マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

高機動雷撃戦

2019-07-19 20:09:03 | マクロス短編
人類が初めて移民してから30年以上の年月が経過した。

スーパーノヴァ計画の完遂によりゼントラーディ軍基幹艦隊の危機が低下し・・・
ゼントラーディ軍に対する軍事的脅威は比較的に安定し・・・・
移民船団と移民惑星は比較的安全に過ごせるようになっていた。

しかし

第1次星間大戦におけるボドル基幹艦隊の壊滅により
他の基幹艦隊に合流できなかったゼントラーディ軍部隊が海賊化
4回の基幹艦隊撃退による合流できなかったゼントラーディ軍部隊も同様に
海賊化し・・・はぐれゼントラーディ軍が日常的猛威になった。

反統合勢力も同様に脅威になり・・・・
新統合軍全軍とPMC(民間軍事会社)と同盟国軍はその対処に追われていた。

この物語ははぐれゼントラーディ軍に対処したある艦隊の物語である。

【西暦2041年.惑星エデンⅡ.衛星ムーンⅡニューアポロ基地】

惑星エデンから5光年離れた惑星エデンⅡ.
惑星エデンと兄弟のような惑星であり、人類が住むのに適した惑星である。
入植はエデン入植から2年後であり、主な人口形態としてはゼントラーディ人が多い。

その惑星エデンⅡの防衛を担う月に似た衛星基地ニューアポロ基地

宇宙艦艇が多数在籍している・・・・

これらの艦隊を含む現地軍の指揮しているのが・・・・
惑星エデンのエデン軍司令部である。

草鹿成美「今日の惑星エデンⅡの宇宙は平穏なり・・・・
新統合宇宙軍草鹿成美大佐

この男の名は草鹿成美
ノーザンプトン級ステルスフリゲート.トラクスタンの艦長を務めている。  
それだけではない、第1独立雷撃戦隊の司令官であり・・・・

スピカ3事件でもかなり活躍した名艦長である。
有能な軍人であるが、少し変人ともあり周りから近寄りがたい印象があった。
とは言え、一応は人望があり・・・・

部下から信頼されている。

西中佐「司令、艦隊司令部より出航命令がありました。定時パトロールです。」
新統合宇宙軍西一博中佐

草鹿成美「うむ分かった、全艦出航命令を出せ・・・・いつも通りパトロールを行う。」

今日も定期パトロールの時間が来た。

当時の新統合軍の地球を含む各部隊は駆逐戦隊によるパトロールが行われており・・・・
ゼントラーディ軍やはぐれゼントラーディ軍、反統合勢力を警戒している。
この警戒態勢により、いつでも有事に対応できるような体制が整えられている。

草鹿のトラスクタンを旗艦にステルスフリゲート5隻、レーダーピケット艦1隻による・・・・
6隻による駆逐戦隊が編成されている。

もしもの場合に備えて、VF-16による3個小隊が艦隊にて待機している。

草鹿成美「全艦出航、本日も平穏である事を切に願う。」

草鹿戦隊はニューアポロ基地から出航した。
決められた防衛パトロールコースを巡回し帰還する流れになっている。

その後ろには別の4個戦隊が時間ごとに追いかけてくる形であり・・・・
常に敵の出現を見逃さないように対策が練られている。

草鹿成美「さて西君、今日は安全にパトロールできるかな?」

西中佐「分かりません、シャロン・アップル事件でかなり混乱が発生しています。今はなんとも言えない状態です。」

草鹿成美「なんとも言えない状態ね・・・・確かに言われてみればそうかもしれないな。」

とは言え・・・・
2041年は去年起きたシャロン・アップル事件で軍中枢が乗っ取られ・・・・
各自治軍に混乱が発生していた。

その影響の余波で、敵艦隊の襲来を許し・・・・
惑星トルメアの都市キルバ上空にて激しい空中戦を繰り広げ・・・
多数の死傷者を出している。
その事件はまだ可愛い方だ・・・・・

数年前のスピカ3の悲劇では数万の人々の命が失われている・・・・・
もうあんな悲劇を繰り返したくない。
大勢の人々の暮らしに戦争の魔の手を未然に防ぎたい・・・・
草鹿は軍人としての本来の責務としてその事を認識していた。

出航してから1時間が経った・・・・

中間地点に達し・・・・・折り返す時であった。

「司令、ピケット艦ドーバーより入電・・・・我・・・敵艦隊発見す、艦クラスはゼントラーディ軍スヴァール・サラン級3隻。以上。」

草鹿成美「ゼントラーディ軍3隻か・・・・・・厄介だな、オペレーターコース座標はあるか?」

「これに・・・・・」

草鹿成美「うむ。」

ピケット艦ドーバーからゼントラーディ軍艦隊を発見した報が入った。
艦はスヴァール・サラン級3隻であり、ある程度の脅威になる存在だった。

彼らはゼントラーディ軍基幹艦隊所属か、はぐれゼントラーディ軍のものか分からないが・・・・・

惑星エデンⅡからすれば国家安全保障上の脅威である。
もし放置すればエデンⅡの防衛線突破、物資の収奪か破壊・・・・
最悪基幹艦隊の来襲を招く可能性がある。

いくらVF-19やVF-21とVF-22の双子の兄弟が配備され始めたとは言え・・・
まだ配備が行き届いていない。

下手すればエデンⅡが焦土化する事になる。
それが起きたら悪夢だ!

そうならない為にも・・・・

草鹿成美「西君、対艦戦闘用意だ!敵を足止めする。」

西中佐「我々だけで?本隊に・・・・」

草鹿成美「無論するが、今報告しても脅威を見逃すだけだ!」

草鹿は対艦戦闘を決意。
ゼントラーディ軍艦隊に対し強襲を仕掛ける事を決意した。
あまりにも無謀ともいう草鹿の対艦戦闘に西や艦橋クルー・・・
のちに僚艦の艦長に驚かれるが・・・・

何か策がある・・・・と思うようになり指示に従うようにした。

一方・・・・・

「くそ、まだ合流できないのか?」

「ハッ・・・・基幹艦隊は見つからず・・・今はなんとも・・・・・」

「補給がないんだぞ、マイクローンに撃退されてから・・・・」

ゼントラーディ軍艦隊は敗残艦隊のはぐれゼントラーディ軍艦隊であった。
数年前のスピカ3の決戦で撃退され、敗走した部隊の一つであり・・・・
今までは各地で新統合軍と民間の補給基地を襲い物資を強奪していた。

彼らは他の基幹艦隊と合流を目指しているが・・・・
今だに合流の目途が立っておらず・・・・

むしろ、物資の強奪さえ困難になっていた。

「艦長、敵部隊接近数は9機・・・」

「9機だと?偵察か!!早く撃ち落とせ!!下等種族マイクローンに見つかるぞ!!」

「了解!!」

そんな時、彼らの前に9機の機影が見えた。
艦隊指揮官はこれを偵察機と判断・・・・・・
艦載機部隊を発進させようとしていた。

その9機とは・・・・・

穴吹大尉「奇襲攻撃の囮に俺たちね・・・・カタパルトの口が開くか・・・・・・各機・・・対艦ミサイルをカタパルトに向けて撃て!!!敵の主導権を少しでも減らすんだ!!あの変人大佐の奇想天外の戦略を成功させるためだ!!行け!!」
新統合宇宙軍穴吹清武大尉

穴吹清武率いる戦隊飛行隊である。
L.A.I社が開発した可変戦闘機VF-16ファルシオンを駆る最強部隊。
隊長の穴吹は白色電光戦闘穴吹二代目言われる程の最強のエース。

ゼントラーディ軍艦艇の艦載口を仕留め戦況を有利にする戦略を得意としている。

「ぐぁぁぁなんだ?」

「カタパルトにミサイルが撃ち込まれました、他の艦も同様・・・・」

「なんだと!?しょうがない生き残ったやつはどんどん出せ!!奴らに舐められてたまるか!!」

穴吹の戦術は見事成功・・・・
ゼントラーディ軍艦載機部隊が発艦する寸前であったが、その直後にミサイルが入り込み・・・・
一瞬にしてカタパルトを火の海と化する・・・・・・

敵対空射撃はあったが、穴吹以下・・・・は優秀であり・・・・
多少の被弾はあったが・・・・・損害は無である・・・・

「隊長、敵艦載機部隊出てきます。」

穴吹大尉「腐ってもゼントラーディ軍流石だな、全機に告げる・・・・敵部隊を排除しろ!!そろそろ来る!!草鹿大佐を信じろ!!」

『了解』

作戦は成功したとは言え艦載機全機発艦を阻止したわけではない。
彼らの倍はあるであろう戦力が穴吹達を襲う・・・・

どんどん集まっていき・・・・・穴吹達を追撃する!!

「わはははははどんどん追撃しろ!!下等なマイクローンどもを嬲り殺せ!!」

ゼントラーディ軍指揮官は笑いながら穴吹達を攻撃していた。
自分たちの勝利は確定的・・・・絶対勝利のはず・・・・・

そう考えており、どんどん部隊を送り追撃する・・・・・

西中佐「どんどん出ていきますね、まだですか?」

草鹿成美「もう少し待て!!」

敵の様子をピケット艦を通じて伺っていた草鹿はタイミングを待つ。
ピケット艦から送られる情報でどんどん敵艦載機が発進する・・・・

敵は相当自信家なのか、9機に対し十数機発進している・・・・・・

草鹿成美「そろそろだな・・・ピケット艦ドーバーは後詰、アリッシュ・ヤシマ・クウェート・アルバの僚艦は我に続け!!全艦出航!!最大全速!!」

西中佐「全艦発進!!最大全速!!」

敵がある程度発進した事を確認した草鹿は艦隊を動かす・・・・
艦隊は持てる力全てを出し、全速前進・・・・・

そのままゼントラーディ軍艦隊へ向けて進んでいく。

「艦長、敵艦5隻高速接近!!」

「慌てるな、敵は・・・・」

「かなりのスピード、間もなく来ます。」

「距離は?」

「それは・・・・至近距離です!」

「何!?」

ゼントラーディ軍艦隊は長距離レーダーを失っており・・・
まともな索敵機能は損なわれていた。
草鹿からすればなるべく近くまで接近し攻撃できればいいと思っていたが・・・・・・

長距離レーダーの機能が無であり、まともな対応ができておらず・・・・
至近距離までに草鹿の接近を許してしまった。

「ヤシマ被弾・・・・航行に支障なし。」

西中佐「危険ではありませんかやはり・・・・」

草鹿成美「いや大丈夫だ、まだいける。」

とは言え敵の艦砲撃にさらされる。
長時間居座ったら確実に全艦全滅してしまう結果になり非常に危険・・・・
草鹿はそれを承知でこの作戦を決行・・・・

結果的に僚艦ヤシマやクウェートが被弾・・・・
かなりのダメージを被る結果になる。

草鹿成美「全艦今だ!航宙魚雷をかませ!!」

西中佐「全艦へ告ぐ魚雷をかませ!!」

ダメージを受けたが、なんとか攻撃ポイントに到達し魚雷を発射した。
撃沈する前提ではなく、足止めする前提・・・・
魚雷は三艦当たるような配置で発射され・・・・・

3隻のスヴァール・サラン級に命中、被弾し撃沈はしなかったが・・・・
かなりの被害を受けた。

抵抗は続けるも、草鹿戦隊は損傷軽微な被弾を受け・・・射線軸から逃れる事に成功。
全艦は並列に並び・・・・・・・

草鹿成美「よし全速で離脱、バルキリー部隊と合流し時間稼ぎを行う。」

もう一度攻撃するのは危険であり・・・
下手すれば撃沈艦が増えてしまう。
いったん離脱し・・・・

バルキリー部隊と合流・・・・・本隊が到着するまでの時間稼ぎとする・・・・・

草鹿はそう考えていた。

「おのれマイクローンめ・・・・・機関は生きているだろうな。」

「もちろんです。」

「俺たちをなめたマイクローンを皆殺しにしてやる!!」

ゼントラーディ軍の指揮官は草鹿の行動に激怒していた。
いきなりやってきて嫌がらせのように雷撃・・・・

指揮官からすれば屈辱の何者でもなかった。

草加戦隊がある程度離れた頃、追撃を開始・・・・・
プライドを傷つけた報復を行おうとしていた。

【エデンⅡ第2機動艦隊】

草鹿戦隊からの報告を受けたエデンⅡ艦隊はゼントラーディ艦隊の拿捕を目指すべく・・・・
ウラガ級エデンを旗艦とした第2機動艦隊が発進した。

3隻のゼントラーディ艦隊を沈める事の出来る堂々とした布陣であり・・・・

見るものが攻撃しにくいような感じであった。

ジェームズ「あの変人め、足止めすると言ったなあの戦力で・・・・・」
新統合宇宙軍ジェームズ・マウントバッテン少将

ホーランド「奇想天外の草鹿ですよ、何をするか分からない男です。新米時代は普通だったらしく、艦を任されれば異端児レベルのやばい式を行うド変態・・・・艦隊の奇襲を戦隊のみでやる我々からすれば理解が不能な敵にしたら恐ろしい男です。」
新統合宇宙軍ホーランド・アーキスン准将

ジェームズ「そうだな。」

第2機動艦隊司令ジェームズと副司令官は草鹿に関して語り合う。
誰もがしないような事をする男、敵にしたら恐ろしい男・・・・・・

今回の5隻による雷撃実施を聞いてジェームズらは信じられないと思った。

普通なら既に死んでいると思ってしまうが・・・・
まだ生きているのではと思ってしまう。

あの草鹿だ・・・・・・死ぬような真似はしない・・・・・・
ジェームズと幕僚らはそう考えた。

穴吹大尉「全機無事だな。」

藤村中尉「俺たち穴吹隊がゼントラーディのブリキ共に負けるかよ!」
新統合宇宙軍藤村裕次郎中尉

アリミア「中尉殿、ゼントラーディのブリキとは失礼ですね。」
新統合宇宙軍アリミア・リーファ少尉

その頃、穴吹隊はゼントラーディ軍艦載部隊と交戦していた。
武器弾薬は減ったが、全機健在であり・・・・

士気も衰えずなんとか踏ん張ってた・・・

藤村中尉「おっ艦影5・・・・母艦が戻ってきたぜ!」

穴吹大尉「よしいいタイミングだ!」

踏ん張っていた所に草鹿戦隊が到着・・・・
友軍の到着に穴吹隊は歓喜する・・・・

と言っても戦況が多少マシになっただけで、まだまだ戦闘は終わりそうにもない。
むしろ厳しい状況が続いている。

グガァァァン

草鹿成美「ぐぅぅ被害状況を!!」

「カタパルトデッキ被弾、死傷者多数。」

「レーダー破損、索敵に支障が出ます。」

草鹿成美「持たせろ!艦隊はもうすぐ来る。ドーバーからの連絡はまだか?」

「あります、艦影多数。あと少しです。」

草鹿成美「よしそれまで何とか耐え切れ!」

穴吹隊と合流した草鹿戦隊だが、艦への損傷が増え始めている。
撃沈には至ってないが、どの艦も小破とも言うべき損傷を被っていた。

このままでは押し切られてしまう。

各員の士気は段々と低下していき、危うい状況になるが・・・
草鹿はあきらめていなかった。

あと少しで友軍艦隊が到着する。
踏ん張れば勝てる。

そんな時であった、

「艦長、先程のゼントラーディ軍艦隊です。」

草鹿成美「追撃してきたのか、しつこい奴らだ!」

先程のゼントラーディ軍艦隊が追撃してきた。
直接艦隊戦をやりあったら確実に負ける・・・・・・

草鹿はそう確信いやこれが常識だ!

