みゆちゃんのゴロゴロ

 我が家の4ニャンの中で一番古株なのはみゆちゃんですが、みゆちゃんがうちに来て約4年間一人っ子として過ごしたあとに、妹分のふくちゃんがやってきました。
 みゆちゃんは神経質な猫なので、しばらくのあいだは無邪気な子猫のふくちゃんを受け入れることができず、シャーシャー怒ったり、ふくちゃんが来ない部屋に閉じこもったりしていましたが、冬に向かう季節だったことも手伝って、数日ののちにはだんだん打ち解けてひとつのかごで一緒に寝るようになり、その後、すっかり仲良しになりました。
 互いにもたれあって眠ったり、時には追いかけっこをして遊んだりと、ふたりの仲は微笑ましいほどでしたが、ふくちゃんが来てから、みゆちゃんはあまりゴロゴロ言わなくなりました。
 とくにふくちゃんの前では言わないようなのです。
 それとほぼ時を同じくして、トイレ(人用)の個室がみゆちゃんの好きな場所になりました。私が廊下を歩いていると、横に来て顔を見上げ、トイレに行こうと誘います。トイレのドアを開けると、便座のふたの上に飛び乗って、ゴロゴロすりすり、私に甘えるのです。トイレの個室でだけはゴロゴロ音が出ます。しばらく子猫に戻ったように甘えるのですが、少し開いたドアの隙間からふくちゃんがのぞいていることに気がつくと、急に我に返ったように、すました顔をして、ふくちゃんを横目にさっさと出て行ってしまうのでした。
 そういうみゆちゃんを、私は、ふくちゃんの前ではお姉さんとして甘える姿を見せないよう頑張っているんだろうと考えました。だから、みゆちゃんがトイレへ行こうと誘ったときにはできるだけ希望にこたえて、ふくちゃんの見ていないトイレの中で、一人っ子に戻って甘えるのに気が済むまで付き合ってあげるようにしました。
 それが、おととしの秋にまるとぼんを迎えてからあと、みゆちゃんの心境にどういう変化があったのか、はっきりいつからとは覚えていませんが、また、トイレ以外でもゴロゴロ言うようになりました。ベッドのお布団の上や、私の机、椅子など、お気に入りの場所で寝ているときにあごの下をなでてやると、目を閉じてにっこり笑ったような顔をして、首を私の手に預けるようにして、小さな可愛い音でゴロゴロ言うのです。
 いままでみゆちゃんが気を使ったり我慢したりしていたのかどうかはわかりませんが、やはり素直にゴロゴロ音を出してくれるのは嬉しいものです。もっとも、それでも相変わらずトイレは好きなようなので、一緒に行こうと誘われたら、できるだけ応じるようにしていますが。
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