アポイ岳へ向かう前日(7/19)、山の神と襟裳岬を散策していた。天気が崩れるという予報で、幌尻岳行きを延期して、観光とドライブにしたのだが、午後から晴れ間が出てきて複雑な気持ちになった。こんなことなら、予定どおり幌尻に向かえばよかったんじゃないか。ただ冷静に考えれば、水蒸気が多いといっていたので、日高山脈に雲がかかっている可能性はすこぶる高かった。
襟裳岬で撮影 左:エゾカワラナデシコ 右:エゾフウロ
襟裳岬に11:30頃到着すると、もうすでに観光客はたくさんいて、お土産屋兼食堂のおじさんがテレビで紹介された店ですと客引きに余念がない。店内で使用できますと5%の割引券も配布していた。お土産屋は帰りだなと、まずは岬の散策に出かけた。駐車場から一歩踏み出すと、すぐにお花畑のお出迎えだ。ナデシコやハマナス、フウロ、どれもたくましく存在感を示していた。山に登るより先にここで見ることになるとは予想外だった。むしろここのほうが充実しているかもねと山の神。
襟裳岬の遊歩道終点から岬の先を望む
散策コースをたどっていくと、灯台や襟裳岬の突端が見えてきた。そのうち観光客が岬の突端に向けて、点々と連なっているのに気づいた。かなりの観光客数だが、それ以上に多く飛び回っている白い鳥が見えた。よく見ると岩礁で多数が羽を休めている。2,3羽がこちらに飛んできて、その正体がすぐさま判明した。カモメだった。襟裳岬にはアザラシもいるはずだが、目視では見つけられなかった。90年代に訪れたときには、たしかに見たような気がするのだが。
風の館のほうへ戻る
襟裳岬には風の館なる施設があった。強風が吹き荒れることが多いこの地で襟裳岬をゆっくり見学、堪能してもらうための施設として作られたとか。ほとんど利用されていないようだけど。
さて、昼飯だ。土産物屋を一通り見て、テレビに出た店と宣伝していたところでオーダーする。魔法の粉(粉末のコンブ)をかけて海鮮系のラーメンを食べた。値段は高めだけど、味はまあまあだ。腹がくちくなったところで、フンベの滝を見て宿に帰ろうと、海岸沿いの道、黄金道路をドライブした。せっかくの海岸道路なのにトンネルだらけで、景色の半分も楽しめない。やがて行き過ぎたんじゃないかと思い始めた頃に滝に着いた。滝というよりは、ちょっとした湧き水のしたたり(写真は割愛)みたいでだいぶ落胆させられた。
黄金道路を進み、比較的大きな町である広尾町に入る。たしか北勝海(現八角親方)の出身地だ。ここで休憩しようと、喫茶店を探したのだが、らしきものすら見つからず、もう帰ろうと天馬街道に入った。とすぐにお茶ができるところを発見!
「夢の館」。老夫婦で経営していて、休憩だけなら無料。コーヒーも格安で、ほとんど趣味でやっているとしか思えない。味のある昭和初期(?)の建物が心安らぐ。調度品はご主人がこしらえたようで、隣に家具工房とショップがある。建屋の裏手には、文字通りの「草原の丘」があった。この夢の館で、山の神と窓際の特等席でくつろがせてもらった。
ご主人は話好きで、帰りがけに呼び止められて、天馬街道はエゾシカが飛び出してくることがあるから、スピードの出しすぎには気をつけたほうがいいとアドバイスされる。とくに夜間は危険で、ヘッドライトの灯かりに好奇心旺盛なエゾシカが向かってきて、正面衝突の事故があったとか。シカがフロンドガラスを突き破り、ドライバーは即死というから怖い。北海道の標識にはキタキツネや熊やシカ注意というのがあるけれど、実際にその地に生息しているからほんとうに道路を横切っていく。気をつけるに越したことはない。
参考:えりも花めぐりhttp://www.smartgarden.co.jp/cityinfo/hokaido/erimo/erimo.html