第1次星間大戦もオーベルト級駆逐艦やARMD級空母が簡単に沈んでいる。
発展型とは言えノーザンプトン級でもただでは済まない。
このままでは・・・・・・

そう思った時・・・・・・・

ズガァァンン
ドゴォォォン

「ぐあぁぁぁぁ」

草鹿成美「なんだ?」

西中佐「友軍のVF-11Bです、援軍が到着したのです。」

ようやく友軍艦隊が到着。
十数機のVF-11AとBが来襲し、ゼントラーディ軍艦隊を攻撃。
中には艦内に入り制圧戦を開始する部隊も出始めた。

結果・・・・・

「くそマイクローンめ・・・・・」

ズドドドーン

「がはっ・・・・・・」

ゼントラーディ軍指揮官は抵抗したが射殺・・・・
他の兵士達は戦意を損失し投降した。

これにより地味だが、ゼントラーディ軍はぐれ艦隊との遭遇戦は終結した。

【ニューアポロ基地】

戦闘を終えニューアポロ基地に帰還した。
戦闘は第2機動艦隊には損失はなかったが、草鹿艦隊は死者が多数出た。
死者は原型を留めているものもあれば、そうでもないものがある。

大勢の士官が遺体に向かって敬礼する。
後日、遺族揃って宇宙葬をやる予定である。

一部の遺族から攻められたが
もし草鹿が食い止めなかったら大勢の死者が出ていた事があり。
遺族の大半は草鹿の作戦に好意的評価を持った
が・・・・・・

草鹿成美「仕方がないとは言え、これは痛いな。だが戦争を無くす事の出来ない敵を自然的に作る人類が背負う血の十字架か。」

草鹿自身は今回の事を振り返り反省する・・・・・

人類は戦争はなくせない。
人類は常に戦争と向き合わなくてはいけない。
人類が滅ぶまで背負う十字架と・・・・・・・
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2月11日の出会い 第2部 沖ノ鳥島の死闘

2019-07-15 23:29:22 | マクロス短編
ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊攻撃から沖ノ鳥島

大陸や巨大列島や海上艦隊を中心にゼントラーディ軍の攻撃を受けてしまった為・・・
辛うじて生き残った島があった。

それは沖ノ鳥島。

コンクリート護岸で守られた島であるが、反統合同盟の攻撃により・・・
東京湾に存在した海堡のような人工島に守られる形になり・・・
地球温暖化で海面上昇しても、大丈夫な要塞島になっていた。

ゼントラーディ軍から無視され、砲撃から逃れ・・・
島にいた209名の兵士や20名の観測庁の職員はなんとか生き残った。

津田大尉「ふぅ去ったようだな、独身のまま死ぬ事はなかったな。」
地球統合海兵隊津田克己大尉

89式小銃を持って建物の待避シェルターの窓から覗く海兵隊隊員が呟く。
彼の名は津田克己大尉.25歳、まだ若いがベテランの部類に入る海兵隊隊員である。

統合戦争ではベテランの自衛官出身の統合軍兵士を失った。
その中でも若手として数々の激戦を潜り抜け、今を生きている。
上と対立して沖ノ鳥島監視施設に左遷されたが、危険は回避された。

危険が回避されるとすぐに周辺部隊に通信・・・
同じく生き残った南鳥島基地に連絡・・・・

のちに硫黄島残存部隊による沖ノ鳥島救出任務が発動される事になった。

津田大尉は後年、こう回想する。
津田大尉はタバコの袋を取り出し、タバコを吸おうとするが・・・

賀愛珍「津田大尉、タバコ吸わないでください。」
地球統合海兵隊.賀愛珍.軍曹

津田大尉「軍曹、加えるだけだ。」

賀愛珍「そのライターはなんですか?」

津田大尉「うっ・・・いいじゃねぇか、一本くらい。」

賀愛珍「ダメです、こんな時に・・・」

台湾出身の十代の女性兵士賀愛珍に止められる。
カッコよく吸おうとしていたが、止められてカッコ悪い表情になって残念がる。
愛珍は真面目で統合戦争に一応出た実戦経験者・・・

油断は出来ない。

津田大尉「さてと、その確認を・・・・・」

ビュゥゥゥゥン

津田大尉「あん?なんだ?はっなんだあいつ?」

「なんだ?なんだ?」

突然
謎の飛行音が聞こえてくる。
一体何者なのか?一体何が来たんだ?
津田大尉以下は、待避窓を確認した。

津田大尉「マジかよ、宇宙人のメカだわ。」

賀愛珍「えいっ」

津田大尉「あぁぁ俺のタバコ・・・」

賀愛珍「つまり危機的状況でしょ、どさくさになんですか?」

ゼントラーディ軍のバトルスーツと戦闘ポッドが飛んでいた。
約4個小隊分・・・・同じ軍だろうが編成がバラバラ・・・

敗残兵なのだろう・・・・

だが、1機は他のと違う・・・・

「くくく・・・・このマイクローンの惑星も悪くないな。」

1機はコマンダーだが・・・・・
明らかに雰囲気が違う・・・・・・・

コックピットの中で、端正な顔立ちをしているゼントラーディ兵が笑う・・・・・

戦いは終わりじゃないぜマイクローン

OP(読む前に必聴)

【硫黄島基地】

信義とフィリアを乗せたVR-1A-RFは硫黄島基地付近に到達した。
硫黄島基地周辺には父島列島と母島列島と同様残存艦艇が集結している。

練習艦カシマと潜水救難艦チハヤ。
ドック型輸送揚陸艦ニューオーリンズと巡洋艦ケープ・セント・ジョージ・・・
そしてポート・ロイヤルの5隻がいた。

ゆっくり機を基地の滑走路へ着陸・・・・
格納庫へと入っていく。

南部信実「兄貴、色っぽい女連れで帰ってくるとはな。」

南部中尉「うるせぇな!フィリア・ナージャさんだ。」

フィリア「フィリア・ナージャです、よろしく。」
ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊ラプラミズ艦隊ラーズ隊所属フィリア・ナージャ3級空士長

南部信実「馬鹿兄貴の弟信実です、フィリアちゃんね可愛いね。」

南部中尉「おい信実!!」

機体から降りてくとさっそく信実が絡んでくる。
信実が絡めば、若い男女の兵士達が早速やってきて。
信義とフィリアを囲む。

フィリアはこんな事が初めてなので困惑している。

南部中尉「とりあえず司令部へ行くよ、行こうフィリアさん。」

フィリア「うん。」

信実達を振り切って、司令部へ向かう。
今やる事は軍人としての仕事を最優先する事。
それをやらないと・・・・・どうにも・・・・・

信義はフィリアの手を引っ張って基地の奥へ消える。

大浦未海「あの娘地球人じゃないわね。」
地球統合空軍大浦未海.少尉

津軽信孝「そうだな、もしかしてこれも・・・・・」
地球統合空軍津軽信孝中尉

二人が格納庫から基地施設に入る所を見ていた者がいた。
同僚の津軽信孝中尉と大浦未海少尉である。

信孝は眼を細くして信義達を睨む。

クリフトン「カメラの映像を確認し現状確認と、宇宙人・・・いや・・・ゼントラーディ軍の軍人を拾うとはな、意外な収穫だな中尉。」

南部中尉「彼女は地球を砲撃せずむしろ地球側へついたゼントラーディ人です、なんとか保護できませんか?」

栗林大尉「中尉、いくら地球へ味方したとは言え今公開したらフィリア君は迫害されるぞ。地球を攻撃したゼントラーディ人、家族を失った者からすれば憎悪の対象だ。分かっているな。」

南部中尉「心得ています。」

信義はフィリアをTシャツとハーフパンツを着させ基地司令部に入る。
普通失礼で制服を着替えなきゃいけないのだが、特別な措置でお咎め無しである。
入るなり、カメラで撮影したものとフィリアと言うゼントラーディ人の保護に・・・

クリフトンは上機嫌である。

信義はフィリアを保護してもらえないか要請すると・・・
栗林大尉は公表するとフィリア自身危険な目に遭うと警告する。
なんたって地球を壊滅させたゼントラーディ人・・・・・

家族を失ったものからすれば憎悪の対象である。
フィリアは地球に味方したゼントラーディ人ではあるが、

普通の地球人からすれば同じゼントラーディ人であるのには変わりはない。
なので・・・・容易に公表したらフィリアに危害を与えてしまう結果になる。
信義はそれを理解し了承する事になった。

フィリア「美味しいこんな食べ物初めて。」

南部中尉「まずい軍隊飯だけどな。」

フィリア「美味しいわよ、私たちより美味しいわ。」

その後、食堂でレーションを食べた。
あんまり美味しくはないが・・・・・
これよりも美味しくない飯を食べていたフィリアからすればとてつもなく美味しいと感じている。

食べている姿とは地球人と一緒であり、フィリアの笑顔は可愛く見える。
宇宙人とは思えない程華憐である。

津軽信孝「おい・・・・」

南部中尉「津軽・・・・なんのようだ・・・・・」

ガシッ

フィリア「痛・・・何をするのよ・・・」

津軽信孝「人殺しの宇宙人め・・・・よくとのうのうと俺たちと同じ物を食えるな。」

信孝と未海がやってきて、フィリアの方を掴む。
物凄い目つきで・・・・睨んでいる。

フィリアは掴まれて痛がっており・・・・涙が出ている。

この後衝撃的な事を口にする。

津軽信孝「聞いたぞ、お前はゼントラーディ人・・・・地球を壊滅させた張本人と・・・・」

南部中尉「なっ・・・・・」

フィリア「・・・・!?」

ゼントラーディ人・・・・
クリフトンと栗林大尉しか知らない単語・・・・・
何故・・・・・・・まさか・・・・聞いていたのか・・・・・

この言葉の瞬間、この場にいた面々のフィリアへの顔つきが変わる・・・・・

過半数がフィリアへ地球を壊滅させた事への憎悪をぶつけていた。

南部信実「やめろ、津軽・・・フィリアちゃんは・・・・」

津軽信孝「関係ないと言うんだろ、地球に味方とはしたとは言え俺たちの同胞と文明を破壊したんだ。」

南部信実「くっ・・・・」

途中から来た信実がフィリアを掴む信孝の手を振りほどく・・・・
信孝は怒りのこもった目をしながら、今の思いを呟く・・・・

地球を破壊したゼントラーディ人に対する怒り・・・・・

信義も信実・・・・フィリアに対し普通に接する者も黙り込んでしまう。

フィリア「確かに地球を破壊した私たちゼントラーディ人は最悪です・・・・私も無関係とは言いません。」

津軽信孝「ほう・・・・・・」

フィリア「私は罪滅ぼしの為、地球人と共に戦います。私は宇宙での決戦で同胞を殺しています、迷いはないです。」

が・・・・フィリアは涙を振り切って言った。
それが地球人に恨まれる原因ならば罪滅ぼしの為に地球人と共に戦う・・・

同胞を殺す事を躊躇しない・・・・・

フィリアはそう言ったのだ・・・・

津軽信孝「そうか、だったら見せてみろ同胞殺しを・・・・・・南部、次の出撃あるんだってな。」

南部中尉「あるが・・・・・・・」

津軽信孝「ゼントラーディの女を出撃させろ、俺が見届けてやる。予備のSv-52があったはずだ・・・・そいつに乗ってもらう。」

南部中尉「アグレッサーの予備機か?」

津軽信孝「監視するのには持ってこいだ、ゼントラーディの女を乗せ沖ノ鳥島へ・・・そこでゼントラーディ人がいたら約束通り・・・・」

南部中尉「非道だな・・・・・」

フェアリの覚悟を知るべく、アグレッサー用のSv-51αを使わせる。
これで沖の鳥島にいる将兵達を救うべく出撃し・・・・・
遭遇したゼントラーディ軍と戦い殺してもらう・・・・結構厳しい条件・・・

信義は軽蔑するが、信孝は気にしていない。

フィリア「いいわ、私はやり遂げる・・・・」

南部中尉「いいのか?」

フィリア「私は最初はマイクローン(地球人)を味方になるのは部隊が決めた事だから仕方なく、従ったのよ。でもリン・ミンメイの歌を聴いて、地球の文明や地球人と同じような暮らしがしたいと思ったのよ。でも私の種族は地球を壊滅させた、だから地球の為に自分の手を血で汚しても・・・・地球の為に頑張りたい。」

南部中尉「フィリアさん・・・・・・・」

大浦未海「へぇ言う事は言うんだね、少しは認めてもいいわ。」

津軽信孝「よし出撃の時に会おう・・・・」

フィリア「いいわ・・・・」

フィリアは覚悟を決めている・・・・・
信義は黙って見ているしかない・・・・フィリアの目は本気だ・・・・

一方の信孝も嫌で非道だが、何か考えが・・・・・
二人を見て信義はいろいろと考えた・・・・
信孝は何を考えているか分からないが・・・・・・・・

それからしばらく

『イオウアイランド・タワー、ランウェイ10・クリアードフォーテイクオフ』

信義らは硫黄島に展開している救助艦隊の護衛として離陸した。
VR-1A-RFをVF-1Aバルキリーに換装し、信孝のVF-1Aと編隊を組む。
その先頭には・・・・・フィリアのSv-51・・・・

