル「いいんですか?飛行隊長命令に従わなくて?」
桐原中尉「上からの命令重視では戦場では死ぬぞ、細かい戦場は小隊長である俺で判断しお前らに指示しないといけないんだ。」
ズドドドドドド ズドドドドドドドド ズドドドドドドドドドド
ビュビュビュビュ ビュビュ シュババババババーン ビュビュ
バルキリー・デストロイド両隊は1000機を越すゼントラーディ軍の前に苦戦を強いられていた。
バトロイドに変形していたバルキリー部隊は怯えるかのように建物の影に隠れて必死の抵抗をする。
が・・・圧倒的兵力の前に犠牲者が増えていく。
カムジン「ははあ、どんどんかかってこい!」
カムジンは襲撃してくるゼントラーディ軍の兵士の中では強力な存在であり、白兵戦の構えを取ったバルキリー部隊とデストロイド部隊を次々に破壊していく。
その姿はまるで鬼神。
「くそ・・・・・・化け物め・・・・」
バトロイド形態でカムジンのリガードに攻撃を仕掛ける2機のバルキリー。
だがカムジンはそこらのゼントラーディ人とは違う・・・・・・
ズシュゥゥゥゥ
「おわっ!?」
カムジン「おせぇんだよ!!」
カムジンは2機のバルキリーが潜む物陰に入りこんだ。
とっさに迎撃しようとするがカムジンが乗るグラージの大口径インパクトキャノンに同時に撃ち込まれ乗っていたパイロットの命の日を消す。
そして戦闘から10分経ちグローバル艦長はある奇策を思いつく。
それはサラ基地の地中深くに設置された反応炉を暴走させ、重力制御から脱出すると同時にそこら辺にいる敵の大軍を全滅に近いほどの損害を与えようというのだ。
当然、味方部隊を巻き込むことはできない。
『反応剤注入過剰。危険です、危険です。保安システム、オールレッド。反応炉は暴走をはじめました。爆発臨界まで、あと15分です。総員待避、総員待避。 まもなく基地は自爆します。』
とうとうサラ基地の反応炉が暴走し始めた。
味方を巻き込まないように全部隊にアナウンスで伝える。
「総員、ダイダロスへ撤退しろ!爆発に巻き込まれるぞ!バルキリー隊援護を頼む。」
ロイ「任せろ!」
上昇の出来ないデストロイド部隊が後退を開始する。
バルキリー部隊は上空と地上の二面からデストロイド部隊を支援する。
ウォルター「隊長、上手く退避する事はできますかね?」
桐原中尉「陸軍と海兵隊の連中だ上手くやる、地球まで近いのにここで死んだら洒落になんねぇだろ。」
ウォルター「それもそうですな。」
桐原とイェルとウォルターは3機で固まりゼントラーディ軍を迎撃する。
その後、ディーとマリアなどの女性兵士と合流し、防御性を高めた。
マリア「もうきりがないですよ。」
ディー軍曹「撤退命令はまだなの?」
地球統合軍側はどんどん後ろへ後ろへと後退する。
デストロイド部隊は既に完全撤収しており、残るはバルキリー部隊のみである。
『総員、まもなく臨界点突破自爆します。総員退避せよ!』
とうとう全バルキリーパイロットが待ち望んできたアナウンスが出た。
これで戦闘は終了するともしくは助かったと・・・・
桐原中尉「全機、上昇しろ巻き込まれるぞ!」
ウォルター「2了解」
イェル「3了解。」
ノンバリケン小隊は桐原の指示で他の部隊と共に上昇する。
「逃げるのか!?待ちやがれ!!」
1機のリガードが上昇してきた。
イェル「こいつ死ぬつもりか!?ここは・・・・・・・」
シュバーン
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ」
イェルのミサイル攻撃で追撃してきたリガードは爆散する。
桐原中尉「安全圏離脱・・・・・・・・・時間だ・・・・・・・・・・・・・」
ズドォォォォォォン
火星サラ基地は反応炉の暴走で自爆した。
自爆によりマクロスの重力制御から解放され浮上し離脱、ゼントラーディ軍部隊は自爆に巻き込まれ大被害を被った。
幸いノンバリケン小隊は自爆に巻き込まれずに全機生還、サラ基地に最後までいた早瀬未沙も一条輝により救出に成功した。
その後、サラ基地は2013年に再編されるまで放置される事になる。
マクロスは地球へ向かう我らの故郷へ。