昨日、お歳暮にもらったカニ缶を食べました。
そこで思いだしたのですが、どうして蟹缶の中には紙が入っているのか知ってますか?
人の血液が赤いのは、鉄イオンが酸化して酸素を全身に運ぶから、その鉄イオンの赤さなんですよね、でもカニの場合は銅イオンが酸化するので、緑色なんです。
だからカニは生の状態でも赤い血は出てきません。
どうして動物によってそういう違いがあるのかというと、鉄と銅を比べると鉄の方が酸化しやすいので、より効率よく酸素を体内に運ぶことが出来ます。銅と鉄とどちらが錆びやすいのかを考えると一目瞭然ですよね。もちろん銅が錆びにくいです。
ではカニはどうして効率の悪い銅なのかというと、実はカニはあまり体内の免疫システムが発達しておらず、銅に強い殺菌作用があるので、病気から身を守るために血液中の銅イオンを利用している訳です。
だから血が赤い動物は免疫気機能が発達した結果、より酸素を運ぶのに効率のいい鉄イオンに進化しました。
話がそれましたが、カニの血液には銅イオンが流れていることは分かっていただけたと思います。
蟹缶の紙は硫酸紙という紙で、実際に硫酸から作られている訳ではないそうですが、作る工程で硫酸を使うことからそう呼ばれていて、実際に製品になった段階では硫酸はほとんど洗い流されます。そしてこの硫酸紙というのは水分を通さない性質を持っています。
だからカニ缶の場合、カニと缶の間にこの硫酸紙を挟むということは、鉄と銅の直接の接触を防ごうと考えられたものなのだそうです。
鉄と銅が接触すると、鉄は腐食の原因に、またカニ肉にとっては変色の原因となるので、硫酸紙はそれを防いでいることになります。
でも現在では缶の内側にニスを塗ってあり、銅と鉄の接触はほとんど無いそうですが、それでも見た目にも紙があったほうが清潔感があるということも理由の一つにあるようです。
後、ホタテにも紙が強いてありますが、これも缶の鉄の酸化によりホタテの肉の変色を防ぐ目的があり、牛肉や馬肉などの缶詰に紙が敷いていないのは肉は熱処理すると黒っぽくなるから酸化してもそれほど目立たないという理由もあるようですね。
変色自体は別に毒が出るわけではありませんからね。
私の免疫システムも進化せずに緑色の血液が流れていたら、病気にならずに済んだかもね
(^^ゞ