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雀庵の「常在戦場/104 「文明の衝突 世界は開戦前夜」

2021-10-31 08:10:42 | 日記
雀庵の「常在戦場/104 「文明の衝突 世界は開戦前夜」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/384(2021/10/31/日】1か月に1回警戒視察、2か月に1回は掃討戦・・・油断大敵、安全保障は大変である。今朝は夜明けとともに我が家の排水パイプ大掃除作戦を実行した。


夕べは数年前に急性期精神科閉鎖病棟の病床で読んだ「ラバウル」(現在は第204海軍航空隊編集「ラバウル空戦記 (戦記文庫) 」の小生の“読書日記”を読みながら眠りについたので、今朝は戦意が高揚していたのだ。♪いざ征け (ゆけ) つわもの日本男児! インド頑張れ、ブータン踏ん張れ、中共に負けるな!


常在戦場とは思うけれど、今はいつ熱戦になってもおかしくない「危機の局面」になってきた。一寸先は吉か凶か・・・不安な怖い時代だ。Sputnik 日本2021/10/27「ロシア軍と中国軍の艦艇は日本の沖合で何をしていたのか?」から。

《ロシアと中国の海軍艦隊が戦略的に重要な津軽海峡と大隅海峡を初めて合同で通過し、日本列島をほぼ半周した。その後、ロシア艦艇は対馬海峡を通ってウラジオストクへと進路をとった。両国海軍のこの異常な動きをどう理解すべきなのだろうか。


この急襲は海軍合同演習「海上連携2021」の修了後に行われたものである。演習の第1段階では、ロシア太平洋艦隊の掃海艇が両国の艦艇を日本海の訓練海域まで掃海先導した。第2段階では、艦艇群が展開され、それらが戦術合同訓練を行った。その後、参加艦艇は掃海訓練、仮想敵の潜水艦を探知・ブロックする訓練、射撃訓練などを実施した。


ロシア側の参加艦艇は大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、コルベット2隻、基地掃海艇2隻、877型潜水艦、ロケット艇、救助用タグボート、中国側は、052型駆逐艦2隻、コルベット2隻、ディーゼル潜水艦1隻、補給艦、救助艇である。艦艇のほか、ロシア太平洋艦隊海軍航空隊と人民解放軍海軍の航空機およびヘリコプター12機が演習に参加した。


その後、10月17日から23日にかけて、水上艦艇群(ロケット艇とタグボートは除く)に大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」とミサイル追跡艦「マーシャル・クリロフ」が加わり、ヘリコプター6機とあわせて、西太平洋で1700海里以上にわたる共同パトロールを実施した。


まさにこの段階で、ロシア太平洋艦隊の艦船が、ウラジオストクの基地から太平洋に至る最短ルートである戦略的海峡を通過したのである。


岸信夫防衛大臣は火曜日(10/19)の記者会見で、このように大規模かつ長期間にわたる行動は初めてだと語った。日本の茂木敏充外務大臣は、中露艦艇による同時航行について、日本政府は外交ルートを通じてモスクワと北京に懸念を表明したと述べた。


発表されたパトロールの任務は、ロシアと中国の国旗掲揚、アジア太平洋地域の平和と安定の維持、両国の経済活動の対象や輸送回廊の警護である。


しかし、日本近海の外にも目を向けるべきだ。例えば、中露の合同演習「ザーパド・連携2021」が初めて中国国内で実施された。また、合同演習「平和ミッション2021」では、人民解放軍の陸軍部隊がオレンブルク地方(南ウラル)の訓練実施地域に初めて鉄道で移動した。
一昨年には、ロシアと中国が日本海上空で初めて共同で戦略パトロールを実施した。


ミサイル防衛の共同演習はすでに珍しいものではなくなっており、2018年にはプーチン大統領が、ロシアは中国の早期警戒システム開発を支援していると発言した。これらはすべて、中露が軍事分野で関係を深めている大きな流れの一コマである。


しかし、西側諸国がインド太平洋で行っていることに比べれば、かなり控えめな印象を受ける。ロシア大統領府のウェブサイトに掲載されたCNBCのインタビューの中で、プーチン大統領は次のように述べている。


「米英豪のブロック(AUKUS)を含め、何らかのブロックを作ることは、当然、地域の安定性を損ないます。なぜなら、お互いに仲良くすることは良いことですが、誰かに対抗するために仲良くすることは悪いことだと思うからです。これは、私たちが常々言及し、気にかけている安定性を損なうものです」


一方、イギリスの空母「クイーン・エリザベス」とその随伴艦は、10月初旬にシンガポール軍と、戦闘機F-35BとF-16による模擬戦闘行動を含む演習を実施した。アメリカは、最新の遠征海上基地「ミゲルキース」(*)を日本の沖縄沖に配備し、アジア太平洋地域におけるアメリカの軍事力を大幅に強化した。


日米豪印戦略対話(QUAD)のメンバーである4か国は、毎年実施している合同訓練マラバールの第2フェーズを10月11日〜14日に実施した。第1フェーズは8月に実施した。


インド洋のベンガル湾で行われた訓練には、日本のヘリコプター搭載護衛艦「かが」と護衛艦「むらさめ」、インドのミサイル駆逐艦「ランヴィジャイ」とフリゲート「サツプラ」、オーストラリアのフリゲート「バララット」と補給艦「シリウス」、そして米海軍の空母「カール・ビンソン」を中心とする空母打撃群が参加した。


アメリカは、最新の遠征海上基地「ミゲルキース」を日本の沖縄沖に配備し、アジア太平洋地域における米国の軍事力を大幅に強化した。そうでなくても、日本には世界最大の4万7000人の米軍兵士が駐留している。


どうやら、これらの行動に対応する必要性が、ロシアでも中国でも明確になったようだ。しかし、この場合、中露艦艇による日本沖でのデモンストレーション・パトロールは、AUKUSとQUADの枠内でこうした活動を提唱した張本人、すなわちアメリカに向けられたものということになる。日本は渦中にありながら、明らかに傍観者の役回りだ。


中国のマスコミはこの中露共同パトロールを中露の軍事協力の大きな変化の始まりと見なした。複数の専門家が、次のステップはインド太平洋海域での定期的なパトロールの実施であり、最終目的は同海域で空と海の共同覇権を確立することだと考えている。もちろん、これは大胆な予測ではあるが、この地域の軍事的緊張が高まることは目に見えている》


*)NHK2021/10/10『米海軍の基地がある長崎県の佐世保港の沿岸で10日午後、停泊していた「ミゲルキース」は、米海軍が世界で3隻保有する「遠征洋上基地」と呼ばれる艦船で、全長はおよそ240m、ヘリコプターが発着できる航空基地の機能を持ち、軍事作戦の後方支援を担う。今年5月に就役したばかりで、米海軍は今月7日の声明で「自由で開かれたインド太平洋地域のために横須賀を拠点とする米第7艦隊に初めて派遣し作戦能力の向上を図っている」としていて、海洋進出を強める中国を念頭に置いた対応とみられている』
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この記事を書いたロシア人ジャーナリストはアンドレイ・イルヤシェンコ。経歴は「1958年生まれ。モスクワ国際関係大学卒。RIAノーボスチの日本特派員として11年勤務。政治学博士」。


WIKIによると、2013年12月、プーチンは「RIAノーボスチ通信」とラジオ局「ロシアの声」を廃止し、新たに国際情報局「ロシアの今日」を開設する大統領令に署名したとあり、要はイルヤシェンコもSputnikも「御用メディア」「プーチンの口舌、クチパク」である。「ロシアにはまともなジャーナリズムはまずない」と頭に入れておかないと騙されるぜ、同志諸君。中露は油断も隙もありゃしない。まあ、プーチン=ロシアの言い分は分かった。


インド・アジア太平洋での作用と反作用・・・安定・平和ではなく緊張・対立に向かっていることは確かだ。火元と言うか放火したのは習近平・中共である。ロシアとともに孤立を恐れて連帯を深めている。更なら包囲網で“ダーティペア”を自壊させるべし。ビジョンタイムス2021/10/28「日米、南シナ海で合同軍事演習」から。


