同調圧力と日本文化
同調圧力とは、少数意見を持つ人が多数意見に合わせるよう暗黙のうちに強制されるものです。
日本には「空気を読む文化」や「村社会」といった同調圧力を生む歴史的な文化があります。
例えば「話し合いの場で周りと違った意見が言えない」「仲間からの食事の誘いを断れない」といったことが同調圧力です。
日本の社会に強い同調圧力があるのは、文化や歴史によって説明できます。
例えば、昔から大切にされている「和の文化」で、他人と衝突することはなるべく避け、和を尊ぶという考え方が広く共有されています。
もう一つが「村社会」で、農業を中心とした村では、お互いに助け合うための秩序が重視されてきました。
村の掟やしきたりは絶対で、従わない少数者には「村八分」と呼ばれる制裁が科されました。
このようなことが、日本社会の強い同調圧力に繋がっているのかもしれない。
よく日本人は群れたがる気質を持ち、集団行動を好むなどと評されます。
これに関しては、日本人特有として「場の空気を読む」という言葉の存在が指摘されます。
集団の人間関係や利害関係、雰囲気などを暗黙のうちに理解する能力です。
この能力がないと「KY(空気が読めない)」などと、ネガティブな評価を受けてしまう。
また群れずに孤立してしまうと、「周囲になじめないかわいそうな人間」と思われてしまう可能性があります。
学校や職場などでそうした状況にならないために、空気を読んで集団に馴染もうとする心理が高まります。
同調圧力は否定的な意味で使われることが多いが、適度に働く分にはメリットもあります。
お互いに周囲に合わせようとすることで、チームワークがよくなります。
また「周りに迷惑をかけたくない」という気持ちが、頑張るためのモチベーションになったりします。
しかし同調圧力が行き過ぎれば、新しいことに挑戦できなくなり、失敗を過度に恐れて萎縮してしまうなどマイナスに働くこになります。
社会の中で生きて行くことで、この同調圧力は、なかなか厄介な問題だと思っています。