komaの こまごまひとりごと

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子どもといっしょに百人一首 22

2015年10月18日 | 百人一首 桃札

 

 

           こぬ人を まつほの浦の 夕なぎに

             焼くやもしほの 身もこがれつつ

 

 

 詠んだ人・・・権中納言定家(ごんちゅうなごんていか 百人一首をえらんだ人
                       藤原定家 ふじわらのていか )

 詠んだ人のきもち・・・いつまでも来てくれない恋人のことを
            わたしは身もこがれるほどに思っています
            松帆の浦で焼いている藻塩のように

 

     まつほの浦・・・淡路島の北にある海岸
     
     夕なぎ・・・ゆうがたに、海が無風になる時間

     もしほ・・・藻塩。塩のついた海草を焼いて、煮つめてとった塩


 

撰者の歌なので、ちょっとおしゃべり。
この歌、私は昔から響きがすごく好きだったんですが、今回調べてみて
これが百人一首を選んだ人の歌だったと初めて知った情けなさ・・・。
しかも女性の心情を歌ったものだったなんて。
本歌は万葉集にある、海女さんの少女の恋の歌らしいです。

来ない男。待つ女。
松帆の浦の藻塩を焼く風景。煙。潮の匂い。夕暮。
恋に身を焼く。胸をこがす。

主人公が女性だと考えて読むと・・・色っぽい!
他人の歌を99首も選んだ定家。
自分の歌をいっぱい入れたいとは思わなかったのかな。
唯一選んだ自分自身の歌がこれだと思うと
なんだか感慨深いものがありますね・・・。