<米軍は25日、米海軍の空母「カール・ヴィンソン」打撃群と日本海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「かが」が、南シナ海で合同軍事演習を行ったと発表した。これは最近、中国とロシアの軍艦が近日、日本の津軽海峡を共同で通過したことに対する日米の対応であるという分析もある。


米海軍は25日、今回の合同軍事演習の声明を発表した。「日米軍が南シナ海で展開する合同軍事演習には、飛行作戦、水上艦艇と空軍が連携した戦術訓練、海上での給油活動、海上打撃訓練などがある」


海上自衛隊第3護衛隊群司令官の池内出海将補は、日米には共通の基本的な価値観と戦略的利益がある。今回の訓練は「我々の団結」と「自由で開かれたインド太平洋」を実現する強い意志を示したものであると表明した。


デル・トロ米海軍長官は記者に対して、米国は国際秩序に従わないロシアや中国の行動を徹底的に抑止する必要があると述べた。「彼らが他国をいじめ、侵略者になることを許さない」>


舌戦、罵倒、威嚇の応酬、これが続くのはいい方で、そのうち黙る、静かになる・・・実はこれが怖い、開戦間近の兆候なのだ。敵を油断させ、準備万端整えた方が一気呵成に電撃戦を開始する、その前夜である。


真珠湾攻撃の大本営陸海軍部発表の第一報を聞いた青年は寮に駆け戻ってこう言った。「おい、戦争が始まったぞ!」「えっ!?、どことどこが?」・・・小生の父は当時、近衛兵だったが「大変なことになった!」、ビックリしたと言っていた。開戦はそれほどに極秘で準備されるから、国民はまさに青天のヘキレキだ。罠を仕掛けたFDRルーズベルトと側近だけが「ついにやった・・・」と心の底から安堵したのだ。


外なる敵と内なる国民を欺き、天才的な罠を仕掛ける能力のある狡猾で冷酷で善人を装う奴が率いる大国が勝つ。プーチンはその才があるが警戒され過ぎているのが難、我らの習近平は・・・どうも・・・ルーマニアのチャウシェスク、イラクのフセインみたいな最期・・・になるか、ならぬか、それは習自身が決めることだな。


中国国防総省「日本は軍事安全保障の分野で慎重に行動すべき」2021/10/28から。


<10月28日午後、国防総省は定例記者会見を開き、国防総省情報局副局長と国防総省報道官のタン・ケフィが記者団に答えた。


記者:岸田文雄首相は最近のインタビューで、国家安全保障戦略の見直しや、敵のミサイル基地に対する先制攻撃能力の開発などについて協議する計画に言及したと報じられた。 今月初め、海上自衛隊は準空母「出雲」でF-35B戦闘機の離着陸試験を実施した。 中国側からのコメントは?


タン・ケフィ:アジアの近隣諸国や国際社会は、歴史的・実際的な理由から、日本の軍事安全保障動向を非常に懸念している。 日本側は、いわゆる「外的脅威」を誇示し、自らの軍事力の拡大を求め、日本の「専守防衛」の約束に反し、それは大きな誤りであり危険である。 我々は日本に対し、侵略の歴史を真剣に反省し、歴史の教訓を真剣に学び、軍事安全保障の分野で慎重に行動し、地域の平和と発展を促進する上でより多くのことを行うよう要請する>


時事2021/10/29「中国の破壊行為注視 米協会所長が就任後初の会見 台湾」から。


<米国在台協会(≒大使館)のサンドラ・オウドカーク所長(≒大使)は29日、台北で記者会見し、「インド太平洋地域の安全、台湾海峡の平和と安定は米国の利益と合致する」と強調した。その上で「中国が台湾海峡の安定を破壊する行為を続けていることを注視している」と述べ、台湾周辺で軍事的な威嚇活動を活発化させている中国を牽制した。


オウドカーク氏が記者会見するのは、7月に就任して以降、初めて。同氏は台湾関係法などに基づき、「米国は台湾が十分な防衛能力を維持できるようサポートする」と説明した>


第2次世界大戦の勝者は米国だけだという。英仏蘭ソなどは勝ち組と言うことになっているが、戦後もしばらくは食うだけで精一杯だった。日独伊は負け組だが、「大国による植民地経営一掃」という世界史的な歴史的事件の火付け役をしたのは日本である。日本による大東亜戦争がなければ恐らく今でも植民地の人々は宗主国に収奪され続けたままだろう。日本は戦争に負けたが、植民地の独立戦争では勝った、と世界史に記される時代は間もなく来るだろう。


日本に「自由民主人権法治」の価値観が根付いたのは1970年代末だろう。新左翼はほぼ壊滅し、小生の見立てでは唯一生き残った革マル派は表向きは立民に脱皮したが、相変わらず共産主義独裁国家を目指していると思う。革マルが乗っ取った「JR総連」は今日投票の衆院選で候補者65人を推薦しているが、全て立民である。


世界的に見れば「自由民主人権法治」の価値観を「是」とする有力国はG7を含めて20か国あるかないかではないか。ハンチントンの言う「文明の衝突」で、世界は大きく分断しつつある。戦争により世界覇権を目指す習近平・中共を、日米欧などは有志諸国と共に孤立化させ、自壊へ導くことは、最優先の喫緊の課題である。
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雀庵の「常在戦場/103 「昇竜ベトナム、沈没チャイナ」

2021-10-29 13:06:05 | 日記
雀庵の「常在戦場/103 「昇竜ベトナム、沈没チャイナ」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/383(2021/10/29/金】過去に遡るから「遡行歴史学」というのはどうか、例えば息子とパパの会話。


ボクはどうして生まれたの?「パパとママが結婚したからだよ」、どうして結婚したの?「一緒に暮らせば楽しいなあとお互いに思ったからだよ」、今は?「まあ、晴れたり曇ったり時々雨・・・君も結婚すれば分るよ」、


オヂイちゃんもオバアちゃんも、そのもっと昔の人もそうだったの?「多分、300万年前からそんなもんだったと思うよ、その繰り返し」、動物や植物と一緒みたい、それって意味あるの?「人生は似ているとも言えるけれど、山あり谷ありいろいろ。漫然と散歩する道もあるけれど、難しい山を苦労しながら頂上目指して行くのは刺激的だし、登頂した時の感動は大きいよね」


こんな風に昔から昔へさらに大昔へと遡り、38億年前のご先祖の微生物にたどり着くと、欲の皮が突っ張った人類は原点に戻り、もっともっと穏やかな、地球に優しい生物に進化するのではないか。豊か過ぎるのも貧し過ぎるのも問題だし、また平等主義も問題だから、なかなか難しい課題だが、子曰く「過ぎたるは猶お及ばざるがごとし」、加地伸行先生の解釈では「多過ぎるのも少な過ぎるのもよろしくない、ほどほどの中庸がいい」。


中共は今でも「焚書坑儒」で、基本的に義務教育では孔子「論語」=儒教を排除している。高校や大学でも「論語」を学ぶ者は変人、異端者と見做されるとか。日本では江戸時代に儒教の一派である王陽明の「陽明学」が盛んになり、中江藤樹、熊沢蕃山、大塩平八郎、吉田松陰、高杉晋作、西郷隆盛、河井継之助、佐久間象山らが影響を受け、幕末維新の原動力になった。小生は陽明学を勉強したことはないが、それでも「知行合一、思想と行動は一体であるべし」といった教えは魅力的だった・・・ムショ送りになったけれど。


善政、改革、革命を煽りかねない思想だから中共にとっては儒教も陽明学も、仏教、イスラム教、キリスト教、さらには自由民主人権法治なども“危険思想”なのだろう。俺さま以外は全部邪道、邪教! 習近平・中共は人類を幸福へ導く有難い救世主である、三跪九叩頭せよ、従わなければ天罰が下る! 控えおろう、このキャッシュが目に入らぬか!


