はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">東京遠征。</font>

2005-10-29 23:57:22 | piper
本日は、朝イチで東京へ。
丸の内の中央郵便局で研究報告を無事速達発送し、あとは晴れて自由の身。
その後、展覧会ひとつと芝居を一本観て参りました。
まずは、新宿初台のインター・コミュニケーション・センター(ICC)で開催中の「Possible Futures; Japanese postwar art and technology  アート&テクノロジーの過去と未来」展。
日本のメディアアート史を総覧しつつ、数々の有名作品を集めた良質の展覧会でした。
冒頭からしてハイクオリティ。
4Fの無料スペースで公開されている藤幡正樹氏の「脱着するリアリティ」は非常に面白いです。作品の構造がわかったときの『なるほど~!』感は爽快。恥を捨て去ってあちこち歩いてみることをおすすめします(笑)。
名作ぞろいとあって、過去に他の美術館で観て印象に残っていた作品と再会できたのも嬉しいことでした。
田中敦子氏の「ベル」。これは東京現代美術館で出会った衝撃の(笑)作品。『ドキッ!』のあとに『ニヤリ』となります。当時居合わせた大人が自分の子供に間違った解説をしていたのが笑えて、これまた印象深し。
佐藤慶次郎氏の「岐阜ススキ群」と「エレクトロニック・ラーガ」。いずれも岐阜県立美術館で出会った作品。「エレクトリック・ラーガ」はある方法で音が出せる作品なのですが、岐阜では通路脇に目立たずこそっと置かれていました。あるとき音を操れることに気付いて、人目も気にせずずいぶん長いこと張り付いて奏でていた記憶があります(笑)。
古橋悌二氏の「LOVERS-永遠の恋人たち」。これは仙台メディアテークのオープニングイベントで展示されていた作品。すれ違う男女が美しく詩的に表現されたインスタレーションです。プロジェクターと暗室を利用したもので、仕組みはいたってシンプルなのに不思議な魅力を持っています。一度観たらきっと忘れられません。MoMAにも殿堂入りした有名作です。これもついつい長いこと魅入ってしまいます。11月21日から展示替えだそうですので、ご覧になりたい方はお早めに。
さてさて、そして岩井俊雄氏の「時間層(II)」。横浜トリエンナーレ2001、仙台メディアテーク、東京都写真美術館の「超[メタ]ヴィジュアル展」を経て私にとっては4回目の遭遇。暗い部屋の中にあの音楽が聞こえてきたときには『時間層だ!』と思わず小さく叫んでしまいました。何度観てもとても惹かれます。名作です。
他にも、とにかく触って動かして体験するタイプの作品も多数ありました。1人だけだと体験が難しいものもありましたので、2人連れで行くのが良いかもしれません。
なお、この展示会は一度チケットを買うと、会期中もう1度だけ無料で入場することができます。展示替えを見越した嬉しい配慮ですね(^^。


さて、次に、銀座のルテアトル銀座で上演中の「ダブリンの鐘つきカビ人間」18時公演を観て参りました。後藤ひろひと(通称「大王」)&G2のパルコプロモーション公演。2003年版から主要キャストを入れ替えての再演です。
ネタバレは避けたいので詳しくは申せませんが、大王の作品らしいテイストに溢れた、感情を大いに刺激される舞台でした。
タイトルコールのカビ人間役を演じる片桐仁氏、とても素敵な雰囲気を醸し出していらっしゃいました。片桐ファンの私としては、カビ人間と片桐さんがオーバーラップして、案の定、観ていて平静ではいられない気持ちになりました(笑)。いろいろと揺り動かされます。
ところで、今回気付いたのは、自分が思っている以上に自分は大王好きなのだということ。
舞台にちょっとでも出ていると、ついつい目で追っている自分がおりました(笑)。
あの独特の所作と端正な動き。表情豊かな弁説。つくづく、凄い方だと思います。大好きです(^^。
なお、「ダブリンの鐘つきカビ人間」はルテアトル銀座で11月13日まで上演されています。
少しでも興味のある方は、ぜひ。きっと観て損は無いと思います。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
>ざらえもんさま (aiwendil)
2005-11-04 00:37:55
>ざらえもんさま
時間層、ありますよ~。ぜひぜひ行ってみてください(笑)!
ざらえもんさんもお好きかな?という作品がたくさんあったのでおすすめです(^^。
返信する
ICCには時間層もあるのですね。 (ざらえもん)
2005-11-01 00:34:42
ICCには時間層もあるのですね。
タイトルを見ただけでも興めたので、行ってみようと思っていましたが、時間層があるとなれば、是非いかねば!!
他のもなんだか面白そうです。
ぱっと見て「え~何これ」ではじまって、次に「え?何でこんなことに?不思議??」よくよく眺めて「へぇ~こうなってるのか」「おもしろ~い」と言った順序で感激する作品がやっぱり好きだなぁ・・・
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>うずらさま (aiwendil)
2005-10-31 01:25:47
>うずらさま

私の場合、オペラなんかですと、ドラマチックなものが好きなんです。
ところが芝居や書籍になると、『笑い』あるいは『発見の面白さ』が無ければどうにも苦手・・・・。
自分でも不思議です。

ちなみに、ここ最近で一番感動した舞台は「ガマ王子とザリガニ魔人」。
一番笑ったのは「アリス」仙台楽公演。
一番好きだったのは「レンズ」。
そして、一番揺さぶられたのは、舞台ではなく「佐藤雅彦×茂木健一郎」の対談(笑)。
色々行ってみるもんだなあとつくづく思います。

カビ人間、楽しんできてくださいね。
キムタオルと言わず、吸水性ポリマーくらいいろいろ吸っちゃってください(笑)。
ネタバレトークができる日を楽しみにしています。
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カビ人間、楽しみです…私も早くいろいろと揺り動か... (うずら)
2005-10-30 21:12:10
カビ人間、楽しみです…私も早くいろいろと揺り動かされたい。舞台に興味を持つようになって思うことは、舞台って人生のヒダヒダを増やしてそして深くしてくれるような気がするのです。脳が発達するにつれ皺が増えていくような感覚です。私がいまいろいろな舞台に惹かれていくのはもちろんそれ自体の面白さもあるけれどまるで人生経験の浅さを本能的に補おうとしているかのようだと我ながら思います。乾いた土が水を吸うように。乾ききってるので吸水性はキムタオル並ですよ。
舞台に限らず小説でも絵画でも芸術全般に言えることかも知れませんが。
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