さて、「上の子誕生から6歳まで」というくくりではじめた育児エッセイですが、ようやくおわりが見えてきたようです。
おわりというのは単に「ここまで書けたら予定通り」という、私の個人的な思いなんですが・・・。
で、おわりにあたって、久々に目次をととのえてみると。
やっぱり「明るく楽しく元気に育児」とはちがう暗めのテーマが多いですね。前向きな育児ブログが多い中、なんだかなー・・・。
とか言いつつも、今回はさらに暗めに、真面目に、考えたことをいろいろ書いてみようと思います。
妊娠、出産、そして幼児の子育てというのは、私にとって、それまでの経験値が全然役に立たないような大イベントでした。
そもそも、すべてにおいて経験なさすぎ、興味もなさすぎなまま過ごしてきた人生だったので・・・。
そのツケが、40にもなろうという時期にようやく回ってきたといいましょうか。
いわゆる自業自得? 楽な道ばかりえらんで、全然まわりを観察してこなかった自分を、反省しております・・・。
ストレスに耐性がないため、当然ながら育児ストレスにもめちゃめちゃ弱く、無駄に落ちこんだりイライラしたり、もんもんと悩んだりしてしまいました。
新聞やニュースでときどき取り上げられている、育児ノイローゼ。
幸いそこまではいきませんでしたが、ノイローゼの方向に伸びた道を見ている感じは、わかるような気がします。
育児ノイローゼという名前ですが、純粋に育児だけでノイローゼになる人なんていませんよね。
1種類の理由だけでは、人はそこまで悩みません。
必ずほかにも問題がある。
ただ、ふだんなら耐えられるような問題が、育児でいっぱいいっぱいなときに振りかかると、我慢できない大問題に見えてしまうわけで。
それらの問題が全部ごちゃ混ぜになって、「育児ノイローゼ」なんていう、すべての原因は子ども、みたいな名称に・・・。
私はありがたいことに恵まれた環境で子育てできたので、難を逃れたわけですが。
もしも当時、ほかに重大な悩みが出てきていたら、手に負えなくてあっさり転落したにちがいありません。
ささいなつまずきでも、いっぱいいっぱいの身には、けっこう痛手でしたから。
で、そういう満杯状態のときに、私がもっとも欲しかったのは何かというと、「共感」「理解」「肯定」の声でした。
「わかるわかる」「うちも同じ」あるいは「あなたが悪いんじゃないよ」という、外からの声。
それも単なるなぐさめではなく、子育て経験者の声が、効果大。
つらいのは私だけじゃない。そう思えるだけで、どんなに心が元気になることか。
まちがってないよ。そう言ってもらえるだけで、どんなに力がわいてくることか。
でも、そういう声って、家で待ってるだけじゃ絶対にもらえないんですよね。
自分で探して、自分自身に補給してあげないと。
そうなると、いちばん早くて手軽なのはネット上の仲間かもしれませんが・・・これだって「ネットで探す」というひとつのアクション。
とにかく、行動しないことには何も得られない。
ところが、この行動というのが、やっかいで・・・。
まず第一に、わかってくれそうな相手をみつけなきゃいけませんよね。
相手をみつけたら、次に自分の状況や心境を相手に伝えなきゃなりません。誤解や曲解のないよう、正確に、言葉をえらんで。
これが難しいし、けっこうエネルギを使います。
なにしろ、ただの愚痴だと思われないように、子どもの悪口とまちがわれないように、わがままな母親だとあきれられないようにと注意して、伝えなければならないんですから。
で、そうやって苦労して伝えて、じゃあ共感してもらえるかというと・・・これが悲しいことに、してもらえなかったりする。
空振り、多発。
育児って本当に千差万別で、母子の性格にはじまり、家庭環境、経済状況、健康状態・・・いろんな要素の複合体だから。
「うちも同じ!」な状況はなかなか訪れないんです。
まあ空振りするだけならいいですよ。
でも場合によっては、かえって落ちこむようなこと言われたり。
「やっぱり私が変なんだ」と思い知らされるような反応がかえってきたり・・・。