西暦2011年10月31日
第1次星間大戦が終わって2年目のハロウィン、去年のハロウィンは大戦で亡くなった人々の冥福を祈る事もあって自粛された。
戦争の傷跡は世界各地で残り、ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊から生き残った人々はたくましく生きていた。
そして2011年に入ると自粛していたイベントも再会され、初の星間混成児であるコミリア・マリア・ファリーナ・ジーナスも生まれ新たな時代の幕開けが予感されていた。
ただ.ゼントラーディ人の暴動が相次ぎ、新たな戦乱の時代の幕開けも予感される事になる。
そんな時代の中の片隅の中でのハロウィンに関する話である。
【西暦2011年10月31日マクロスシティ】
この日のハロウィンは雪が降っていた、アラスカにあるマクロスシティはものすごく寒い。
多くの兵士達が休憩室の前にある電子ストーブの前で集まるほどである。
基地の周りを警備している兵士は全身をコートで多い、アサルトライフルを携帯しながら警備している。
長時間的にも生死の問題になるため交代制である。
桐原中尉「今日のフライトは中止か・・・・・・」
新統合軍第2戦闘航空団SVF-88隊員.桐原茂人中尉
残念そうに語る桐原中尉。
第1次星間大戦を生き抜いたエースパイロットの一人である。
デワントン「別にいいじゃないの、寒いし。このような寒さは製造(誕生)されて以降味わった事はないわ~」
新統合軍第2戦闘航空団SVF-88隊員.デワントン・フィアロ少尉
と寒がりながら震えるゼントラーディ人女性(メルトラン)のデワントン・フィアロ。
2人が所属する第2防空航空基地や第1防空航空基地では吹雪のため、飛行禁止命令が出ている。
今日はマクシミリアン・ジーナス中尉とミリア・ファリーナ・ジーナス少尉らラブバードと演習の予定である。
だが、先ほどの飛行禁止命令により実現できていない・・・・・・・・
二人は残念がっていた、二人は他の隊員と共に多少寒い部屋で暇なデスクの仕事をしていた。
マックス「中尉ちょっといいですか?」
新統合軍ラブバード隊.マクシミリアン・ジーナス.中尉
今日演習する予定であったマックスだ。
マックスとミリアの夫婦は一応、この基地に用があるので駐留していた。
愛娘であるコミリアは非番である万年中尉と自称するエマ・グレンジャーに預けられている。
桐原中尉「マックス何のようだ?」
桐原はマックスに返事する。
桐原の手はカチカチと資料造りに励んでいる。
彼はバルキリーマニアではあるが、デスクの仕事をきちんとこなす。
マックス「仕事終わりに今日のハロウィンパーティーに参加しませんか?」
桐原中尉「ハロウィン?」
桐原はすっかり今日ハロウィンの存在を忘れていた。
今日は寒いし行きたくないや、デワと二人でいればいい。
そう考えていた桐原だが・・・・・・・
デワントン「ぜひ行きます、ジーナス中尉。」
目をキラキラさせながら、マックスの方を見る。
デワントンにとって人生最初のハロウィンである。
というよりゼントラーディ人全体では人生初めてのハロウィンである。
デワントン「茂人行こ行こ。」
まるで子供のようにはしゃぐデワントン。
当然である人生の初めての経験であるから。
ミリア「はしゃいでいるなデワントン。」
デワントン「ミリア1級空士長。」
デワントンの元上官ミリア・ファリーナ・ジーナス。
マクシミリアン・ジーナスの妻で、初の星間混成児コミリアの母である。
ゼントラーディ軍時代はエースのミリアと言われるエースであり、その名声を欲しいままにしていた。
マクシミリアン・ジーナスの敗北後、プライド故にマイクローンスパイとなりSDF-1マクロスに潜入する。
その際に輸送したのがデワントン本人であり、この時全方位バリアーに巻き込まれかけたが桐原に助けられるのである。
ミリア「このパーティは必ず参加だ、デワントンもマイクローンとしての文化を学ばせないといけないからな。」
絶対に参加。
このパターンか・・・・・・
ミリアは部下思いであり、部下が幸せに生活しているか態々手紙を出すほどである。
近くで済んでいるデワントンとはよく交流がある。
桐原中尉「・・・・・・」
デワントンはハロウィンパーティが楽しみなようであり。
楽しみのあまり、資料造りをするのをやめて幸せそうな顔でポカーンとしている。
桐原中尉「まぁいいか、デワも楽しめる事だし。」
桐原はデワと共にハロウィンパーティに行く事を決める。
正装に着替えた桐原とデワントンはマクシミリアン・ジーナスの官舎へ行く。
桐原の家のサイズとはほとんど変わらないが、かなりの人数の人たちが集まっている。
その中で桐原が一番注目したのは・・・・・・・・・
桐原中尉「なんだこのお化けカボチャ!?」
桐原は目の前にあるジャコランタンの姿を見て驚く。
人の頭を被せられる程の大きさのカボチャ、そして何か意図的に大きな穴が空いている。
誰が製作したんだ?
