よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

知らない怖さ-2

2010-02-01 07:27:53 | とりとめもなく

 日本の政界で、過去の戦後復興において、官僚達の国の復興を目出す働きは大きく、日本の躍進は世界から見ても驚異的でもあったのだろうが、国が安定し、高度経済成長に入ると、人は楽に過ごしたいと考えるもので、安定の上に官僚達はあぐらをかき、定年退職後も楽に過ごせるよう組織を作り、天下りにより安定を図る事を考えたのだろう。4500もある法人が12兆円もの私達の税金を使っている。

全てが必要のない組織だとは言い切れないにしても、何が必要な法人なのかすら私達は知ることが出来ないのが現状で、その仕分けは国民が選んだ国会議員に託さなければ仕方がないのかも知れない。

しかし、ここまでにしてしまった責任は私達にもあり、貴方任せのしわ寄せが、今の日本であり100年に一度と言われる不況だと言い訳をしている私達国民なのかもしれない。

人任せの気質は私達の建築界の中でも見られ、自分を守る術を持って望むクライアントは少ないように思われ、
住まいづくりを託す業者を選択する際、良い住まいを造りたいとの思いは全ての人が持っているのだろうが、
その為の選択肢を考えるのではなく、”安心”を手に入れようとの思いの方が強く、品質が高く、建設費用の無駄を無くすためにどうすればいいのかは考えず、安心に執着する。

いつの間にか日本は殆どの物に保証をつけ、5年保証、10年保証と保証の中身を考えず、保証の長さを見てしまい、とうとう住宅にも100年保証と数字だけが作り出され、その中身を見極めることなく信じてしまうのかも知れない。

今、85年前に建てられた住宅のリホ-ムの依頼があり、昨年暮れから現況の建物の調査を行った。
建物の傾きや不同沈下の有無等と、耐震強度が主な調査項目で、傾きは何処にも見られず、沈下も起こしていない。
耐震強度は0.28と建てられた当時は、耐震基準もなく、大工さんの技量で考えられた程度のもので、地震が来ればこの家は必ず倒壊する事が判明したが、耐震壁を増やし、耐震診断の結果1.28まで強化出来る。

85年前に建てた建物でも、耐震補強と断熱を強化することで十分住める建物になり、保証は付いていなかった家だが、もしかすると100年保証の付いた今の建物よりも品質の高い家になるかも知れない。