あっらー、カネの力は偉大なり、されど盛者必滅のコトワリ、中共経済は既にオイシイ時代を終えて一極集中的“世界の工場”ではなくなりつつある。人件費が安くて政治が安定して、しかも歓迎してくれるアジアへの工場移転や分散化は加速するだろう。OneValue 2021/10/6「グローバル企業の脱中国とベトナムへの生産拠点移管の動きが加速」から。


<中国から生産拠点をベトナムに移転する企業は中国企業に留まらず、最近では多くのグローバル企業がベトナムへの移管を発表している。


ベトナムは東南アジア、日中米という大市場の結節点に位置しており、物流で有利な位置にある。特にベトナムは多くの国と自由貿易協定(FTA)を結んでおり、税制面で優遇を受けやすい。また、ベトナム経済は高成長を維持しており、2019年の成長率は世界193ヶ国/地域中12番目に高い。さらに他のASEAN諸国に比べ、政治的に安定している。


こういった比較優位の存在がベトナムが選ばれる要因であろう。新型コロナウイルスの発生というリスク要因も明らかになった今、脱中国の動きは世界的なトレンドになりつつある。今後、グローバルサプライチェーンの構造変化に伴い、ベトナムの存在感はますます拡大していくだろう>


そう言えば半年ほど前に買い換えた電子レンジはタイ製、先日はベトナム製のジューサーが来た。中国からの工場移転先としてミャンマーは期待外れだったが、ベトナムはますます存在感を高めそうだ。先が読めない中共に比べて政治が安定しているのは魅力的だ。


「ベトナムでは人件費は年々上昇しているものの、それでもタイ(平均月間賃金413ドル)、マレーシア(413ドル)、中国(535ドル)、インドネシア(274ドル)、フィリピン(228ドル)と比較してもベトナム(220ドル)は安価である。また、工業団地の賃料もタイ等を大きく下回る」(同上)


日本外務省によると、ベトナムは――


「ASEAN域内でもトップクラスの成長率を達成しており、2015年6.68%、2016年6.21%、2017年6.81%、2018年7.08%、2019年7.02%。数多くの自由貿易協定(FTA)の発効(2020年末時点で14のFTAが発効済)、ODAを活用したインフラ整備、低賃金の労働力を背景に、外資の製造業を誘致し、輸出主導型の経済成長を続けてきた。2020年は、新型コロナ感染症の影響により10年ぶりの低水準の成長率となったが、近隣諸国がマイナス成長の中、ASEAN内で最も高い成長率を記録した」


中共とベトナム共産党は、いずれも共産主義独裁政治である。1000年ほど前には支那の侵略受けたり属国にされていたベトナムは、近現代でも中共とは友好と対立を繰り返し、本質的には互いに嫌っているが、共通の利益があれば握手するという、何ともキツネとタヌキの交際のようだ。握手したり喧嘩したり・・・中共と日共、立民と日共のご都合主義的な関係に似ている。


中国国際放送局2021/9/25「習総書記、ベトナム共産党書記長と電話会談」から。


<習近平総書記・主席は24日、ベトナム共産党中央委員会のグエン・フー・チョン書記長と電話会談を行いました。


習総書記は、「中国とベトナムは交流と相互学習を深める必要がある。発展戦略の接合を加速し、両国民により多くの満足感をもたらさねばならない。中国は、ベトナムが新型コロナウイルス感染症に打ち勝ち、経済と社会の発展を推進することを揺らぐことなく支持する」と述べました。


グエン・フー・チョン書記長は「ベトナムは、中国との全面的な戦略パートナーシップを発展させることを一貫して重視しており、(中国との)パートナーシップの発展を最優先事項としている。ベトナム共産党は、中国共産党とともに、党と国を治める経験についての交流を行い、経済や貿易、感染症対策、人的分野、地方など各分野における互恵的協力を強化し、双方の社会主義事業と両国関係の発展を促し、この地域および世界の平和と安定を推進していくことを願っている」と述べました>


小生の解釈では、習は「経済と社会の発展でWINWINで行こうぜ、なあ、俺たちはトモダチだ、カネが要るならいつでも言ってくれ!」、一方、ベトナムは「アジアと世界の平和と安定こそが大事だろうが! 南・東シナ海で挑発するのは止めろよ、バーカ!」と説教したわけだ。ベトナム共産党は現実的というか、状況に合わせて自己改革できる柔軟性があるようだ。


アジア経済研究所・坂田正三氏「ベトナム共産党第13回党大会の結果 経済発展の方向性」2021年6月から。


<2021年1月25日から2月1日にかけて実施されたベトナム共産党第13回全国代表者大会(党大会)の結果を紹介する第3回では、党大会文献で示された経済発展の方向性について取り上げる。


国家経済部門は「国有企業は鍵となる重要な分野、国防、安全の分野に集中する」という表現で、国有企業の資源を投入する分野をさらに限定的なものに規定している。


一方、民間経済部門は「法律で禁止されていないすべての分野、特に生産、ビジネス、サービスの分野で発展することが奨励される。強力で競争力のある企業、経済集団は発展の支援を受ける」とし、民間企業により幅広い分野で経済活動を行うことを奨励する姿勢をさらに強くしている。


また外資部門は、「国民経済の重要な一部」であり「資本と技術、近代的な経営手法を持ち込み、輸出市場を拡大する」重要な役割を果たす、と評価されている>


習近平・中共は己の妄想ために人民を抑えつけ、ベトナム共産党は人民のために己の権益を縮小している・・・同じ共産党とは思えないほど理念、政策に大きな開きがある。因みに日本はベトナムにとって最大の援助国だという。経済における対中戦の最前線がベトナムかも知れない。


米国民主党応援団のニューズウィークはバイデンにがっかりしたのか、このところ反中記事が目立つようになった。2021/10/26「現地取材:中国から外国企業が“大脱出”する予兆が見え始めた」から。


<中国駐在の外国企業幹部の中には、習近平が唱え始めた「共同富裕」という新しいスローガンに不安を感じている向きもある。中国の知識人の間でも論争が起こり、北京大学の張維迎教授(経済学)は、「(これでは政府の)市場介入がますます増え、中国を『共同貧困』へと導くだけだ」と批判している。


「共同富裕」という新しいスローガンは「美しいフレーズだが、見ていて心配だ」と、上海の多国籍企業に所属する日本人幹部(匿名希望)は言った。「60年代の中国のように暴力的でも感情的でもないが、もっと洗練された形で『文化大革命』が始まるのではないか。今回は規制を使って外国企業を徐々に追い出そうとしている」


この幹部は3年前、中国当局が外資系企業内部に共産党の支部を作るよう党員に促す告知を目にしたという。「党は究極の権威だ。会社に何か要求してきたら? それは依頼であって既に依頼ではない」


そのため、現地駐在の外資幹部の間には不安と疑念が広がっている。「不安を抱えて息を潜めている会社もある」と、アトランティック・カウンシルのロバーツは言う。「駐在員は歓迎されなくなったと感じている。いずれ、もうここにいたくないと思うようになるだろう」


中国に残りたいと望む人々も、変化を痛感している。数十年かけて地方でいくつも企業を立ち上げた欧米人起業家は、規制の山や裏切り、官僚主義の壁に疲れ果てたという。撤退する気はないが、「私は中国を愛している。だが中国が私を愛してくれなければ何もできない」と語る。


半導体、金融、医療など、当面は大事にされる分野もあるだろうが、中国政府の最終目標は技術的な「自給自足」だ。さらにデータの使用や送信に関する規制が強化されていることもあり、外国企業は厳しい選択に直面している。


在中国EU商工会議所が9月初めに公表した年次報告書にはこうある。「国家安全保障の概念が中国経済の多くの分野に拡大され、自給自足の方針が強化されるなか、ますます多くの欧州企業が技術の現地化とサプライチェーンの国内完結か、市場からの退場かの選択を迫られている」


EU商工会議所が半年足らず前に出した報告書のトーンは今回とは全く異なる。前回はコロナ禍が収まり(デルタ株はまだ広がっていなかった)、中国経済は急回復しつつあるように見えたため楽観的なムードが支配的だった。だが今はどうか。EU商工会議所のイエルク・ブトケ会頭に悲観的な気分を1から10までで表すとどのくらいかと聞くと「8くらいだ」との答えが返ってきた。


