目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

南暑寒別岳

2014-08-09 | 山行~北海道

001img_7635 標高 1296.4m 北海道増毛山地

2014年7月22日(火) 小雨のちくもり

メンバー 山の神と私

コースタイム 雨竜ゲートパークキャンプ場4:57--白竜ノ滝--5:50休憩5:57--7:24旧展望台7:34--8:34ハイマツ帯休憩8:45--9:16南暑寒別岳山頂9:19--9:45ハイマツ帯(昼食)10:23--11:20旧展望台11:30--12:22展望台12:32--13:41キャンプ場

予報は晴れだったのだが、朝3:50起きだしてみると、小雨が降っている。そのうち上がるだろうと、タカをくくり、山の神と早い朝食をとる。雨はあがらず、しかたなく雨具をつけ、4:57キャンプ場をあとにした。熊よけにラジオをつけ、熊鈴も鳴らしながら、恐る恐る歩き始めた。吊橋を渡り、しばらくいくと白竜ノ滝。登山道からは見えないだろうと思っていたのだが、滝を示す標柱のそばから覗き込むと、しっかりとその姿を拝める(右の写真)。

2つ目の吊橋を渡るといっきに上りが始まる。山の神が水分補給をするというので休憩。そろそろ雨は上がらないのかと空をうらめしそうに見上げても、いっこうに雨が上がる気配はない。

01img_7636でも、わずかながらに空が明るくなっていないか。山の神に話しかけるも反応はにぶい。そのうちまたガスが濃くなってくる。

沢沿いに歩いていくと、アヤメが現れて、雨竜沼湿原に入った。ここからしばらく木道歩きになる。木道周辺では、エゾカンゾウが目に付き始める。一見ニッコウキスゲなのだが、別種なのだろう。ガスは濃くなるいっぽうで、薄暗くなり、やがて普通に雨になった。

絶望的な気分になりつつも、心の中ではまだまだと思っていた。しかし山の神はだんだん不機嫌になってきている。

そこへ先行してキャンプ場を出発していた年配の方が向こうからやってきた。どうにもならん、引き返すという。私たちは南暑寒別までは行きますといってはみたものの、引き返していく姿を目の当たりにするとちょっと気持ちは揺らぐ。それでも先へ進むことにした。しばらく耐えていれば、雲が切れてくるはずだとまだ期待をもっていた。

 

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左:道標。南暑寒別岳まではまだ3.3Kmもある 右:雨と濃霧に包まれた湿原の木道

湿原を抜けて、山道を少し登高すると、旧展望台が現れた。ベンチがあって、ここで休憩をとることにした。雨は相変わらず天から落ちてくる。当然展望はない。山の神と私以外の登山者はいない。

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左:チシマザサが刈り払われ広げられた登山道 右:南暑寒別岳山頂

旧展望台からは、チシマザサを刈り払って広げられた登山道を進んでいく。地元の方が整備されているのだろうか。頭が下がる思いだ。でも、この道は非常に単調で、ガスっているせいもあろうが、行けども行けども同じ風景だ。場所によっては、まっすぐこの道が延びていて、迷宮にでも入り込んだような錯覚にとらわれる。同じところを繰り返し歩き続けているのではないか、デジャ・ヴかと。

そのうちハイマツ帯やお花畑が出てきて、ちょっとだけなごむ。山頂には9:16に到着した。予想通り人影はなく、強風が吹き荒れていて、ガスも濃い。山の神が風の来ないところで休憩しようといったが、少し戻ったほうが風は避けられるからと、踵を返した。これで今日予定していた暑寒別岳までの大ピストンは完全になくなった。

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下山中。ガスが突然とれ、振り返ると山が姿を現した

ハイマツ帯まで下り、9:45昼食にした。火は使わずに簡単に昼を済ませる。

下り始めると、山の神と私をあざ笑うかのように、雲が切れ、お山が姿を現した。しかしそれもつかの間再び白いガスに視界は閉ざされた。

下っていくと、年配者の3人パーティとすれ違った。登っても、白くて何も見えませんよ。そんな私の言葉など意に介することなく、彼らは縦走するといって足取り軽く南暑寒別岳への道を登高していった。