もし怪しい行動をとれば即座に背後から攻撃する・・・・

その意思が込められており・・・・
信義は信孝の考えを即座に考えを読み取る・・・・
むしろ、なぜあんなに激怒していたのか・・・・

まさか家族を失ったのだろうか・・・・・・

いろいろと信義は考える・・・・

そんな時・・・・・

南部中尉「そろそろ沖の鳥島か、かなり埋め立てられある程度の島らしくなったが・・・・」

フィリア「待って!!」

南部中尉「どうした!?」

フィリア「よく見てください、敵複数・・・・」

南部中尉「なんだと・・・・」

フィリアが敵を見つけたらしい言葉を発した。
信義や信孝はその言葉に疑問に思ったのか、若干疑問に感じる・・・

それもしょうがない。
ゼントラーディ人は地球人より骨格など身体に優れている。
視力は圧倒的に優れているので敵の姿を確認できる・・・・

フィリア「突貫!!」

南部中尉「フィリアさん!?」

津軽信孝「追いかけるぞ!」

南部中尉「お・・おい!!・・・行くしかねぇか!!」

フィリアは敵を見るなり突撃した。

早め撃墜し自分の覚悟を証明するつもりだろう・・・・
無論、フィリアを監視する信孝も後についていき・・・・
信義も戸惑いながら二人の後についていく・・・

無鉄砲に突進していいのかと戸惑いながら・・・

「護衛の連中、大丈夫なのか・・・俺たちを放置して。」

ドック型輸送揚陸艦ニューオーリンズの艦長らは困惑している。
軍人なのに、守る素振りがなくて勝手に行動する・・・・・・・

ニューオーリンズ以下各艦隊の将兵はこの時3人の行動に不信感を抱いた。

「隊長、マイクローンの連中が来ましたぜ!」

ラズム「そうか・・・数は3匹か・・・面白い相手かどうか楽しみだな。」
ゼントラーディ軍ラズム・キルヴェラ空間機甲長

信義達の行動を沖の鳥島付近海上に展開していたゼントラーディ軍部隊が動き出す。
リガードやヌージャデル・ガーは動く・・・・・・

その先頭に立つ機体シュルケル・ウーを語るラズム・キルヴェラは不敵に笑う。

ラズムは野心的なエースパイロットであり・・・
残虐であり冷徹な性格の持ち主であった。

監察軍と今まで戦っていたが・・・
面白い戦い方をする地球人に興味を持ち・・・・・
ようやく戦い機会に接する事が出来た。

ボドル基幹艦隊決戦があったとは言え、直接対決はしていない・・・・
だが、今この時・・・戦うチャンスが到来している・・・・

ならば潰してやる。
ラズムはそう考えた。

ズドドド
ズゴォォン

ラズム「あいつかなりの腕前だな。まぁあいつは後回しにして雑魚2機相手しようか!」

1機のバルキリーがバトロイド形態になり、ホバリングを上手く扱い戦っていた。
そのバルキリーはフィリアが駆るSv-51αであった。

Sv-51は反応エンジンを積んでおり、性能はかなり
ゼントラーディ軍相手に十分対抗できる程の力を有していた。
フィリアはゼントラーディ軍時代は優秀な腕前を持っており・・・
海面を跳ねてはホバリングを使用したジャンプ戦略でゼントラーディ軍を圧倒する・・

津軽信孝「本当に同胞を殺すとはな・・・・」

南部中尉「フィリアさんってあんなに強いのか?」

フィリアの活躍に二人は驚愕する・・・・・
本当に同胞を殺してしまうフィリアに信孝は驚く・・・・・

罪を償う気でいる・・・・・・・・

信孝はフィリアの行動を見てそう感じとる・・・・

だが・・・・

こいつは憎むべきゼントラーディ人・・・・
心の中で信孝はそう言い続けるが・・・・
半分は・・・フィリアを認めようと考え始める・・・

【沖ノ鳥島シェルター】

なんとか生き残った将兵達は小窓から戦闘の様子を伺っていた。
外では激しい戦闘の光が見えており・・・・・

撃ち合いが続いている。

「おい巻き込むんじゃないのか?」

「せっかく生き残ったのに、巻き込まれて死ぬのは冗談じゃねぇぞ!」

津田大尉「慌てるな、まだ巻き込まれてないし・・むしろ友軍の到着だ!」

賀愛珍「大尉、たばこ火つけないでくださいね。」

津田大尉「わかってらぁ」

兵士達や職員らは不安がるが津田大尉が叱咤激励し・・・・
その混乱に乗じて煙草を吸おうとする津田大尉を愛珍が阻止する。

このやり取りを続ける・・・

このやり取りにより兵士達の不安を解消しようと考えていた。

賀愛珍「大尉、うまく私たち脱出できますかね?」

津田大尉「さぁな、生き残るかは時の運・・・何が起きるか分からんさ。」

賀愛珍「そんな・・・・・・・ってたばこ吸わないでもらいます。」

津田大尉「人生の最期になるかもしれんのだぞ、一つくらいいいじゃん。」

ある程度落ち着くと、二人の会話が始まる。
これから脱出できるのか?どうなってしまうのか?
津田大尉曰く、生き残るか残らないかは時の運・・・・

どうなってしまうのか正直分からない・・・・

それを聞いた愛珍は少し不安そうな表情を浮かべるが・・・・
再び煙草を取り出し口にくわえようとする津田大尉を阻止した。

南部中尉「皆フィリアさんが相手して・・・俺たちは最後のあいつだけか・・っていない・・・・おわっ!!」

ラズム「俺は他の奴とは違うぞ!馬鹿め!」

津軽信孝「南部、こいつはゼントラーディの女が相手にしていた奴らとは違うぞ!」

南部中尉「何!?」

津軽信孝「奴はエースだ!」

フィリアが他の連中と戦っている頃に・・・・
信義と信孝はラズムと対峙するが・・・・

ラズムは二人の目の前から突然消えたと思いきや・・・・
信義の真横から攻撃を仕掛けてきて・・・・・
反復し機動力を駆使しながら二人を翻弄する。

南部中尉「この野郎!!」

ラズム「ぐぉ」

ズボォォォン

信義はガンポッドを立にし、ラズムのシュルケル・ウーを海に叩きつける。
叩きつけ海中に没し、信義は倒したと安心しきるが・・・・

突然・・・・・

ズドドド

津軽信孝「ちっ・・・・こいつはくたばってないぞ!」

南部中尉「やったと思ったのに!!」

ラズム「面白い芸当だったが、俺を倒すのにはまだまだ未熟だな!!」

海中に没したはずのラズムが復活し二人を襲う・・・・
シュルケル・ウーは頑丈な機体であり・・・・
ラズムはわざと信義の攻撃の意図に乗り、油断させた。

見事作戦は成功し二人に動揺を与える事を成功した。

フィリア「この!」

ラズム「さっきの奴か!!遊びたかったぜ!」

二人が動揺し始めた直後に敵部隊を殲滅したフィリアがやってきた。

到着するなりフィリアはガンポッドの銃弾とようやく使えるようになったミサイルを発射・・・・
海面すれすれの状態をスケート選手のように滑りさらに銃弾を撃ちラズムを追い詰めた。

ラズム「こいつは・・・・・・・」

フィリア「確かゼントラーディ軍機への通信は・・・これか・・・・」

ラズム「ラック、敵からのつう・・・・・てめぇは!!メルトランの兵士だと!?」

戦いの最中でフィリアはラズムに通信を試みる。
無論、多勢無勢になっているラズムを投降させ命を助けるため・・・・・

ボドル基幹艦隊決戦時にエキセドルが教えた通信チャンネルを用い入り・・・
なんとか通信を試みる事に成功、顔合わせすると・・・
ラズムは驚く・・・・相手がメルトラン(同胞)だと・・・・・・・・

ラズム「驚いたなマイクローンに寝返る欠陥品が出るとはな。裏切り者のラプラミズか?」

フィリア「欠陥品!?私が?裏切り者のラプラミズ司令・・・・」

ラズム「本当に無様だな。」

フィリアはラズムと顔合わせするが・・・・
ラズムから裏切り者欠陥品呼ばわりされる。
その言葉にフィリアは深く傷つく・・・・

今までゼントラーディ軍軍人として誇りをもって戦ってきた。

それを欠陥品呼ばわりする・・・・・

屈辱でもあり、深く心の中に心臓が刺さる程傷ついた。

フィリア「私は欠陥・・・・・・・・」

ラズム「通信してきてこれか、メルトランの同胞よ!ならばゼントラーディ軍の軍人として死なせてやるよ!」

ラズムは不敵に笑い・・・・
傷つき戦意を失ったフィリアをシュルケル・ウーのパルスレーザーガンで叩き潰そうとした。
ショックのあまりフィリアは動く事が出来ず・・・・

ずっとその場に留まったばかりだ・・・・・

南部中尉「危ない!!フィリアさん!!」

信義は叫ぶがフィリアはそれでも動かない・・・・
素早いシュルケル・ウーの叩き潰しの速さに・・・もうフィリアはダメだ・

その時であった。

フィリア「えっ!?」

ラズム「ちっ」

フィリア「なんで・・・私を・・・・」

津軽信孝「フィリアと言ったな、お前の罪滅ぼしが完遂するまで死なせん。」

フィリア「・・・・・・」

信孝のガンポッドがパルスレーザーガンを破壊・・・・
ラズムは一歩下がり・・・後退・・・

フィリアは自分を憎んでいた信孝に助けられた事に困惑する・・・
困惑するフィリアに対し信孝は罪滅ぼしが完了するまで死なせんと・・
真顔で言う・・・・・

さっき約束した事を事を果たすまで死なせるつもりはない。
信孝はそう考えていた。

ラズム「ふん・・・・まぁいい、貴様らはいつでも殺せる・・・・首を洗って待っていろ!」

ラズムは救助艦隊が来る事を察したらしく早々と西へ向けて逃げていった。
沖縄与那国島方面へ逃げていくのだろう・・・・・・

信義達は無駄に追撃せず、ラズムを見逃す。

「貴様ら、護衛任務を勝手にサボタージュするとはどう言う事なんだ?えぇ!?」

南部中尉「申し訳ありません。」

「まぁいい今回は不問にする、救助ヘリの護衛したまえ!」

見逃した後、救助艦隊司令代行からきつい言葉をもらう。
信義らはきちんと謝り・・・・
救助部隊のUH-60ブラックホークとUH-60Jジャパンホークの護衛に入る。

数分後

救助ヘリは各自、沖ノ鳥島に到着し将兵を運ぶ。
当分この基地は現状が回復されるまで閉鎖し・・・硫黄島に移転しなくてはならない。

沖ノ鳥島の将兵達はどんどん乗機し輸送艦へ向かっていく。

津田大尉「賀、次は貴様だ!」

賀愛珍「はい、大尉は?」

津田大尉「俺の事はいいから全員乗るまで残るんだよ、さぁ行け!」

津田大尉は全員が乗機するまで残った。
外でタバコを吸えるのが嬉しいのだろうけど・・・・

将兵が津田大尉が乗らない事を心配しても・・・

どんどん乗っていけと言うノリで、どんどん乗らされて行く。
最後に将兵が搭乗すると、津田大尉最後のヘリコプターに乗りのみ輸送艦へ向かう。

その後

硫黄島基地へ到着、収容した将兵を次々と降ろす。

信義達もバルキリーから降り、休憩室へ向かった。
無事に任務が終わりフィリアは信義からお金を貰いコーラを買った。

自動販売機でコーラ買った時手が震えている。

ラズムに追い込まれてしまった事・・・
自分が情けなかった事・・・フィリアはそう感じており・・・
静かに涙を流す。

津軽信孝「ふん・・・・今回は認めるが、まだ諦めんぞゼントラーディの女」

そんな様子を影から実海と共に信孝は見ていた。
何かの想いを秘めているようだが・・・・・

今回は認めるが、諦めないと言う言葉を残し・・・・
そのまま帰っていった。
この諦めないと言う言葉は何を意味するのか?