上海在住の日本企業の幹部は、問題の根源には極端に大きい貧富の格差があると話す。「上海では配達員が10元(約170円)で昼食を済ます横で、ビジネスマンが500元を惜しみなくはたいて豪勢な食事をしている。これは危険な状況だ」


この幹部が指摘するように、中国では所得格差の指標であるジニ係数がアジア諸国の平均の0.34よりはるかに高く、アメリカの0.41よりもさらに高い0.47前後で、「極めて不平等な状態」だ(1.0が最も不平等な状態)。


彼が恐れる最悪のシナリオは、経済が不安定になるかバブルがはじけて低所得層の不満が爆発することだ。当局は民衆の怒りをそらすため外国人を格好の標的に仕立てるだろう。


既に持てる者と持たざる者の対立をあおるような政治的レトリックが飛び交っている。最近ブルームバーグ主催のフォーラムで、PR会社アプコの中国法人会長、ジム・マクレガーは左派ブロガーの李の主張を問題にした。


李は、最近の中国政府の規制強化の動きを文化大革命を彷彿させる「社会主義の本質への回帰」だと賛美したのだ。「富豪は階級の敵だと言わんばかりの・・・ほとんど階級闘争のような」言説だと、マクレガーは危惧する。


もっとも、今の状況を毛沢東時代の文革に例えれば、重要な違いを見逃すことになる。「毛は(集団的な指導)体制を壊して権力を一手に握るため、混乱を引き起こそうとした」と、調査会社ガベカル・ドラゴノミクスの共同創業者アーサー・クローバーは言う。それに対し「習は儒教的な国家の復興を目指している」というのだ。


文革のトラウマゆえ、中国の人々は混乱よりは極端な儒教的統治のほうがましだと思っているのかもしれない。どちらも、中国の持続的な成長を支える創造性とイノベーションを育むには役立ちそうにないが>


このまま虚人・狂人・発狂一直線の習近平一派を野放しにしておけば14億の民は「凄惨な文革2.0を選びますか、それとも清貧の儒教を選びますか」の二択になる。自由民主人権法治への可能性がある儒教の方が遥かにマシだが、少なくとも習を排除しないと難しい。


習は結党100年式典でこう豪語した。「西側の国際秩序には従わない、外国からの圧力にも負けない!」。習が一日永らえば人類は百日の禍、温暖化より目の前の危険な赤化を止めることに全力を注ぐべし。
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雀庵の「常在戦場/102 「読書と毒書と独書の秋」

2021-10-28 07:21:52 | 日記
雀庵の「常在戦場/102 「読書と毒書と独書の秋」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/382(2021/10/28/木】久し振りに文教堂書店を訪ねてみたら、「外交・国際関係」の書籍、それも「戦争前夜だ!」と危機感をあおるタイトルのものがずいぶん増えた印象だ。メモを取ろうと思ったがあまりにも多いので諦めた。


武漢発コロナ菌との戦争本も20~30冊並んでいたが、喉元過ぎれば熱さを忘れるで、まあブームは終わった感じ。今度は北京発習近平菌との戦争に関心は移りつつあるようで、習近平が除菌されるまでの1、2年(?)は「中共叩くべし!」「目覚めよ日本!」系の本は売れ筋になると出版社は皮算用しているはずだ。直近を含めて近年発行されたその手の本には、例えば以下がある。


石平 「中国共産党 暗黒の百年史 なぜ日本は中国のカモなのか」「中国五千年の虚言史 なぜ中国人は嘘をつかずにいられないのか 」「石平の新解読・三国志 愚者と智者に学ぶ生き残りの法則」「なぜ論語は善なのに、儒教は悪なのか 日本と中韓 道徳格差の核心」「私はなぜ中国を捨てたのか」「なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか」「なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか 脱中華の日本思想史」、宮崎正弘・石平「中国が台湾を侵略する日」


櫻井よしこ「赤い日本」「亡国の危機」、門田隆将「なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか」「新・階級闘争論 暴走するメディア・SNS」、杉山大志「脱炭素は嘘だらけ」、上念司「日本分断計画 中国共産党の仕掛ける保守分裂と選挙介入」、楊海英「独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで」、花田紀凱編集「習近平vs.櫻井よしこ」、山口敬之「中国に侵略されたアメリカ」、馬渕睦夫「ディープステート 世界を操るのは誰か」、青山繁晴「誰があなたを護るのか 不安の時代の皇(すめらぎ)」


福島香織「ウイグル人という罪─中国による民族浄化の真実」「習近平 文革2.0の恐怖支配が始まった」、近藤大介「台湾vs中国 謀略の100年史 なぜ中国共産党は台湾を支配したがるのか?」、黄文雄「ジェノサイドの中国史 中国人も知らない歴史のタブー」、山岡鉄秀「vs.中国(バーサス・チャイナ) 第三次世界大戦はすでに始まっている!」、篠原常一郎「中国が仕掛けるシン・共産主義革命工作」、井上和彦「封印された日本軍戦勝史」、掛谷英紀「学者の暴走」、江崎道朗「緒方竹虎と日本のインテリジェンス―情報なき国家は敗北する」


E.ルトワック「自滅する中国―なぜ世界帝国になれないのか」「中国4.0 暴発する中華帝国」「戦争にチャンスを与えよ」「日本4.0 国家戦略の新しいリアル」「ルトワックの日本改造論」「ラストエンペラー 習近平」


F. ディケーター「毛沢東の大飢饉:史上最も悲惨で破壊的な人災 1958-1962」「文化大革命」、R.D. エルドリッヂ「オキナワ論 在沖縄海兵隊元幹部の告白」「危険な沖縄 親日米国人のホンネ警告(共著)」


K. ギルバート「まだGHQの洗脳に縛られている日本人」「米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体」「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」


H.S. ストークス「大東亜戦争は日本が勝った」「世界は中国に対峙できる日本を望んでいる」「英国人記者だからわかった日本が世界から尊敬されている本当の理由」「英国人記者が見抜いた戦後史の正体」「戦争犯罪国はアメリカだった! 英国人ジャーナリストが明かす東京裁判70年の虚妄」・・・


いやはや、何というか、タイトルを追っただけで「お腹いっぱい、もう十分です、ご馳走さまでした」と言いたくなるほどのパンデミック。先日、地元の新興宗教(と言っても大正元年、1912年開基だから100年以上の歴史がある)「新明国上教会」を訪ねて色々資料を頂いたが、季刊誌にストークス著「世界に比類なき日本文化」が取り上げられていたのには驚いた。敗戦後に占領軍とアカに駆逐されてきた「日本らしさ、日本人らしさ」を取り戻そうという王政復古、令和維新、アンシャンレジームみたいな流れが強まってきた感じがする。


この流れを遡れば福田恒存や江藤淳、大宅壮一、高坂正堯、三島由紀夫あたりまで辿れそうだが、直近では小生が尊敬する加瀬英明先生などの奮闘努力が奏功したようである。Newsweek 2018/10/29「出版業界を席巻するケント・ギルバート現象の謎」から(同誌は当時はリベラル、今はアカモドキでそのうち自滅するだろう)。


<ギルバートは過去の「外タレ」時代から、日本社会の矛盾点を歯に衣着せず指摘するタイプではあった。だが、現在のような言論を開始したのは2013〜14年頃からだ。


ギルバート現象はいかなる事情で生まれたのか。彼の第2の人生が始まった背景には、日本の保守系論壇における2人の大物の存在があった。


「2013年10月に私が編集・刊行した『不死鳥の国・ニッポン』(日新報道)は、ケントの『転向』の大きなエポックメイキングだった。一時期低迷していた彼に、第2の出発点を準備できたと自負している。私は彼に『これからのあなたは芸能人ではなく文化人だ』と伝え、背中を押した」――そう話すのは、同書を手掛けたフリー編集者で実業家の植田剛彦(73)である。


