露中北を“戦争できない国”にする
“シーチン”修一 2.0
【雀庵の「大戦序章」73/通算505 2022/7/24/日】久し振りに中勘助の自伝的小説「銀の匙」(ぎんのさじ)を読み直したが、読み直すと新しい発見、感動があり、読書のキモは再読、三読にある、とひとつ智慧がついた。
読書は交際と似ており、初対面(初回)では互いに遠慮とか警戒心があるからあまり深い話はしないが、2回目(裏を返す)、3回目(馴染み)あたりになると「いやあ、実は俺・・・」とかの話になって親交が深まったりする。そう言えば夏彦翁は「私は生きている人と死んでいる人を区別しない。斎藤緑雨も友達だ」とか書いていたっけ。書を通じて友になる。
「銀の匙」、いやはや凄い作品だ。物心ついたころから中学生頃までの回想なのだが、5歳なら5歳の自分に帰って回想している。大人の目で振り返っているのではなく、5歳の目で見た、感じたことを細密画と言うか、まるでタイムマシンで「その時」に戻って今、生で体験しているように描いている。
「どういう脳ミソなんだ、いやはや恐れ入り谷の鬼子母神、一歩間違えばキ〇ガイだな」。繊細過ぎて、これでは汚濁に満ちたシャバでは生き辛いだろうなあと心配になるほど。WIKIにはこうあった。
<「銀の匙」は前編が1910/明治43年に執筆され、1913/大正2年には「つむじまがり」と題された後編が執筆された。夏目漱石に送って閲読を乞うたところ絶賛を得、その推挙により前編全57回、後編全47回が東京朝日新聞で連載された。
1921/大正10年に岩波書店から単行本が出版され、1935/昭和10年には岩波文庫版が発行された。岩波文庫版には和辻哲郎が解説を寄せている。2003/平成15年に岩波書店が創業90年を記念して行った「読者が選ぶ〈私の好きな岩波文庫100〉」キャンペーンにおいて、本書は、夏目漱石の『こころ』『坊っちゃん』に次いで3位に選ばれた。
岩波文庫版は113万6000部が発行され、岩波文庫で10位に位置するベストセラーとなっている(2006/平成18年12月現在)>
中勘助と岩波茂雄は第一高等学校の同期で、英国留学から帰国した夏目漱石が講師として第一高等学校に着任、両人は漱石の講義を受けた。東京帝大でも2人は同期で、やはりそこでも漱石の講義を受けているから、漱石の「猫」だったろう。漱石は面倒見が良い。
それにしても「ベストセラーで今なお人気・・・」とは知らなかったなあ。「青空文庫」でも読めるというのも知らなかった。まったく知らないことばかりで、それなら「俺の知ってることは何なんだろう」と自問すれば、プロになれるほどの学問、技、能力があるわけではない。家庭をもって3人の子を育て、晩年も窮することなく暮らしているから「まあまあの人生」だろうが、余生とは言え「まあまあの晩年」では・・・ちょっと寂しくないか。
俺はビッグになるんだ、なりたいんだ、歴史に名を刻むんだと思ったところで、汚名ではなく名誉ある行動でなければ「欲をかいて晩節を汚した」となってしまう。ナポレオン、レーニン、スターリン、毛沢東、プーチン、習近平・・・独裁者はよほど自制しないと晩節を汚すことになる、腹黒爺さん、気をつけなあかんで。
市井の民は「若い時はともかくも晩年はすっかり好々爺でした」あたりで、ま、良しとするのが無難のよう。それは頭では分かっていても気分的にはナンカナーだけれど・・・まったく人生は「いっつも初体験だで」、頭の良さそうな人でも右往左往は日常茶飯事。厄介なことだ。
厄介は 生きてる証拠 頑張らな それにつけても 日々悩ましい(修一)
フランスのマクロンは、何をするか分からないドイツを手なずけながらEUをリードしてきたが、このところオーラが感じられなくなってきた。メルケルおばさんがいなくなったからなのか? 戦後のフランスを導いたドゴールは評価はともかくも東西のバランサーとして機能していたが、今、フランスはどうなっているのだろう。