 

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湿原はだいぶガスが減っていた

11:20旧展望台に戻って、雨具を脱ぐ。もう雨の心配はなさそうだ。単独行のおじさんがぽつねんと一人いるだけだったが、あとから登山者が続々とあがってくる。

湿原に入ると、早朝に通過したときよりも、だいぶガスがとれていた。湿原の奥行き、広さに驚かされる。ただ花の少なさが気になる。下山してから聞いた話だと、5,6年に一度花の最盛期が巡ってくるらしい。ふつうはこんなものだと。

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左:トキソウ 右:ヒツジグサ

それでもちらほらと咲く花を見つけては、咲いている咲いてると山の神が歓声を上げる。ひっそりと一輪だけ咲いているトキソウを見つけた。池塘にはかわいらしいヒツジグサが真っ白い花をつけていた。尾瀬では大人気の花だ。

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左:エゾコウボネ 右:今にもクマが飛び出してきそうな沢

エゾコウボネも黄色い花を水面から突き出していて、その存在をアピールしていた。湿原内では、ハイカー、登山者があふれていた。雨もあがって、散策に出てきたのだろう。展望台で休憩をとり、山の神と私は一路キャンプ場へ向かう。

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左:吊橋を渡る山の神 右:南暑寒別荘

吊橋を渡ると、もうキャンプ場とは目と鼻の先。13:41キャンプ場に戻った。

道々山の神とは、明日は雨の予報だから停滞、あさって、反対側の暑寒荘から暑寒別岳に登ろうと相談していた。当初は、今日は暑寒別岳までのピストンのロングコースを歩き、再びここに泊まるつもりだったのだが、南暑寒別岳で引き返したこともあり、まだ時間は早い。今晩激しい雨になるとの嫌な予報も聞いていたので、予定を変更しテント撤収。今日のうちに留萌へ移動してどこかビジネスホテルに泊まることにした。

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神居尻(かむいしり)山

2014-08-05 | 山行~北海道

001img_7600 標高 947m 北海道増毛山地

2014年7月21日(月・祝) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:40森林学習センター登山者用駐車場8:00--Aコース--8:47林道出合8:54--9:37稜線765m地点9:45--10:27神居尻山山頂10:31--10:50B・Cコース分岐--11:05 道標685m地点(昼食)11:40--12:10林道(一部通行止めにつき迂回)--12:33駐車場

7月19日(土)23:15に新潟を出航したフェリーは、翌20日(日)17時半頃苫小牧に着いた。そこから予定通り高速道を使って美唄まで移動。予約をしていた美唄ホテルスエヒロに19:15頃チェックインした。さあて腹が減ったと、ホテルのフロントで近所においしい店はないかと聞くと、「美唄名物は焼き鳥。人気の“たつみ”はどうですか。席が空いているかどうか調べましょう」と問い合わせてくれたのだが、あいにく満席だった。かなりの人気店のようだ。代わりに近所にあった和食の店“寿楽”へ。山の神とともにせいろ、天ぷら、海鮮三色丼がセットになった空定食をオーダーした。ボリューム満点で大満足だった。席は広くてゆったりスペース、くつろぐにはもってこいだった。

さて、7月21日は5:00に起床。昨晩ホテル近くのコンビニで買っておいた朝食を部屋でとり、道民の森へ向けて出発した。まずは月形のコンビニで昼食を調達。それから当別浜益港線に入り、ひたすら北上する。

一概に道民の森といっても、「道民の森何々地区」という標示がいたるところに出てきて、その広さに驚かされる。やっとお目当ての道民の森神居尻地区が出てきた。右折して、まっすぐ上がっていくと、終点に案内所があった。

 