デワントンは好奇の目でジャコランタンを眺める。
ちなみにこのカボチャはASS-1のOTMの力で進化したカボチャである。
まだ名前は付けられていない。
カボチャを眺めていると一人の若い士官が近づいてくる。
新統合軍の制帽を被りながら見た目も若い、凛々しい青年士官である。
滝田中尉「よぉ桐原先輩にデワントン少尉。」
新統合軍SVF-13ブランジャーズ.滝田英史.中尉
桐原中尉「滝田じゃないか、お前も来ていたのか?」
戦場のギャンブラー.滝田英史.
まるでギャンブラーのように、自身も死ぬ可能性が高まる可能性と引き換えに多大な戦果を得たパイロットである。
デワントン「中尉も呼ばれたんですか?」
滝田中尉「もちろん、まぁジョニーカールも来ているんだけどな。」
どうやらこのハロウィンパーティに誘われたのはSDF-1マクロスの面々やマクロスシティに所在のミリアの部下やマックスの縁戚などである。
ジョニー・ギルバートやカール・レーガーなどの大戦の英雄も当然その場にいる。
桐原中尉「そう言えば早瀬少佐と一条大尉の姿がいないな?」
デワントン「確かにいないわね。」
肝心の早瀬未沙と一条輝がいない。
二人は当然二人も来ると思っていた。
滝田中尉「早瀬少佐と一条大尉ならばマクロスシティのレストランに食事に行っていますよ。」
当の二人は夜景の綺麗なレストランで食事をしていた。
なのでマックス主催のハロウィンパーティには来ていない。
まぁあの二人なら分かる、桐原は納得した。
そしてハロウィンパーティが始まる。
近所の子供たちがいろんな妖怪のコスプレをしながらお菓子ももらいにいく。
桐原とデワントンは持参してきたカボチャ飴を子供たちに渡す。
そして、女性士官たちが作った料理を囲み酒を飲んだり食べたりと楽しくやっていた。
しかし、まさかあの事件が起こるとは思いもよらなかった。
キム「そりゅあ~
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
」
新統合軍キム・キャビロフ中尉
カポッ
酔ったキムが桐原の頭にジャコランタンを被せる。
桐原は何するんじゃ!と怒鳴った、キムはふらふらしながら何処かへ行く。
まぁ悪ふざけ程度だとこの時は思った。
桐原中尉「あの野郎~」
デワントン「でもその格好の茂人かわいいわよ。」
桐原中尉「そうかな?」
デワントンの言葉に桐原は照れる。
そしてジャコランランを頭から取り外そうと持ち上げるが・・・・・・
桐原中尉「抜けない・・・・・」
デワントン「えっ・・・・・・・」
滝田中尉「まじっすか!?マックス手伝え!」
マックス「分かりました。」
マックスと滝田は桐原の頭からジャコランタンを取り外そうとするが・・・・
取り外せない、むしろ桐原が痛い痛いと悲鳴をあげる。
一同はとんでもない事態に発展した事を理解する。
カール「ぬぎぃぃぃぃ抜けん、俺のパワーでも無理だぜ。」
新統合軍カール・レーガー大尉
桐原中尉「痛いって、やめろ力任せにやるな!もう二度とやるな。」
デワントン「どうするのよこれ・・・」
アメリカ空軍出身のカール・レーガーでも抜けない。
力任せにやろうとしても、桐原は悲鳴を上げるばかり。
デワントンも抜けないジャコランタンについて悩む。
エマ「キム!」
新統合軍オペレーター.エマ・グレンジャー大尉