それは後程分かるのだが、それはまだ後日

ED

【極東軍司令部】

極東軍司令部は戦前、市ヶ谷から司令部機能を移転し・・・
堅い岩盤のある東京近郊の某所に基地が作られていた。

その結果、ゼントラーディ軍の被害を耐え抜き被害はなんとか全壊を免れた。

田中中将「なんとか、全壊は免れたな。動かせる部隊はどのくらいか?」
地球統合陸軍田中静市大将

多賀谷参謀長「分かりません、まだ混乱している部隊が多いので・・・」
地球統合陸軍多賀谷一少将

田中中将「そうか・・・」

極東軍総司令官田中は日本各地に残存した部隊と連絡を取り・・・・
残存部隊を持ってゼントラーディ軍各部隊と戦いながら・・・

シェルターにて生存した民間人を救出しなくてはならない。

まだ戦争は終わっていないが・・・・
民間人の命はなんとしても助けないといけない・・・
どんな事があろうとも・・・・

必ず・・・・・

【次回】

砲撃から一週間後、フィリアは統合軍の軍人に編入されていた。
何事もなく過ごすフィリア・・・・
フィリアを巡り言い争う信義と信孝・・・

そんな中、信義達にある命令が届いた。

それは日本本土にある極東軍司令部からだった。

次回 ライジング・サン
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2月11日の出会い 第1部 壊滅した東京の地で

2019-07-15 20:31:46 | マクロス短編
西暦2020年.2月11年.地球.極東・太平洋行政区.区都東京

かつて日本国の首都のあった東京で戦没者慰霊式が行われた。

10年前に終わった第1次星間大戦で・・・・
世界有数の大都市であった東京はゼントラーディ軍の攻撃により壊滅。
住んでいた殆どの人間が戦火に飲み込まれ死亡した。

あれから10年
生き残った人々は様々な対立や激怒喜び悲しみがあったが・・・・
東京を元通りとは言わないが・・・・
新統合政府首都惑星地球に相応しい大都市に復活した。

南部信義「先の大戦では数多くの人が亡くなりました・・・・だが、ゼントラーディ人を恨んでも亡くなった方は戻ってきません。今の我々に出来る事は亡くなった方々の遺志を継ぎ、二度と同じ悲劇を繰り返さない未来を作る事です。」
極東・太平洋区知事.南部信義(自由共和党所属)

慰霊式典で、区知事の南部信義は演説を行った。
この演説は各方面から大絶賛され、この日の各社の新聞のトップを飾る。

一方でゼントラーディ人権団体や反ゼントラーディ団体から抗議されるが・・・・

集まった観衆に逆に抗議され一目散に逃げていった。

南部美桜「名演説、流石あなたね。」
信義の妻.南部美桜

南部信義「ありがとう、美桜。昨日必死に考えた感があったよ。」

演説を終えた信義は席に戻ると妻の美桜と会話する。
妻は日本人の名前だが、日本人でも地球人ではない・・・

かつて地球を壊滅させたゼントラーディ人である。

今は政治家である信義の妻として子育てしながら支えており・・・
信義も妻を苦労させないように頑張っている。

そんな二人が出会ったのは丁度10年前・・・・
あの惨劇があったあの日・・・・

そして語られる歴史に消えたある戦士達の物語を・・・

OP(読む前に必聴)

【AD2010年2月11日午前10時00分硫黄島基地】

ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊が来襲した。
アラスカの総司令部は各方面軍に迎撃命令を出し、地球各部隊は臨戦態勢をとった。
無論、極東・太平洋方面軍にも迎撃命令が出ており・・・・

横須賀や百里など日本を含む該当地域の部隊は次々と出撃して行った。

南部中尉「ゼントラーディ軍の数万の艦隊か、やばいな。」
新統合空軍南部信義.中尉

南部信実「月にいるお袋達、無事か不安だわ。」
新統合空軍南部信実.少尉

硫黄島基地の滑走路で、多くの将兵が上空に展開するゼントラーディ軍の様子を伺う。
見たことのないような艦隊が上空に沢山見れる・・・・

あまりにも恐ろしい光景に将兵達は恐れを感じていた。

南部兄弟は怖いもの知らずなのか、殆ど怖がってない。

南部中尉「まぁいい、俺達は敵が来れば徹底敵にやる。信実も備えておけ!」

南部信実「兄貴の指示じゃしょうがねぇな!」

信義は弟信実に今後やるべき事を言う。
どんな敵が来ようとも、自分達がやる事は敵を倒し民間人を守る事。

今信義の言った事は信実も同じように感じており・・・
指示通り、自分の愛機VA-3インベーダーに向かって歩いていく。
その時・・・・・

南部中尉「!!!なんだ!?この光は」

突然、周りが多数の光の矢が落ちてくる。
風も吹き飛ばされんが、かなり凄まじい・・・・
一体何が起きている?何が起きているんだ?

大勢の兵士はそう思いながら、今のイレギュラーな事態に備える。

光の矢をよく見ると、日本列島やユーラシア大陸・・・
マリアナ列島に集中している・・・・

近くの光の矢は統合海軍艦隊のいる方向だ・・・

しばらくして・・・・

南部信実「終わったのか?何が起きてやがる!」

南部中尉「空が暗い・・・・・こんなのは初めてだ!」

ようやく光の矢は収まった。
将兵達は立ち上がると、今の状態を確認する。

今の状況を確認すべく
基地に所属している救難隊のUH-60J救難ヘリコプタ-とUS-2が飛び立つ。
信義は信実を残し今の事態を把握すべく、基地施設へ入った。

クリフトン「今の状況はどうなんだ?」
地球統合陸軍硫黄島基地統合司令クリフトン・ロジャー大佐

栗林大尉「はっ父島基地と南鳥島基地は共に健在、他は・・・
地球統合陸軍栗林利之助大尉

クリフトン「それはいい本土はどうなんだ?」

栗林大尉「なんと言いますか、通信が出来ない為分かりません。」

クリフトン「ぬぅ。」

その頃、硫黄島司令部では幹部達が右往左往慌てていた。
硫黄島周辺の小笠原諸島とその艦船の安否を確認したが・・・・
肝心の本土との連絡がつかなかった。

司令官クリフトンは極東・太平洋軍司令部とのコンタクトがとれなくてイライラしており・・・
部下の栗林大尉は微妙な顔をし、受け答えする。

クリフトン「とりあえず、、偵察飛行隊を出せ!状況が知りたい!」

栗林大尉「ハッ」

なんとか落ち着きを取り戻すと、クリフトンから偵察飛行隊を出せの命令を出した。
クリフトンの意をくみ取り栗林大尉は敬礼し、偵察飛行隊を探しに行く。

とりあえず適当に一人見つけて、飛ばそうと・・・・

南部中尉「?なんだこの騒ぎ?」

基地施設に入った信義は司令部付近の慌てように驚く。
一体何が起きている?

将兵の慌てように信義は困惑している。

すると・・・・

栗林大尉「南部君!」

南部中尉「おわっびっくりした!」

栗林大尉「頼みがある、今から東京へ向かってくれ!」

南部中尉「なんだって!?」

司令部から出てきた栗林大尉から東京へ向かってくれと頼まれる。
最初は驚いた信義だが、栗林大尉の熱心な要請ともあり了承した。

それから50分後・・・
機体の調整を終え硫黄島基地から離陸したVF-1A-RF・・・・
空は黒く異常な光景だが、小笠原諸島の島々は南アタリア島以外いつも通りだ。

そう思っていると・・・・

南部中尉「大きな爆発、宇宙で何か起こったんだな。」

宇宙が爆発した。
この時、SDF-1マクロスと同盟ゼントラーディ軍艦隊がボドルザーを倒した。
今の爆発はボドルザーが乗艦していたフルブス・バレンスが撃沈したもので・・・

地上やアポロ基地からでも十分に見える大きな光であった。

信義の近くに巨大な軍艦が多数落下し海の中へ海没した。

落下してくる軍艦や破片に気を付けながら、信義は進む。

【AD2010年2月11日 東京湾】

南部中尉のVR-1A-RFは東京湾へたどり着いた。
地球統合海軍の最大軍港横須賀基地がミニッツ級空母などが横転したり・・・
基地の建物の破片が湾内に入り込んでいた。

アーレイバーグ級が重なりあい沈んでいるのが、辛い・・・・

よく見るとなんとか生き残った地下シェルターからトラックが出てくる。
陸軍と海軍の残存部隊だろう、どんどん兵士が出てきて生き残りのシェルターを探している。

南部信義「見るに耐えないな、対岸の木更津基地もくっ・・・」

信義は今の光景にかなり苦痛に感じる・・・
東京湾沿岸がかなり酷い被害を受けていた。
横浜も千葉も、アクアラインも無惨な姿を晒していた。

思わず強いショックで意識を失いかけたが・・・

南部中尉「HQ(司令部)HQ、こちら、イエロータイガー3。トウキョウ上空に到達。これより撮影します。」

『了解、東京上空を撮影せよ!』

南部中尉「了解。」

自分の役割を果たす事に専念する。
まだ20歳とは言え、統合戦争に従軍し悲惨な光景を目の当たりにして来た。

目の前に見える火災の炎だって何度も・・・・

信義は手をギュット握りして目的地へ向かう・・・

が・・・・・

南部中尉「こ.これは・・・・・」

東京へ辿り着くが・・・・・

目の前には巨大なクレーターが広がっていた。
確かここには日本国の首都で大都市のあった東京があった場所だ・・・
その東京が大きなクレーターの広がる荒廃した地になり・・・

かつての栄光を見慣れたら信じたくないような無惨な姿を晒していた。



信義は両翼にミサイル代わりに装着されたカメラで写真撮影を行った。
無惨に倒れる東京タワー、僅かに生き残り彷徨う人々。
建設途中で無惨に破壊された東京スカイツリー・・・・・

無残な光景に信義は涙を流した。

かつて日本国の繁栄極めた東京の成れの果てなのかと・・・

南部中尉「くそっ!くそっ!くそぉぉぉぉ」

声にならない叫びをあげた。
今は統合政府の一つになったとは言え、日本は故郷なんだ・・・
故郷がこんな姿になるのは耐えられない・・・

今頃、故郷の田舎も・・・・

信義は涙を流しながら号泣し叫ぶ・・・・

そんな時・・・・

南部信義「なんだ?レーダーに何か・・・・」

突然レーダーに何かが移る。
房総方面から単機で何かが・・・・・

一旦バトロイドに変形し、ガンポッドを構えていると・・・・

南部中尉「なんだこいつは?」

目の前に見たことのない人型機動兵器が現れた。
その機動兵器とはクァドラン・ロー、ゼントラーディ軍女性兵器である。

無論見たことのない信義からすれば見たことないアンノン。

とは言え友軍機には見えないが・・・・・
若干被弾しフラフラしている。

フラフラしたクァドラン・ローは東京クレーターの一部へ落ちる。

南部中尉「なんだ、あいつ?落ちていくのか?とりあえず、宇宙から来たのならばとっちめてやる!」

信義はバーニアを駆使しながら、ゆっくり降下し・・・・
落ちていったクァドラン・ローを追いかける。
情報源が欲しい
あいつは何か知っているはずだ、この惨劇を引き起こした原因がなんなのかを・・・・

地上へ降下すると、クァドラン・ローが破壊された建物に背をつけながら座っている。

南部中尉「ハッチが開こうとしている?どんな奴が乗っているんだ?」

座っているクァドラン・ローのハッチが開こうとしていた。
ハッチが開く、中に乗っている奴が出てくる。
まさか、マクロスの原型のような巨人なのか・・・・

冷や汗を出しながら、ガンポッドをクァドラン・ローへ向ける。
いつでも撃てるように・・・・

ガコォン

南部中尉「女・・・・しかもスタイルのいい女の巨人・・・・」

中からメルトランが出てくる。
巨人の女兵士・・・・・しかもスタイルがいい女・・・

あまりにも非日常的な光景に信義は声が出ない。

「マイクローン(地球人)・・・・マイクローン(地球人)だな・・・・」

南部中尉「こいつ、地球語を喋れるのか?お前は誰だ!」

「私はゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊ラプラミズ艦隊ラーズ隊所属フィリア・ナージャ3級空士長・・・・」

南部中尉「フィリアだと?」

地球語で喋りかけてくるメルトラン。
見慣れない巨人の女が地球の言葉で喋りかけてくる。

名前はフィリア・・・・・

ゼントラーディ軍の女性兵士・・・・・
後に南部信義の妻になる南部美桜が結婚する前の名前であった。

フィリア「地球人との部隊と私の原隊から離れたのはいいが、情けない話。この機体は使えない。頼みがある、私をあそこまで連れて行ってくれないか?」

南部中尉「待てお前!いきなり現れてそれはなんだ?連れていけとか?ゼントラーディ軍・・・それはなんだ?」

フィリア「私が所属する軍・・・・この惨状を引き起こした軍だ!」

フィリアからイキナリ頼み事をされるが・・・・
信義は声を荒くしながら、フィリアを問いただす・・・・

声を荒くして返してきた信義にフィリアは怯えながら、質問に答える。

が・・・・・

これが不味かったのか・・・・・

南部中尉「貴様らがやったのか?この惨状を・・・・」

フィリア「えっえっ何を・・・・惨状を・・・待って私達はやって・・・・」

南部中尉「貴様らがやったのかぁぁぁぁぁぁぁぁ」

ズドドドドン

信義はぶちギレ・・・・・
怯えてしまったフィリアに向けてガンポッドを発砲した。

反射神経が幸いしたのか、フィリアは銃弾が当たる前に尻餅をついてしまい。
回避に成功するが、信義は怒りに任せ発砲し続ける。
あまりにも恐ろしい声を聞いたフィリアは戦闘種族とは言え泣き出してしまう。

その時・・・・

やめろ!そこの友軍機!

南部中尉「誰だ?」

早露中尉「俺は早露昇平中尉、SDF-1マクロス所属の者だ!彼女は味方だ!」
地球統合軍早露中尉

信義に向けてどなり声をあげる。

その声の主は早露昇平中尉。
南部信義の先輩であり、航空自衛隊出身のエースパイロットだった。
信義や同期の滝田英史らと共に10名の日本人パイロットと共に北米にて可変戦闘機訓練を受け・・・

統合戦争では
F-15++
F/A-20Nシードラゴン
AV-8Bハリアー
を乗り回し、数々の戦歴をあげ・・・・
反統合同盟軍のスコリア作戦のカウンター攻撃ヤブキ作戦に参加し戦功をあげている。

マクロスの進宙式に参加するが、南アタリア島の戦いが起こり・・・・・
見学に来ていた家族揃ってマクロスに乗艦している。
ちなみに滝田も同じように参加してよく古い仲の関係を維持していたようだ。

南部中尉「早露中尉、死んだはずでは・・・・」

早露中尉「南部か、久しいな。俺はピンピンしている。お前こそ死んだと思ったぞ」

南部中尉「しかし、なぜ中尉は彼処にいる女を敵じゃないと・・・」

早露中尉「落ち着け!貴様!まずは落ち着け、話はその後だ!」

懐かしい話はしたいが、今はこの状況を纏めないといけない。
もっとも今はフィリアを殺そうとする信義の為にも・・・

とりあえず信義と早露とフィリアの三人で話し合う事にした。

フィリアの部隊が地球を攻撃してない事。
マクロスとフィリアの部隊などのゼントラーディ軍の1部隊と合流した事。
本当にフィリアの部隊が地球を攻撃してない事を聞いた。

南部中尉「すまん、フィリアさん。殺そうとして・・・」

フィリア「いいんです、事実私の同胞はあなた達を殺してしまいました。私達は撃ってないとは言え、地球を殺したゼントラーディ人とは何です。そう言われてもしょうがないです。ごめんなさい。」

信義は事実も知らず、フィリアを殺そうとしてしまった事を謝罪した。
フィリアの方も勘違いさせるような発言をしてしまったし・・・・・・・
攻撃しなかったとは言え、ゼントラーディ軍は事実地球を攻撃してしまっているので・・・
しょうがないと信義に返した。