植田には別の顔がある。出版社「自由社」の代表として、保守系市民団体「新しい歴史教科書をつくる会」が編纂した中学生向け教科書や、杉田水脈、藤岡信勝、倉山満といった保守系言論人の著書を多数刊行しているのだ。彼はこうも言う。「『不死鳥』刊行時のケントには理解不足な面があり、政治的発言を行う覚悟が不十分だった。だが、私が特攻隊についての英文資料を渡したり、勤勉なケント自身が勉強して理解を深めたことで、彼は完成していった」


加えてもう1人、「転向」に影響を与えた人物がいる。保守論壇の重鎮で外交評論家の加瀬英明(81)だ。90年代に植田がギルバートを引き合わせ、共著を出して以来の縁である。「長年、ケントに忍耐強く説いていった。彼は真面目なので、話を聞いてくれた。われわれがケントを変えたんだ」


加瀬は安倍政権とも関係が深い「日本会議」の代表委員や「つくる会」の顧問、歴史問題の否定を訴える「慰安婦の真実」国民運動や「南京事件の真実を検証する会」などの保守系市民団体の会長も務める。彼はこうも言う。


「バテレン(戦国時代のキリシタン)を改宗させたようなものだ。最初はストークスを10数年かけて『調教』したのだが、ケントはその次だった。最初はいずれも、慰安婦や南京の問題について、日本が(悪事を)やったと考えていたんだ」


ストークスは、フィナンシャル・タイムズやニューヨーク・タイムズの東京支局長も歴任した知日派のイギリス人ジャーナリストだ。近年は靖国参拝を行ったり、加瀬との共著や『大東亜戦争は日本が勝った』といった著書を刊行するなど保守派寄りの姿勢が目立つ。


「高齢で体調がすぐれないストークスに代わって、最近のケントは著書を多く出して頑張っている。『転びバテレン』だからこそ、彼は自分でしっかり勉強をしているみたいだ」(加瀬)>


そして習近平・中共発狂の“後押し”もあって文教堂書店の「外交・国際関係」の棚を右派がほぼ占拠するに至ったわけだ。もっとも多くの書店は巨大な取次店(カネ貸しでもある)にとっては小売店(返品自由、仕入れリスクなしだからただの棚!)でしかなく、書店とともに「売れる本がいい本」であり、中身なんぞドーデモイイのが普通であるが・・・


ベストセラーのほとんどは一過性で、まずロングセラーにはならない。「学び」を目的にした読書なら初版から2、3年後に読んでも中身はちっとも古臭くなっていない。福翁の「学問のすゝめ」なんぞ明治のベストセラーだが、今でもロングセラーで人気がある。「人間は平等に生まれたわけじゃない、身分制が無くなったと言っても勉強しないと重い仕事に就けないよ、いい給料を稼げないぜ、国民が上を目指して努力しなければ国家は列強の後塵を拝する二流国、三流国になってしまうよ」という、ごく当たり前の話で、国民の発奮を促したわけだ。


先輩たちが読んで「良書だ、人生の指針になった」という教学(教養学問)系の本、特にロングセラーや古典を優先的に読んだ方がいいと思う(かじっただけでも周囲は一目を置く!)。疲れたら歴史小説とか随筆、ノンフィクションを読む。話題のベストセラーばかり読んでいる友人夫婦がいたが「人生を面白おかしく楽しく過ごせればいい」という Happy-Go-Lucky で、子供もつくらなかった。寂しくないのかなあ、次代にバトンを繋ぐのは大事ではないかと思うのだが・・・余計なお世話か。


国家を多少なりとも良い国にし、後人に引き渡す、それが国民の、あるいは生物の義務、天命だと思う人は、いずこの先進国でも減っているようである。80年も平時が続くと、行き過ぎたような個人主義や福祉の進展とともに人間は野性というか天命を軽視しがちになるのだろう。


温室のような環境に慣れ過ぎると本来の生命力や耐性が劣化する・・・五輪のように大規模な世界大会“大戦”は時々あった方が健康ではないか。人類は戦争で今の秩序を創った、次の秩序も戦争の中から生まれる、と考えるのは正論だろう。


ソ連は熱戦の前に「冷戦」という包囲戦、特に食糧不足で民から見放されて消滅した。今は“悪の帝国”中共の「国内矛盾による内戦危機を外戦に転化する」という暴発を抑え込むために中共包囲戦=冷戦を進める時だろう。


熱戦に備えつつ冷戦で締め付けていく・・・中共は軍事優先で民生は疎かになり、今年は豪州いじめの代償で石炭不足、電力不足で寒い冬を迎えようとしている。サイエンスポータル2021/10/21はこう報じている。


<中国東北部の黒竜江省で最大の石炭生産業者、竜煤鉱業集団はエネルギー需要の高まりに対応するため、四つの新しい炭鉱の建設を開始した。中国の発電は火力が約70%を占めている。北部では暖房シーズンには電力供給圧力が増す。最近、一部地域で停電し、工場の操業停止や家庭への影響が出たため、国は電力供給に全力を挙げている>


習はやることなすこと裏目に出る。冷戦下でやがては財政難になり、食糧不足から窮民革命に火が付き、中共政権は倒れる、自滅する・・・


あるいは一点突破、全面展開で台湾、日本に侵攻して勝利し、習近平・中共政権の求心力を高める可能性はあるが、日台はこれという資源のない山だらけの国(70~80%が山岳地帯)で奪えるものはあるのか。「勝利した」と言ってもロシア以外の世界中から総スカンを喰らうから経済的なメリットはないだろう。一時的に習近平は人民から称賛されても、人民のすきっ腹が改善されるわけではない。


習近平は毛沢東風の清く貧しく美しくの“清貧思想”に憧れているようだ。それなら一人で勝手に引き籠ればいいのに14億を道連れにしようとするから世界中から嫌われる。習を引きづり降ろしてまともな国にしようとする人材はいるのかどうか・・・経済が下降気味の今は「貧乏くじを引くだけ」と、火中の栗を拾う人材はいないようだ。


阿片戦争で頑張った林則徐は、イギリス軍を目前にして朝廷内で和平論が高まると「戦争挑発者」として罷免された。「大義とは私利私欲」、強者に従うという「事大主義」「長いものには巻かれよ」が支那人の初期設定なのだろうか。窮民革命、維新に期待したい。
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雀庵の「常在戦場/101 「孫文、魯迅、中共の大失敗」(下)

2021-10-26 08:35:44 | 日記
雀庵の「常在戦場/101 「孫文、魯迅、中共の大失敗」(下)
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/381(2021/10/26/火】小生はこのところ竹中労著「水滸伝 窮民革命のための序説」を枕頭において時々読んでいるが、大本の「水滸伝」は未読である。毛沢東は「水滸伝」を座右の書にしていたが、彼は「インテリではなく窮民こそが中国革命の原動力になる」と信じていた。


竹中労によると1926年1月、毛は「中国農民の各階層の分析およびその革命に対する態度」の論稿でこう書いている。


<ルンペンプロレタリアート(ルンプロ)とは、帝国主義と軍閥地主階級の搾取と抑圧を受けたり、ないしは水害・干ばつなどの天災にみまわれて土地を手放した農民と、働く機会を失った手工業労働者を指して言う。


彼らは兵士、匪賊、盗人、乞食、娼妓であり、社会の評価も様々だが、彼らが人間であり、五感四肢を持っている点では同じだ。


彼らが生計を立てる道は、兵士なら「戦争」、匪賊なら「略奪」、盗人なら「窃盗」、乞食なら「物乞い」、娼妓なら「媚び」で、それぞれ異なるが、メシのタネを得ようとしている点では同じである。彼らは人類の中で最も生活の不安定な人々である。


彼らは各地で秘密の組織を作る。例えば福建・広東の「三合会」、湖南・湖北・貴州・四川諸省の「可老会」、安徽・河南・山東などの「大刀会」、直隷及び東三省の「在理会」、上海の「青幣」のごとくである。これらの会(ホエ)は、彼らの政治・経済闘争のための互助機関となっている。


中国のルンプロの人数は驚くなかれ2000万人以上である(修一:当時の人口4億人の5%)。それらの人々は勇敢に戦うことができるから、指導よろしきを得れば“革命勢力”に変えることが可能である。


