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山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

腰痛の画期的な本『人生を変える幸せの腰痛学校』

2018-02-17 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

 『人生を変える幸せの腰痛学校』伊藤かよこ(プレジデント社)

先日プレジデント社のメルマガでこの本を知った。最近腰痛に苦しむ私としては、「腰痛本」なら、ちょっとチェックしておこうと思い、ざっと概要を読んで驚愕した。紹介文には、腰痛を治そうと一所懸命になるのは間違いであるとし、鎮痛剤を飲んだり、腰痛体操をしたり、ましてや手術をするなどはまったくのムダというようなことが書かれていた。ほんとうにやりたいことに集中すれば、腰痛なんていつのまにか解消するのだと。

人をバカにしているのか。痛いんだよ、痛い人に向かってよくもそんな戯言(ざれごと)をほざけるものだと無性に腹がたった。でも、アマゾンのレビューを見てみると、メチャメチャ評価が高い。しかも腰痛はおかげさまで改善したとも書かれていた。著者の関係者のよいしょ評価なのかと思い、各レビュアーをチェックしていくと、この本以外もレビューを書いているから、あながち関係者ばかりとはいえない。もしかしたら、、、

半信半疑で、はずしたときの衝撃を思うと買うのはしゃくなので、図書館で借りてみた(だいたいいつも借りているのだが;笑)。

読んでまず、なるほどと思わせられたのは、脳についての説明。腰痛を何度も経験すると、その痛みが大きかろうが、小さかろうが常に意識にのぼるようになるというくだり。たしかに必要以上に腰を意識するようになり、ちょっとした違和感でも、腰がなんかへんだと感じて、腰痛のことばかり考えてしまう。「痛い」と感じればもう問答無用だ。常に腰痛と手をつないでいるような状態になっていて、過敏なことこのうえない。この状態になると、もはや腰痛に抗うことはムリ。では、どうしたらいいのか。腰痛のことを考えないようにするのがいいと勧めている。本の解説にあったように、自分のやりたいことに集中することだ。

人体は驚くほど、自己治癒力があり、しかも暗示が大きな影響を及ぼす。巷間よく知られているプラシーボ効果は予想以上に絶大なのだそうだ。腰痛でいえば、手術をすると、間違いなくその効果が現れ、症状は改善するという。手術したんだから、悪くなるわけがないと患者は強く思う。それが腰痛を抑制し、いい効果をもたらすのだとか。このプラシーボ効果は、腰痛においても実験されていて、実際には皮膚を切開しただけの人も症状は劇的に改善するのだとか。

次にグループ療法の効果にも触れている。というかこの本は、ほぼグループ療法をとり上げているといっても過言ではない。同様の症状を抱えたグループの面々がお互いの境遇に共感しあい、励ましあう。それは非常に治癒力、すなわち症状改善の効果を高めるようだ。しかも最近注目度の高いアドラー心理学の理論に裏打ちされているとしている。

アドラー心理学的にグループ療法の中身をみていくと、以下のようになるらしい。
・腰痛は何を教えてくれたのか?→目的論
・腰が悪いとはどういうことか?→認知論
・自分で決めるとは?→自己決定性
・個人を分けられないひとつのものとして考えるのは?→全体論
・グループの面々への共感→共同体感覚

なんにせよ、読む前の私はかなりこの本の内容に懐疑的であったけれども、いまは逆に危ういほど、信じている自分がいる。精神的には、かなり軽くなっている。まだ腰に違和感は残るけれども、なんだろうな、なんの根拠もないけれど、不思議なことにもう治ったような感じがしている。

人生を変える幸せの腰痛学校 ―心をワクワクさせるとカラダの痛みは消える
伊藤 かよこ
プレジデント社
コメント
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