セクハラが原因で精神障害を発症した場合は、労災保険の対象と
なる場合がある。
ただし、労災保険は全額事業主負担による保険制度のため、労災保険を
支給するかどうかは厳しい審査が行われる。
労災保険を夢の給付のように考えている向きもあるが、健康保険の給付と
それほど変わらない。大きな違いは医療機関での窓口負担がゼロということ
(健康保険は原則3割)。健康保険でも、精神障害の場合は、保健所の認定を受ければ
自己負担額はかなり安くなる可能性もある。
労災保険の休業補償は平均賃金の8割。
健康保険では同様のものに傷病手当金(報酬日額の3分の2)がある(受給期間1年6か月まで)。
労働者に発症した精神障害が「業務が原因」(業務上)と認定できるかは、現在、
「心理的負荷による精神障害の認定基準」(厚生労働省)が定められている。
それによれば、発症前おおむね6か月間に起きた出来事について、
「強い心理的負荷」が認められる場合に、要件の一つを満たすとされている。
以下、セクハラの場合の認定要件を見てみよう。
(厚生労働省リーフレット「セクシャルハラスメントが原因で精神障害を発症した場合は
労災保険の対象となります」より)
1,認定基準の対象となる精神障害を発症していること
認定基準となる精神障害は、「国際疾病分類第10回修正版(ICD-10)第Ⅴ章「精神
及び行動の障害」に分類されるものとされている。
業務上発病する精神障害の代表的なものは、「うつ病」や「急性ストレス反応」など。
2,おおむね6か月間に、業務による強い心理的負荷があったこと
客観的に精神障害を発症させる恐れのある強い心理的負荷を受けたこと。
セクハラのように、被害が繰り返されるものについては、それが6か月前
から始まっていた場合は、その始まった時点からの心理的負荷を評価する。
3,業務以外の心理的負荷や個体特有の要因により精神障害を発症した
ものでないこと
労働個人の私生活で起きた出来事(離婚や親族との死別等)が発症の原因
となっていないこと。
2の「業務による強い心理的負荷があったこと」の例として、
・わいせつ行為等「特別な出来事」があった場合→認定基準「強」
・胸や腰などへの身体接触を含むセクハラを継続的に受けた。又は
継続的に受けなくても会社に相談した結果職場の人間関係が悪化→認定基準「強」
などがある。
1に規定する精神障害を発症し、
2の強い心理的負荷があり(認定基準「強」)、
3に該当する。
場合は、労災認定される可能性が高い。
セクハラ問題に関しては、泣き寝入りせずに、
まずは会社に相談し(会社は相談窓口を設置する義務あり)、
善処を仰ぐことが必要だが、納得の対応をしてもらえない場合などは、
都道府県労働局雇用均等室で「調停」を申し立てなどの道もある。
労災認定も大切だが、自らの職場に一寸のセクハラも許さない環境を
作ることが、何よりも大切と思う。
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ただし、労災保険は全額事業主負担による保険制度のため、労災保険を
支給するかどうかは厳しい審査が行われる。
労災保険を夢の給付のように考えている向きもあるが、健康保険の給付と
それほど変わらない。大きな違いは医療機関での窓口負担がゼロということ
(健康保険は原則3割)。健康保険でも、精神障害の場合は、保健所の認定を受ければ
自己負担額はかなり安くなる可能性もある。
労災保険の休業補償は平均賃金の8割。
健康保険では同様のものに傷病手当金(報酬日額の3分の2)がある(受給期間1年6か月まで)。
労働者に発症した精神障害が「業務が原因」(業務上)と認定できるかは、現在、
「心理的負荷による精神障害の認定基準」(厚生労働省)が定められている。
それによれば、発症前おおむね6か月間に起きた出来事について、
「強い心理的負荷」が認められる場合に、要件の一つを満たすとされている。
以下、セクハラの場合の認定要件を見てみよう。
(厚生労働省リーフレット「セクシャルハラスメントが原因で精神障害を発症した場合は
労災保険の対象となります」より)
1,認定基準の対象となる精神障害を発症していること
認定基準となる精神障害は、「国際疾病分類第10回修正版(ICD-10)第Ⅴ章「精神
及び行動の障害」に分類されるものとされている。
業務上発病する精神障害の代表的なものは、「うつ病」や「急性ストレス反応」など。
2,おおむね6か月間に、業務による強い心理的負荷があったこと
客観的に精神障害を発症させる恐れのある強い心理的負荷を受けたこと。
セクハラのように、被害が繰り返されるものについては、それが6か月前
から始まっていた場合は、その始まった時点からの心理的負荷を評価する。
3,業務以外の心理的負荷や個体特有の要因により精神障害を発症した
ものでないこと
労働個人の私生活で起きた出来事(離婚や親族との死別等)が発症の原因
となっていないこと。
2の「業務による強い心理的負荷があったこと」の例として、
・わいせつ行為等「特別な出来事」があった場合→認定基準「強」
・胸や腰などへの身体接触を含むセクハラを継続的に受けた。又は
継続的に受けなくても会社に相談した結果職場の人間関係が悪化→認定基準「強」
などがある。
1に規定する精神障害を発症し、
2の強い心理的負荷があり(認定基準「強」)、
3に該当する。
場合は、労災認定される可能性が高い。
セクハラ問題に関しては、泣き寝入りせずに、
まずは会社に相談し(会社は相談窓口を設置する義務あり)、
善処を仰ぐことが必要だが、納得の対応をしてもらえない場合などは、
都道府県労働局雇用均等室で「調停」を申し立てなどの道もある。
労災認定も大切だが、自らの職場に一寸のセクハラも許さない環境を
作ることが、何よりも大切と思う。
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