ルンプロに対しては、彼らが農民協会(=革命派)の側に立ってそれを助けるよう、革命の大運動に加わるように促すべきで、断じて彼らを敵側へ走らせ、反革命派に加担させてはならない>


この“水滸伝式窮民革命論”は1851~1864年の「太平天国の乱」の研究から「あり得る戦略だ」と既に1921年には張太雷(中共コミンテルン代表)が指摘していたが、実戦で活用したのは毛沢東が最初だろう。教条主義的なインテリ共産主義者は「ルンプロはカネ次第で右にも左にも動くから革命から排除せよ」というのが原則だったから、毛沢東は一時的だが中共中枢からパージされたのである。


毛の愛読書「水滸伝」は窮民・豪傑が梁山泊に結集するまでの「20回本」らしく、ついこの間まで中共では読まれていたが、石平氏の「中国はなぜ何があっても謝れないのか」によると「水滸伝」は今や何と中共の「悪書追放」のターゲットになっているようである。


<2014年3月12日に閉幕した中国の全国政治協商会議の席上、委員の李海浜は「維穏」つまり「社会穏定(安定)の維持」という政治的視点から、古典小説の『水滸伝』を題材にした映画やドラマの放映禁止を提案して波紋を呼んだ。


近年、民衆による暴動や騒動が多発する中、中央政府は口癖のようにこの「維穏」のスローガンを唱えるようになっている。要は「維穏」とは、政権に対する民衆の反発や反抗を抑えて社会の安定を保とう、という意味に他ならない。


李海浜委員の理解も同じである。彼は政権側の立場に立って、下からの反乱を描いた『水滸伝』を目の敵にしたのだろう。しかし『水滸伝』は明代の中国で書かれた長編小説で、舞台は千年も以前の北宋時代であり、そんなたかが小説がこうも恐れられているということは、現在の共産党政権が「維穏」にどれほど神経質になっているかの証拠である。


現に、10年ほど前から(習近平)政権は「維穏」を最重要な政治任務と位置づけ、全力を挙げてそれにあたる構えを示してきた。国内の治安権限を牛耳る政法委員会は、全国津々浦々の町や村のすべてを「維穏」の第一防衛線と位置づけた。各地に「維穏弁」(安定維持統括事務所)を設置し、民衆の中の不穏分子を徹底的に監視しているのである>


2、3年ほど前まで中共では官製メディアでもアンチ太子党=反習近平派の記事が時々見られたが、今は完全に駆逐されたか、面従腹背でバカバカしいほど習近平を讃えているようだ。いわゆる“ヨイショ”。持ち上げて、持ち上げ尽くして、やがてドスンと落とすつもりだろう。石平氏によると2013年7月8日の人民日報ネット版には「維穏」を批判する以下の記事があったという。


「各級政府は最大限の時間と労力を『維穏』に投入しているが、その効果は一過性のものに過ぎない。抑え付けられた人々の不満は結局蓄積していくことになるから、維穏に励めば励むほど社会の安定が崩れる危険性はむしろ高まってくるだろう」


実際、「社会の安定」はいつ崩れてもおかしくない。李克強首相によると14億の人口のうち1日2ドル(230円)、1年730ドル(8万4000円)で暮らす貧しい民は6億もいる。渋谷司アジア太平洋交流学会会長の試算では――


「下層」:無収入とか1日2ドルにも達しない人を加えると9億6393万人、全人口の68.85%となる。つまり、中国人の3人に2人以上は「下層」に属する。
「中間層」:月収2000〜3000元(約3万1300円~4万6950円)で2億0735万人、全人口の14.81%。
「上層」:月収3000〜2万元で2億2807万人、全人口の16.29%。
「最上層/富裕層」:月収2万元以上は、全体の0.05%で70万人。「紅2代/紅3代」(日中戦争や国民党との内戦に参加し、建国に貢献した共産党の元高級幹部の子弟)、あるいは「官2代/官3代」(新中国成立後、貢献した元高級官僚の子弟)らが中心とみられる。(以上)


中共の民の6~7割は「農村戸籍」で、長男夫婦はキャッシュを求めて都会へ出稼ぎ、ドヤ街に住み、低学歴、どうにか暮らしているが夢も希望もないまさしく「ルンプロ、窮民」そっくりのよう。絶望がいつ怒りに転じるか・・・


習近平・中共はルンプロの爆発を抑えるためには、1)経済を盛んにしてルンプロの生活向上を最優先で促進する、2)少なくとも上層階級以上の富を減らしてルンプロに還元する、3)あるいはみんな貧乏で人民服を着て痩せていた毛沢東時代の“清貧”に戻る――の3択しかないだろう。


しかし、高度成長の時代は終わったから1)は難しい、2)も中共の支持基盤を敵に回すようだから激しい抵抗に遭う、となれば一番手っ取り早いのは3)だろう。人は易きに流れる。


福島香織氏の論稿「来たる6中全会で『歴史決議』、懸念される習近平の歴史観 トウ小平を否定し文化大革命を再評価か?」(JBプレス2021.10.21)から。


<習近平は「歴史決議」でトウ小平の改革開放路線が過ちであった、と再評価することはあり得るだろうか。たとえば、トウ小平は中国を豊かにしたが、腐敗や格差を生んだとして、トウ小平の改革開放路線に修正の必要あり、と主張するとか。


それもないことはないが、それに党中央の多数が賛同するだろうか? 党中央幹部のほとんどが改革開放の恩恵を受けてきた。改革開放のおかげで、彼らは富裕層、資本家の仲間入りができたのだ。


習近平の経済路線を振り返ると、実際のところ失敗であった部分が多々ある。2015年の上海株大暴落事件しかり、「一帯一路」戦略が各国各地で受けているネガティブな評価や資金ショート問題しかり。「中国製造2025」は事実上見直しに迫られている。半導体国産率を2025年までに70%にするなど逆立ちしても達成できない。


さらに、今進行中の不動産バブル圧縮政策やインターネットプラットフォーム企業の独禁法違反取締強化などに代表される民営金業いじめや、「3060目標」(2030年までにCO2排出ピークアウト、2060年までにカーボンニュートラルを実現)達成に向けた厳しいCO2排出規制を産業界に課す環境政策などによって、経済成長が鈍化している状況が誰の目にも明らかだ。


これを「共同富裕」の美名のもとにごまかそうとしているが、実際はトウ小平の改革開放40年の果実をわずか10年で食いつぶそうとしている。


トウ小平の改革開放など過去の経済路線について再評価すれば、習近平の姉夫婦なども含め習近平ファミリーは改革開放の恩恵を受けているのに、改革開放の成果を台無しにしかねない経済政策の失敗には反省しないのか、という話になりかねない>


改革開放が大成功したのは「努力すれば豊かになれる」と支那の民の本能を刺激したからである。習近平は上層階級の富を奪って、それを下層階級の慰撫に回そう、そうしないと中共独裁体制はもたない、と考えているのだろう。が、低成長時代に入りつつある今、それを強行すれば、高度成長をもたらした野心的で有能な人々のヤル気は衰え、大後退を招きかねない。1億の中共党員を守るために「改革開放=中共流資本主義」を止めて昔の国営企業による非効率の経済を目指す・・・最悪手。


その先にあるのは「白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき」だろう。白河は習近平、田沼はトウ小平、胡錦涛、江沢民、今と比べれば遥かにマシである。


14億の人民を結束させるには、毛沢東が建国後の国際的孤立状態から脱するためにアピールした「世界の農村(後進国)から都市(先進国)を包囲せよ」という戦争だと習近平は心得ているはずだ。


しかし、今の中共は「三農問題」に苦しんでいる。生産性の低下=「農業問題」、農村の疲弊=「農村問題」、農家所得の低迷=「農民問題」だ。農村人口は3億4000万で、うち農業に従事しているのは2億。農業経営体1戸当たりの耕地面積は日本の3分の1、純農業の平均月収は952元(1万4300円)、上海のホワイトカラーの平均月収と比べると10%以下だ。