このやりとりに早露はお似合いだなと内心思ってしまった。

南部中尉「で中尉殿、フィリアさんが俺に連れていってもらいたい所はどこ何です?」

早露中尉「あれだ!」

南部中尉「これは巨大な宇宙戦艦?」

早露中尉「そうだ、落下し墜落したゼントラーディ軍の宇宙戦艦だ!」

南部中尉「一体何が?」

早露中尉「行ってからのお楽しみだ、なぁに慌てるな。」

会話の最中にフィリアが行きたかった場所について信義は聞いた。
フィリアが行きたがっていた場所、気になる。
早露は墜落しているゼントラーディ艦(スヴァール・サラン級)を指を指し・・・

行ってからのお楽しみと言う。

信義はお楽しみと言う疑問に感じるが・・・・
フィリアが信義のバルキリーを見て、行きたいと言う事を頼む表情をしており・・・
美しさと可愛さが混ざった第1印象な表情である為・・・

南部中尉「よし行こう!後で硫黄島へ戻る予定だけど・・・・いいだろう。」

フィリア「ありがとう、中尉。」

南部中尉「待ってくれフィリアさん、抱きつかれても・・・」

ゼントラーディ艦に行く事を表明・・・・
信義の宣言に喜んだのか、フィリアは抱きついてくる。
可愛くてナイスバディ・・・・

巨人じゃなくて、同じような体型であれば・・・・

今起きている事態やさっきの叫びを忘れ・・・
今の感動を噛み締める。

それを見ていた早露は単純な奴と思った。

三人はそのままゼントラーディ軍艦にたどり着き艦内に入る。
ガウォーク形態で艦内を進み、フィリアの言う通りに道を進む。

南部中尉「うっ・・・・こいつは酷いな。」

艦内には無論、巨人の兵士らが倒れて死んでいた。
男性の兵士のようで、どれも生きているようには見えない。
皆死んでいる。

思わず目を背けたくなるが、どうしても見てしまう。
信義は我慢しながら二人と共に目的に向かう。

そして

目的に到着、なんとかなったと・・・
信義は安心するが・・・・

南部中尉「フィリアさん何を!?」

フィリア「あの機械に入るのよ、そうすれば・・・だね。」

南部中尉「ちょっとフィリアさん、恥ずかしくないんですか?」

フィリア「恥ずかしいなんですか?」

突然
フィリアがパイロットスーツと下着を脱ぎ、全裸になる。

とんでもない出来事に信義と早露は驚き・・・
思わず恥ずかしくないのかと聞くが、フィリア本人は恥ずかしくないらしく。
むしろその問いに地球人とゼントラーディ人との間のカルチャーショックを覚える。

早露中尉「やべぇ、ナイスバディのストリップじゃなくて・・・」

南部中尉「抗議がない、俺は男として女を襲う趣味はないが・・・・黙って見よう。」

早露中尉「だな・・・・(妻よ、子供達よすまん。)」

フィリア「その装置を動かしてくれ、スイッチを押せば動く」

思わず助平心があるが、人間としての良心が働きフィリアを襲うと考えないが・・・
恥ずかしくないのならと、二人揃ってフィリアがカプセルに入っていく所を見つつ・・・

フィリアの指示にしたがってスイッチを押す。

最初は助平心で見ていたが・・・・

早露中尉「ほうなるほど、液体が出てきたな。」

南部中尉「液体、これじゃフィリアさん窒息・・・・」

早露中尉「いやよく見ておけ・・・・何かが違う・・・」

カプセルの中にどんどん液体が入ってきて・・・フィリアを包む。
あまりにも突然な光景に信義は慌てるが、早露は落ち着いてみている。

液体はどんどんブクブクとフィリアを包むが、フィリアの目は開けており・・
平気な顔つきをしている。
するとだんだん小さくなり、目の前にフィリアが消える。

南部中尉「フィリアさんが消えた・・・・」

フィリアが消えた事に驚く・・・

この装置はなんだ?一体なんなんだ?
信義は慌てていると・・・

フィリア「私はここだよ、中尉。」

南部中尉「フィリアさん!?俺達と同じサイズになった?なんで?」

フィリア「マイクローン装置でマイクローン(地球人)と同じになったんだ、そうすれば地球人の武器で私も戦える所が出来る。」

地球人と同じになったフィリアが全裸で見上げながら呼び掛けていた。
なんでそんな風になるのか?
信義の頭が混乱し、今の状況が飲み込めない。

一方の早露は・・・

早露中尉「フィリア君、予備の服だ。裸じゃまずい、服を着たまへ」

フィリア「ありがとうございます」

バルキリーの手にフィリアを乗せて・・・全裸なフィリアに服を貸してあげた。
早露はもしもの時、服の予備をコックピットに載せている。
服装はTシャツとハーフパンツの軽い格好であり・・・・

貸してもらった服をフィリアは難なく着替えた。
信義は不機嫌な顔をしているが、目的は達成した為艦を後にした。

その後

ヨス「早露中尉無事でしたか・・・」
地球統合軍ヨス・ネイラー少尉

早露中尉「ネイラー少尉、貴様もな・・・」

早露の同僚ヨス・ネイラー少尉とブリタイ艦隊所属のリガード部隊と合流した。
これからヨス達と極東軍の残存部隊と合流する予定らしいが・・・・

信義は・・・・・

南部中尉「俺は硫黄島に戻り、司令に現状報告を・・・・」

早露中尉「そうか、気をつけて帰れよ。まだ何が起こるか分からんからな。」

南部中尉「はい」

硫黄島へ戻らなくてはならない。
通信昨日が回復していない今、硫黄島へ戻り・・・
状況を報告をしなくてはならない。

硫黄島の皆が情報を知りたがっている。

信義はその場から去ろうとすると・・・

早露中尉「それとこれ・・・」

南部中尉「えっフィリアさん?」

早露中尉「とりあえず、後部予備座席に座らせ連れていけ・・・軽装の美女を収容するのはちょっとな・・・」

早露から手に乗せていたフィリアを渡される。

理由は女を乗せてバルキリーに乗りたくないとの事。
信義は不思議そうな表情を浮かべていたが・・・・・・

南部中尉「では預かります。」

早露中尉「うむ。」

南部中尉「フィリアさん、後部座席へ」

フィリア「分かったわ・・・」

信義は早露からフィリアを預かり、後部座席へ座らせると・・・
ガウォーク形態に変形しある程度してファイターに変形し空へ飛び立つ。

見届けた早露達は信義達が見えなくなると、極東軍残存部隊求めて何処かへ向かう。

このフィリアとの出会いは妻になる女性に出会っただけではなく
一ヶ月間の短くも長い苦しい戦いの序章である事を・・・
信義とフィリアは知らない。

ED

【父島】

かつて海上自衛隊父島基地が置かれていた島で・・・・
今では地球統合海軍父島補給基地が置かれている。
統合戦争で南アタリア島攻防戦の余波を受けて、冬眠は南アタリア島や日本本土へ疎開し・・・
今では母島共に軍隊の島になった。

「報告します、砲撃の余波を受けオオスミ級シモキタ。大破座礁、乗員退艦しました。」

「オオスミとクニサキが無事でいい、とりあえず、事態の収集に入れ!」

「ハッ」

父島では極東第1輸送艦隊が展開していたが・・・・
ゼントラーディ軍の砲撃を受け被害を受けていた。
護衛に当たっていた駆逐艦隊に被害が出ており・・・・
砲撃のギリギリの所にいたアーレイバーグ級ウィンストン・S・チャーチルが無惨に炎上している。

輸送艦オオスミとクニサキは無事だったが・・・
軽空母ヒュウガとクニサキは被弾座礁もしくは転覆。

なんとか無事だった同型艦のイセは甲板にあったヘリが吹き飛ばされていた。

「とりあえず纏められる艦隊はどうだ?」

「父島及び母島に展開している艦艇はこれです。」

輸送艦オオスミ
輸送艦クニサキ
軽空母イセ
駆逐艦ザ・サリヴァンズ
駆逐艦ミリアス
駆逐艦ハルサメ
駆逐艦ムラサメ
駆逐艦アブクマ
巡洋艦アタゴ
巡洋艦アシガラ
巡洋艦アンティータム
揚陸指揮艦ブルー・リッジ

「これしか残存してないのか、海上自衛隊から由来の艦艇がこれしか・・・」

「司令・・・」

基地司令官は奇跡的に生き残った艦艇を確認するが・・・
自衛隊護衛艦から引き継がれた艦艇の少なさを嘆く・・・・
統合戦争ではあぶくま型などの艦艇が戦火に沈んだが・・・・

かなりの艦艇が生きていたが・・・

今ではこれしか生きてない・・・・

ミッドウェー島にも多数のこんごうなどのイージス艦は生き残っているが・・・
全体の1割以下までに低下している・・・・

「とりあえず、艦隊を編成・・・・」

「待ってください、本土より何か来ます・・・これは・・・VF-1バルキリーです。」

「何!?」

父島のなんとか生き残ったレーダーに1機の機体が映る・・・
それは東京から飛来した信義とフィリアが乗るVF-1バルキリーだった。

父島列島や道中の母島列島、聟島列島に驚かれるが・・・

すぐに偵察に行った機が硫黄島から離陸したことを思いだし・・・
仕事を再編する。

南部中尉「父島列島の艦隊編成か・・・・よくこれだけ生き残ってたな・・・」

フィリア「凄い、地球人はあんな攻撃を受けたのにこれほどまで・・・」

南部中尉「地球人はタフなんだよ、そう簡単に絶滅なんてするかってんだ!」

艦隊の様子を見てフィリアは驚いていた。
ゼントラーディ軍艦隊の砲撃をあんなに受けていたのに、生き残りがいた・・・
被害を受けているが、作戦行動可能な艦が多数存在する。

信義は自信満々に地球人のタフさをフィリアに教えるが・・・

フィリアは驚きのあまり声が出てない。

そうしているうちに二人は硫黄島基地へと近づいていった。

【次回】

フィリアを連れて硫黄島基地へ戻った信義。
彼女でも出来たのかと、大勢の兵士達にからかわれるが・・・
一人の兵士は突然、フィリアの頬をビンタした。

そして硫黄島基地司令部は沖ノ鳥島と南鳥島とのコンタクトを試みる。

そんな信義の前に謎の機体が襲う

次回 沖ノ鳥島の死闘
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異空の遭遇戦 後編 ボドルオプション

2019-07-10 20:25:00 | マクロス短編
ミューズ・ジーナスとテレーズ・ジーナス。
マクシミリアン・ジーナスとミリア・ファリーナ・ジーナスの双子の娘であり・・・
二人は共に2022年生まれで、統合軍軍人である。

二人は容姿は違えど、考え方が違う。
テレーズは軍を一度去って、マリアフォキナ・バーロンズと名乗り・・・・
統合政府に潜む、地球至上主義者ラクテンスと戦う・・・

去る前に二人の双子を授かるが、テレーズは二人を姉コミリアに託し・・・・
ラクテンスとの戦いに投じた。

ミューズは軍人を続け家庭を持ち、幸せに暮らしている。

OP(読む前に必聴)


【アロー号.ブリッジ】

短時間の度重なる連戦で疲弊したカリーナ・・・・・
それを危惧したデイビットは艦長のサイアムにある作戦を提案しようとブリッジに向かっていた。

そのさる作戦とは・・・・・・・

ボドル・オプション

30年以上の前の昔の第1次星間大戦最大の決戦・・・・
ボドル基幹艦隊決戦で、フルブス・バレンスに乗るボドルザーを撃破し・・・・
1ヶ月間の過酷な地上戦がこの後あったとは言え・・・・

地球統合軍残存部隊と同調したゼントラーディ軍部隊の勝利の一因になった。

ボドル・オプションは敵中心部撃破を意味する言葉だが・・・・・
その由来になったのは・・・・

サイアム「まさか100年前のアメリカ軍によるアドミラル・ヤマモトの暗殺計画が由来になったヤマモト・オプションを軍人ではない君が立案するとはな・・・・・」

デイビット「ヤマモト・オプションではありません、ボドル・オプションです。今のバセット中尉は連戦に重ねる疲労で死に至るか廃人になる可能性があります、バセット中尉の余力があるうちにボドル・オプションを実行し敵を混乱させ・・・・救助艦隊と合流すべきです。」

ヤマモト・オプション

100年前の第2次世界大戦における太平洋戦線で日本とアメリカが戦争をしていた。
日本は最初は勝利していたが、ミッドウェー海戦やソロモン諸島の戦いなどから戦況が悪化した・・・・・

戦況が悪化していたとは言え、アメリカ軍が恐れ・・・復讐の対象にしていた日本軍の将がいた。

それがヤマモト・オプションの由来になった大日本帝国海軍山本五十六連合艦隊司令長官である。

アメリカ軍はヴェンジェンス作戦(復讐作戦)として人望の厚い山本長官の暗殺を計画
戦艦武蔵から発信した暗号を解読し、山本長官の前線視察を察知・・・・
チェスター・ミニッツ太平洋艦隊司令官に報告された。

しかし

ミニッツはある事を危惧した・・・・
山本長官を暗殺すれば、無能な敵将であれば生かしておくほうが味方に利益である・・・・
だが・・・山本長官の後に有能な将が出てくるのではないか?

