先日『おくりびと』を見てきました。
アカデミー賞受賞後ということもあり、
普段はガラガラな上野東急が、長蛇の列を作っていました。
観客の大半が後期高齢者(???)のようでしたが、
40歳代の方も結構いました。
映画の中でやはり印象的なのは、棺桶の蓋を閉めるシーン。
私も若い頃に母親(享年51歳)を亡くしているので、
思わず涙してしまいました。
映画の終盤で、主人公の父親役の、峰岸 徹を「おくる」シーンがあるが、
この撮影時には既に彼は末期がんで、余命幾ばくもないと診断されていたのであります。
ですから彼は、アカデミー賞受賞は知らなかったのです。
そんなことを思い出しながらのラストシーン、更に涙を誘ってしまいました。
終演後場内が明るくなった時気付いたのですが、
一般の観客が涙をぬぐっているのに、後期高齢者の観客は涙を流していない。
何故かと思ったら、映画の観方が年齢層で違うのだ。
後期高齢者の観客は、自分がこれから『おくられる』ことのことを考え、
自分の『死』については涙することなく『直視』しているのであろう。
かたや、比較的若い年齢層の観客で涙している人たちは、
最近に近親者を『おくった』ことを思い出したのであろう。
あらすじは以下に・・・・
<あらすじ>
求人広告を手にNKエージェントを訪れた主人公・大悟は、社長の佐々木から思いもよらない業務内容を告げられる。
それは【納棺】、遺体を棺に納める仕事だった。
戸惑いながらも、妻には冠婚葬祭関係=結婚式場の仕事と偽り、
納棺師の見習いとして働き出すが…。
愛すること生きることを紡ぎだす異色の感動作が誕生。
監督: 滝田洋二郎
出演: 本木雅弘/広末涼子/山努
(C)2008 映画「おくりびと」製作委員会
私は、記事にも書いたのですが何といってもこの作品の持つユーモアに強く惹かれました。泣きながら笑い、笑いながら泣く・・・影があるからこそ光はその明るさ、輝きは一層深まるということを感じてました。
私も母を送っていますので(享年51歳)、
何かと思いつまされました・・・・