農村人口のうち1億4000万は都市部への出稼ぎである。経済低迷で出稼ぎ需要は細っているようで、国に帰っても農地が売却や立ち退きなどでないケースもあり、無頼漢、ルンプロ化が進んでいると聞く。中共により習近平が今さら「農村から都市を包囲せよ」と号令を掛けたところで、「お前ら共産党が農村を荒らしたのだ!」と反発されるだけだ。


習近平は戦争で台湾制覇をし、勢いがあればさらにアジア制覇へ向かう腹づもりだろう。自己崩壊寸前の己と中共が生き残るためには戦争で存在感を示すという、イチかバチかに欠けるしかない。


パールハーバー・・・これは窮鼠猫を噛むバクチ的自衛戦争、習の戦争は己と党の生き残り、自己都合、自己保身、私利私欲のための身勝手な侵略戦争。世界の先進国とNATO、QUAD、AUKUSなどの同盟国が猛然と中共に対峙し、包囲すれば、恐らく中国国内では「敵は中南海にあり! 戦争を内乱へ転化せよ」と窮民革命が勃発するのではないか。


窮民革命になるように世界は中共経済包囲網で習近平一派を弱体化させる、人民の独裁政権駆逐の戦いを支援する、といった運動を強化する必要がある。


中共はこうした世界的な中共バッシングに相変わらず無意味な反論を繰り返すだけである。新華社10/19はこう報じた。「汪文斌(ワン・ウェンビン)外務省報道官は『米国は中国が軍拡競争を激化させたと言う。米国は中国脅威論の誇大宣伝を止め、責任ある態度をとり、大国の正当な役割を体現し、国際社会とともに、戦力のバランスと安定を維持し、すべての国の共通の安全保障を実現するべきである』と主張した」。


10/14~23の日米台豪を威嚇する中露合同軍事演習「海上連合ー2021」の最中にあって、イケシャアシャアと居直っている。


1911年の辛亥革命で清朝(満洲族の帝国)から中華民国に移行したが、その際に孫文ら革命勢力が理想としたのは支那人国家の明朝(1368~1644年)だった。ドイツの支那研究家、R.ウィルヘルムは明朝の揺籃期についてこう書いている。


<明朝は当初から絶対王朝の成立には付き物の残虐さと流血で悪名を馳せていた。少しでも疑わしいところがあれば一族郎党が虐殺された。処刑もしばしば行われ、その数は数万回にも上っている。人々が明朝の旗下に集まったのは、彼らが憎むべき外国人(元朝の蒙古人支配)を一掃しつつあったからである。しかし、絶対王政の圧政が計り知れないほど悪化の一途を辿っていることは、すぐに分かった>


中共は見事に「第2明朝」になった。スターリンは毛沢東・中共に食指を向けず距離を置いていたが、関わるとろくなことにならない、と知っていたからだろう。スターリンは3000万人を殺したが、自分も殺されるのではないかと脅えていた。恐怖で腰を抜かすこともあった。彼は青少年時代はギリシャ正教の神父を目指していたから神や天を畏怖する心が多少はあったのかもしれない。


一方で毛沢東は8000万~1億人を殺してまったく平然としていたし、気にも留めなかった。なぜなら彼自身が神だった、神を演じていたからだ。習近平はそれを一所懸命に真似ている。所詮はただのエピゴーネン、真似っ乞食。


そう言えば明国は秀吉による朝鮮出兵(文禄・慶長の役、1592〜98年)に反発して属国・朝鮮を支援した。小生は西欧によるキリスト教拡散=植民地化への秀吉の反発、警鐘だと朝鮮出兵を肯定的に理解しているが、それはさておき、明の国力は軍事費の負担のために衰え、明朝衰退の一因となったという。カネが無くなる=人心が離れる=敗戦が重なる、やがて国家は消滅する。


中共が一日永らえば世界の一日の不幸である。ソ連は冷戦で金庫が空っぽ、瓦解した。中共も西側が固く結束して包囲戦を続ければ自壊するのではないか。今は燃料不足、電気不足、そのうち食糧不足にドル不足・・・今冬は震えながら冬季五輪か。習近平が世界制覇の妄想的野望を捨てれば、そこそこ安定した国になるのに・・・雉も鳴かずば撃たれまい、自業自得、残念な生き物である。
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雀庵の「常在戦場/100 「孫文、魯迅、中共の大失敗」(上)

2021-10-24 07:17:57 | 日記
雀庵の「常在戦場/100 「孫文、魯迅、中共の大失敗」(上)
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/380(2021/10/24/日】孫文(孫中山)は「大清帝国を亡ぼし中華民国を起こした偉人」と小生は少年の頃から思っていた。


中2の1964年、東京五輪の頃に世界史の授業で学んだのかもしれない。五輪の最中に毛沢東が核実験をしたことを知らなかったのは、世界史の先生が日教組支持で内心は岩波社員の如く「やったーっ、万歳!」と思っていたのかもしれないが、これは他の教員や父兄から苦情が出るからなのか、教えてもらわなかった。五輪の熱狂の中で隠蔽された不都合な真実・・・


当時、孫文は亡くなってから半世紀たっていて「過去の歴史の偉人」として授業で触れてもいい、しかし毛沢東は評価が定まらない「今の人」だから授業では触れない、というルールがあったのだろう。今も昔も同じか?


歴史の授業は「今現在」から始めてはどうか。例えば中学の「日本近代史」なら明治維新→ 幕末→ 江戸幕府成立→ 戦国時代・・・と過去に遡った方が俄然興奮し興味津々、知的刺激になるのではないか。現在のように300万年前の間氷期から石器時代、縄文時代、弥生時代、倭国、大和国とかやっていたら「ハラハラドキドキ」の明治維新に到達する前に白髪三千丈、少年老い易く学成り難しになってしまいそう。


高校の授業なら「日本現代史」で2001年9.11テロ→ バブル経済→ GDP大国→ 60年安保→ 敗戦→ 大東亜戦争・・・とかに遡及する。愚息は大学生時代に「オヤジ、日本はアメリカと戦争していたんだって?!」と興奮していた、嗚呼。今の教育では話にならん、福田恒存曰く「教育の普及は浮薄の普及なり」、まったく嘆かわしいと小生は思うが、老いのタワゴトか。


それはそれとして、孫文(1866 - 1925)。気になる存在である。中共では国父のように崇敬されて、あちこちに「中山公園」があるが、実際に何をしたのか、小生はほとんど知らない。魯迅についても同様である。無知を自覚したら、それなりに納得できるまで調べたい、多動性老人は夢中になって1週間を過ごしてまとめたのが以下のレポートである。ご笑覧くだされ。・・・・・・・・・・・・・・・


10月10日は小生にとっては「1964年東京五輪の日」だが、支那では「中華民国」誕生を祝う「双十節」。「中華民国を成立させた辛亥革命(辛亥=しんがい、かのとい、干支の一つ、1911年を示す)の導火線としての武昌蜂起が起った宣統3 (1911) 年8月19日が太陽暦で10月10日にあたり、10が2つ重なるところから双十節と呼ばれる。中華民国では国祭日と定めたが、中華人民共和国では辛亥革命記念日と呼ばれている」(ブリタニカ)


満洲族による清朝統治から支那人による統治へ辛亥革命は「無血革命」のように移行したが、孫文は革命現場にはいなかった。痛恨のミス! 内戦必至とみて軍資金調達で外遊していたそうだが、清朝の想定外の「禅譲」で肩透かしを食ったようでパッとしない、どうも彼は運が悪い。日本大百科全書から(カッコ内は修一)。


<孫文は1911年10月に軍資金の募集でアメリカにいた。辛亥革命の勃発を知り、列強の援助を期待して(さらに)西欧を巡り(2か月後の12月25日に上海に)帰国。臨時大総統に推されて1912年1月1日、中華民国を発足させた>


遅れて来た青年・・・どころか当時の孫文は45歳の大人、「四十にして惑わず、不惑」を過ぎている。当時の日本では50歳で初老、隠居が一般的であったから、勢いとかオーラ、生臭さが薄らいで神輿に担ぐには丁度いい、象徴的な看板だったのではないか。


