暦では、立秋が過ぎたが、
照りつける日差しは、一向に勢力の衰える気配が無い。
それどころか、35度を超す猛暑が、日本中を焦がしているようだ。
Mちゃんから、山に行こうと誘ってもらった。
生け花用の秋の草花を取りに行くのだそうだ。
Mちゃんにとっては、もう何度も登っている山
自分の庭のように、どこに何の花が咲くか、分かっているらしい。
昨年は、15日のお盆に登ったそうだが、1週間早いのと、この猛暑で、
お目当ての花が、なかなか見つからない。
それでも、ナデシコは見つかったが、女郎花は、まだ、どの茎も花を付けていなかった。
少し高くまで登ってみる事にした。
車の幅いっぱいの山道は、刈ることもしてないので、草が茂り放題に茂っている。
そんな山道も、良く知っているから走れるのだろう。
フロントガラスに、ぶつかる小枝をかき分けるようにして進んで行く。
昨年は、ここにたくさん咲いていたと、目星をつけていた場所にも、まだ咲いていなかった。
今年の特別な暑さに、秋の草花も、季節が来たが出るに出られないでいるのだろう。
随分探して、黄色い花を付けた女郎花と、穂の出始めたススキを見つけた。
お昼は山の中の国立公園で車を止め、
公園の中の川渕に腰を下ろして、Mちゃんが用意してくれていた昼食を頂いた。
木陰に入ると、ヒンヤリ涼しい。
しばらく居ると「寒い!」と思うほど、吹いてくる山風は冷たい。
下に降りると、また焼けるような暑さが待っているのだろうと思うと、
下ろした腰を上げたくなかった。
エメラルドグリーンの澄んだ川の水の上を、数匹のトンボが舞っていた。
JA夢市場も、西瓜の売り場をブドウに取られていた。
胡瓜も隅に追いやられ、ゴーヤがその場所に並んでいる。
桃は姿を消し、梨が並び、なすびは秋ナスと名前を変えている。
ズイキやスダチも並び、市場の中の野菜たちも、そろそろ交替を始めている。
市場の入り口のかき氷は、まだ随分売れているが、
少しづつ、秋が近づいているのを感じた。