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雀庵の「大戦序章/19)プーチン排除の自由民主革命を」

2022-03-31 05:14:11 | 日記
雀庵の「大戦序章/19)プーチン排除の自由民主革命を」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/452 2022/3/31/木】戦後生まれの小生が知った生の戦争は「ベトナム戦争」だった。中学生の1965年頃だったが、NHKの「特派員報告」の影響を受けて「大人になったら特派員になりたい」と思ったものである。「サイゴンから修一がお伝えしました」なんてカッコイイナー、男の仕事だなあ、と憧れたことを覚えている。


ベトナム戦争は日米欧の多くの若者が米国を侵略者として反米運動を進め、同時に米国を支援する自国の政府を叩く運動になり、実際には「新左翼=ニューレフトという過激派の共産主義革命運動」になってしまった。純粋無垢な“無知の涙”、小生もその一人で、お縄を頂戴したが、10年裁判はきつかったなあ、自業自得だけれど。


1975年4月のサイゴン陥落まで「北ベトナムはイイモン、南ベトナム政府と米国はワルモン」というのが多くの若者、マスコミ、学識者の共通の判断だった。ところが北ベトナムが勝利、進攻、進駐してから、そういう判断が揺らいだ。


「ベトナム戦争終結の1975年の4月30日、2台のソ連製843号戦車がフェンスを破って南ベトナムの大統領官邸に押し入り占拠した。それが事実上の戦争終焉のサインになった。843型に乗っていた隊長が官邸の屋上に登り、北ベトナム国旗を立てた」(ベトナム軍事歴史博物館案内)。南ベトナムの人々、特に華人は粗末な筏まで使って他国へ逃げ出した。


<インドシナ3国からの難民の総数は約144万人に達し、その内約130万人がアジア地域の難民キャンプを経て米豪加仏、日本など第三国に移住した。ベトナム脱出の手段としてボートを用いた人々を特にボート・ピープルと呼んだ>(WIKI)


ベトナム統一後の1977年1月に南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)は政府から「歴史的役割を輝かしく完遂した」とされ、事実上厄介払いされた。ベトコンの多くは戦後復興にあたって“勝者”として腕を振るえると思っていたから、北ベトナムに弊履の如く捨てられたのは裏切られた思いだったという。共産主義者を信じたのが間違いだったのだ。


さて「大戦序章/17)勝つために戦争のイロハを学ぶ」3/27の続き。


前回は<森鴎外が陸軍省の派遣留学生としてドイツに滞在したのはドイツの軍事学、欧米先進国の軍事事情を学ぶためだった。明治初期以来の「富国強兵」において鴎外が持ち帰っただろうクラウゼヴィッツの「戦争論」や「近代ドイツ陸軍の父」と呼ばれる参謀総長・元帥モルトケの戦略・戦術は日本陸軍に多大な影響を与えたと言える>と書いた。今回はこのヘルムート・フォン・モルトケに焦点を当てる。


<モルトケ(1800年10月26日 - 1891年4月24日) は、プロイセン及びドイツの貴族、軍人、政治家、軍事学者。1858年から1888年にかけてプロイセン参謀総長を務め、(バラバラだった)ドイツ(民族)統一に貢献した。1858年から1888年にかけてプロイセン参謀総長を務め、対デンマーク戦争・普墺戦争・普仏戦争を勝利に導き、ドイツ統一に貢献した。近代ドイツ陸軍の父と呼ばれる。


1823年10月にベルリンのプロイセン陸軍大学に入学した。当時の陸軍大学校長は『戦争論』の著者として知られるカール・フォン・クラウゼヴィッツ少将であったが、クラウゼヴィッツから直接に教えを受ける機会はなかった。


モルトケには「戦争に時代や状況を飛び越えた一般原則は存在しない」「戦史から勝利の公式を見つけることはできない」という持論があった。そのためモルトケはこれまでの軍事の常識を簡単に捨て去ることができた。


明治日本は、1884年にお雇い外国人として来日したモルトケの弟子クレメンス・メッケル少佐の協力を得て、ドイツ式軍制を導入する改革を断行した。またメッケルの教鞭によって陸軍大学にドイツ型参謀教育が確立されていった。ドイツ式軍制に生まれ変わった日本軍は日清戦争と日露戦争に勝利して成果を示した>(WIKI)