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左:森林学習センター登山者用駐車場 右:Aコース登山口

7:20案内所に到着したのだが、登山口がわからない。どこだろうと、駐車場に車を置いて周辺を歩いてみた。たまたまそこにボランティアの年配の方がいて尋ねてみると、親切にも地図をもってきてくれる。その地図によると、登山口は案内所手前を曲がるのだった。

地図どおり曲がると、森林学習センターがあって、登山者用駐車場が用意されていた。すでに何台か駐車している。身支度をして7:40山の神とともに歩き始めた。車道を少し行くと、まもなくAコースの登山口が出てくる。

余談だが、この山の登山コースはA・B・Cと表記されていてまったく味気ない。ダケカンバコースとか、パノラマコースとか、何か名前をつければいいものをと思ってしまうのは、私だけではないだろう。でも強引に名前をつけると、スキー場みたいになるか。

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左:ダケカンバの美しい森 右:神居尻山小屋(避難小屋)と山頂

階段を上がっていくと、すぐにダケカンバの美しい森になる。そのうち単独者とカップルが下山してきた。キャンプ場に泊まっていたのだろうか。だいぶ早い下山だ。しばらく進むと登山道は林道と交わる。山の神といったんそこでザックを下ろした。ふと杭に巻きついたトラロープを見ると、セミの抜け殻があった。もしやと杭の裏側に回ってみると、羽化して羽を乾かしているエゾゼミがいた(冒頭写真)。夏だねえ。

稜線にあがるといっきに見晴らしがよくなり、気持ちよく歩ける。

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左:近くにはピンネシリが見える 右:気持ちのいい道が続く

間近にピンネシリが見える。以前はピンネシリへ向かう登山道があったのだが、いまは崩落しているようで、通行止めとなっている。

この辺りは風の通り道らしく、ダケカンバの幹や枝が風によって曲がりくねった造形を見せている。それを解説した案内板も登山道の傍らには立てられていた。

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左:神居尻山小屋(避難小屋) 右:神居尻山山頂

神居尻山小屋に近づくと、山頂付近に人影が見えた。B・Cコースからもだいぶ登っているのだろう。

10:27神居尻山山頂に到着した。年配の単独行のおじさんが山頂からの景色を独り占めしていた。360度のパノラマ。みごとだ。山はこうでなければ。明日登る予定の暑寒別岳もたおやかな山容を見せていた。

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暑寒別岳を遠望できる。上空には神秘的なハケ雲が出ていた

暑寒別岳を見た山の神いわく、山頂に雲がかかっているけど、あれは雨が降ってるかもね。明日はだいじょうぶかしら。たしかに日本海側だから海からの水蒸気が集まりそうだ。通年雨が多いのかもしれない。

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左:山頂からは急な下りが続く 右:背の高いタンポポの大群落

山頂は風が強く、おちおち休憩もしていられなかった。山の神と風が来ないところまで早く下ろうと、先を急ぐことにした。登山道には這いつくばるようにタカネナデシコがちらほら咲いている。やがてB・Cコースの分岐に到着。水分補給をし、Bコースに入る。単独者とすれ違いながら、下降していくと、指導標のあるちょっとしたスペースに出た(11:05)。カラスがうるさいが、ここで昼食にすることにした。少しして、7人くらいのパーティが登ってきて、賑わうことになる。

昼食後サクサク下っていくと、あっという間に林道に出た。しかし一部道が崩落しており、通行止めで迂回路をたどることになった。意外にもこれがラッキーだった。迂回路にはタンポポの大群落があった。一面タンポポの黄色い花。背の高い独特なタンポポで、風に吹かれて1株1株が思い思いに揺れている。何か神々しいといおうか、神秘的な光景をつくっていた。

 

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駐車場には、12:33に到着した。車はほとんど増えていない。みなさん違う場所に置いているのだろうか。

車にザックを積み、靴を履き替え、山の神と森林学習センター前の自動販売機へ向かった。何か飲んで木陰で涼んでから、雨竜ゲートパークへ向けて出発することにしよう。それにしても暑い。

