【西暦2072年】
ミレーヌは娘ミラーンと共に家の掃除をしていた。
アルテミスとガムリンは仕事、アメリアは遠い場所へ任務に行っていた為・・・
非番であったミラーンと共に掃除をする羽目になった。
掃除をしていく中でミラーンがある物を見つけた。
ミラーン「可愛い。これママの赤ちゃん時代。」
ミレーヌ「結構恥ずかしいけどね。」
ミラーン「おじいちゃんとおばあちゃん、おばはん達も若い。」
ミレーヌ「おばさん達でしょ、ミラーン。」
それはミレーヌが生れた時のアルバムであった。
マックスとミリアがガムリンと結婚するミレーヌに渡した物である。
ミレーヌは娘ミラーンとちゃかしながらやりとりしながらアルバムを見る。
私が生まれた40年前の出来事を想像しながら・・・・
【2030年12月2日】
ミリアが産休になった。
二人で最後と決めた子供が生まれる予兆、妊娠になったから。
VF-X-11の開発テストやアグレッサーの仕事はある程度終わっており・・・
産休に入っても大丈夫な状態になった。
だが・・・・
ミリアはある事をした。
マックス「なんだミリア、その髪は・・・・・・」
ミリア「短くしたのよ、流石に子供の前で私と同じ姿のメルトランがいたら混乱すると思って・・・・」
マックス「そんなのは大丈夫だったのに・・・何故・・・・」
ミリア「とにかくいいでしょ、それにイメチェンだと思えばいいし。」
それは製造されてからずっと大切にしていた緑のロングヘアーの髪を切った事。
ミリアのトレードマークであり、マックスが昔から見てきた姿のままであった。
その大事な緑の長い髪をボブカットに整えながら切った。
そのミリアの行動にマックスは驚きを隠せなかった。
ミリア「マックス、私は内心ゼントラーディ軍時代のままの私の姿を娘達に見せたくなかった。血で汚れた私の姿を・・・だけど自分らしさを失ってしまうかのようで・・・・でもせめてこれから生まれる子供だけでも・・・やっぱりダメだったかな・・・・」
ミリアは髪を切った理由をマックスに話す。
理由はゼントラーディ軍時代の血で汚れた姿の自分を見せたくなかった事・・・・
ゼントラーディ軍時代・・・多くの監察軍を殺し・・・マックスの戦友を殺してきた。
更にダンシング・スカル隊でも数多くの人間を殺してきた。
そんな血で汚れた自分を子供達に見せたくなかった。
でも
容姿を変える抵抗感もあり中々決心がつかなかった。
だけど、もう七人目の子供を産む所まで来てしまった。
せめて
この生まれてくる娘のためにも・・・
自分の汚れた姿を見せたくなかった。
マックス「ミリア・・・どんなに君が血で汚れようと君は君じゃないか、僕だって汚れているし・・・別に気にする事はないんじゃないかな?」
ミリア「でも・・・・・」
マックス「髪を切ったのは驚いたけど、そんなミリアも僕は好きだよ。別に暗い理由ではなく、明るい理由で・・・汚れた経歴でも堂々としている方がミリアらしくていいよ。」
ミリア「マックス・・・・・・」
でも
マックスからいろんなとアドバイスされる。
どんなに戦いの血で汚れていてもミリアはミリアであり・・・・
その汚れの中に美しいミリアがいる。
それに髪を切る理由は暗い方向ではなく、明るい方向へ・・・
今後髪を切る時は暗い理由ではなく・・・
もっと前向きな理由の方がいいとマックスは教える。
ミリアはマックスの言葉を聞いて、今後髪を切る理由は・・・
もっと明るい理由にしようと思うようになった。
それからしばらく
【西暦2031年2月2日】
エータカリーナ星雲近傍航行中のウラガ級宇宙空母レッドムーン艦内にて・・・
ようやく七人目のジーナス姉妹であるミレーヌ・フレア・ジーナスが生れた。
ジーナス姉妹の七人目であり、末っ子。
外地にいて来られなかったモアラミアを除き、家族全員で写真撮影を行う。
そしてミリアとマックスの二人だけになると・・・
