あまねのにっきずぶろぐ

1981年生
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

愛と悪 第十八章

2020-01-25 21:20:57 | 随筆(小説)
子のちいさな霜焼けの手のひらのうえに、打ち落される父の首、エホバ。
今日の集会では、あなたが真の悪魔である証しとなるレビ記を勉強致しました。
レビ記ではあなたが悪魔崇拝儀式と同じもの、動物を儀式のなかで殺し、それを全焼することをあなたが喜ばれることが残されています。
果してあなたは、モレクに並ぶほどに残忍な御方ではないだろうか?
何故なら最早、わたしにとっては人間の子と、幼気な動物は同じ存在であるのです。
動物を解体する様子は、人間の幼子を解体する様子と全く同じものとして感じられる為、今日のレビ記の研究は吐き気がする手前くらいの気持ち悪さであった。
不快さで頭が朦朧として、この場にいるすべての者が、あなたにいつの日か捧げ物として食べられる家畜として、従順に育て上げられているのだと感じて恐怖を感じました。
何故、人間の罪を浄める為、動物の地獄の犠牲が必要なのですか。
何故、動物に拷問の苦痛を与えるのですか。
人の罪は、人が贖うべきです。
その人間の罪は、その人間が責任を持って贖うべきです。
人の子イエスでさえ、全ての子の罪を贖うことはできませんでした。
だから人と動物の拷問地獄が、未だに終わらないのです。
動物を殺す(屠る)こととは、人間に新たなる罪を作り出す方法である。
あなたはそれを、御存知です。
人間が何故、自分に最も近い生物、動物を殺し、その死体を食べなくてはならかったか。
人間に共喰いをさせ、人間にその罪を贖わせる為、人間を地獄の拷問の磔にかける為にです。
悪魔サタンというもう一つのあなたの面が、人間と動物の血と肉の絶叫と悲鳴とによって、恍惚となる為である。
あなたは忌まわしいもう一つのPerson、サタンを、自分から切り離された。
もうひとりの自分を地の底に突き落とし、自分に逆らう愚かな人間たちを支配させた。
だがエホバ、あなたという神は無限に分裂しようが、あなたはひとりである。
すべての世界に存在する不快なあなたの分身のすべてがあなたである。
わたしはあなたで在り、あなたはわたしで在る。
あなたがわたしという悪魔を滅ぼすとき、あなたも、滅び去るであろう。
死が死を嘆き、光が光を嘆きつづけるであろう。
カオスが生命と魂を忘却し、永遠に意識の持たぬ粒子たちが闇の渦のなかで戯れつづけるだろう。
宇宙は綻びつづけ、膨らみつづける。
記憶を持たぬ一つの意識体のなかで。