大澤朝子の社労士事務所便り

山登りと江戸芸能を愛する女性社労士が、
労使トラブル、人事・労務問題の現場を本音で語ります。

◆専門業務型裁量労働制とは

2015年11月24日 16時47分44秒 | 労働基準
ある日、某業の顧問先さんから相談を受けました。

「当社では、編集デザイナーに裁量労働制を実施したいのですが、
どのようにすすめたらいいでしょうか。」というものです。

編集者、取材記者、研究開発職、デザイナーなどの一定の専門職は、
労働時間の「量」ではなく、仕事の「質」で評価されるような職種です。
このような職種の場合は、労基法38条の3に規定する「専門業務型裁量労働制」を
採用することができます。

具体的にいいますと、
労使協定において、専門業務型裁量労働制を適用する業務を定め、
当該業務の遂行に必要とされる時間を定めたときは、当該業務に
従事した労働者は、当該協定で定める時間労働したものとみなすことができます。
(労基法38条の3)

例えば、「当社の○○職の1日の労働時間は、9時間とみなす」と労使協定を結んだ場合は、
実際の労働時間にかかわらず、毎日9時間勤務したものとなります。
この場合、法定労働時間を1時間上回っていますので、毎日1時間分の割増賃金手当を
支給しなければなりません。

ただし、この専門業務型裁量労働制をとることができるのは、次の職種に限られています。
1、研究開発、人文研究者
2、情報処理システムの分析又は設計の業務
3、取材記者、編集者
4、デザイナー
5、放送番組等のプロデューサー、ディレクター
6、その他厚生労働大臣の指定する業務(各種定められています。)

また、労使協定書には、健康・福祉確保措置や苦情処理措置など一定の事項を
協定しなければなりません(労基法38条の3第1項、労基則24条の2の2)。

結んだ労使協定書について、所轄労働基準監督署長に届け出る必要があります。


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