なにげないことだけど、ずっと覚えておきたいって思うハッピーな記憶。
でも、なにげなさすぎて絶対忘れちゃいそうなので、こちらに残しておくことにします。
夜中トイレに起きた私が、用をすませて戻ってくると、冬坊が寝室の前でしゃがんで待っている。
あとを追って、布団から出てきたらしい。
私をみつけて、にこにこと手をつなぐ冬坊、2歳2カ月。
ふたりで布団にはいるまでの、わずか8歩か9歩の距離は、短い短い夜のお散歩。
そのころ私は妊娠中。
お天気のいい昼間は必ず、冬坊と近所を歩いて回った。
いつものコースで通るのは、線路際の広い広い自転車置き場。
ガラガラだったから自由に中を通れたし、冬坊の大好きな電車も見える。
おとなりは畑。夏に向かってまぶしいおひさま。
おなかは重いしつわりがつらい日々だったけど、あの時間はまちがいなく幸せな記憶。
夏坊との思い出は、早朝5時ごろ、ふたり並んですわった階段。
そんな時間になぜか起きて、スティックパンや黒砂糖のかけらを食べる夏坊だった。
あげるほうもあげるほう?
食べる場所も決まっていて、階段のいちばん下、そこにふたりで腰掛けるのがお気に入り。
おうちの中で、早朝5時のピクニック。
ところがある朝、ピンチが訪れた。
両手に黒砂糖をにぎりしめていたはずなのに、右手を見ると、あら? からっぽ。
落とした! でも小さすぎて、足元には見当たらず・・・。
「あで~? あで~?」
世にも悲しげに右手をみつめ、下を探す夏坊、1歳9カ月。
まずい、朝っぱらから泣かないでくれ、頼むから。
動揺しつつも平静をよそおい、夏坊の左手を指してみせる私。
「あっ、あったよ!」
左手にお砂糖を発見した夏坊は、にこにこ笑顔でよろこんだのでした。
ところで育児ノートの殴り書きを見ていたら、非常にアホな場面がのっていて、こんなのも覚えておきたいなあと思いました。
冬坊、5歳8カ月。夏坊、3歳1カ月。
私がトイレにすわっていると(トイレ率が高すぎる)、外でふたりの不穏な会話が・・・。
冬坊 「あれ? ママがいない!」
夏坊 「トイレじゃない?」
冬坊 「よし!行ってみよう」
バーンと開け放たれるドアと、侵入してくるチビども。即座に追い出し、鍵をかける母。
冬坊 「ハッ! ハッ!」(気合いの声とともに、トイレのドアを蹴っている)
夏坊 「夏坊にまかせて!」(鍵をあけるべく、ドアノブをガチャガチャやっている)
・・・あんたたち、成長したねえ。
とくに冬坊、ついこの間まで、しゃべりもしなかったっていうのに・・・。
夏坊だって、兄と協力できるようになって・・・。
子育てって、面白い。
自分がはいったトイレのドアを、外から蹴られる日がくるなんて、ママ、想像したこともなかったよ。