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ずっともっと…好きなまち 【連載】腹ふくるるわざ(56)

2024-12-24 10:36:20 | 【連載】腹ふくるるわざ

【連載】腹ふくるるわざ(56)

ずっともっと…好きなまち

 

桑原玉樹(まちづくり家) 

 

 

 

南山小学校区まちづくり協議会設立

 この12月15日、南山小学校区まちづくり協議会設立総会があった。実は昨年2月14日付の当ブログで、まちづくり協議会について紹介し、「機会があれば、協力して、新しい『虹と夢のバラード』を描きたいと少し気を引き締めた」と書いている。


https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/c8cbe256f30d5a405b3fda7bd9c6a226(☚緑の部分をすべてコピーし、検索にペーストしてください。)
 

  その直後の3月、私は自治会の階段ごとの班長になった。14戸での輪番だから、まだ回ってこないと思っていたが、なぜか班長になったのである。そして4月の自治会総会後には役員の互選で自治会長になった。自治会長は、自動的に自治連の南山支部会に参加し、5月のまちづくり協議会の立ち上げの打ち合わせ会に出ることになっていた。
 おまけに9月に設立準備会が立ち上がったが、行きがかりで会長になり、1年後の先日、設立総会が開かれ、そのまま会長に選ばれてしまった。ブロブに書いたことが実現したわけだ。

まちづくり協議会って?

 さて、「まちづくり協議会」とは何だろう。上記のブログにも書いたが、白井市は、「第5次総合計画」の重点戦略事業として、小学校区を基本的な単位とした「まちづくり協議会」の設立を目指している。
 少子高齢化の進行や地域のつながりの希薄化、地域の担い手不足などにより、従来の自治会では、防災、防犯、子育て、福祉などの地域課題に対応できない。
 そこで、身近でお互いの顔が見える区域において、地域の団体や市民が主役となり、互いに協力・連携し、地域課題の解決や魅力づくりに取り組んでいく組織を作ろうというわけだ。

ニュータウンからオールドタウンへ

 南山小学校のほとんどは千葉ニュータウン開発で新たに住まい始めた住宅地の中にある。小学校の区域と入居した年は、下図のとおりだ。

 

 

 


 
 富ヶ谷のように従来からの地区もあるが、ニュータウンへの入居は、北総開発鉄道が開通した昭和54(1979)年に始まった。以来、入居時期を概ね4期に分けることができる。
 第1期は開通した年とその翌年である。この2年間で1290戸が入居した。実に現在の住戸45%に当たる。
 続く第2期は昭和60(1985)年頃から建築開始した南山2丁目の戸建て地区だ。戸数は約120戸(4%)でやや少ない。
 第3期は北総開発鉄道2期線が高砂に直結した平成3(1991)年からの数年間だ。集合住宅と戸建てで500戸(17%)が住まい始めた。私もこの時から住んでいる。
 その後、白井駅北口の開発が始まった2000年代が第4期で、合計989戸(34%)の新規入居が続いた。
 そして、千葉ニュータウン構想が発表された昭和40(1965)年以来約60年にわたったニュータウン事業(新住宅市街地開発事業)が平成26(2014)年に終了し、当地区での住宅地供給も終わった。
 国土地理院が提供している航空写真でこの間の開発と建物建設状況を追うことができる。

 

▲航空写真で見る建設の推移


進むニュータウンの高齢化
 
 ニュータウン開発地区の場合、年齢層が偏る。入居当初はあちこち似たような若いファミリー世帯ばかりだったが、その後の引っ越しが少ないので、地区の年齢層はほとんどそのまま1年ずつ年齢を重ねる。
 第1期入居の1979年から45年が経過した。当時30歳でバリバリの働き盛りも、今は後期高齢者。「ニュータウン」というより「オールドタウン」と呼ぶ方がふさわしい。

 人口構成の推移を見てみよう。下図は、令和6(2024)年1月のまちづくり協議会準備会で行われた講演会での資料を基に作ったグラフだ。この図から高齢化の進み方を顕著に感じることができる。

 

 

 

 高齢人口の増加も速いが、高齢化率(65歳以上人口が全人口に占める割合)はさらに速い。日本全体の高齢化率と比べるとその速いこと速いこと。ニュータウンからオールドタウンに一気に進んでいる。
 グラフでは自治会ごとの状況は分からないが、第1期~第3期の入居地区での高齢化率はとうに40%を超え、状況がより深刻なことは容易に想像できる。自治会から「まちづくり協議会」への移行は「待ったなし」の状況なのだ。

住み続けたいまち

 まちづくり協議会準備会は昨年、居住者800人を対象にアンケートを行った。回答は281人(回答率35%)。設問は20数問あったが、その中から4つの結果を見てみよう。

 まずは住みやすさ。「住みやすい」との答えは「まあ住みやすい」を加えると85%にもなる。次に愛着度だ。これも「愛着がある」と「まあ愛着がある」を加えて69%。そして居住意向はどうか。「ずっと住み続けたい」と「しばらくの間は住み続けたい」を加えると89%となる。他の地区、他の市の状況は知らないが、とても高い率だ。

 

▲アンケート結果1■住み続けたいまち

 

▲アンケート結果2■愛着度

 

▲アンケート結果3■居住意向

 


 一方、地区の課題についてはどうだろう。複数回答が可能だったが、結果は図のとおりだ。「防災」「福祉」「市民安全」「環境」「地域活性・交流」に係る項目が並ぶ。

▲アンケート結果4■地区の課題は?

 

来たれ!「まちづくり協議会」へ

▲まちづくり協議会の組織と活動

 

 アンケートで見えた住民の気持ちは? そう。住み続けたいけど、ずーっと住み続けるには課題がある。その課題を連携・協力して解決していこうとするのが「まちづくり協議会」の趣旨だ。課題ごとに分科会に分かれ、3か年計画に基づいて活動していくことを設立総会で決議した。
 この記事を読んでいるあなた。あなたもいつでも会員になることができるのです。まちづくり協議会の将来像(キャッチフレーズ)は「ずっともっと…好きなまち」。この目標に向かって、あなたも一緒に活動してみませんか。待っています!

 

【桑原玉樹(くわはら たまき)さんのプロフィール】

昭和21(1946)年、熊本県生まれ。父親の転勤に伴って小学校7校、中学校3校を転々。東京大学工学部都市工学科卒業。日本住宅公団(現(独)UR都市機構)入社、都市開発やニュータウン開発に携わり、途中2年間JICA専門家としてマレーシア総理府のクランバレー計画事務局に派遣される。関西学研都市事業本部長を最後に公団を退職後、㈱千葉ニュータウンセンターに。常務取締役・専務取締役・熱事業本部長などを歴任し、平成24(2012)年に退職。現在、南山小学校区まちづくり協議会会長、印西市まちづくりファンド運営委員、社会福祉法人皐仁会評議員、「ダーツの会」会長。


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