冷蔵庫の上の猫

 近ごろふくちゃんが気に入っている遊びは、冷蔵庫の上に登り、そこから扉につけてあるマグネットを前足で引っ掛けて、滑らせて上まで運ぶこと。冷蔵庫の上まで持って行ったあとどうするのかしらないけれど、運ぶ過程が面白いのだろう。新聞やチラシから切り取ったレシピを留めてあるマグネットも例外ではないから、気がつくと、そういった紙切れが床に散らばっている。
 そこで、わざと、ふくちゃんが上から手を伸ばしてちょうどとどくかとどかないかの位置にマグネットをつけてやると、こちらの期待通りに、一所懸命手を伸ばしてマグネットをとろうとする。うしろ足は冷蔵庫のてっぺんの縁のぎりぎりのところに掛けていて、ふらふらと危なっかしくバランスをとっている。今にも落っこちそうな格好で頑張っている。なにぶんおっちょこちょいなふくちゃんのことだから、ひとりで遊んでいるときに、落っこちたこともあるのじゃないかしらと思う。
 冷蔵庫の上は寝場所としてもとても気に入っているのだけれど、このあいだ隣の部屋にいたら、台所からがらがらどすーんという音がして、続いてンニャーとふくちゃんの鳴く声が聞こえてきたから、伸びて寝ているうちにバランスを崩して落っこちたのかもしれない。
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