13:00頃道民の森を出る。道すがら見つけたCOOPに入り、買出しをする。店頭にはメロンが大量に陳列してあり、さすがは北海道と山の神と顔を見合わせる。メロン1つ買っても食べきれないしなあと、代わりに大きなトマトを2つ買った。

雨竜ゲートパークへの道は舗装路と未舗装路が交互に出てきて、山深さを痛感させてくれた。狭い未舗装路では、山から下りてくる車何台もとすれ違うことになり、だいぶ難儀した。いずれ道幅を拡張したり、舗装したりするのだろうけど、それまではこの不便は辛抱しなければならないのだろう。

15:00頃雨竜ゲートパークに到着。テントを張っていると続々と登山者が下山してくる。暑寒別岳までピストンしてきたという背の高い30代とおぼしき人は、「10時間くらいかかった。水を飲みきってしまって、最後はバテバテ。水はいっぱいもっていったほうがいいですよ」と。通常12時間はかかるコースだから、この御仁はかなり早い。さあ、明日はわれわれの番だ。

「南暑寒別岳」へつづく
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北海道 増毛山地へGO!

2014-08-01 | 山行~北海道

2014年7月19日(土) 雨

メンバー 山の神と私

15:00すぎ家を出発し、関越をひたすら新潟をめざして走った。新潟港から新日本海フェリーで苫小牧に渡るのだ。途中激しい雨に遭い、これは天然の洗車場だと喜びながら、汚れた車を運転していた。しかし、車がきれいな状態でいられたのは、ほんのつかの間だった。日が落ちてからの北陸道は、虫がすごい。ヘッドライトの明かりに集まってきた虫たちが、フロントガラスでつぶれ、砕け、死骸がこびりついていく。

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左:新日本海フェリー乗船を待つ 右:フェリーの個室。狭いながらもくつろげます

新潟には20:00頃到着した。埠頭近くのコンビニで日本のビールより安かったバドワイザーを4本購入し、乗り場へ向かう。乗船開始はそれから2時間後の22:30だった。到着が早かったため、前から5台目といういまだかつてない順番で乗船した。まずフロントへ行き、初めて泊まる個室の部屋鍵をもらう。3畳というこぢんまりとした和室に入って、山の神と早速バドをプシュっとやった。あとは寝るだけ。いつものザコ寝の2等和室とは違い、人目を気にすることなく、肢体を伸ばせる。

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移動日に。留萌の黄金岬(おうごんみさき)に立ち寄る

今回の北海道の山旅はこうして始まった。北海道では、週の半ばで雨にたたられたけれども、予定していた今回のメインイベント、暑寒別岳登山はかなった。なかなか機会がないと登れない山なので、まあ、ラッキーだったといえよう。

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左:真新しいヒグマのふん 右:暑寒別岳山頂付近のオトギリソウ

暑寒別岳は、ラムサール条約登録地である雨竜沼湿原をその懐に抱え、その湿原や稜線、山頂などでは高山植物の花が咲き乱れており、お花の山としても有名だ。ただアクセスが悪いのと、ロングコースなので、なかなか足を踏み入れにくい山でもある。百名山に入っていないという理由から後回しにされてもいるようだ。まあ、ツウ好みの山なんだろうね。

ところで、昭文社の山地図で暑寒別岳のコースをみると、ヒグマ注意の文字が躍っている。行ってみると、そこには本当にヒグマがいた。彼らが普段生活している場所なのだ。登山道で真新しい緑色の巨大フンを発見したときには、ホントに驚いた。すぐ近くに潜んでいるかもしれないと、熊鈴を盛大に鳴らし、ラジオのボリュームを上げながら通過した。山の神なんて、鈴を引きちぎらんばかりに振り続けていた。でも下山時にもう一度この道を歩いたのだが、のど元過ぎればの言葉通り、ちょっと乾燥したフンでは怖さも半減していた。馴れ、感覚の麻痺とはおそろしいものだ。

