-今日の独言-
国際問題化するグーグル・アース
衛星画像で世界中のポイントが詳細に見られる話題の「グーグル・アース」が、安全保障上の懸念など世界各国からクレームが続出し国際問題化してきている。衛星画像の解像度は国や地域によって異なるらしいが、インドでは防衛施設の画像まで見られるというし、韓国大統領官邸の青瓦台や、北朝鮮の寧辺の核施設も閲覧可能とのこと。HOTWIIRED JAPANによれば、グーグル・アースの神髄は、ユーザーがどんな地点にも標識を設け、注釈を書き、ソフトのユーザー同士で情報を共有できる-スクリーンショット-点にあるというのだが、ネット情報における利便性の急激な加速は、国であれ個人であれ保護情報を絶えず脅かしつづけ、予想だにしなかったような新しい危険に逢着する。
<歌詠みの世界-「清唱千首」塚本邦雄選より>
<秋-16>
夜もすがら重ねし袖は白露のよそにぞうつる月草の花
藤原家隆
壬二集、逢不遇恋。月草は露草の別名。万葉歌にあるように「月草の花」で染めるのは色褪せて変わりやすいといわれている。また「着き草」の意味でもあり、花の汁を直接衣に摺りつけて染めたによる。邦雄曰く、「よそにぞうつる」の妖艶なニュアンス、第二句の間接的な表現、まことに心にくい、と。
おぼつかなそれかあらぬか明暗の空おぼれする朝顔の花
紫式部
続拾遺集、恋。詞書に「方違へにまうで来たりける人の覚束なきさまにて帰りにける朝に、朝顔を折りて遣わしける」とあり。第三句の「明暗-あけぐれ」はまだ明け初めぬ暗いうちのこと。第四句「空おぼれ」の空は、あけぐれの空と、空おぼれの掛詞、おぼれは、おぼほれの略で、とぼけているさま。
好い加減な理由を拵えて他処で一夜を明かしてきた男への、皮肉をこめた一首。邦雄曰く、物語歌としての美しさ充溢。
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