終戦以来80年、かつて威勢の良かったフランス共産党が今や絶滅危惧種になったのは結構だが、「国民の活力を減退させる手厚い福祉政策」(小生はそのうち書く予定)のためなのか、何となく緊張感が薄れて“おフランス”になったよう。
同国では共産主義独裁帝国プーチン・ロシアに擦り寄る勢力を「右派」、環境ナチみたいなのを「左派」、その中間を「中道」と呼ぶようだ。フランス革命以来、議会の壇上、議長席から見て右側の席を右派、左側の席を左派と呼ぶそうだから、日本や米国の「右派=保守系」「左派=アカ系」とはずいぶん違い、ややこしい。以下の(*)は修一。
<【2022/6/20 AFP】フランス国民議会(下院、定数577)の決選投票が19日に行われ、左派連合(*環境ナチ)と極右勢力(*アカ)の躍進を受けてマクロン大統領の与党連合(中道)は過半数を大幅に割り込み、245議席にとどまった。マクロン氏の2期目の政権運営にとって大きな打撃となった。
内務省発表に基づくAFPの集計では、急進左派のメランション氏率いる左派連合(*環境ナチ)は135議席。極右(*アカ)のマリーヌ・ルペン氏の「国民連合」は前回の8議席から89席に伸ばし、最大の右派(*アカ&ピンク)勢力となった。
マクロン氏は2期目に向け、減税、福祉制度改革、定年退職年齢の65歳への引き上げといった政策を掲げていたが、いずれも実現が危ぶまれている。
左派紙(*環境ナチ)リベラシオンはマクロン氏にとって「大きな痛手」になったと報道。今回の選挙結果は同氏の政権運営の「失敗」を意味すると評している。政局の混乱は数週間続く可能性がある>
マクロンのフランスは足元に火がついてウクライナどころではないよう。どうなるものやら・・・プーチンの「宇」侵略戦争で覚醒した三井美奈氏は産経2022/6/20「ワンマン大統領に反発 フランス政界『3強』構造の不安」でこう書いている。
<今回の選挙では、かつてEUを支えた保革二大政党(中道与党連合)の凋落が決定的になった。EUが財政や環境、外交で統合を進める中、政策の新たな選択肢を示せなかったことが大きい。下院選は中道政党による現実的な政策論争がないまま、「マクロン政権か否か」に終始した。
EUでは各国で、戦後政治を支えた保革二大政党制が崩壊。どこも多党連立を余儀なくされ、安定政権の樹立が難しくなっている。フランスは過去20年、大統領与党が下院で安定多数を保ってきたが、不安の時代を迎えた>
なんとなく「欧州情勢は奇々怪々」の不安定な時代に入りそう。EU加盟国の結束が緩めば、ウクライナを侵略するプーチン・ロシアを喜ばすだけだ。プーチンは欧州へのガス供給を絞って報復的な欧州分断作戦を進めているが、「ガス欠になったらどうしよう、寒い冬には耐えられない!」との泣き言も根性なしのドイツあたりから聞こえている。日経2022/7/20「欧州『節ガス』へ緊急計画 消費15%削減を要請」から。
<EUの欧州委員会は20日、ロシアからの天然ガス供給の途絶や大幅減少に備えた緊急計画案を公表した。減少分を補うため他地域からの調達や再生可能エネルギーの導入を強化するが、それだけでは足りず、加盟国に15%の消費削減を要請するなど需要減にも取り組む。需要期の冬を前に欧州の危機感が高まっている。
西側諸国と対立を深めるロシアは欧州へのガス供給を絞り込んでいる。欧州委によると、6月時点で過去5年間の平均に比べて、ロシアからEUへのガスの流量は3割以下に低下している。
欧州では、ロシア北西部からドイツをつなぐガスパイプライン「ノルドストリーム」を通じた供給再開が予定される21日以降も供給量が以前の水準に戻らなかったり、供給停止になったりする事態が懸念される。ロシア国営ガスプロムが供給契約を結ぶ複数の欧州企業に「不可抗力」で供給を保証できないと通告したとの報道もある。