さて、次回は足ならしに登った神居尻山の山行記録です。
つづく。

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利尻・礼文 エピローグ

2012-08-02 | 山行~北海道

2004年7月9日(金) 晴れ

いよいよ東京に帰る日になってしまった。いつも山旅の終わりはあっけなくやってくる。朝方雨が少し残っていたが、宿を出る頃には、雲も切れ、明るくなっている。

8:00礼文の宿をチェックアウトした。土産物屋さんを覗いて、フェリーに乗船する。10:30頃には稚内に舞い戻った。天候は完全に回復し、晴れ。山の神とロープウエイで稚内公園に上がり、氷雪の門、9人の乙女の碑を見る。戦時中樺太の悲劇を刻んだ碑だ。飛行機の時間までは、観光に徹していた。

時間が12:00を回って慌しくなった。昼食をとって、空港行きのバスの時間に間に合わせなければと、フェリー乗り場あたりの定食屋で¥800くらいの定食を頼んだのだが、これが大失敗だった。ただの幕の内で、しかもまずかった。最後の北海道のメシがこれとはね。慌しく食べて、バス停に行くと、フェリーの中で見た時刻表とは違っていた。これぞ田舎。出発時間は20分も後だった。なあんだと山の神と愚痴の嵐となる。それなら、駅裏の市場とか、もうちょっとお店を吟味して、おいしいものを探したのにねえと。

島内で使ったガスカートリッジは、飛行機には持ち込めないので処分し、空港へと向かう。稚内発15:05のANAに乗りこみ、あっという間に羽田に着いてしまった。行きの寝台列車北斗星は旅情たっぷりだったが、飛行機はあまりにあっけない。

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礼文島トレッキングで昼食をとったビューポイント

 

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礼文島から見た利尻山。どこから見てもとんがった立派な山だ

利尻・礼文の島旅を振り返ってみると、まず天候に泣かされたことが一番印象に残っている。なにせ最も期待していた利尻山山頂は雨の中だったから、展望ゼロ。晴れていれば、周囲360度が海の大展望が見られたわけだ。また行かなくちゃと思うのだが、山の神のテンションは低い。

しかし、再訪するにしても、この島の宿のサービスはどうにかならんのかと思う。サービス精神は限りなくゼロに近い。宿にチェックインし、部屋に入ると、いきなり窓を修理に来ましたと地元の業者の方がずかずかと部屋の中に入ってきて、がちゃがちゃと何か取り付けていったし(客を入れる前にやるものではないのか)、食事中にビールを頼むと、ビンを目の前に置いていくだけ。栓抜きもらえますかと訊くと、どっかその辺にあるよと言われる。明日の弁当を作ってもらえますかとお願いすると、できませんと即答。お弁当なんて作ったことないわといわれる。でも、だれかのブログで弁当をつくってもらったと読んだよなと、おにぎり程度でいいんですけどと改めてお願いすると、ああ、おにぎりねと。あっさりOKが出た。例はこのくらいにするけど、とにかく接客しているという感覚が欠落している。営業努力なしで、いくらでもお客が来るからだろうね。それだけ、ここの島は自然の魅力を抱えているということだ。でも、訪問者は皆、もっと快適に過ごしたいはずなんだよねえ。

参考:稚内観光協会

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利尻・礼文Part4~礼文島トレッキング

2012-07-28 | 山行~北海道

001p7082052_2 コース標高 約200m ゴロタ山 180m 北海道

2004年7月8日(木) うすぐもり時々晴れ 

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:15スコトン岬7:45--8:50ゴロタ山8:57--10:20西上泊10:30--11:18召国分岐--11:30召国集落上(昼食)12:20--13:10旧礼文岳登山道分岐--13:20笹泊川13:25--(海岸線)--14:40宇遠内14:53--16:20香深井バス停

宿で5:00に起きて荷造りし、5:30には朝食をとる。宿泊客は、皆同じように出発の準備をしている。フェリーターミナル発6:11のバスに乗ろうと皆全速力で動き回っているのだ。山の神と私も遅れぬように寝ぼけ眼をこすりながら、慌しく準備をして5:55に宿を後にした。

