白井健康元気村

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「終活」の日に台風が  岩崎邦子の「日々悠々」③

2018-10-05 05:15:33 | 【連載エッセー】岩崎邦子の「日々悠々」

【連載エッセー】岩崎邦子の「日々悠々」③

「終活」の日に台風が 

             

 

 大型台風24号が日本列島を暴れまくった。「白井健康元気村」(以下、元気村)主催の第1回「終活講座」が開かれたのは、台風の接近で関東地方にも暴風雨が予想されるという日の9月30日である。年配者なら誰でも関心を持つ「終活」なので、大勢の方がお見えになると思っていたのに、一体何てことなのよ!  

 ほんと最悪の事態としか言いようがない。白井元気村の新米村民ながら、私は朝から「はたして、どれくらいの人たちが講座に参加してくれるのだろうか」「チラシを配った人の何人が来てくれるのか」と心穏やかではない。

 朝方に少し雨が降っていた。ところが、いつの間にか雨は止んでいるではないか。予報では、夕方にかけて雨・風が強くなるとのことではあったが……講座は午後1時から3時までだ。天候だけは、こちらがジタバタしても始まらない。「何とかなるわよ」と楽観的に考えると気が楽である。

 で、「終活講座」は無事に行われたのだろうか。しばしお待ちを。その前に私が元気村に入ったいきさつを話しておきたい。我がマンションでは毎月、地域住民の親睦会が開かれる。私も時々参加しているが、今年3月の飲み会、いや親睦会で元気村村長の玉井秀幸さんが「村民」の新規募集のチラシを配られたので、さっそく読んでみた。

(なるほど、なるほど、からだの健康とこころの健康ねぇ……うん、うん、ぜひ参加したい講座もあるわ。あらぁ、バス旅行やカラオケなどの遊びもあるじゃないの)

 あまり石橋を叩いて渡るタイプではない私は、良く言えば積極的で前向き、悪く言えば何も深く考えない。だから、騙されたりすることもある。でも、村長の玉井さんは同じマンションの住民で、しかも夫のゴルフ仲間でもあるので安心だ。

(ま、いっかぁ)

 そんな軽い気持ちで元気村に入会したというわけ。初めての村会に出席したのは、4月のことだった。早々にお茶を入れてくださる女性に恐縮する。隣に来られた女性からは名刺をもらった。生活情報紙を発行されている村越芳子さんである。

 玉井さんの司会で村会が始まった。まずは今後の行事である。からだの健康教室では「家庭でできるPPK(ピンピンコロリ)マニュアル」「筋力・関節の退化防止法」の日程などが決まった。「いいね、いいね、大事な話だよねぇ」と私は無言でおしゃべり。次いでこころの健康教室として「パークゴルフ大会」の日程が決まった。そこまではいいが、なぜか新人の私が担当者にされてしまう。

(えーっ! 私、パークゴルフの経験者だけど、まだ会員の方たちを知らないのに、一体どうすればいいのよ!)

 顔はにこやかにしていたが、心の中では大声で叫んでいた。「村民でない人も自由に参加できますから」というけど……。パークゴルフは個人で楽む人もいるが、ほとんどの人はどこかのクラブや同好会に所属している。もちろん、その人たちに声をかけることはできない。  

 そんな私の心配をよそに、パークゴルフ大会のチラシを副村長の吉田司さんが作成し、人選の大半を玉井秀幸村長がしてくれた。ということで、パークゴルフ大会は第1回、第2回と無事に済み、やれやれである。

 私のやることはというと、大会当日に会費を集めるくらいだ。きっと何かの担当にさせないと格好がつかないという「思いやり」だろう。それはともかく、パークゴルフに関しては、「楽しもうよ」が私の本音だから、大会のないときでも、いつも声を掛け合うことにしている。

 あ、そうそう、「終活講座」に話を戻さなくちゃ。えっ、うそーっ! 台風が迫っているのに、会場には予想を上回る人が詰めかけたのだ。私が声を掛けた方も何人かお見えに。もう嬉しくて、涙が出そうだった。

 名前はわからないが、見かけたことのある人の姿もあった。驚くことに、杖をついている人も来場されているではないか。年配者なら誰でも関心を持つ「終活」なので、少々の悪天候どころか、台風にも左右されないのだろう。台風をもろともせずに参加された方に敬意を払いたい。有難う! 

「終活」は昨今、マスコミでもよく取り上げられている。私も何となく知っているつもりだった。ところが、家族との話し合いや、不要な物の整理などが大事なこととは知りつつ、なかなか実行に移せないのが現状だ。

 講師の北川雅夫氏はメモリアル・ジャーナリストだという。「お墓」の話から講演が始まった。北川氏は「終活を考えるときには、まずはお墓のことを」とおっしゃる。かつて見聞きしてきた終活の話とは違う観点である。

(えっ、そこから始まるの!?)

 それが正直な感想だった。日本の武将のお墓などは見たことがあるものの、海外のきれいな森や公園がお墓であること、有名人などのお墓などがパワーポイントを使っての画像を見せられると、ちょっとした海外旅行の気分となったものである。その後も「なるほど、なるほど」とか、「そうしなくちゃね」と思わせる講座となった。

 元気村主催の講座でいつも見事に司会進行される平田新子さんは、すでにご自分のお墓をお持ちとか。そんな話を聞くと、はたして我が家ではどうなのかと思ってしまう。北川氏の話によれば、お墓といっても、その墓地・墓石の種類や、樹木葬、マンション型の納骨堂など、種々雑多な形態があるという。

 私が世帯を持ってしばらく経ったころだ。夫の生家のお寺からしきりに墓地を買うように言われたことがある。若かったこともあるが、墓地を買うなんて他人事でしかなかったのである。夫の転勤で北海道に行ったり、海外に行ったりすると、お墓のことなんか、すっかり頭の中から消え去っていた。

 白井に引っ越してきた頃も、お墓や墓石の勧誘がしきりにあった。そのときも買う気はさらさらなかった。お墓の件は、我が家では「自分たちがどうしたいのか」もあるが、後に残る子供たちのことを考えねばならない。息子が将来も今のこの地に住むのかどうか分からないし、海外にいる娘のこともあって、ことは簡単ではないのだ。

 なにしろ日頃元気でいると、まずは楽しいことのスケジュールが優先してカレンダーを埋めてゆくことになる。子供たちもそんな私たちを見ているせいか、心配している様子もない。「少しは心配しなさいよ」と言いたくなるが……。

 いずれにしても、今回の「終活講座」を受けて、やはり少しずつでも家の整理に取り掛かろうと思った。だが、しかしである。日頃はせっかちな私なのに……こればかりは、何とも腰が重い。おっくうでもある。まだいいか。いや、ダメダメ。やっぱり今から整理しとかないとね。でも、おっくうだ。

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