と悩んでいたが・・・・・・・・

太平洋艦隊情報参謀エドウィン・レイトン少将は・・・・

「山本長官は、日本で最優秀の司令官であります。どの海軍提督より頭一つ抜きん出ており、山本より優れた司令官が登場する恐れは無いです」

と発言し、ミニッツは暗殺計画実行を決意し・・・・
1943年4月18日、日本時間昭和18年4月18日7時33分

「敵機接近!!機影はメザシ(P-38ライトニング.ペロハチとも言う)です!!」

「くそ・・・山本長官が乗っているのに!!護衛機しっかり頼むぞ!!」

アメリカ軍P-38ライトニング16機は一式陸攻2機と零式艦上機6機の編隊を襲撃・・・・・
30分もしないうちに、山本長官の乗る一式陸攻が墜落・・・・宇垣纒参謀が乗る一式陸攻海上着水・・・・・
攻撃側の被害は1機のみであり、アメリカ軍は山本長官の暗殺計画を成功させた。

それから半世紀以上の統合戦争では・・・・
アメリカ軍の直系の末裔とも言うべき地球統合軍が反統合同盟の指揮官暗殺を密かに実行する・・・・
ヤマモト・オプションを実行し・・・・
特務隊により、反統合同盟勢力は有能な指揮官を多数戦死させるなど・・・・・

軍の戦術としては有効と考えられ・・・・・

このヤマモト・オプションは・・・・
第1次星間大戦におけるボドル基幹艦隊決戦でも使われ・・・・
ゼントラーディ軍に対しても同じようないやそれ以上の効果があると実証し・・
ボドル・オプションという戦術が正式に確立・・・・・

基幹艦隊決戦や・・・・・反政府組織の指揮官暗殺計画としての名称が使われている。

そのボドル・オプションを損害なくスムーズに行える機体として・・・・
VF-22とその競合機VF-19エクスカリバーが開発された。

話を戻す・・・・・・

サイアム「しかし、どうやって攻撃する?反応弾はないし、大型ミサイルはそもそもない・・・・VF-17は対空ミサイルしかないのだぞ・・・・」

デイビット「使うのはフォールド・ブースター。」

サイアム「フォールドブースター?」

デイビット「フォールドブースターは小型ながら莫大なエネルギーを使う事が出来ます。フォールドすると見せかけて・・・・切り離し・・・・そこでリミッターを起動させ爆発させます。」

デイビットのボドル・オプションにサイアムはどのようにやるのか疑問を持ったが・・・・・

その疑問に答えるかのようにデイビットはフォールドブースターを使い・・・・
フォールドすると見せかけて、爆発させる案を出した。

フォールド・ブースターのエネルギーは小型ながらも莫大であり・・・・・・
爆発させたら一つの都市を簡単に消滅させる程の爆発が起こる・・・程であり・・・・・
後にこのエネルギーを応用してフォールド爆弾通称次元兵器が開発される事になる・・・・・

デイビットはフォールド・ブースターの爆発力を知っており・・・・・・・
恐ろしさを知っていた。

その恐ろしさを今の状況を打開するのに・・・・利用させてもらう・・・・・

サイアムはカリーナの身を案じて反対したが・・・・・
これしか方法がないと渋々案を受け入れた。

無論・・・・・・

アリーナ「カークス上級技師長、姉いやバセット中尉に死にに行かせるつもりですか?」

デイビット「成功率は75%・・・・・生還率は・・・・」

アリーナ「そんな事を言っているんじゃない・・・・・姉は疲れているんです、確実に死にます。」

アリーナは反対した。
アロー号にいる軍のパイロットはカリーナしかいない。
だけど、度重なる連戦で機体も不安定かつ・・・・・まともに動ける確証はない。
パイロットであるカリーナも精神的に不安定になりつつある・・・・

妹であるアリーナは疲弊しきっている姉を心配しており・・・・・
危険極まりない任務に反対する。

デイビット「頼むこれしか・・・・」

アリーナ「だったら私がやります、行かせてください。」

デイビット「ならん、君は正規の軍人ではない!!我がゼネラル・ギャラクシーの社員だ!!」

アリーナ「この・・・・分からず・・・・・」

アリーナは自分が出撃すると言うが、デイビットに反対される・・・・・
それに納得しないのか、ゼントラーディ人の血によるのか激怒し・・・・デイビットに殴りかかろうとする・・・・

周りの整備士達はそれに気が付き・・・・・止めようとする・・・・

だけど、アリーナの拳がデイビットに当たろうとしていた。

カリーナ「アリーナ!!やめろ!!」

アリーナ「お姉ちゃん・・・・」

カリーナ「殴れば傷害罪になるぞ、だからやめろ・・・・・」

当たる寸前にカリーナが物凄い表情で怒鳴った。

怒鳴り声にアリーナはデイビットを殴る寸前に拳を止める。
今のカリーナはゼントラーディ軍の軍人のように鋭い目つきであり・・・・・・
どんどんこっちに寄ってきて、これ以上やったら傷害罪とか言って来る。

流石のアリーナも落ち着きを取り戻し・・・・後ろへ下がる・・・・・・

カリーナ「ボドル・オプションの実行の件は遠くから聞いていました、ぜひ私にやらせてください!!」

アリーナ「お姉ちゃん!!」

デイビット「いいのか?」

カリーナ「私は新統合軍の正規軍人です、要請あらば命をかけてお守りするのが義務・・・それが果たせるならばやります。」

カリーナはボドル・オプションの一連の流れを聞いており・・・・・・

これしか方法はない、生き残る方法がないならばデイビットの言うボドル・オプションを実行してやる・・・・
既にカリーナは覚悟を決め、デイビットの案に乗る・・・・・・

アリーナは・・・・・

アリーナ「お姉ちゃん・・・本気・・・・」

カリーナ「本気よ、アリーナのような民間人を守るのが軍人としての役目・・・・・」

アリーナ「でも・・・・・・・」

カリーナ「大丈夫よ私は結婚し子供が生まれる前に死ぬような真似はしないから・・・・」

ボドル・オプションに志願するカリーナを心配する・・・・
今の精神状態で上手く行けるのか・・・・それが心配だった・・・・

カリーナは・・・・

カリーナ「大丈夫、お姉ちゃんを信じて・・・・」

と言うのであった。
さっきの怒っている顔の姉の表情じゃないいつもの優しい姉の顔であった。
アリーナは涙を流し、姉カリーナがボドル・オプションの実行する事に賛同した。

それからすぐ・・・・・
カリーナのYVF-22の整備と補給が行われる。

精神と肉体の疲労を和らげる栄養ドリンクを飲ませ・・・・・
フォールドブースター2基を装着させた。

デイビット「リミッター解除の装置だ・・・生き残りたければ遠い距離で実行するんだ・・・いいな。」

カリーナ「はい」

デイビット「それと生きて帰れ、妹の為・・・故郷の家族の為にもな・・・」

カリーナ「はい。」

出撃する寸前にデイビットから生きて帰れと言われた。

心配してくれる家族、故郷に残した家族・・・・・それらを悲しませないように・・・・・・
デイビットの生きて帰れの意味をカリーナは上記のように解釈した。

確かにアリーナは泣いていた。
体やYVF-22の状態を見て、死んでしまうのではないかと心配してくれていた・・・・・
これ以上アリーナを悲しませないためにも・・・・・・・・

生きて帰る

カリーナはそう決心し、長い緑色の髪を上にあげてヘルメットを被った。



フォールドブースターを搭載したカリーナの乗るYVF-22は敵艦隊のいる方向へ向かった。
カリーナの表情は疲れきっているが、目の奥の闘志は燃えなかった。

自分は多分死ぬ・・・・・死ぬだろう・・・

まだ22歳であり、若い女らしく生きたかっただろう・・・・

だけど・・・・・・・死ぬつもりはない・・・・・・・・

この場に母がいれば・・・・・・・

常に人間は何かを求め戦う、戦う意思を失えば人間はその時・・・死ぬだろう!!
どんなに苦しい時も死にそうな時も・・・・抗えば・・・・活路は多少たりとも見えてくる・・・・
カリーナ・・・・軍人を目指し戦場に出て苦しい戦場でも・・・・諦めるな・・・・私の娘なら・・・

行ってらっしゃい

と言うだろう・・・・・・・・

そうか、人間は何かを求めながら戦いながら生きているんだ・・・・・
戦う意思を失えば死ぬ・・・・・・・戦う意思がなければ・・・・・・・・・・

カリーナ「父さん、母さん・・・・アリーナ・・・・・私は戦う・・・・今後の未来のため・・・・・・・・・・・・」

未来を求めて戦う・・・・・・

カリーナはそう決意した・・・・・・どんなに苦しくても生きるため・・・・・・戦って未来を勝ち取る・・・
この手が敵兵士の血に染まろうが、なんだろうが・・・・・・・

そう思っていると・・・・

カリーナ「ゴースト部隊これは?」

アリーナ『直接戦場へ行けないけど、私たちも戦うよお姉ちゃん。私たちが整備した偵察用ゴースト全機発進させるわ!』

カリーナ「アリーナ・・・・・・・・・みんな・・・・・・・」

アロー号から残存していた偵察用ゴーストを出してくれた。
ここまで支援してくれているのだから、絶対に成功させなければならない・・・

いや生きて帰らねばならばい・・・・・
カリーナを涙を流していたが、ヘルメットのキャノピーで涙を拭き・・・・・・
戦場へ出る。

挿入歌

カリーナ「敵め少数戦力の波状攻撃・・・だけどこれが終わればこの戦いが終わる邪魔をするな!!」

いつもの波状攻撃部隊6機がやってきた・・・・・

カリーナはバトロイドに変形し、クァドラン・ローのような戦術を取り・・・・
残骸を蹴って、バトロイドにおける機動性と旋回性をあげた・・・・・

レーザー砲でまず1機撃破し・・・・・・・・・・・・
近くを通りかかろうとしたもう1機をピンポイントバリアパンチでコックピットを叩き割る。

カリーナの反応に驚いたのか・・・・・
未確認飛行物体はバトロイドに変形し残りの4機はカリーナを囲むように展開・・・・・・
普通のパイロットならば苦しい状況だが・・・・

この時のカリーナは渡っている・・・・

カリーナ「囲んだ所で勝てると思うなよ!!」

とカリーナはそう言いながら、近くに浮遊していた不発のミサイルにレーザー砲を撃った。
レーザーに当たったミサイルは爆発し、2機の未確認機に被害を与えた。
2機は被弾し怯み、残りの2機は動揺・・・・・

カリーナはその隙をついて離脱、斜めに後ろ向きバックで移動しながら・・・・
未確認機の背後を銃撃、2機撃破・・・・・

被弾した2機もようやく元の態勢に戻ったが時すでに遅く・・・・
カリーナが背後に接近しYVF-22の腕に掴まれ・・・・
胴体を握りしめて切断・・・・・
もう1機は振り返るがコックピットにレーザー砲の銃口が向けられ銃撃され潰される。

カリーナ「邪魔者は消えたそろそろ起動させないと・・・・」

敵編隊を殲滅したカリーナはフォールドブースターのリミッターを解除・・・・
臨海爆発まで残り60秒となった。

リミッター解除は一見、フォールドするように見えるが・・・・
実際はフォールドせず、ただ大爆発を起こすだけである。
この大爆発を利用し敵母艦を沈めようとするのが・・・
今回のボドル・オプションの目的である。

温存していたアクティブステルスを起動させ、ゆっくりと敵艦隊へ接近する・・・

カリーナ「!?・・・・機体はもうだめかもしれない・・・・あと少しだけ力を貸して・・・・これが終われば最後なんだから・・・・頼む・・・・」

今までの戦闘のさっきの遭遇戦で高機動戦を行った結果・・・・
YVF-22は限界を越えてしまう寸前になっていた。

もうこのままでは終わってしまう・・・・・カリーナはそう感じた。

カリーナ「よし敵艦隊確認・・・対空砲火を迎える前に切り離さないと・・・・・」

ようやく敵艦隊が目の前に現れた。
目的の母艦や護衛艦がたくさんいるし・・・
これからアロー号へ攻撃に向かう機影がたくさん・・・

カリーナは喜びながらフォールドブースターリリーススイッチを押す

が・・・・

カリーナ「やばい・・・リリースボルトが・・・・」

慌てていたのか、機体の歪みからか・・・・・
リリースボルトが起動しない・・・・・

このままではフォールドブースターの爆発と共に消えてしまう・・・・

焦りの色を見せ始めるが・・・・
敵艦隊は対空攻撃が始まり・・・・光の矢がかすめる・・・・

カリーナ「父さん・・母さん・・・アリーナ・・・美穂・・・・ミューズ・・・・テレーズ・・ライト先輩・・・御免・・・・・私帰れそうにないや・・・・・アリーナ・・・皆どうか生きて・・・・・」

もうリリースできないなら命と共に敵艦隊を道ずれをする・・・・・・・

そう考えるようになった・・・・
22歳の若い命を散らす・・・・・・
正直嫌だ・・・・でも大事な人を失うのはもっと嫌だ・・・・
カリーナは穏やかな顔をして・・・・死を覚悟する・・・・

カリーナ「ん?これは・・・・」

と覚悟を決めていたカリーナはある物を見つける・・・・・
YVF-22が搭載しているリミッター・・・・
かつてYF-21試作2号機のパイロット.ガルド・ゴア・ボーマンが・・・

シャロン・アップル事件で暴走したゴーストバードX-9に対し・・・
リミッターを解除して機体の必要外のパーツをチャージし・・・・
機体を軽くし人体に耐えられる限界以上の機動力を出す禁断の扉・・・

結果的にガルドはGに耐えられず、ゴーストバードX-9を撃墜したが・・・
死に至る結果になっている・・・・・

カリーナ「これも危険だけど・・・・ないよりかは・・・・」

そんないわくつきの禁断の扉をカリーナは開いた。

禁断の扉の開放により主翼・垂直尾翼・手脚が吹き飛び・・・
YVF-22は半分の質量になり・・・・
吹き飛んだ反動によりカリーナの乗るYVF-22は吹き飛んだ。

吹き飛び艦隊をすり抜け、艦隊上方に到達・・・・・

この時カリーナが到達した時には爆発2秒前で・・・
到達直後、フォールドブースターが臨界点を超え爆発した。

「艦長・・・・想像以上の空間衝撃波が・・・・・」

サイアム「やったか・・・・」

アロー号の観測では経験した事のない衝撃を体感した。

それもそのはずグランド・ゼロでは艦隊が艦載機と共に消失・・・・
後に残ったのは無残な残骸のみと言う結果になった・・・・・

ただ・・・・・・

「バセット中尉・・・・ロスト・・・・・」

「同時にマクロス7船団の艦隊とマシューズ艦隊接近・・・・・」

カリーナのYVF-22をレーダーから見失ってしまった。
皮肉な事に救援艦隊の到着がカリーナロストの報があがった直後・・・。
サイアムは制帽を深くしながら、厳しめな表情を浮かべる。

戦闘から・・・・数時間後・・・・

「こちらマクロス7船団所属ルーネンバーグ、僚艦ハリファックスと共にYVF-22を捜索・・・・YVF-22を発見・・・・」

カリーナの乗っていたYVF-22が救援に来たマクロス7船団所属の・・・
ノーザンプトン級ステルスフリゲート.ハリファックスとルーネンバーグに発見された。
その報を聞いたアロー号はすぐさま、現場に急行した。

