立方体型猫ベッド

 ペット用品売り場へ行くと、寒い時期を前にして、猫用ベッドが並んでいる。半球型や立方体、覆いのあるものないものなど、いろんな種類のものがあって、見ていると、ついついうちの猫の喜びそうなものを選んで買いたくなってしまう。でも家にはすでにひとつあるから、我慢した。
 それは、去年買った四角い形の猫ベッドで、立方体の側面のひとつに丸い入り口の穴が開いていて、中にはクッションが入っている。入り口の穴が半ば隠れるように、全体にフリースの膝掛けを被せて保温性を高めてあげると、みゆちゃんがすっかり気に入って、しばらくはその中で眠っていた。
 が、それも最初のうちだけで、そのうち四角い猫ベッドの屋根の上に乗って寝るようになった。中に入ったほうがずっと暖かいと思うのに、なぜ気に入らなくなったのかわからないけれど、猫ベッドはすっかり形がつぶれてお椀型になってしまい、やがて暖かい季節になって使われなくなった。
 そのつぶれた猫ベッドを物置から持ってきた。久しぶりに出したら、また中に入って喜ぶかもしれないと思ったのである。
 だいぶゆがんでいるけれどなんとか入れるように形を整えてソファの上に置いたら、ふくちゃんがやって来て入り口の穴に頭を突っ込んで中を調べてから、入っていった。のぞくと丸くなってごろごろ言っている。気に入ったようだ。
 次にみゆちゃんがやって来たので、二匹がいっしょに中に入ったらさぞかし可愛いだろうと思って、半ば無理やり押し込んだら、期待は外れてすぐに出てきて、やっぱり上に乗ってしまった。中のふくちゃんも、みゆちゃんに上から踏みつけられて、「ムーッ」とか言いながら出てきてしまった。
 みゆちゃんは、またお椀型になってしまった猫ベッドの上にうずくまって満足そうである。ふくちゃんは何度か中に入ろうとしてみたけれど無理なのであきらめて、みゆちゃんといっしょに上に登って寝ることにした。
 結局猫ベッドの上で二匹が抱き合うようにして、顔寄せ合って眠っている。ものすごく可愛いけれど、少し残念…(一緒に寝にも来てくれなくなったし)。
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