はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

「ぴったりはまるの本」。

2006-10-11 00:39:08 | アートなど
佐藤雅彦氏とユーフラテス(そして内野真澄氏)の新刊、ピタゴラブック「ぴったりはまるの本」を購入しました。

購入までに、書店では思わぬ出来事が。
探してみるも、新刊、文芸、児童、TV関係、芸術、雑誌・・・いずれのコーナーにも無し。
書店員を頼るも、店員さん、走り回ること5分。
「すみません、在庫はあるはずなんですが、見つからなくて・・・」とのお言葉。
半ば諦めて別の用事で某コーナーに足を運んだら・・・あった!
な、なんと、科学コーナーに配架されておりました。
よく考えれば、まあ、たしかに(笑)。
分類し難い、書店泣かせの書籍です。
『ピタゴラブック』なので何となく黄みどり色のイメージがありそうですが、背表紙は木机の茶色をバックにした白い明朝系の書体。うっかりすると見逃してしまうかもしれませんので要注意です(笑)。
裏表紙にはバーコードのような配置でこっそり10本アニメが出演していたりと遊び心も満点です。
手に取ってみれば、とてもしっかりした造り。
幼児が手荒に扱っても、少々のことでは傷まない仕様になっています。
実際に使って遊んで考えて・・・という実用本意の体裁が、この書籍のコンセプトを如実に物語っています。
素晴らしい。

内容は、ページに印刷されたある「かたち」とぴったり一致する家庭用品を探すというもの。見る者の観察力と創造力が問われる内容です。
お題は、立ち読みでもすぐにわかるものからちょっと考え込んでしまうものまでさまざま。
私も立ち読んだ時には2つほどわからないものがあったのですが、敢えて答えを見ずにいたところ、帰りの運転中に突然ひらめいて『!』と納得。
思い付く楽しさを与えると同時に『規格』というモノの存在をこっそり知らしめる、とても楽しい本ですね。
子どもの頃に出会っていたらきっとムキになって答え探しをしただろうなあ、と己の子供時代を振り返ってニヤリ。
そういう意味では、巻末の答えは無くてもいいのじゃないかと思えました。
お子さんをお持ちの方はもちろんのこと、シンプルでラディカルなものの見方を大切にしたい方にもおすすめです。
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ところで、巻末の著者紹介ページでひとつ謎が解けました。
4月からの『ピタゴラスイッチ』エンドクレジットに登場していた「ユーフラテス」という製作チームの正体が判明したのです。
慶応大学SFCにおける佐藤雅彦研究室の卒業生を中心としたユニットがユーフラテスであるとのこと。
貝塚氏や山本氏、植田氏、佐藤匡氏が今回の製作チームなのだそうです。
今後の活躍がとても楽しみです。