土狸庵ゆめ日記

土タヌキおやじのひとりごと。

不幸すぎる老人の話。

2012年02月11日 20時57分26秒 | 日記
先日の深夜、眠れぬままに眺めていたテレビ番組があった。
それは、ある不幸な老人のなんとも切ないドキュメントだった。

どこの放送局で、なんというタイトルだったかも思い出せず、
なんとも不幸な人がいるものだという思いだけが残っていた。

途中から見たので記憶は半端だが、その内容はこんなものだった。

福島のある村の山里に一匹の犬と暮らす老人が居る。
年齢は聞きもらしたが、70歳後半くらいだろうか、
平屋の古民家で、家の周りでは野菜などを育て、
自給自足の自由な暮らしを楽しんでいるようにみえた。
だが、その現実は気の毒なものだった。

かっては東京で大工をしていたようだが、
戦後の楽しみの少ない子供たちを自宅に集め、
幻燈(今のスライド)映写会を開き、
童話や伝記を語り聞かせるのを楽しみにしていた。

その後、結婚して二児をもうけたが、ある日、
「神さまのような生活には、もう疲れました!」
という手紙を残して妻が家出、それが不幸の始まりだった。

長男夫婦と同居もしたが上手く行かず、
老後の夢だった田舎暮らしを始めるために福島に移住した。

彼の夢は、子供や老人が集い憩える家(村)を作ることだった。

田舎の学校や幼稚園に本を寄贈したり、
出かけて幻燈や映画の映写会を開いたり、
彼の夢は順調に進んでいるようだった。

そこに、同じような夢を描くNPO団体の女性代表が、
「一緒に夢を実現しましょう」とすりよってきた。
思わぬ仲間を得て、彼の心は躍っていたようだ。
すっかり信用した彼は、自分に万が一のときは、
自分の土地と建物を寄贈するという遺言まで用意していた。
だが、これが第二の不幸の始まりだった。

やがて、経営が苦しくなったNPOは彼に借金をせがむようになり、
いつか彼の貯金は空になり、その女性は行方をくらました。

夢やぶれて気落ちした彼は家にこもるようになり、
わずかな年金だけを頼りに、一匹の家族(犬)と、
少ない食料を分け合って暮らしていた。
せめての足しにと、畑に植えたジャガイモや野菜は、
折りからの冷害でほとんど育たず、徒労に終わった。
まさに泣きっ面に蜂の悲惨な日々が続いていた。

そんなところへ、彼の人柄を知る地元の小学校から、
幻燈映写会開催の依頼が来た。二年ぶりだった。
久しぶりの活動に嬉々として出かける老人。

幻燈会は子供たちに大好評で、
「ありがとう!」の感謝の言葉に囲まれた老人の瞳は、
生きる喜びの輝きを取り戻し始めていた。

ここまでが前半のあらすじ。

そこに襲ってきたのがあの福島の原発事故。
彼の住む村は強制退去地域となり、家も土地も失った。
そんな予告で番組は終わっていた。

その後、なんとか後半が見たいと思いだし、
二・三日前の新聞のテレビ番組ページを必死に探して、
プレミアムミッドナイト「老人と放射能・・・」
というタイトルを見つけた。

どうやら、テレビ静岡の火曜の深夜番組らしいが、
正直確かではない。

後半は2月14日(火)の深夜1時から放送されるようだ。
興味のある方はぜひご覧ください。









コメント (2)
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