エマはキムを睨む。
キム「まさか、抜けないとは思ってもいなくて・・・・」
キムは酔いが覚める。
思いも寄らない事態に顔色を悪くする。
キム「ねぇマックス何か手はない?」
マックス「う~ん。」
キムはマックスに桐原からジャコランタンを外すための考えをマックスに求めるが。
流石に天才マックスでもお預けである。
するとぽかーんと見ていたミリアのある一言が悲劇を生む事になる。
ミリア「破壊したらどうだ?」
マックス「それだ!」
桐原中尉「えぇぇぇ!?」
ジャコランタンを破壊する事である。
このカボチャは通常のジャコランタンに使うカボチャより耐久性は低い。
棒で叩けば割れる事が可能である。
桐原中尉「冗談じゃない、完全に割れて棒が俺の頭に命中したらどうすんだよ?」
ミリア「大丈夫だ、私の副官のオット(夫)になる男だ。もし簡単にくたばるようでは私の副官にはふさわしくない。」
桐原中尉「そんな問題じゃねぇ。」
桐原は突っ込む。
するとミリアが近くにあった棒を取る。
なぜかおいてあったスイカ割り用の棒である。
桐原中尉「やめろ!エースのミリアが棒で叩いたら死ぬって!」
シャミー「中尉覚悟を決めないとまずいですよ。」
新統合軍シャミー・ミリオム中尉
ミリアはいつでも戦闘態勢を取ろうとする。
もしミリアが加減を忘れてストレートに割ったら桐原の頭ごと割れて死ぬ至る可能性が高い。
桐原中尉「だから棒ではなくゆっくり外せば・・・それよりミリアはやめろ!!」
ミリア「私では不満なのか?」
桐原中尉「マックス、お前も説得してくれ!」
マックス「いや僕はミリアが楽しければ・・・・・・
この色メガネが・・・・・・
桐原はマックスのミリアのバカップル系夫婦に呆れる。
なんとしてもこの危機的状況から脱しないといけない。
その時であった・・・・
デワントン「代わりましょうか?ミリア1級空士長。」
ミリア「お前がやるのか?」
デワントンはミリアから棒を受け取る。
すると表情が一瞬で変わった。
その目はいつもの優しいデワントンではなく、目標を狙う戦士の目に代わる。
ゼントラーディの闘争本能が完全に殺る気の顔だ・・・・
桐原中尉「やめろデワ、そんな某で叩かなくてもゆっくり取り外せば・・・・・」
桐原は必死にデワントンを止めようする。
しかし・・・・デワントンは既に桐原の声が届かず棒を持ち上げ・・・・・・・・
そのまま・・・・・・
デワントン「えい!!」
桐原中尉「デワ寄せぇぇぇぇぇぇぇ」
振り落とした・・・・・・・・
ヒュッ パコーン
コン~☆
ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ
デワントンが振り上げたスイカ割り用の某は思いっきり、ジャコランタンに命中した。
その結果ジャコランタンは割れたが、桐原の頭まで命中したためバタと桐原はそのまま地面に倒れ気絶した。
頭にはデカイたんこぶができる。
デワントンは桐原を必死に介抱するが、桐原は気絶から回復しない。
いたずらをしたキム.シャミーは自らの過ちに気がつき、町崎にやればよかったと反省した。
その様子を見ていたエマは呆れ、ヴァネッサは他人のふりをする。
ミリアはデワントンがジャコランランの破壊に感動し自らもやろうとするがマックスと滝田に止められる。
今年のハロウィンは桐原の災難な結果で幕を閉じた。