マックス「名前はミレーヌ・・・僕の好きなミレーヌ・ファルメールのような素敵な女性になってほしいと込めてたのが理由だね。」
ミリア「ミレーヌねぇ、中々いい名前じゃない。」
マックス「ありがとうミリア、行政局に行って戸籍登録してくるよ。」
二人はミレーヌと命名した。
由来はフランスの歌手でマックスが若き日の時に好きだったミレーヌ・ファルメールから・・・
彼女のように立派な女性になって欲しいと願いを込めてつけられた。
ミリアも一瞬不機嫌な表情を浮かべるが・・・
マックスにとってのリン・ミンメイのようなものと判断し許可をする。
ミリア「マックス、ミレーヌのミドルネームは?」
マックス「フレアだよ。」
ミリア「フレア?まさかミドルネームに軍事用語を入れるつもり?」
マックス「違うよ、太陽の事だって。」
いろいろと混乱があったが、無事ミレーヌ・フレア・ジーナスと登録完了する。
愛称はフレアであるが、姉妹同士しか使われず・・
マックスとミリアを中心にミレーヌと周りから言われている。
モアラミア「お久しぶり、パパ ママ。七人目の妹誕生日おめでとう。」
ミリア「久しぶりね、モア。ミレーヌ見る?」
モアラミア「勿論、新しい家族の姿見たいわよ。ってママ変わったね。」
ミリア「そう?」
ミレーヌが生まれてから数週間、モアラミアが帰ってきた。
目的は新たな家族ミレーヌを見る為であった。
2018年に捕まって養女になって以降、様々な妹を見てきたが・・・・
また新たにミレーヌが生まれてきた。
モアラミアはゲス顔しながら、更に生まれそうと期待する。
モアラミア「結構、軽いんだね。」
マックス「赤ん坊だからさ、一般的な人間よりも圧倒的に重さは小さいんだ。」
モアラミア「なるほど、私もほしいなぁ赤ちゃん。」
ミレーヌを興味津々にモアラミアは見る。
新たな家族であり、自分にとって新たな義妹・・・・・
それに圧倒的に歳下。
モアラミアと比べたら年齢の若いお母さんみたい。
マックスとミリアは笑顔でその光景を見ると・・・・・
コミリアを産んだ時はまだ十代だったので、自分達も同じであり・・
二人して顔を赤くする。
モアラミア「フレアって可愛いわね、この娘バルキリーに乗れるかなぁ。」
ミリア「勿論よ、なんたって私達の娘よ。絶対乗れるはずだわ。」
モアラミア「そうかぁ、将来楽しみだね。」
モアラミアはマックスとミリアとの会話を楽しみ。
その日の22時に自分が通い始めた大学の寮へと帰って行く・・・・
二人はモアラミアにも幸せな恋が見つけ、結婚できる事を祈った。
翌日
ミレーヌを連れて教会へ行った。
ジーナス家はキリスト教の教徒であり、マックスは熱心な信者であった。
亡くなった戦友(柿崎速雄など)を見たら必ず祈りを捧げる癖がある程。
教会へ行くとミレーヌの洗礼の儀式を行った。
マックス「一通りミレーヌの誕生の際に必要な事はしたなぁ。」
ミレーヌ「お疲れ様マックス、でもミレーヌが熱心のキリスト教の信者になるのかしらねぇ。」
マックス「マリアを始め娘達はキリスト教の洗礼を行い信者になったけど、熱心に信仰している様子は見たことないなぁ。」
ジーナス家の娘達はキリスト教の信者であるも・・・・
熱心にキリスト教を信仰している事は無かった。
ミリアの疑問の通り、ミレーヌは教会に殆ど行く事もなければ祈りを捧げる事はなかった。
その後、ミレーヌはすくすくと過ごし後の大きな歴史の出来事へと突き進む事になる。
リメンバーラヴ.愛おぼえていますか
【西暦2031年】
第1次星間大戦の物語をフィクションを大きく盛り込んだリメンバーラヴが公開された。
ゼントラーディ軍とメルトランディ軍が分かれて戦う設定は・・・・
一部のゼントラーディ人達に同胞で殺し合う設定はけしからんと・・・
大きな批判に曝されたが、だいたいは楽しく見れた。