EUのフォンデアライエン欧州委員長は20日の記者会見で「ロシアがガスを兵器として使っている」と批判した。今後の一段の供給減を想定し「EUとしてエネルギー安全保障に取り組む必要がある」と力説した。
【記事へのコメント】伊藤さゆりニッセイ基礎研究所経済研究部研究理事:「ロシアは、欧州向けのガス供給の削減について様々な理由をつけているが、EUの脱ロシア産ガスの体制が確立する前に供給を絞ることでEUの結束に揺さぶりをかけて、ウクライナ支援の意思を挫き、対ロシア制裁の解除へと動かそうという意図は明白だ。
節ガス緊急計画はエネルギーを武器とするロシアの脅しには屈しないというEUの意思の表れでもある。
今回の政策文書では、深刻な供給途絶にEUで協調し調整して備えた場合のGDPの押し下げ効果は平均的な冬で0.4%、寒い冬で0.6%。供給途絶が現実化するまで対応しなかった場合は平均的な冬で0.6%~1.1%、寒い冬なら0.9%~1.5%との試算も示し、行動を呼びかけた」>(以上)
EUはアゼルバイジャンからのガス輸入を倍増する覚書を締結したが、EUや加盟国はロシアがガス輸出を完全に止める事態も念頭に、アゼルバイジャンのほかカタール、西アフリカ、エジプト、米国などから天然ガスや液化天然ガス(LNG)の輸入を増やそうと調整を急いでいるという(日経2022/7/19)。
これは他人事ではない。プーチンは日本へのガス供給も停止する構えを見せている。時事通信2022/7/2「サハリン2、権益なお不透明=政府支援も『条件』見えず LNG調達、不安定化の恐れ」から。
<ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」をめぐり、日本政府は大手商社が権益を維持できるよう支援する方針を打ち出した。しかし、ロシア政府が権益維持に課す条件などは明らかになっておらず、先行きはなお不透明。
液化天然ガス(LNG)の重要な調達先であるサハリン2からの供給が途絶えれば、都市ガスや火力発電の原燃料であるLNGの調達が長期にわたり不安定化しかねない。
サハリン2には、ロシア国営ガスプロムが約50%出資するほか、三井物産が12.5%、三菱商事も10%出資する。LNG生産量は年1000万トンで、このうち約6割が日本向け。日本はLNGの8.8%をロシアに依存しており、その9割がサハリン2から賄っている>
先の大戦でソ連(ロシア)は日ソ中立条約を破って日本侵略をし、日本の領土を奪った。こういう、信じてはいけないゴロツキを相手にガス開発するという、ほとんどノー天気な甘さが危機を招いた面がある。日本だけではないが、自由主義圏の国々によるアフガニスタンへの支援も安易過ぎた。一党独裁の中共への投資も、カネに目がくらんだこともあるが、「やがて共産主義を止めて普通の国になるだろう」という根拠のない安易な期待が先行したことによる。
今からでも遅くはない、自由圏諸国は「独裁赤色軍事帝国の中露北は永遠の敵」と肝に銘じて断交し、鉄のカーテンによる包囲戦で封じ込めるべし。ソ連はそれで消滅したのだから効果は実証されている。ギブアップしたら国連なりNATOなど国際機関による統治で20前後ほどの国、最大でも1億人程度の国に分割し、「100年間は二度と戦争できない国」にすべきだ。日本を見よ、効果抜群である。
・・・・・・・・・・・・・・
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
https://note.com/gifted_hawk281/n/n9b3c7f4231f9
https://www.facebook.com/shuichi.ishii.14
まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」
“シーチン”修一 2.0
【雀庵の「大戦序章」73/通算505 2022/7/24/日】久し振りに中勘助の自伝的小説「銀の匙」(ぎんのさじ)を読み直したが、読み直すと新しい発見、感動があり、読書のキモは再読、三読にある、とひとつ智慧がついた。
読書は交際と似ており、初対面(初回)では互いに遠慮とか警戒心があるからあまり深い話はしないが、2回目(裏を返す)、3回目(馴染み)あたりになると「いやあ、実は俺・・・」とかの話になって親交が深まったりする。そう言えば夏彦翁は「私は生きている人と死んでいる人を区別しない。斎藤緑雨も友達だ」とか書いていたっけ。書を通じて友になる。
「銀の匙」、いやはや凄い作品だ。物心ついたころから中学生頃までの回想なのだが、5歳なら5歳の自分に帰って回想している。大人の目で振り返っているのではなく、5歳の目で見た、感じたことを細密画と言うか、まるでタイムマシンで「その時」に戻って今、生で体験しているように描いている。
「どういう脳ミソなんだ、いやはや恐れ入り谷の鬼子母神、一歩間違えばキ〇ガイだな」。繊細過ぎて、これでは汚濁に満ちたシャバでは生き辛いだろうなあと心配になるほど。WIKIにはこうあった。
<「銀の匙」は前編が1910/明治43年に執筆され、1913/大正2年には「つむじまがり」と題された後編が執筆された。夏目漱石に送って閲読を乞うたところ絶賛を得、その推挙により前編全57回、後編全47回が東京朝日新聞で連載された。
1921/大正10年に岩波書店から単行本が出版され、1935/昭和10年には岩波文庫版が発行された。岩波文庫版には和辻哲郎が解説を寄せている。2003/平成15年に岩波書店が創業90年を記念して行った「読者が選ぶ〈私の好きな岩波文庫100〉」キャンペーンにおいて、本書は、夏目漱石の『こころ』『坊っちゃん』に次いで3位に選ばれた。
岩波文庫版は113万6000部が発行され、岩波文庫で10位に位置するベストセラーとなっている(2006/平成18年12月現在)>
中勘助と岩波茂雄は第一高等学校の同期で、英国留学から帰国した夏目漱石が講師として第一高等学校に着任、両人は漱石の講義を受けた。東京帝大でも2人は同期で、やはりそこでも漱石の講義を受けているから、漱石の「猫」だったろう。漱石は面倒見が良い。
それにしても「ベストセラーで今なお人気・・・」とは知らなかったなあ。「青空文庫」でも読めるというのも知らなかった。まったく知らないことばかりで、それなら「俺の知ってることは何なんだろう」と自問すれば、プロになれるほどの学問、技、能力があるわけではない。家庭をもって3人の子を育て、晩年も窮することなく暮らしているから「まあまあの人生」だろうが、余生とは言え「まあまあの晩年」では・・・ちょっと寂しくないか。
俺はビッグになるんだ、なりたいんだ、歴史に名を刻むんだと思ったところで、汚名ではなく名誉ある行動でなければ「欲をかいて晩節を汚した」となってしまう。ナポレオン、レーニン、スターリン、毛沢東、プーチン、習近平・・・独裁者はよほど自制しないと晩節を汚すことになる、腹黒爺さん、気をつけなあかんで。
市井の民は「若い時はともかくも晩年はすっかり好々爺でした」あたりで、ま、良しとするのが無難のよう。それは頭では分かっていても気分的にはナンカナーだけれど・・・まったく人生は「いっつも初体験だで」、頭の良さそうな人でも右往左往は日常茶飯事。厄介なことだ。
厄介は 生きてる証拠 頑張らな それにつけても 日々悩ましい(修一)
フランスのマクロンは、何をするか分からないドイツを手なずけながらEUをリードしてきたが、このところオーラが感じられなくなってきた。メルケルおばさんがいなくなったからなのか? 戦後のフランスを導いたドゴールは評価はともかくも東西のバランサーとして機能していたが、今、フランスはどうなっているのだろう。
