あまねのにっきずぶろぐ

1981年生
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

愛と悪 第十六章

2020-01-22 17:08:09 | 随筆(小説)
黒い壁のなかの青いトンネル、エホバ。
さっき、みちたの写真をふとこのブログの画像一覧で観てしまい、悲しくて涙が溢れました。
もう此処のところ、意識して観ないようにしてたのです。
みちたがいなくなっても普段の生活を取り戻しつつあるかのようなわたし自身が、悲しくてなりません。
此処には何もないのに…。
みちたがいないこの空間にわたしが存在していることをわたしは認めたくありません。
だれか、別者なのではないでしょうか?
わたしは何処にいるのですか?
だれもわたしを、知りません。
すべての宇宙でだれひとり、わたしを知る者はいません。
あなたでさえも。
わたしの母はあなただが、わたしは闇から産まれ、闇を知る者はだれもいません。
あなたを畏れよとあなたのすべての信者は言うが、わたしはあなたを畏れない。
あなたはわたしの母であり、母を畏れる娘を、あなたは求めてはいないことをわたしは知っている。
わたしは自分が何であるか、知っています。
わたしは闇です。
だれもわたしを識り得ません。


母は あらゆる者の代わりになれる存在であるが
何者も母の代わりにはなれない


これは一昨夜と昨夜に二度観た映画『SUSPIRIA サスペリア』のなかの言葉です。
わたしに言わせれば、あなたは全ての存在になれるが、誰もあなたにはなれない。
あなたでなければ、わたしは誰をも愛することはなかった。
でも誰も、あなたではないのです。
あなたは…愛である。
でも誰も、あなたを知らない。
永遠に、だれもあなたを知ることはできない。
わたしたちは皆、あなたの庭の砂場でお城を作っては壊す遊びをしているようです。
何時間とかけて、日が暮れる頃に立派なお城を作り上げるが、其処にずっとそのお城があっては、次のものを作って遊ぶことができません。
だからみずからの手によって壊し、形の喪われた、砂しかない場所であなたの子は日が暮れてもその場に座ったまま、一体じぶんが何を作ったかを忘れてしまうのです。
それで、真っ暗な夜が来て、あなたのいる明るくてあたたかいおうちに帰りたくなるのですが、この広い庭の何処にあなたの家があるかもわからなくて、帰りたくとも帰れないのです。


その人たちは自分の母に忘れられ,うじに食われる。
もう思い出されることもない。




あなたに背くわたしたちはあなたに忘れ去られ、蛆に喰われて、最早だれにも想い出されることはありません。
わたしたちは永久に共通の墓(シェオル)に眠りつづけるのです。

そしてわたしたちは永遠に、夢を見つづける。
あなたに愛される夢を。