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ビスケットとお菓子のけらいの話
文 朝陽 10歳
サポート おばあちゃん
地図にものってない小さな国がありました。
そこには、お菓子が大好きな国王と国民が住んでいて、いつも国中に甘いお菓子のにおいがしていました。
ある日
世界を支配しようとたくらんでいる魔王がせめてきて、お菓子作りを禁止しました。
お菓子大国では、お菓子が作れなくなり、国民だけでなく国王までもが逃げ出していきました。
だが、一人の青年だけは国に残り、お菓子を作り続けていました。
名前はビスケット
この国で一番のお菓子職人です。
魔王の耳にビスケットのうわさが入りました。
「なに!まだお菓子を作っている奴がいるとは」
魔王は怒って、けらいのガイコツの大軍に命令して、ビスケットを攻撃してきました。
だが、ビスケットの作ったお菓子は、ビスケットが息を吹きかけると
命と力がやどって、最強のけらいになりました。
カメやサイや熊や豚
ビスケットが作ったお菓子のけらいは、ガイコツの大軍と戦いましたが、
ガイコツの剣でこわされてしまいました。
それでも、ビスケットはお菓子を作り続け、息を吹きかけていくと、けらいはどんどん増えていきました。
それを見たガイコツの大軍は、
「これはかなわん」と逃げて帰りました。
ビスケットの勇気ある行動を知った国王はお菓子大国に帰ってきました。
国王はゆうかんなビスケットをほめたたえ、
「またこの国でお菓子が作れるように、そして、国民が帰ってこられるように、
魔王をたおしてほしい」とたのみました。
ビスケットは、けらいの中で一番大きくて強いサイ君を連れて、
魔王の住む摩天王宮殿を目指して旅にでました。
それを知った魔王は中ボス4人を呼び出し、
「ビスケットをこらしめてやれ!」と命令しました。
そして、雷 風 水 炎 の4つの力のコインを渡しました。
そんなことを知らないビスケットは、山の中を歩いていました。
すると、
中ボスが出てきて
「ここは通さぬ!」と言って通せんぼをしてきました。
サイ君は、中ボスに飛びかかりました。
中ボスは、サイ君のツノで飛ばされました。
びっくりしたほかの中ボスが、雷と風のコインをサイ君に投げつけました。
ドカーンと大きな音がして、いなずまがサイ君の体をつきさそうとしたのを、一瞬でよけました。
風は竜巻をおこしました。
サイ君は竜巻に飛ばされて、大事なツノが折れてしまいました。
それでも、ゆうかんに中ボス達に突撃しました。
あわてた中ボスは、残りの炎と水のコインを投げつけました。
炎がサイ君の体に燃え移りました。
「危ない!」ビスケットがサイ君を助けようとかけつけると、
水が落ちてきて、サイ君の体の炎が消えました。
「しまった!」
中ボスは、あわてて水と炎のコインを同時に投げたので、炎が消えたのでした。
「逃げろ 逃げろ」
中ボス達は逃げていきました。
ドジな中ボスたちのおかげで命拾いしたビスケットとサイ君は、魔王のいる摩天王宮殿につきました。
摩天王宮殿の中で、魔王は真の姿で現れました。
それは今まで見たことのない恐ろしい姿をしていました。
いきなり、魔王の鉄の腕がグーンと伸びてきて、サイ君の体を直撃しました。
さっき中ボスと戦って、水にぬれたサイ君の体は、割られて、バラバラになりました。
ビスケットは、サイ君の仇を討つため攻撃しましたが、
魔王の強さにはかなわず、ビスケットもやられてしまいました。
やられたビスケットは、死の世界にいました。
そこで、サイ君に会いました。
サイ君は、
「ボクは死んでもいいけど、君は生きて魔王を倒さなければいけない」と言いました。
ビスケットは、バラバラになったサイ君のかけらをもって、死の世界から帰ってきました。
生き返ったビスケットは、
サイ君のかけらをつぶして、その粉でハンマーのお菓子を作りました。
ビスケットは、ハンマーのお菓子を持って、もう一度魔王を倒しに摩天王宮殿に行きました。
死んだサイ君で作ったハンマーは、サイ君の命や力がやどった世界最強のハンマーでした。
魔王は、「まだこりないのか、お前なんかこの腕でつぶしてやる!」と言って、
鉄の腕でビスケットをつかまえようとしました。
あやうくつかまりそうになりましたが、
そのハンマーで、魔王の腕を切り落としました。
だが、魔王は毒のコインを投げてきました。
ビスケットがハンマーで攻撃すると、コインは割れて、魔王の頭に突き刺さり、
魔王は毒で死んでしまいました。
魔王をたおして帰ってきたビスケットは、
国王のお城のお菓子職人になり、マシュマロ姫と結婚して、
毎日 大好きなお菓子を作り続けました。
終わり。
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