終戦以来80年、かつて威勢の良かったフランス共産党が今や絶滅危惧種になったのは結構だが、「国民の活力を減退させる手厚い福祉政策」(小生はそのうち書く予定)のためなのか、何となく緊張感が薄れて“おフランス”になったよう。
同国では共産主義独裁帝国プーチン・ロシアに擦り寄る勢力を「右派」、環境ナチみたいなのを「左派」、その中間を「中道」と呼ぶようだ。フランス革命以来、議会の壇上、議長席から見て右側の席を右派、左側の席を左派と呼ぶそうだから、日本や米国の「右派=保守系」「左派=アカ系」とはずいぶん違い、ややこしい。以下の(*)は修一。
<【2022/6/20 AFP】フランス国民議会(下院、定数577)の決選投票が19日に行われ、左派連合(*環境ナチ)と極右勢力(*アカ)の躍進を受けてマクロン大統領の与党連合(中道)は過半数を大幅に割り込み、245議席にとどまった。マクロン氏の2期目の政権運営にとって大きな打撃となった。
内務省発表に基づくAFPの集計では、急進左派のメランション氏率いる左派連合(*環境ナチ)は135議席。極右(*アカ)のマリーヌ・ルペン氏の「国民連合」は前回の8議席から89席に伸ばし、最大の右派(*アカ&ピンク)勢力となった。
マクロン氏は2期目に向け、減税、福祉制度改革、定年退職年齢の65歳への引き上げといった政策を掲げていたが、いずれも実現が危ぶまれている。
左派紙(*環境ナチ)リベラシオンはマクロン氏にとって「大きな痛手」になったと報道。今回の選挙結果は同氏の政権運営の「失敗」を意味すると評している。政局の混乱は数週間続く可能性がある>
マクロンのフランスは足元に火がついてウクライナどころではないよう。どうなるものやら・・・プーチンの「宇」侵略戦争で覚醒した三井美奈氏は産経2022/6/20「ワンマン大統領に反発 フランス政界『3強』構造の不安」でこう書いている。
<今回の選挙では、かつてEUを支えた保革二大政党(中道与党連合)の凋落が決定的になった。EUが財政や環境、外交で統合を進める中、政策の新たな選択肢を示せなかったことが大きい。下院選は中道政党による現実的な政策論争がないまま、「マクロン政権か否か」に終始した。
EUでは各国で、戦後政治を支えた保革二大政党制が崩壊。どこも多党連立を余儀なくされ、安定政権の樹立が難しくなっている。フランスは過去20年、大統領与党が下院で安定多数を保ってきたが、不安の時代を迎えた>
なんとなく「欧州情勢は奇々怪々」の不安定な時代に入りそう。EU加盟国の結束が緩めば、ウクライナを侵略するプーチン・ロシアを喜ばすだけだ。プーチンは欧州へのガス供給を絞って報復的な欧州分断作戦を進めているが、「ガス欠になったらどうしよう、寒い冬には耐えられない!」との泣き言も根性なしのドイツあたりから聞こえている。日経2022/7/20「欧州『節ガス』へ緊急計画 消費15%削減を要請」から。
<EUの欧州委員会は20日、ロシアからの天然ガス供給の途絶や大幅減少に備えた緊急計画案を公表した。減少分を補うため他地域からの調達や再生可能エネルギーの導入を強化するが、それだけでは足りず、加盟国に15%の消費削減を要請するなど需要減にも取り組む。需要期の冬を前に欧州の危機感が高まっている。
西側諸国と対立を深めるロシアは欧州へのガス供給を絞り込んでいる。欧州委によると、6月時点で過去5年間の平均に比べて、ロシアからEUへのガスの流量は3割以下に低下している。
欧州では、ロシア北西部からドイツをつなぐガスパイプライン「ノルドストリーム」を通じた供給再開が予定される21日以降も供給量が以前の水準に戻らなかったり、供給停止になったりする事態が懸念される。ロシア国営ガスプロムが供給契約を結ぶ複数の欧州企業に「不可抗力」で供給を保証できないと通告したとの報道もある。
