今、ユニークな花姿が魅力の「ブラシノキ」(フトモモ科)が見頃です。
マキバブラシノキ属(カリステモン属)は、オーストラリア全域とニューカレドニアに約30種ほどが分布する常緑低木または高木。
ビンを洗うためのブラシにそっくりな花で、英語でも「ボトルブラッシュ(bottle brush)」と呼ばれています。
このうち日本で流通している種は以下の6種とその園芸品種です。
❶Callistemon speciosus(スペキオスス):ブラシノキ(ブラシの木)
❷Callistemon rigidus(リギダス=リギドゥス):マキバブラシノキ(槙葉ブラシの木)
❸Callistemon citrinus(キトリヌス):キンポウジュ(錦宝樹)、ハナマキ(花槇)
❹Callistemon pinifolius:カリステモン・ピニフォリウス
❺Callistemon salignus(サリグヌス):シロバナブラシノキ(白花ブラシの木)
❻Callistemon viminallis(ウィミナリス):シダレハナマキ(枝垂れ花槙)
※学名のカリステモン(Callistemon)はギリシャ語で「美しい雄しべ」が語源。和名で「ブラシノキ」と呼ばれているのは、❶のスペキオスス種のこと。
これらの近縁種には、多数の園芸品種もあり同定は難しいので、ブラシノキ属を総称して(広義の)「ブラシノキ」とします。
日本には明治時代に渡来。葉は細長く、硬く、互生、全縁。
開花期:5~6月。本年枝の先に花糸が鮮紅色などで、葯が黄色い穂状の花序を出します。
花糸が白色、ピンク、朱色、赤紫色、緑色や四季咲きの品種もあります。
花弁や萼は開花後すぐに落ち、多数の雄しべが残り、ブラシの様に見えます。
花後、多数の果実が枝を取り巻いて付き、果実は2~3年(7~8年との説も)残ります。
花序の先から枝が伸びるという珍しい特徴を持っています。
一応、❶~❻の写真を樹名札などを頼りに掲載。名称と写真が合致しているかどうか自信がありません。
正直、私には違いがよく判りません。
’060604 野田清水公園
❶「ブラシノキ」
5月に開花。比較的寒さに強く庭植えに向きます。
’060604 野田清水公園
❶ 樹高2~3m程度。花序の長さ5~10cm。
'220506 川口緑化センター「樹里安」
❶「カリステモン・スペキオスス ‘ピンク・シャンパン’」(’Pink Champagne’)
’070616 筑波実験植物園
❷「マキバブラシノキ(槇葉ブラシの木)」
’190513 高知県立牧野植物園(樹名札より)
❷樹高は5m程度。葉は線形から狭倒披針形で、殆どが長さ5~7cm。
名は葉が「マキ(槇)」に似ることに由来。
'050528 JAあゆみ野安行園芸センター
❸「ハナマキ(キンポウジュ)」
❸ 葯が金色に輝いて見える? 開花期が春から秋と長く、園芸品種が多い。
'050528 JAあゆみ野安行園芸センター
❸ 果実は枝に巻きつくようにつき、見た目には昆虫の卵のように見える。
'220601 埼玉県花と緑の振興センター
❸「カリステモン・キトリヌス’スプレンデンス’」(’Splendens’)
'220601 埼玉県花と緑の振興センター
❸「カリステモン・キトリヌス‘ホワイト・アンザック’」('White Anzac')
白色の清楚な花を咲かせる
’050410 筑波実験植物園
❹「カリステモン・ピニフォリウス」
葉は線形で幅が非常に狭く、花はふつう緑色ですが、赤色もある。
’050611 小石川植物園
❺「シロバナブラシノキ」(樹名札より)
別名:カリステモン・サリグヌス
柳の様な細葉を持ち、枝が枝垂れます。常緑高木で10mほどになります。
’050611 小石川植物園
❺ 開花期が春から秋と長く、花糸は白色から緑を帯びた白色。咲き始めは花糸が桃色を帯びているようです。
'060610 県立青葉の森公園
❻「シダレハナマキ」
'060610 県立青葉の森公園
❻ 赤い花を枝垂れた枝にたくさんつける。
本日もまた、いろんな植物の写真を鑑賞させていただいています。
いつも素敵な写真をありがとうございます。
また、解説もすごい!
とても参考になります。