白井健康元気村

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お盆ウィーク 岩崎邦子の「日々悠々」(95)

2020-08-14 08:39:19 | 【連載エッセー】岩崎邦子の「日々悠々」

【連載エッセー】岩崎邦子の「日々悠々」(95

お盆ウィーク 

 

  

 長かった梅雨も8月に入ってから明けた。セミの鳴き声はやたら元気だが、熱中症が心配される日々である。伝えられる新型コロナウィルス感染者の人数は、日によって多少の増減が見られるものの、驚きの数値が続いていた。

 夜の街だけでなく、学校・スポーツクラブでの大量のクラスターが出たこと、家庭内感染も起きていること、「3密」が守られていないこと、など考えさせられることばかりだ。感染者人数の多さは大都市だけではない。他県、特に沖縄県は人口比に対して最悪ともいえる増加になっている。

 沖縄は第2次世界大戦後の悲惨な戦跡などで知られて来た。最近では首里城の火災が大きな話題にもなっていたが、熱帯気候で居心地も良く、広大なビーチやサンゴ礁などが有名である。そんなわけで、若者に人気があって、観光にも絶好の地とされてきている。

 感染者の増大は医療関係の整い具合が懸念され、観光客が減れば経済の逼迫も心配される。お盆ウィークに向けて、「GoToキャンペーン」は無し、だと思うが、国や各県の知事の考え方には微妙なずれを感じる。「気軽にリゾート地へ」の若者も少なからずいる。「私は大丈夫」とか「罹っても軽いさ」の無責任さ、沖縄の米兵が「沖縄はパラダイス」と言っているとか。彼らは感染に対しては、緩い対策しかしていない印象がある。人気のある沖縄、今は何とも気の毒な様相に胸が痛む。

 息子の嫁は沖縄生まれで、その両親(孫たちにとっては祖父・祖母)は沖縄で健在だ。しかし今の状況に、孫娘は高齢者を見守る仕事をしているためか、怒りが入り混じった心配をしている。彼女は簡単に沖縄には行けないが、子供の頃、夏休みや春休みに母親と一緒に帰省した。祖父・祖母との楽しかった思い出があり、そうした感情が沸いてしまうのだろう。

 例年、夏休みになってお盆が近づくと、親の出身地に向かう国民の大移動が始まったものだ。お盆とは日本で行われる先祖の霊を祀る一連の行事。旧暦(太陰暦)で7月15日を中心としていたが、その頃は農繁期の地域が多く、今では新暦(太陽暦)の8月15日に行うところが少なくない。

 8月13日は「迎え火」、8月16日を「送り火」としている。故郷を離れて暮らす人が多くなり、お盆の帰省は夏休みになった。先祖供養の読経をお坊さんに依頼し、墓参りをする。行事として、盆踊り、花火、灯篭流し、などが行われる。

 私が所帯を持って初めて岐阜・大垣に帰省したのは、昭和39年(1964)の夏だった。息子が生後4カ月の時である。記憶が定かではないが、東海道線の寝台車で息子を抱え、7、8時間かけて行ったのだと思う。

 ところで、今はJRと呼ばれているが、昭和62年(1987)までは、国鉄(日本国有鉄道)と呼ばれていた。国鉄の分割民営化で発足し、JR東日本、JR西日本、JR東海、他、北海道、九州、四国などに。関東エリア、信越エリア、東北エリアがJR東日本旅客鉄道。故郷に向かう時には、東海地方を中心とした神奈川・静岡・愛知・岐阜・志賀など、10県にまたがる在来線をJR東海旅客鉄道という。

 ちなみに、東京―新大阪を走る東海道新幹線が出来たのは、昭和39年(1964)10月1日である。以後の法事や夏休みに帰省するときは、従来の東海道線ではなく、新幹線を利用することに。乗車時間が大幅に短縮となったことで、新幹線の人気は子供達にも絶大となり、NHKの子供向けの歌番組でも歌われていた。

♪びゅわーん びゅわーん 走る 青い光の超特急 時速250キロ 滑るようだな 走る~

 さて、新幹線がこの年に開通したのは、「東京オリンピック」(公用文では第18回オリンピック)が10月10日から24日までの15日間、開催されたからだ。世紀の祝典を、ぼろアパート暮らしには大きすぎるテレビで観戦した思い出がある。世界の国旗がたなびく会場、選手団の入場行進、坂井義則さんによる聖火台の点灯で炎が上がる様子など。

 一番の印象に残ることはというと、前日の9日は雨だったのに、開会式が開かれる10日は晴天となったことだろうか。秋の青空に、航空自衛隊の曲芸飛行隊、ブルーインパルスが、くっきりと5つの輪(五輪旗)を描いたことには、驚きが沸きあがった。この偉業は語り草にもなり、誰にも感動を与えたものである。その功績に至るまでのブルーインパルス苦労と努力を、後々の映像で知ることになったが…。

 私が生まれた年、つまり昭和15年(1940)には紀元2600年記念行事として、東京オリンピックが準備されていた。しかし、その3年前に日中戦争が勃発したことで、日本は開催権を返上する。「幻のオリンピック」となったのだ。

 それから80年後となる2020年に、またも「東京オリンピック」が決定した。同級生たちとは、「それまでは、元気で生きていようね」と、誓い合ったものである。ところが、今年になって新型コロナウィルス肺炎が、中国・武漢が発祥の地とされて世界中に広がり、東京オリンピックの開催は延期となってしまった。何の因果か、またもや中国が絡んでいる。

 東京都知事の小池さんがコロナウィルスの感染拡大を抑え込む「特別な夏」を呼びかけた。都民ではないが、旅行・帰省、夜間の会食、遠くへの外出は、心すべきと思う。マスクの着用も大事だが、このところは、異常なほどの高温が続き、熱中症警戒アラートが出ている。高齢者は特に熱中症のリスクも高い。早めの水分補給を心掛け、熱中症は湿度との戦いなので、除湿や適度な冷房を取り入れたい。

 果たして劇的なコロナ感染者の減少は、望めるのだろうか。このことは日本だけの問題ではない。ちょっと世界に目を向けてみると、爆発的に感染者が出る国々があり、コロナウィルス絶滅への取り組みには無頓着とも思えるような、その国のトップたる人たちの言動には呆れるしかない。

 東京オリンピックは、来年7月23日から8月8日の17日間に延期開催が予定されているが、これも開催されるのかどうか……。いずれにしても、お盆ウィークである。仏壇へ花を飾り、コロナの終息と来年のオリンピック開催を祈ることにしよう。

 


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