大澤朝子の社労士事務所便り

山登りと江戸芸能を愛する女性社労士が、
労使トラブル、人事・労務問題の現場を本音で語ります。

◆求人募集時に「労働条件明示」「年齢制限」等一層厳しく

2018年01月23日 16時08分27秒 | 採用
平成29年3月31日職業安定法の一部を改正する法律の成立により、
平成30年1月1日から、企業の求人・採用活動のルールに大きな改正がありました。
人事・採用担当者の方は下記の点に留意し、気を引き締めていきましょう。
そして、よりよい人材を採用してください。

■求人・募集時の労働条件の明示
労働者を募集しようとする企業は、募集や求人の際に、「労働条件」を「書面」の交付により
求職者に明示しなければならないとされています。
最低限明示しなければならない労働条件等(赤字が改正点)は以下の通り。
① 業務内容 
② 契約期間 
③ 試用期間 ある場合はその期間
④ 就業の場所
⑤ 就業時間、休憩時間、休日、時間外労働の有無とその時間
⑥ 裁量労働制に関する事項
⑦ 賃金、固定残業代を採用している場合は金額と時間外労働等の時間
⑧ 社会保険の加入の種類
⑨ 募集者の名称又は所在地
⑩ 派遣労働者である場合はその旨

■労働条件の変更明示
次のような場合は、労働条件の変更明示が必要となります。
可能な限り速やかに変更事項を提示しなければなりません。
① 当初の明示内容と異なる労働条件を提示する場合(基本給30万円→基本給28万円)
② 当初の明示の範囲内で労働条件を特定する場合(基本給25万円~30万円→基本給28万円)
③ 当初の明示の労働条件の一部を削除する場合(基本給22万円、営業手当3万円→基本給22万円)
④ 当社明示していなかった労働条件を追加する場合(基本給22万円→基本給22万円、営業手当3万円)

■求人サイト、求人情報誌などへの規制も厳しく
企業の依頼を受けて求人情報を提供する募集情報等提供事業者(求人サイト、求人情報誌等)への
規制も厳しくなります。
求人サイト等が次のような求人募集を受けた時は、募集主に変更を求め、応じない場合は募集情報を提供しないこと等
適切に対応することが求められます。
① 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる募集
② 法令に違反する募集
③ 実際に従事する業務と異なる業務内容を含む募集

また、募集における「年齢制限」に関しては、以下のように改正されましたので留意したいところです。
① 年齢制限の理由(雇用対策法施行規則第1条の3第1項)を記載することが可能な欄を設ける等所要の整備を図ること
② 年齢制限を行う募集の依頼があった場合は、次の措置を講ずること
 イ 年齢制限に合理的な理由があるか等確認すること
 ロ 年齢制限が雇用対策法第10条又は高年齢者雇用安定法第20条第1項に違反するものでないかを確認すること
 ハ 年齢制限に違反が認められる場合は是正するよう働きかけ、是正がされない場合は募集依頼を受けないこと
 二 是正が行われない場合には、管轄公共職業安定所に様式「年齢制限求人に係る情報提供」により情報提供を行うこと

このように、求職者への労働条件明示の一層の推進、むやみな年齢制限の防止等が今回の改正の柱となっています。
人事・採用担当者の方は留意したいところです。

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◆特定労働者派遣事業の切り替え、資産要件を満たせない・・・

2018年01月18日 14時43分20秒 | 派遣業
特定労働者派遣事業から大臣許可への切り替えを希望していても、「資産要件」を満たせないため
切り替えを躊躇している……というお話をいただくことがあります。

例えば、特定労働者派遣事業の切り替えを希望するも、現在はぎりぎり大臣許可の資産要件は満たせるが、
許可を取っても3年後の更新時に一般の「資産要件」が満たせそうもない……というような場合です。

■現在の資産要件(H27.9.30~H30.9.29)
労働者派遣事業大臣許可の「資産要件」をみてみましょう。①から③の3種類あります。
 下記②、③以外の一般の労働者派遣事業 基準資産額2,000万円×事業所数 現金預金1,500万円×事業所数
 特定からの切り替え(派遣労働者10人以下)に限る 当分の間の措置 基準資産額1,000万円 現金預金800万円
 特定からの切り替え(派遣労働者5人以下)に限る 3年間の暫定措置 基準資産額500万円 現金預金400万円

※基準資産額…資産総額-負債総額
※②③…この措置は1つの事業所のみである場合に限るものであること
※③…3年間の暫定措置とは、平成30年9月29日までの暫定措置であること

■「資産要件」は何で判断されるのか
労働者派遣事業の場合、直近の「決算書」で判断されます。
大臣許可を新たに取りたい場合や特定労働者派遣事業からの切り替えなどの場合も同様です。
「更新」の場合も、直近の決算書で判断されます。

■今後の「資産要件」の見通し
平成30年9月29日で、③の資産要件は廃止される予定です。
従って、平成30年9月30日以降は、②の「当分の間の措置」だけが続きます。

楽観的に考えれば、③の措置廃止は、社会的影響が大きいような場合は、延長も有り得るかもしれません。
②の「当分の間の措置」は「当分の間」となっていますから、適宜時期を見極めて廃止となるでしょうが、
頼みの綱は②でしょう。

■特定からの切り替えと資産要件
では、先の「特定からの切り替えをしても3年後の更新時に資産要件を満たせるかどうかわからない」
という場合は、どのように考えたらいいでしょう。
このような場合は、②の「当分の間の措置」は平成30年9月30日以降も続く予定ですから、3年後の「更新」
時までに、②の資産要件をクリアーできるように頑張る、ということになります。
僅かな望みを抱くなら、もしかしたら③の要件が延長されるかも…というようなこともないではないので、
とりあえず、現在「特定労働者派遣事業」という強みを利用して大臣許可を取っておく……が得策ではないでしょうか。

■大臣許可申請の代理代行
幣事務所では、特定からの切り替え、及び初めて派遣業に進出される方々のために、
大臣許可申請を代理代行しております。
料金は、原則200,000円ですが(就業規則改正、実地調査同席含む)、
平成30年6月申請分まで、下記の特別価格でお受けいたします。
必ず、「ブログを見た」とおっしゃってください。
<料金>
 ・1つの事業所のみの場合 150,000円(着手金半額)(就業規則作成・改正、実地調査含む。)
 ・2つ以上の事業所の場合 200,000円(着手金半額)
対応エリア:埼玉県、東京都

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