バスに乗り込む。楽しいトレッキングの旅は、この時点で始まった。バスは、海岸線のある地点でいきなり止まった。運転手さんがアザラシがいますといって、右側をご覧くださいという。たくさんいる!ゴロゴロとぐーたらしているようにしか見えない巨大な生き物たちが遠くに見える。しばしアザラシの緩慢な動きに目を凝らす。

7:15礼文島の最北端スコトン岬にバスは到着。ちょっと歩いていくと、最北端の碑が立っている(冒頭の写真)。目の前の海の先には、海驢(トド)島が見えている。島の名前から察するに海驢がいっぱい生息しているのだろう。上空には重たい雲が垂れ下がっていて、どんよりとしていて暗い。眠気をさそう雲だ。目覚めの缶コーヒーを飲んで、いざ出発進行。

002p7082055 振り返ると絶景が

スコトン岬からゴロタ山を目指す。振り返ると、青い海、遠くに小さい海驢(トド)島。緑の回廊が美しい弧を描いている。来てよかったと思わせる、まさしく絶景が広がっていた。

003p7082059 にぎわうゴロタ山

8:50ゴロタ岬に入ってくる。スコトン岬からここまでは、観光客のハイキングコースにもなっているので、人がとみに多い。ゴロタ山山頂も大変なにぎわいだった。遠くにとんがった利尻山が見えている。うすぐもりであったが、時折雲間から日が差してくる。

004p7082060 草原の道は続く

歩みが遅いのか当初の予定より遅れ気味になり、先を急ぐ。鉄府を越えてひたすら歩き、澄海岬ふもとの集落、西上泊に10:20到着。観光バスが多数停まっていて、小さい集落ながらも、ここも立派な観光地だ。お土産屋や売店があり、きちんとしたトイレもある。

006p7082065 礼文岳をあおぐ

11:30召国分岐を越え、召国集落のまさに上あたりでザックを下ろした。昼食でくつろぐには、ちょうどいいあんばいの草原の広場があった。海を見ながら宿でつくってもらったおにぎりをほおばる。同じくカップルが離れたところでランチタイム。なかなかのビューポイントなのだ。12:20出発。

13:10礼文岳分岐にさしかかる。もう礼文岳への道は廃道のようだ。草ぼうぼうで、踏み跡すらもうわからない状態になっている。暑くて長袖シャツを脱ぐ。ザックを開けたついでにお茶を一口。

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左:チシマゲンゲの群落 右:レブンウスユキソウ

礼文島は花の島として有名だけど、思ったほど、お花には遭遇しなかった。期待が大きすぎたせいもあるだろうけど、元々いわれているほどではないのかもしれない。山の神も落胆の色を隠せない。でも、チシマゲンゲやウスユキソウは拝むことができた。 

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左:笹原を抜ける 右:海岸の崖を下り始める

礼文岳分岐から笹地帯を抜け、笹泊川で一服する。それから海岸線への道になり、崖伝いにジグザグの道を下降していく。いつの間にか雲はとれ、青い空と青い海が目の前に現れた。崖の道を下りきると、お花畑の海辺の道になる。ただ左側は断崖絶壁で、いつ崩れてきてもおかしくない危うさを感じる。

せっかくのお花畑だったのだが、デジカメのメモリーが終了だった。え~、あと5,6枚は撮りたかったなと言い募りながら、あきらめて、デジカメをザックに戻した。

14:40宇遠内に到着。ここも小さな集落だ。海岸には、ハングル文字が躍った漂流物のなれの果てや、レジャーに来た観光客が打ち捨てていったゴミが大量に放置、散乱していて、閉口する。ここに最終トイレがあり、あとは内陸部を横断しバス停に向けて、ひたすら歩くだけだ。最後は、山の神とつまらないを連発しながら、もう終わりでいいと連呼しながら歩き続け、16:20ようやく香深井バス停に到着した。じつに長~いトレッキングだった。

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