「中華民国を発足させた」とは言っても実態は清帝国から中華民国への政権移行期であり、行政機構の多くは清帝国のままだったろう。「ラストエンペラー」こと宣統帝=愛新覚羅溥儀の母である隆裕皇太后は溥儀に代わり、1912年2月12日、宣統帝の退位を決定し清王朝に幕を引く「詔勅」を発布した。溥儀の家庭教師、ジョンストンの訳(一部)から引用する。


<今や全国民が共和制政府に傾いている。南部と中部の諸州が、まずこの意向をはっきりと表明し、続いて北部諸州の軍部指導者も、同様の理想を支持すると約束した。人々の願望の本質を観察すれば「天命」が分かる。単に我ら自身の帝室の栄誉だけを思って、国民の欲求に逆らうことは当を得たことではない。


私は時代の兆候を知り、国民全体の意見の趨勢を吟味した。そこで私は皇帝の同意を得て、ここに主権を国民に賦与し、共和国の基礎の上に立憲政府を樹立することを宣言する。


私はこの決定を下すにあたり、政治的混乱の終息をひたすら待ち望む我が臣民に対し、慰めを与えたいと希望するのみならず、政治的主権が究極には人民にあることを教えた古の聖賢の訓言に従いたいという思いにも駆られるのである>


哀愁を帯びた名文だ。慶喜も戦線離脱、蟄居する前に一筆、書いておけば良かったのに・・・


詔勅にある「古の聖賢の訓言」とは、古くは孔子・儒教の「博(ひろ)く民に施して能(よ)く衆を済(すく)う」政治家は仁者どころか聖人だ、という教えや、1700年代後期の米国独立戦争やフランス革命で始まった「国民主権」の思想などだろう。日本が列強に危機感を持って明治維新で幕藩体制(封建時代)から西洋風の近代国民国家=資本主義経済へ舵を切ったように、列強に蚕食されるばかりの清帝国も近代化を進める必要を痛切に感じていたわけだ。


かくして孫文を頭に戴いて中華民国がスタートしたが、孫文ら中国国民党は議会選挙で過半数を得られず、また統治能力もないために、間もなく政権を袁世凱に渡した。


袁世凱は清朝の軍人政治家、ナポレオンのように混乱を終息させると期待されたのだろうが、逆に帝政を目指した。私利私欲で自由に生きるのが大好きな支那人をまとめて列強に抗する強国にするには、それしかないと思っていたのだろう。


<孫文は社会改革を志向したが、第二革命に敗れて日本に亡命。宋慶齢と再婚したのも、この間のことである(宋慶齢は米国留学中の資産家のご令嬢で、妹は蒋介石夫人の宋美齢)。第三革命で袁世凱が倒れたあとの軍閥混戦状態の下で三たび広州を中心に政権の樹立に努めた。


孫文は幾多の挫折を経て、軍閥の背後に帝国主義があり、人民と結合して反帝反軍閥の戦いを進めねばならないことを知り、ロシア革命に学んだ。1924年1月、中国国民党を改組して、中国共産党と提携(国共合作)し、労働者、農民の結集を図って国民革命を推進することとした>(日本大百科全書)


「軍閥」とは何か。WIKIなどではこう説明している。


<軍閥時代:1916~1928年にかけて中華民国が内戦状態となっていた時期を指す。袁世凱の死を契機に北京政府の統制が失われ、各地の軍閥が集合離散を繰り返す軍閥割拠の時代となった。


軍閥は、列強の後ろ盾を持ち、地主階級と結びつき、自勢力拡大を最優先する個人の首領に従う私兵集団であり、中央の統制を受けず、各地に自己の王国を形成していた。その後、蒋介石の北伐によって各軍閥が国民政府の統制下に入る形で一応は平定された。


清朝の正規軍は満洲族で構成された「八旗」と漢族で構成された「緑営」だったが、やがていずれも形骸化して役に立たなくなったので、反乱などが起こると義勇兵を募ったり(郷勇)、地方の有力者の私兵を動員したり(団練)して、臨時に軍隊を編成して対応するようになった。この臨時の軍隊がやがて常設されるようになり、さらに自立化して独立勢力のようになったのが軍閥である。


清朝の末期の軍隊はこの軍閥の寄り合い所帯のようで、兵隊は中央政府の命令よりも、直属の軍閥の長の命令に従った。


例えば、袁世凱(1859 - 1916年)は軍閥の長で清王朝の将軍でもあったが、義和団の乱(北清事件、1900年)の時には動かずに自己の勢力の保全に勤め、辛亥革命では革命側に付いて清朝を崩壊させた。革命後に孫文が亡命すると袁は中華民国の大統領に就任、圧倒的な勢力になり、他の軍閥も大人しく従っていたが、袁が急病死して政権が混乱すると従わなくなり、中国は軍閥の群雄割拠状態になっていく>


まったく支那の近現代史は波乱万丈、今でも軍閥・派閥が覇権争いをしている。永久革命的戦国時代、つける薬なしか? せめてドンパチは支那大陸内でやってくれ。


作家であり革命を求めていた魯迅(1881 - 1936年、「狂人日記」「阿Q正伝」で有名)は辛亥革命最中の1911~12年に小説「懐旧」を書いている。小生は「懐旧」は未読だが内容は「多くの人民は奴隷であるがために愚かになった、いつわりの伝統で(歴史や現状、自己を)欺き、革命家を理解せず、また援けもしない、人民の事業のために死んでいった人びとはあいかわらず人民からは遠い」(ロシアの魯迅研究家・翻訳者のバズネーエワ女史)というもので、魯迅のマルクス共産主義あるいは赤い自由主義への傾倒を示しているようだ。


1848年にマルクスとエンゲルスによる「共産党宣言」が発行され、その共産主義思想が1905年と17年のロシア革命で世界に拡散していった。当時の日本でも自由民権とか大正デモクラシーとして同様な主張が盛んになっていった。


正義感に溢れ、かつ理想的、科学的な革命思想に見え、世事に疎いインテリ、特に若者は“新思潮”に引き付けられたのだ。「流行り病 昔マルクス 今コロナ」。昨今の米国では時代錯誤のようなマルクス病感染者が増えているが、自覚がないからどうなるものやら・・・それはさておき、


そのマルクスボーイのリーダー格的な魯迅は1912年に孫文の口利きなのか中華民国の教育部(教育宣伝部門?)に招かれ、軍閥混戦状態の中にあっても1926年まで役人生活を送りながら革命を煽る主要な作品を発表していく。そこに北京で行われた民衆の請願デモに対して段祺瑞(北洋軍閥の親日派、北京政府のトップ)の衛兵が発砲して多数の死傷者を出した「3.18事件」が起きた。


<1926年3月18日に学生、市民など約5000人が北京の天安門前で国民大会を開き、列国の最後通牒に反対し「帝国主義打倒」「段祺瑞打倒」「8ヵ国公使を追放せよ」などのスローガンを掲げてデモを行い、執政府に陳情しようとして国務院に到着したが、軍警に阻止され、段祺瑞の命令で軍警が民衆に発砲、約50人の死者と多数の負傷者が出た。


魯迅は政府を激しく批判した。これに対し軍閥政府は魯迅を含め50数名を指名手配、彼は、日本人やドイツ人が経営する病院に潜伏を余儀なくされた。避難生活は5月には終わるが、その年8月北京を離れ、福建省にある厦門大学の中国文学の教授として迎えられた。翌1927年1月に広州に移り、中山大学文学系の主任兼教務主任の職に就いたが、4月に国民党による反共クーデターが起こり、嫌疑を受けて監視され、中山大学の職を辞した。


10月に上海に脱出し、以来、1936年に55歳で没するまで許広平夫人と上海で暮らした>(コトバンク、WIKIなど)


1925年、59歳で没した孫文、11年後に追った魯迅・・・辛亥革命以降、中国革命に殉じた、あるいは殺された人々は、中共帝国建国後の8000万~1億人を含めると数億になるだろう。孫文や魯迅などは今の習近平・中共を見て、あの世でどう思っているのか、霊能者とか恐山のイタコに聞きたいものだ。(つづく)
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