「流石に生きているのでしょうかね?」

「分からん、とりあえずコックピットを確認しろ!」

ルーネンバーグに回収されたYVF-22に整備員や士官らが集まる。

医療班も待機しており・・・・・
カリーナが生きているのか死んでいるかの確認をコックピットを開いて直ぐに行う。
医療班を含むルーネンバーグの乗員は息を飲む。

しかし

この直後、思いもがけない出来事が起きる。

カリーナ「ふぁぁぁぁよく寝た、漂流してたおかげで寝れたよ・・・」

「バセット・・・中尉・・・・・」

カリーナ「ちょうどいいや・・私の戦闘に関する事について記録してくれない?」

「わ・・・分かりました・・・・記録します。」

カリーナ「・・・・最初の出撃の時にさ・・・・・」

能天気な顔をしながら、元気よく今回の戦闘に関しての考えなどを語りだした。

デイビットや妹アリーナらはルーネンバーグに乗艦し、心配しながらカリーナの元へ向かうが・・・・・
元気よく、今回の戦闘に関しての考え方やダメージの対処の仕方や戦術に関しての事を語っていて・・・
口をポカーンとあげながら唖然としていた・・・・・・

カリーナ本人からすれば、テストパイロットとしての仕事を忘れずに・・・
いろいろと研究しながら戦っており、折角の考えを忘れないように技術者にいろいろと自分の考えを言った。

デイビット「流石は君の姉だね、記憶力もいいしタフ・・・・」

アリーナ「回復力早い・・・・・・とは言え、生きててよかった・・・・」

呆れる程の体力の回復の早さだったが、生きていてよかった。

生きていてよかった。

その後、アロー号はマシューズ艦隊に護衛され惑星マシューズへ寄港した。

カリーナと護衛艦の兵士、負傷した職員らは寄港してすぐ軍病院へ入院した。
後に分かった事だが、カリーナが撃墜した正確な数は48機と軍艦数隻であったと言う。
今後更に数は増えるだろうが・・・・

以前から流れていたVF-22の稼働率の低さの噂を払拭させ・・・・
VF-17の頑丈さのセールスポイントを獲得するいい機会になった。

マックス「なるほど謎の艦隊か・・・悪い事は本当になったな。」

バートン「カリーナ・バセット中尉の実力すさまじく、謎の艦隊を撃破したとの事・・・・」

マックス「恐ろしいが頼もしい、敵に回したら不気味なエースパイロットだ・・・・流石はかつて私とミリアの前に立ちふさがったゼントラーディ軍の女性エースの娘だ・・・・・」

救助艦隊から報告を聞いたマックスはVF-22の情報とカリーナの戦闘記録を読んだ。

中々いい戦闘記録であった為マックスは喜んだが、カリーナの力に対し畏怖を覚える。
味方では頼もしい敵だと厄介・・・・
天才マクシミリアン・ジーナスとは言え怖い敵はいるもんである。

怖いものと言えば・・・・妻のミリア・・・そして・・・・

バートン「救助艦隊よりこれを・・・・・」

マックス「ミューズか・・・・惑星マシューズ自治軍所属で、バセット中尉と美保少尉そして妹のテレーズとは同期だ・・・・パパへ、元気でやってます。せいぜい女性オペレーターにはあんな事やこんな事になる展開になってママを悲しませないでください・・私はそんな事をしない。」

バートン「あの恥ずかしいプライベートな事を堂々と口で言うのはどうかと・・・・」

娘・・・・・・
この前ミランダが船団から離れたばかりで、近くにいるのはミレーヌのみである。
そのミランダやミレーヌを含め、マックスに対し愚痴を言うので・・・・
マックスからすれば怖い相手であり・・・・・

十分成長したコミリアからテレーズまでの20代は特に怖い相手である。
その怖い娘の一人から怖い内容の手紙が来て・・・

マックスは思わず口に出して読んでしまった。

とは言え、マクロス7船団は・・・・
半年後、カリーナらを襲った未確認集団いや・・・・・
プロトデビルンに洗脳された軍事集団バロータ軍と戦う事になるのだが・・
それはまた別の物語。

【惑星マシューズ.星都.マシューズシティ.第1軍病院】

カリーナらはマシューズの第1軍病院へ入院した。
入院しカリーナは何不自由なく養生していたが・・・・

病院食の味の悪さに不満に思っていた。

アロー号は一足先に惑星エデンに戻った。
アリーナも当然その一人であり、離れ離れになったが・・・
別れ際に病室に訪れお見舞いに来た。

そして今日・・・・

ミューズ「驚いたよカッチー、パパの船団に訪れて・・・帰還中に襲われて負傷とはね。」

カリーナ「ミューちゃん・・・・でも頑張ったんだよ、なんとか敵を撃退しました。」

ミューズ「分かっているわよ、カッチーが戦場でヘマをしないくらい知っているわ・・あの地獄・・・スピカの戦いを生き抜いたのだから。」

カリーナ同期で父マックスに激しいダメージを与える手紙を書いた・・
ミューズ・ジーナスが果物を手土産にやってきた。

親友の中ではミューズとテレーズと仲良しで・・・
美穂を含めた親友達で団体旅行に行くほどの仲良しである。
見舞いに来るとカリーナと楽しく談笑・・・・

いろいろ冗談を言って楽しんでいた。

ミューズ「怪我なおして、いつかおいしい物を食べよう!!」

カリーナ「ミューちゃんの奢りで!」

ミューズ「13回奢らすな!次はカッチーが奢るんだよ!」

カリーナ「ケチッ!!」

と和やかな雰囲気のまま解散・・・・・
ミューズは笑顔のまま帰っていった。

カリーナ「さて私も怪我を直し一か月休暇でマシューズ名物食べようっと!!」

ミューズが退室した後・・・・
カリーナはのんびり自分の欲望について考える・・・
この前激しい戦闘を経験したのが嘘なくらいに・・・・

その後、カリーナ・バセットは養生有給休暇1か月の後・・・・
オリンピア船団出航までの間GG開発センターに出向継続・・・・
アリーナと仕事したり・・・・・
次世代機開発プログラム参加後

クラーキン・プライズ章を獲得・・・・
軍からはロイ・フォッカー章を授与し、階級を大尉に昇進し・・

オリンピア船団の飛行編隊隊長に就任・・・
オリンピア船団の安全保障を維持している。

YVF-22は修理不能になったが、社の保管庫に眠っている。

ED

エピローグ

【惑星ピースミリオン】

第2次シェルバン大戦の激戦区であり・・・・
シェルバン共和国とその同盟国と激しい死闘を繰り広げていた。

その基地の宿舎で・・・・・・

ライト「フォールドブースターを利用した作戦・・・・か・・・・」
新統合軍ライト・インメルマン中尉

一人、ニュースを見ていたライトは・・・
カリーナがフォールド・ブースターを起爆した作戦に関するニュースを見ていた。
新統合軍がシェルバン軍とその同盟国に関するプロパガンダであり・・・

統合軍が停戦するカードだろう・・・・
ライトは一人テレビを見ながら、じっと眺めていた・・・・

もしこれが軍事兵器になれば核兵器・・・反能弾に次ぐ・・・
最終兵器になるだろう・・・・・とライトは思った。

吉野朝灯「ライト、何しょげてテレビ見ているのよ。」
新統合軍衛生兵吉野朝灯軍曹(後のアサヒ・インメルマン)

ライト「なんでもない、そっちは?」

吉野朝灯「負傷兵の治療は交代要員に変わったわ、今はお休み。」

ライト「そうか、二人で何か食べないか?」

吉野朝灯「それはいいわね、食べに行きましょう。」

今では恋仲になった朝灯がやってくるとライトは優しげな表情を浮かべる・・・・
朝灯の前では暗い表情は浮かべない・・・・・

ライトはテレビの前から離れ、朝灯を連れて食堂へ向かう。

この時まだ知らない・・・・
15年程後、第1次ウィンダミア独立戦争にてライトは・・・
VF-22に搭乗し遠隔操作により、次元兵器を使用し・・・
自身の命と多数の統合軍やウィンダミア国民を死地へ送る事を・・・・

朝灯がライトの死に悲しみ自殺未遂してしまう事を・・・・
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異空の遭遇戦 後編 過酷な戦場

2019-07-08 00:44:14 | マクロス短編
BGM


西暦2044年の世界情勢は緊迫化していた。

星間国家同士の紛争に新統合政府が巻き込まれたり、戦線布告してきたりと・・・・
世界各地で紛争が多発していた。

元々の脅威は反統合同盟勢力やゼントラーディ軍などであるが・・・
星間国家を発見すると統合政府と合わない国家があり、緊張状態か紛争に繋がるケースがあった。
無論すべての国家はそうではなく・・・・・
統合政府を中心にした統合連邦と言う枠組みに入る国家もある。

とは言え

人類は形は違えど統合政府が成立する前の地球の国際情勢に戻ってしまい・・・
終わりが見えない戦争へ踏み込み混んでいった。

シュバンシュバン

「よし敵陣地にダメージを与えたな!」

「大隊長・・・・シェルバン軍可変戦闘機接近!」

「何!?」

「見ろ!ヴァリアブル・ボマーまでいる!」

「シェルターへ待避だ!いや何処でもいい待避だ!!」

中でも第2次シェルバン大戦は泥沼かつ苛烈な戦いであった。
新統合政府とそれに与する星間国家とシェルバン共和国とそれに与する国家は・・・
領土問題で紛糾、度重なる不満が重なりついに戦争の火蓋を切る。

開戦から1年以上、戦いの終わりは見えない・・・

戦争が終わらない、終わってもまた戦争が起きる・・・・
人間こそが戦争の源なり・・・・・人間が生きている限り・・・・
戦争は永遠に終わる事はない・・・・

それに気がつかないまま人類は武器を取る。

己自身の正義のために・・・・・

【資料.歴史学者ウィルトニー・バートン】

OP(読む前に必聴)


苛烈な戦いが行われている頃。
マクロス7船団ではアロー号が惑星エデンに戻ろうとしていた。
エデンに戻り、いろんな新型に関する仕事をしなくてはならない。

準備を終えたアロー号はマックス達に盛大に見送られて惑星エデンへ向かった。

それからしばらく・・・艦長室にて・・・

マックス「彼らは無事だろうか?」

バートン「やけに心配してますね。」
新統合宇宙軍ジョージ・バートン大佐

マックス「心配するさ、今の情勢は不安定だからな。」

マックスはアロー号の心配をする。

護衛の駆逐艦がいるとは言え、艦載戦力は・・・・・
VF-17とVF-22のみ、明らかに戦力が不足している。

反統合勢力に襲われる危険性が高い・・・

それに・・・・

マックス「紛争以外に関する心配事は沢山ある、アブラハム・ド・バセロン大佐の件と最近マクロス5から6にて確認される・・・」

バートン「未確認飛行物体ですな。」

マックス「うむ・・・偵察飛行を行うVF-14に酷似した飛行物体、何か起こる可能性がありマクロス5とマクロス6そして我々マクロス7は警戒している。そして今、これが来た!」

バートン「承認書、早いですね。VF-19の時はこんなに早くないですし。」

マックス「上も脅威を認識しているのだろう、近いうちに何か災いでも起きるだろう・・・」

未確認飛行物体の脅威

最近、マクロス7などでは未確認飛行物体が確認されている。
その未確認飛行物体は偵察飛行をしているようであり・・・・
艦載機が近づけば、その場から去る事が多かった。

マックス「アロー号の艦長には知らせたが、正直不安だな。」

バートン「駆逐艦や空母を待機させますか?」

マックス「当然だ!大佐、手配してくれたまえ」

バートン「はっ」

何かの不安を感じたマックスはバートン大佐に・・・・
いつでも救援に行けるように空母を中心とした艦隊の編成を命令した。

念には念を・・・・・

マックスはそう考えながら、眼鏡を外しアロー号の安全を祈った。

【惑星マシューズから3光年先のアロー号】

アロー号は・・・・
サザーランド級護衛駆逐艦マドラスとモンテレーの2隻に守られながらエデンに向かっていた。
フォールド断層やメガロード10が入植した惑星マシューズがあるが・・・・
直帰でエデンに帰る事を目的としていた為、アロー号はそれを気にしないで進む。

アリーナ「シェルバンとの戦争激しいなぁ、地上戦が1999年以前のようだよ。」

カリーナ「まるでガルフ・ウォー(湾岸戦争)のようだよ、おじいちゃんやおばあちゃんが言ってた地獄みたいだ。」

アリーナ「それより酷いかも、1年以上も戦争よ。統合軍もかなり部隊出しているけど、膠着状態・・・前のシェルバン大戦と同じそれ以上の地獄よ。」

カリーナとアリーナはニュースを見ていた。
第2次シェルバン大戦の銃撃戦・・・・・・市街地戦であり・・・・
新統合軍とその同盟軍とシェルバン軍とその同盟軍の歩兵が撃ち合い・・・・

歩兵が戦う奥ではバトルロイド形態のVF-11サンダーボルトが・・・・・
バトルロイド形態のシェルバン軍のSVF-11エンキドゥに押し込まれ建物が崩落する。

二人は息を飲みながらニュースを映像を見る

アリーナ「お姉ちゃん、これが終わったら原隊復帰でしょ。まさか最前線に?」

カリーナ「まさか、私はマクロスオリンピア船団配属の内定決まってんの。」

アリーナ「あぁ良かった、最前線じゃなくて。」

ニュースを見たアリーナはカリーナにこの仕事が終わって最前線に行くかを聞くと・・・・
カリーナはマクロス・オリンピア船団に配属すると答える。

マクロス・オリンピア船団とは移民船団の一つであり・・・
オリンピア船団に創設されるVF-22編隊の隊長としてカリーナが内定していた。
その為か、カリーナは最前線に行く事はない。

それを聞いたアリーナは安堵し、姉カリーナの両手を握り喜ぶ。
カリーナもアリーナから心配してくれた事に喜び笑顔を浮かべるが・・・

直後、最悪な報告がアロー号に飛び込んでくる。

「艦長、ゴーストより謎の飛行物体確認との報告」

サイアム「なんだと?」
ゼネラル・ギャラクシー.サイアム・コーソン

「数は数十機います。」

サイアム「回避できるか?」

「コース回避しても、ぶつかります。」

アロー号から出撃したゴーストが謎の飛行編隊を確認したと言う報告文を出した。
数十機のVF-14バンパイアに酷似した機体であり・・・・IFFにも反応してない。

特殊部隊なのか?