EUのフォンデアライエン欧州委員長は20日の記者会見で「ロシアがガスを兵器として使っている」と批判した。今後の一段の供給減を想定し「EUとしてエネルギー安全保障に取り組む必要がある」と力説した。
【記事へのコメント】伊藤さゆりニッセイ基礎研究所経済研究部研究理事:「ロシアは、欧州向けのガス供給の削減について様々な理由をつけているが、EUの脱ロシア産ガスの体制が確立する前に供給を絞ることでEUの結束に揺さぶりをかけて、ウクライナ支援の意思を挫き、対ロシア制裁の解除へと動かそうという意図は明白だ。
節ガス緊急計画はエネルギーを武器とするロシアの脅しには屈しないというEUの意思の表れでもある。
今回の政策文書では、深刻な供給途絶にEUで協調し調整して備えた場合のGDPの押し下げ効果は平均的な冬で0.4%、寒い冬で0.6%。供給途絶が現実化するまで対応しなかった場合は平均的な冬で0.6%~1.1%、寒い冬なら0.9%~1.5%との試算も示し、行動を呼びかけた」>(以上)
EUはアゼルバイジャンからのガス輸入を倍増する覚書を締結したが、EUや加盟国はロシアがガス輸出を完全に止める事態も念頭に、アゼルバイジャンのほかカタール、西アフリカ、エジプト、米国などから天然ガスや液化天然ガス(LNG)の輸入を増やそうと調整を急いでいるという(日経2022/7/19)。
これは他人事ではない。プーチンは日本へのガス供給も停止する構えを見せている。時事通信2022/7/2「サハリン2、権益なお不透明=政府支援も『条件』見えず LNG調達、不安定化の恐れ」から。
<ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」をめぐり、日本政府は大手商社が権益を維持できるよう支援する方針を打ち出した。しかし、ロシア政府が権益維持に課す条件などは明らかになっておらず、先行きはなお不透明。
液化天然ガス(LNG)の重要な調達先であるサハリン2からの供給が途絶えれば、都市ガスや火力発電の原燃料であるLNGの調達が長期にわたり不安定化しかねない。
サハリン2には、ロシア国営ガスプロムが約50%出資するほか、三井物産が12.5%、三菱商事も10%出資する。LNG生産量は年1000万トンで、このうち約6割が日本向け。日本はLNGの8.8%をロシアに依存しており、その9割がサハリン2から賄っている>
先の大戦でソ連(ロシア)は日ソ中立条約を破って日本侵略をし、日本の領土を奪った。こういう、信じてはいけないゴロツキを相手にガス開発するという、ほとんどノー天気な甘さが危機を招いた面がある。日本だけではないが、自由主義圏の国々によるアフガニスタンへの支援も安易過ぎた。一党独裁の中共への投資も、カネに目がくらんだこともあるが、「やがて共産主義を止めて普通の国になるだろう」という根拠のない安易な期待が先行したことによる。
今からでも遅くはない、自由圏諸国は「独裁赤色軍事帝国の中露北は永遠の敵」と肝に銘じて断交し、鉄のカーテンによる包囲戦で封じ込めるべし。ソ連はそれで消滅したのだから効果は実証されている。ギブアップしたら国連なりNATOなど国際機関による統治で20前後ほどの国、最大でも1億人程度の国に分割し、「100年間は二度と戦争できない国」にすべきだ。日本を見よ、効果抜群である。
・・・・・・・・・・・・・・
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
https://note.com/gifted_hawk281/n/n9b3c7f4231f9
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