午前中、いきいき体操に行っている留守に、
同級生のS君から電話が掛かっていた。
帰宅後、電話をかけ直し…📞
「ゴメンね!暇すぎて、外をウロウロしているのよ。アッハハ」
同級生の気安さが、私を饒舌にさせていた。
しかし、冗談はここまで…
「あのなぁ〜……」電話の向こうから、重たい空気が流れて来た。
「東京のY君が癌で入院してて…」
暗い声が耳に入って来た。
「エッ‼︎」
最近、癌という言葉に敏感になりすぎていて、
次の言葉が出て来なかった。
「それで、E君がお見舞いに行こうとして、奥さんに断られたって…
今は、ちょっと、来ないで欲しいって…」
「そう……大変なのかな?」
癌と聞くと、悪い方に悪い方にと、想像してしまう。
来年は、地元で4年振りの同窓会を開催する予定になっている。
4年間、同窓会が無いのは、寂しいよね…と、
1年前に、近畿に在住している同級生だけで、阪急ホテルで同窓会をした。
その時、Y君は、東京からわざわざ来て、参加してくれた。
その時のことが思い出される。
「お互い、もう歳だから病気せんように、気い付けんとなぁ〜」
S君も私も、69歳…だもんなぁ〜
「病気せんようにと思っても、癌は分からんけん、厄介やわ」
「Y君、元気になって、来年の同窓会に参加して欲しいよね」
そう言って、電話を切ると、
一瞬、全ての音が消された気がしたが、
心だけは、ザワザワと騒ついていた。
細い糸のような雨の降るベランダに出てみた。
湿った風が、半袖の肌に冷たかった。
Y君には、子供さんがいない。
奥さんは、心細いだろうな…
病室の窓から、こんな冷たい雨を
見ているかも知れない奥さんのことを思っていた。
音の無い雨は、
私の心の中で、ザアザアと、音を立てた。
同級生のS君から電話が掛かっていた。
帰宅後、電話をかけ直し…📞
「ゴメンね!暇すぎて、外をウロウロしているのよ。アッハハ」
同級生の気安さが、私を饒舌にさせていた。
しかし、冗談はここまで…
「あのなぁ〜……」電話の向こうから、重たい空気が流れて来た。
「東京のY君が癌で入院してて…」
暗い声が耳に入って来た。
「エッ‼︎」
最近、癌という言葉に敏感になりすぎていて、
次の言葉が出て来なかった。
「それで、E君がお見舞いに行こうとして、奥さんに断られたって…
今は、ちょっと、来ないで欲しいって…」
「そう……大変なのかな?」
癌と聞くと、悪い方に悪い方にと、想像してしまう。
来年は、地元で4年振りの同窓会を開催する予定になっている。
4年間、同窓会が無いのは、寂しいよね…と、
1年前に、近畿に在住している同級生だけで、阪急ホテルで同窓会をした。
その時、Y君は、東京からわざわざ来て、参加してくれた。
その時のことが思い出される。
「お互い、もう歳だから病気せんように、気い付けんとなぁ〜」
S君も私も、69歳…だもんなぁ〜
「病気せんようにと思っても、癌は分からんけん、厄介やわ」
「Y君、元気になって、来年の同窓会に参加して欲しいよね」
そう言って、電話を切ると、
一瞬、全ての音が消された気がしたが、
心だけは、ザワザワと騒ついていた。
細い糸のような雨の降るベランダに出てみた。
湿った風が、半袖の肌に冷たかった。
Y君には、子供さんがいない。
奥さんは、心細いだろうな…
病室の窓から、こんな冷たい雨を
見ているかも知れない奥さんのことを思っていた。
音の無い雨は、
私の心の中で、ザアザアと、音を立てた。