サイアムは一瞬考えたが、特殊部隊にしては数が多すぎる。

既に護衛艦からVF-5000Aスターミラージュが展開し、不測の事態に備えているが・・・・
数は圧倒的に少なく不利である。

そこで・・・・・・

サイアム「オブザーバーとしてマクロス7船団に常駐しているグレゴリー・ハンソン少佐に代わりカリーナ・バセット中尉に出撃要請。」

「艦長、いいのですか?」

サイアム「いいもなにも、彼女は軍人だ!エースパイロットだ、今は議論している余裕はない。数が多いならYVF-22で出させろ!」

唯一アロー号にいる軍人であるカリーナに出撃を要請した。

グレゴリー・ハンソン少佐と言う予備役パイロットの軍人がおり・・・・・・・
非常時にカリーナと共に出撃し、部隊指揮官として活動する筈であったが・・・・・
マクロス7船団のVF-22導入の為のオブザーバーとして常駐しており今はいない。

他にも軍人はいるが、パイロットではなく・・・・・
カリーナより階級の低い人しかいない。

サイアムはカリーナにYVF-22を乗せて敵を迎撃する事を決める。

カリーナ「敵ね・・・・・・出来れば会いたくなかったけど・・・・」

アリーナ「弱気なんだね、お姉ちゃん。」

カリーナ「弱いじゃなくて本音、面倒事が起きない方が軍人や民間人にとって幸せなの。まぁ面倒事に備えるのが、軍人だけどさ。」

カリーナはYVF-22のコックピットに乗り込み、アリーナと会話する。
今回の未確認飛行物体の搭乗はカリーナからすれば面倒事であり、起きて欲しくなかった。

輸送艦の護衛なんて、そう簡単に出来るもんじゃない。

簡単じゃない護衛に敵がやってくるのは正直面倒事・・・・
予備役の軍人でゼネラル・ギャラクシー社員のアリーナには分からないが・・・・
実戦をなんども経験したカリーナに分かる。

護衛仕切れず、死傷者を出してしまう罪悪感を・・・・

カリーナ「出るわよ!」

出撃したカリーナは護衛艦から出撃したVF-5000スターミラージュと編隊を組み・・・・・
接近してくる未確認飛行編隊との接敵し、敵か味方かの確認をする。

IFFに反応しない未確認飛行物体・・・・・

何か違和感と未確認飛行物体からの威圧感がある。
嫌な予感する・・・・カリーナは考えるうちにある結論に至る。

カリーナ「まさか・・・・未確認(アンノン)ではなく未確認敵(アンノンエネミー)!?散開(ブレイク)!!」

未確認飛行物体は敵・・・・

カリーナは未確認飛行物体を敵と認識し戦闘態勢に入った。
直ぐ様編隊を崩し、散開・・・・

案の定・・・・・敵であり、ミサイルが飛んでくる。

カリーナ「懐に飛び込むわよ!気をつけて!」

「分かって・・・・あっ」

カリーナ「くっならば・・・・」

初弾で僚機1機が落とされてしまい・・・
カリーナは物凄く危機感を感じるが、常に戦いの戦術を考えており・・・
恐怖に飲み込まれていなかった。

ただ敵が来たのだと思えばいい・・・・

未確認飛行物体のミサイル攻撃に対し・・・・
ナンバリングを駆使し頭部レーザー砲と腕部レーザー砲を駆使して迎撃・・・・

艦隊に迫るミサイルには強風に翻弄される落ち葉のような動きで迎撃。
全ミサイルの迎撃成功させる。

カリーナ「ロングレンジ攻撃が無理だと分かり、詰めてきたな。」

今の迎撃を見て敵は詰めてきており、4機編成小隊が5つに分かれる。

詰めてきているので、カリーナらは未確認飛行物体の姿を視認する。
VF-14のシルエットで間違いないが、全くの別物。
そう確認したカリーナは操縦桿を強く握り、物凄いスピードを出す。

ファイターで編隊に急接近し、バトロイドに変形しガンポッドや頭部と腕部のレーザー砲を駆使し・・・
未確認飛行物体を5機編隊小隊中、4機を撃墜した。

カリーナの動きに驚いた未確認飛行物体は退避コースに乗るが・・・・
VF-5000編隊の攻撃を受け更に3機損失。
態勢を建て直すのか、編隊は撤退した。

この撤退に安堵する一同だが・・・・・
カリーナは・・・・

カリーナ「母艦がいる・・・・・大きいな。」

敵の母艦がいると、確信した。

母艦がいれば再度の攻撃がある。
そうなれば、相手は自分たちの物資と精神を磨り減らし殲滅するだろう。
カリーナは兵士として敵の考え方を洞察した。

その後、艦内へ戻り・・・・
マクロス7船団や近くにあるマシューズ自治軍への救援をするべきと進言した。
無論サイアムは既に行っており・・・・・
マクロス7から空母艦隊、マシューズ自治軍は10隻の軌道艦隊を向かわせたと言う。

しかし

辿り着くのにマクロス7船団40時間、マシューズ軍42時間と・・
そう簡単に来てくれるわけではなかった。

一方で・・・・

デイビット「凄いな君の姉さんは・・・・BCIシステムとマッチしている。」

アリーナ「はい、ありがとうございます。」

ロナルド「本当にそうだよ、バセット君。・しかし・・・BDIシステムがないとは言え、凄いなVF-22は・・・まるで異空の支配者かのような性能の持ち主だ!」
ゼネラル・ギャラクシー.ロナルド・フェラー

アリーナら技術陣達は興奮していた。
カリーナが本気の見せた戦いとBCIシステムのシンクロは技術陣が欲しいデータになった。

まるで異空の支配者・・・・・
自分達はとんでもないバルキリーを作った・・・
技術陣からすれば興奮しない方がおかしい状態になっていた。

一方のカリーナは・・・・

カリーナ「次に出撃したら、敵が諦めるまで戦闘は続くだろうし。プロペラントと弾の補給は艦外でやるしかないわ」

アリーナ「えっなんで?」

カリーナ「多分、連中、戦術を変える可能性が高いわ。ゆっくり休めるのが最後だと思うの・・・・」

この後の展開を予測し、補給作業を艦の外で行って欲しいと言った。

理由は敵が戦術を変更し、しつこく攻撃してくるから・・・・
補給作業中に艦内にいて、銃撃を食らったら確実にやられる。

カリーナはそう感じており・・・・
いつでも出れるように艦外で補給するようにアリーナに要請した。
アリーナは何の事か理解は出来なかったが、とりあえず了承した。

BGM

「ぐぎゃぁぁぁぁ」

カリーナ「くっ損害が増えている、連中・・・やはり戦術を・・・・」

次の戦いが始まった。

未確認飛行物体の編隊は陽動部隊と別働隊の二つに分け攻撃を仕掛けてきた。
カリーナはYVF-22の性能を生かしてカバーしたが・・・・・・

旧型のVF-5000で編成された護衛部隊の艦載機はことごとくやられた。

ズガァァァァン

「護衛艦モンテレー、ブリッジとエンジンが被弾。航行が不能です。」

サイアム「なんとしても耐えきれ!敵が撤退後、モンテレーの乗員を救助する。」

被害が出たのは艦載機だけではない艦隊に被害が出始め・・・・
護衛艦モンテレーが沈黙、撃沈は免れたが艦としての機能を損失。

次々と脱出する内火艇が出てくる。
それでも敵は攻撃を緩めない。

ファイター形態でどんどん迫り、アロー号を攻撃され被弾。
幸いにも損傷軽微で済んだ。

「艦長、マドラスより入電。我、アローの盾になる。なんとしてもプラネットエデンに向かわれたし。との事。」

サイアム「マドラスめ、何を・・・・」

護衛艦マドラスは敵が来る予測エリアに前進、被弾したアローをカバーした。
攻撃はマドラスに集中し、奮戦しつつ迎撃に成功するが・・・・
エンジン被弾、航行不能になり艦としての機能が半分損失・・・・

抵抗続けるが・・・・段々と抵抗の力を失い・・・・
艦が完全にダウンする前に内火艇で脱出する。

その後、カリーナとアロー号は孤立無援で奮戦するも・・・
マイクロミサイルとガンポッドを3時間で撃ち尽くす・・・
固定のレーザー砲やピンイントバリアによる格闘戦を行うが・・・・

疲労により集中力が欠けはじめ、正確な攻撃がしにくくなる。

カリーナ「何機だろう、何機・・・・・」

戦闘は過酷極まる結果になった。
何度も敵は撤退、そして攻撃を繰り返す・・・・・
カリーナは多分百機は撃墜した、大した相手ではないが・・・・
正直、数による攻撃はきつい・・・

それでも戦い続け・・・・・
そして時間は30時間が経過した・・・・時点で事件が起きる

「班長、バセット中尉が失神しかけてます。キャノピー強制解放します。」

アリーナ「やって!医療班も呼んで!」

カリーナが失神しかけ、自力でキャノピーを開けられなくなった。
なんせ寝ないで戦い続け、休憩は30時間のうち僅か1時間未満。
ブラック企業が可愛く見える程、過酷な戦闘を強いられている。

整備班などの他のクルーも疲弊しているが、交代がいる分まだいい。
カリーナには交代要員はいない。

孤立無援なのだ!

「敵が来るぞ!どうする?」

アリーナ「私が戦います。」

「なんだと?バセット班長、お姉さんと違って、正規兵では・・・・・」

アリーナ「私は予備役軍人の資格あります、なんとか・・・」

そんな状況下で・・・・・
アリーナは姉と同じタイプの予備のパイロットスーツに着替え
格納庫に待機中のVF-17に乗り込む。
整備班の面々は驚いてたが・・・・・
アリーナの表情は真剣で次第に納得するパイロットも増えてきた。

アリーナ「姉の分、しっかり働く覚悟しろ!下郎共!」

出撃したアリーナは強かった。
姉と同様母がかつて乗ってたクァドラン・ローのようにバトロイドで戦う。
鬼神のような働きに未確認飛行物体の編隊は驚き・・・・

アロー号を攻撃出来ないまま撤退した。

カリーナ「うっ・・・・アリーナは?」

「班長は出撃しました。大活躍で敵を撃退したしたよ!」

カリーナ「出撃・・・・・・くっ・・・・あの娘の手を血で染めてしまった。」

「中尉?」

なんとか意識を回復させたカリーナ・・・・
妹のアリーナの居場所を衛生士に確認するが・・・・

衛生士から出撃したと聞かされ、聞いた途端涙を流し妹を出撃させ・・・

相手の血を浴びさせてしまった事を後悔した。

民間企業に就職し、決して敵の血で己の手を汚す事はないと思っていた。
いや危険な目や妹の人生の経歴に汚点を残したくないと思っていた。

だが

汚してしまった。
カリーナは悔しさのあまりに涙を流し、己の無力さに怒りを・・・ぶつけるなど・・・・
自己嫌悪に陥った。

デイビット「バセット中尉の精神とYVF-22は限界だな。」

泣いているカリーナの姿を、YVFー22を見てきたデイビットが見ており・・・・
カリーナとYVF-22が限界だと悟った。

その場から去ったデイビットはある事を考え付き、ブリッジへ向かった。

ED

【惑星マシューズ.ニューシドニーシティー.マシューズ自治軍司令部】

BGM

新統合政府マシューズ自治軍司令部
直轄の宇宙基地QX2が受信したアロー号の救難信号を確認し・・・・・
ニューシドニーシティー軍港と宇宙基地から・・・・
ウィリス・キャラハン准将が座乗するウラガ級ヘレナを旗艦とし・・・・

僚艦
◆グァンタナモ級宇宙空母
モントピリア
デンバー
◆ノーザンプトン級ステルスフリゲート  
チャールズ・オースバーン
ダイソン
スタンリー
クラクストン
ナガナミ
ウミギリ
スペンス
サッチャー
コンヴァース
フート
アキシオ
ヤマサメ
で構成された救援艦隊を出撃・・・・
中間地点に・・・・

◆グァンタナモ級宇宙空母
ペンサコーラ
◆ノーザンプトン級ステルスフリゲート
ハヤサメ
ナツサメ
アンダーソン
ラッセル
オースチン
ヒューズ

が待機しており、衛星グラーダでは宇宙警備艦隊と・・・・
VF-12で編成された2個飛行隊32機を待機させる命令を出した。

「未確認飛行物体と艦隊、厄介ですね。」

「下手すれば、我が惑星にも災いが来るからな。未確認飛行物体の国家には我が軍の力を見せねば・・・・」

マシューズ司令部が大規模部隊を展開させたのは・・・・
未確認飛行物体とその母体の敵艦隊の来襲による警戒・・・・

惑星周辺でマクロス5やマクロス6・・・・・・マクロス7が未確認飛行物体が確認されている。
もしかすると我が惑星に来襲するかもしれない・・・・
自治政府大統領や司令官は危機感を感じていた。

「20光年先こ惑星マダットの部隊のなどに連絡しますか?」

「連絡しておけ、あそこは統合軍以外の軍隊も駐留している。下手に襲われ、被害受けたら国際問題だ!」

未確認飛行物体の襲来はマクロス7船団などの移民船団のみならず・・・・
近隣の惑星も警戒感を強めていた。

監察軍なのか?ゼントラーディ軍なのか?
未知なる星間国家なのか?別のなにかなのか?
正体の分からぬ敵に・・・・・・・

距離の近いマシューズ司令部の幕僚らは頭を悩ませていた。

ミューズ「未知なる敵ね・・・・・・・パパやママ、フレアが心配になってきた。」
新統合宇宙軍ミューズ・ジーナス中尉

マシューズ軍の一人のマックスとミリアの娘ミューズは・・・・
空母ヘレナ艦内で、司令官の演説を聞いて家族を心配した。

未知なる敵の存在・・・・一般兵士からすれば親戚を心配する者もいる。
そんな兵士達の悩みが可愛いくらい苦しんでいる方々がいる。
今はそんな事は誰も知らない・・・・

【次回】

護衛艦や護衛部隊もなく、過酷な戦いを強いられるカリーナらアロー号の面々。
絶対に手を血に染めさせたくなかった妹の出撃、その後悔がカリーナを襲う・・・
クルーらはカリーナは限界を感じていると悟り、そろそろ死ぬのではないかと心配する。

そんな中、デイビットはある秘策を思いつき提案する。

次回 異空の遭遇戦 ボドルオプション
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