この映画を切っ掛けに忘れかけていたリン・ミンメイが大ブレイクする事になる。
ミラクル「面白かったね、パパとママの役者のサイン入り色紙物凄く良かった。」
コミリア「ママはゼントラーディ人だし、同じ型の2世ゼントラーディ系地球人の女優だったから本当にママが映画に出ているみたいだったわ。」
モアラミア「映画とは言えパパとママが激しい戦いの末仲良くなるのは妬けちゃうわ」
ジーナス家十代後半以上組三人は映画館に並び映画を観賞した。
三人のジーナス姉妹の感想は上々、大満足。
三人は両親の出会いと戦争の詳細は知っており・・
映画を歴史的事実ではなくフィクションであると認識して楽しめた。
イチロー・板野の板野サーカスの乱舞。
実機の実写飛行映像とCGを上手く合成した胸熱の戦闘シーン。
そしてトライアングラー、三人の姉妹の心を満足させるには十分であった。
コミリア「それにしてもミューズとテレーズ、残念だったわね。一緒に行けなくて。」
ミラクル「それを言ったらエミリアやミランダだって。しょうがないわ。」
モアラミア「まぁエミリアとミランダはまだ幼児だから映画館で泣いたり騒いだりするから連れて行くのは無難だけどね。」
コミリア「確かにモアの言う通りだわ。」
他の姉妹はまだ幼いので連れていってない。
ミューズとテレーズはマックスと別の映画館で別の映画を見ている。
まぁそれぞれ見たいように見ればいいので、それでよし。
コミリア「あれ・・・あなた・・・」
ミレイヤ「なんです?」
女優ミレイヤ・ファリーナ
モアラミア「ママを演じたミレイヤ・ファリーナさんですよね。」
ミレイヤ「なんで分かるのよ~」
ミラクル「エット・プロトカルチャーの演技素晴らしかったです。」
映画館には意外な事も起こる。
希に演じた声優や俳優が映画館には一般観衆に紛れて観る事がある。
しかし
有名すぎるが故か騒ぎになるので身分を隠す。
しかし勘のいいジーナス姉妹が故にその有名女優であるミレイヤが見つかった。
ミレイヤ「サインあげるから大きな声を出さないでね。」
ミラクル「サンキューってお姉ちゃんは?へっ」
ライズ「勘弁してくれって。」
俳優ライズ・ジェナス
モアラミア「ミラ・・・パパ役発見。」
コミリア「結構パパに比べてへたれね。」
ジーナス姉妹、パパ役の俳優まで見つかる。
これで両親役揃い踏み・・・ジーナス姉妹の勘の良さ恐るべし。
二人は誰にもバレないようにするためのサインを書く。
ミレイヤ「じゃあねぇ君たち。」
ライズ「俺たちはここいらで失礼するよ。」
サインを書き終わった二人はこっそりその場から立ち去る。
コミリア達は有名俳優二人のサインを貰えて大満足であった。
しかし
モアラミアは何か疑うかのような目で見る。
モアラミア「二人・・・出来ている。」
コミリア「マジっ!?」
ミラクル「嘘でしょ、まさかパパとママの演じた人まで夫婦関係(予定)になるとは・・・・」
そして・・・・・
二人が出来ているとモアラミアは見抜く・・・・
コミリアとミラクルはまさかそんなはずはないと信じていたが・・・
その一年後の西暦2032年ミレーヌの1歳の誕生日パーティーの時・・・
『げっ・・・・』
『俳優ライズ・ジェナスさんと女優ミレイヤ・ファリーナさんが結婚しました・・・式の詳細は・・・』
ミリア「マックス・・・・彼ら・・・・」
マックス「僕達を演じていた俳優達だ・・・・・それにライズは僕の従兄弟の息子だ。」
コミリア「マジで!」
二人は出来ており、コミリア.ミラクルそして予感を感じていたモアラミアも驚愕。
マックスとミリアなんか・・・
手に持っているワイングラスが落ちそうになるほど手揺れている。
なんとも言えない出来事にジーナス家は静かな不味さを感じるのであった。
その後、ライズとミレイヤは子沢山になり・・・
更にジーナス家全一同に気まずさを植え付ける事になるのであった。