セミ争奪戦スタート

 開け放った窓のきわにまるが寝そべって、セミが鳴く庭の桜を眺めていました。しばらくして、小走りに窓から離れていったので、窓を閉めようとしたら、外で鳴くセミの声とは別に、ひときわ大きくジージー鳴く声が廊下のほうから聞こえてきました。そういうことだったのかと思って声のするほうへ行ってみると、果たして、まるがこの夏初めての獲物をくわえてコソコソと逃げていきました。
 去年、まるの口を無理やりこじ開けてセミをとって逃がしたところ、腹いせにバジルの植木鉢をひっくり返されたので、私は慎重に、まるちゃん、そのセミこっちにちょうだい、と話しかけましたが、勿論無駄でした。
 そこで、冷蔵庫からまるが大好きな乾しカマを取り出すと、まるはセミを放り出して、素直に取り引きに応じました。
 一週間くらい前に、ヤモリを捕まえてきたときにはこうはいきませんでした。
 洗面所の入り口で、ぼんが誰かに威嚇される低いうなり声が聞こえてきたので、何事かと思って駆けつけると、まるがヤモリをくわえていました。
 当然「話せばわかる」はずもないので、まず乾しカマを出してみましたが、ヤモリはセミよりもレアなのでしょう、知らん顔です。
 そこで、乾しカマよりももっと大好きな「ちゅ~る」(筒型のパックに入った、液状のおやつです)を出しました。まるは明らかに気を引かれた様子で、「ちゅ~る」の匂いをかぎに来ましたが、いやいや、やっぱりヤモリだと無理に顔をそらし、でも「ちゅ~る」も捨てがたいと再び鼻を向け、「ちゅ~る」を取るかヤモリを取るか、かなり葛藤しているようでした。
 それで、結局まるは「ちゅ~る」の誘惑に勝てなかったので、無事ヤモリを救出することができました。
 ところで、セミを放して乾しカマを食べたまるは、そのあともまた窓のそばの同じ場所に戻ってしばらくセミを監視していましたが、そのうち眠くなってしまったようで、いつのまにか窓辺で丸くなって寝ていました。
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