楽しいブログ生活

日々感じた心の軌跡と手作りの品々のコレクション

ネタばれ満載でシン・ゴジラ

2016-08-05 22:28:32 | 映画、演劇、コンサート


面白かったです。
マイナー中のマイナーなブログですから、ネタばれ満載でお話してもたいした影響があるとは思われませんが、一応虚心坦懐に映画をごらんになりたい方はスルーしてね。

東京湾に浮かぶ無人のクルーザーを調査中、突然爆発が起こったり、それに関連してか高速道路のトンネルが崩れるなど原因不明の事故が起きる。
日本政府は原因の究明とその対策に、対策本部を立ち上げるが、議論を待たずして、海から常識では考えられない巨大なトカゲに似た生物が出現し、それはビルの立ち並ぶ街に上陸する。

この時の姿はポスターで見るゴジラとは違い、感情の読み取れない丸いおもちゃのような目玉、体表の色も赤っぽく、(何だ?こいつはゴジラの赤ちゃんか?)と思わせるような無邪気さを漂わせながら、まさにトカゲのように這って進むことで、その巨大さ故にレゴ細工に見えるビルを破壊してしまう悪意なきデストロイヤーのようだったのですが、ところが、こいつは進化していくんですね。

街の真ん中で突然動きを止めたその生物は這っていた身体を起こし立ち上がると、身体に合わない小さな腕をはやします。
そうして何故か、パニックになっている人間たちに背を向け、いったん海へ戻ります。

主人公は内閣官房副長官の矢口(長谷川博己)。
矢口の元にアメリカからの要人カヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)がやってきます。

長谷川博己、きりりとした“しょうゆ顔”が緊迫感漂うシーンによく似合ってます。
石原さとみ、やり手政治家のオーラをまとって、ぺらぺらと英語をまくし立てるかっこいい役です。
平均に、登場人物(エリート集団ということでみんな頭がいいせいでしょうか)ほとんどが早口で、聞き取るのに必死になってしまいます。
滑舌の悪い人間は役者にはなれませんね。

さて、カヨコは今回の騒動の鍵を握るある人物を探してほしいと矢口に依頼しますが、それはかなわず、しかし、彼の残した資料が、かの巨大生物を「ゴジラ」と命名する誘因になります。
矢口は特別チームを設立して各分野のスペシャリストの人間を集めゴジラの謎を解明しようとします。
しかし、そこへ、以前よりも2倍近くも大きくなり、黒々と強大な要塞のようなゴジラがシズシズと(感じられるのです)現れます。
自衛隊が出撃し、攻撃を仕掛けますが、まるで歯が立ちません。
応援を要請していた米軍機のミサイル投下により、さすがのゴジラもダメージを受けたかと思われたんですが、傷ついたゴジラの背びれあたりから眩しい光があふれ出し、口からはすさまじい光線を放ちます。

このあたりはナウシカの巨神兵を彷彿とさせます。

結局、並の手段でゴジラを止めることは不可能と判断した多国籍軍が核攻撃を決定するのですが、矢口たちのチームもゴジラの血液の凍結という方策を探り出し、入念な作戦のもとストップゴジラのカウントダウンが始まります。

いやもう、書き出したら切りないんで、はしょります。

政府の人間のおしゃべり、動きには相当のリアリティを感じたんですが、一般庶民の恐怖やパニックの状況というのが、ほとんど描かれていないのが残念だったと思います。
ただ、やみくもに逃げ出すシーンだけ映し出されても、人間一人ひとりの感情は見えてきません。
ワンシーンでも家庭での家族との会話を入れてたら、現実味は増したろうにと感じました。
「日本はどうなるんだよ」「俺たちどうすりゃいいんだ」それを考えるのは政治家だけではなく全国民でなければ、ウソです。

ゴジラの凍結に成功し、巨大なモニュメントが出現したわけです。
それが何を語る?何を読み解く?
余韻を感じる映画でもありました。

野村萬斎さんが「ゴジラ」のモーションキャプチャーのアクターを務めていたということで、シズシズの合点が行きました。


コメント
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