【連載】呑んで喰って、また呑んで(98)
クラブケーキと安東焼酎の裏を読む
●アメリカ・ワシントンD.C./韓国・ソウル
韓国の文在寅大統領が自らの訪米が大成功だったと自画自賛した。なにしろ真っ先に訪米した管首相がバイデン大統領との昼食会でハンバーガーしか提供されなかったのに、蟹肉がみっちり入ったクラブケーキで昼食を共にしたのだから。つまり、「日本よりも韓国を優遇してくれた」というわけである。
そんな文大統領の喜びに、韓国国内からも冷水をかけるような意見が。グーグルでクラブケーキを検索すると、その俗語がいろいろと出てきた。中でも傑作が、「友達でもないのにいつまでもブラブラとまとわりついて離れない奴」。笑ってしまった。まさに文大統領そのものではないか。クッ、クッ、クッ。ブハーッ。ダメだ。もう笑いが止まらない。
この俗語を知って、今年1月の出来事を思い出した。太平洋統合軍(現在のインド太平洋軍)最高司令官(海軍大将)を務め上げた後、駐韓大使として3年間ソウルで暮らしたハリー・ハリスさん。在任中は、日本人を母に持ったがゆえに、民族的差別など数々の嫌がらせをされていた。もっとも有名なのが「口ひげ論争」。「口ひげが日本統治時代の総督らを連想させる」というのである。そのために、口ひげを剃ったこともあったという。
だが、ハリスさんは1月20日、韓国から無事に「脱出」する。その前日、文大統領は離任するハリスさんと約30分面会し、「安東焼酎」を贈った。ハリスさんが韓国に赴任する直前、ツイッターで「私はビビンバと安東焼酎が大好き」と韓国人向けのメッセージを流していたことを受けて贈ったというが……。「安東焼酎」は韓国慶尚北道北部でつくられる伝統的な韓国焼酎だ。アルコール度数が40度以上と強い。
ところで、ハリスさんが離任する2週間ほど前、韓国農林畜産食品部が「2020海外韓国料理消費者調査主要結果」なるものを発表した。それによると、外国人が好きだと答えた韓国料理の1位がキムチ(33.6%)だった。その反対に、外国人が「最も嫌いな韓国料理」に韓国酒(14.1%)が選ばれた。面白いことに、2位がなんとキムチ。どうやらキムチは好き嫌いが極端に分かれているようだ。しかし、焼酎は断トツの1位である。
ちなみに、焼酎とキムチを苦手とする理由を尋ねたところ、23.3%が「どんな材料が入っているのか分からないから」と答えた。韓国産キムチには寄生虫が多い。その中の有鈎条虫に感染した場合、脳に寄生虫が入り込むというから怖い。ノロウイルスも検出されたという。
韓国産キムチは世界50カ国に輸出しているが、その8割が日本向けだ。最近では不衛生を理由にキムチを輸入禁止食品に指定する国も増えている。フランス、イギリス、カナダ、そして「キムチ本場論争」を韓国相手に展開している中国などだ。そんな不衛生な韓国キムチなのに、日本は甘かった。あの民主党(今の立憲民主党)政権が韓国側の衛生検査免除して日本への輸入を増やしたのである。何てことをしてくれたんだ!
キムチ同様、「どんな材料が入っているのか分からない」酒も油断がならない。なんでも李氏朝鮮では人間の唾液で雑穀を糖化してマッコリをつくっていたらしい。しかし、日本が韓国を併合した後、「そんな不衛生な酒をつくるなんてトンデモナイ!」と、唾液の代わりに日本の麹を使わせたという。
「安東焼酎が好き」なんて、どう考えても単なる外交辞令でしかない。日本人も知らない焼酎なのに、アメリカ人のハリスさんが好んで呑むわけがないではないか。そんな焼酎をもらったハリスさんも、さぞ迷惑だったことだろう。帰国後、その酒はゴミ箱に直行したに違いない。