モルトケ流メッケルはチョンマゲを切り落としたばかりの初心な日本に何を教えたのか。サイト「軍事学を学ぶ」にはこうある。


<軍事学におけるモルトケの功績は、クラウゼヴィッツの研究で得られた知見をさらに発展させ、「実際の作戦行動に応用する方法を示した」ことだといわれている。モルトケを評して「クラウゼヴィッツが唱えた戦争の殲滅の原理を基礎に置き、決戦によって敵を捕捉撃滅することの戦略的な重要性を主張、実践の領域に適用し新しい作戦指導を可能にした」という評価もある。


モルトケの思想の特徴の一つは、要塞を連ねての防衛線保持よりも、「野戦軍の運用を工夫し、分進合撃などの機動で敵を圧倒することが重要」と考えた。また「実践的な戦略思想」の在り方を示し、「各級指揮官が主体的、主動的に戦闘を指揮することができる」ように、訓令戦術を導入したことでも評価されており、これは「刻々と変化する戦闘の状況に組織が柔軟に対応する上で大きな効果を発揮」した>


石原莞爾は「最終戦争論」でモルトケを高く評価しており、「戦争史大観」(1941年)にある「最終戦争論」もその影響を受けているとか。


いずれにしても石ころと火炎瓶、ゲバ棒をもっての突撃しか知らないドシロウトの小生には難しくてチンプンカンプンだ。「プーチン・カンプンを痛めつける方法はないものか」と探したら鈴木衛士・元航空自衛隊情報幹部の「プーチンの大量破壊兵器投入、国際社会がエスカレーションを止める3つのポイント」(サキシル2022/3/28)があった。キモは――


<【ロシアのエスカレーションを阻止するには】結論を言えば、プーチン大統領に、「ABC兵器を使用しても目的は果たせそうにない。ここは交渉によって一旦停戦を成立させ、長期において目的を果たせればよい」と判断させることだ。


このために必要なことは、暴力団への対応と同様に、1)相手の脅しに決して屈しないこと、2)力による対応では目的を果たせないと悟らせること、3)必要以上に追い詰めない(逃げ道を作為する)こと、である。


具体的にいえば、1)については、センセーショナルに報じられている第3次世界大戦や核戦争という事態に、いたずらに脅えないことである。交渉を長引かせて次の手を考えているプーチンは、決して狂ってなどいない。冷静な判断ができると考えられる。したがって、米軍を始めとするNATO軍は、レッドラインを明確にし、「一線を越えれば座視しない。被害がウクライナ周辺国にも及ぶようなABC兵器を使用すれば、必ず軍事的対応をする」と明言してその準備を進めるべきであろう。


現時点でウクライナに侵攻しているロシア軍にNATO軍が攻勢をかければ、ロシア軍はとても耐えられないだろう。それはロシア側も十分認識していることは間違いない。今、このタイミングで米国などがロシアに対して一定の軍事的圧力をかける行動こそが、交渉を加速させることに繋がると筆者は考えている。


2)については、前述の行動をとった場合、プーチンは「米軍などがウクライナのロシア軍に攻撃を仕掛けた場合、戦略核兵器の使用もあり得る」と脅してくるだろう。その際は、バイデン米国が「一発でも戦略核兵器を使用すれば、その日のうちにロシアという国は消えてなくなるだろう」と、トランプが北朝鮮に対して言い放ったように、掛け合いで負けないことだ。


3)については、前述の1)2)の手段と並行して、第3国を交えた外交手段を駆使し、プーチンがどの線まで譲歩できるのかを探り、ウクライナを支援することによって早期に停戦の実現を目指すことこそが、最終的に現状を打開する糸口につながるということは言うまでもないだろう。


停戦交渉が成立しても、その際の条件をロシアがその後守るかどうかは疑わしいが、いったん戦闘停止命令が出れば、ロシア軍の士気は一気に緩み、将兵の戦意は失われるであろう。


そして、時間が経つにつれ、今回の戦争の悲惨さとその結果による負の遺産の余りの大きさにロシアの大多数の国民が気付いた時、プーチンの時代が終わるのではないだろうか>


「いったん戦闘停止命令が出れば、ロシア軍の士気は一気に緩み、将兵の戦意は失われる、プーチンの時代が終わる」・・・そうなることを祈るが、西側諸国による強烈な包囲網が10年も続くとロシアとその仲間(中共、北、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、アブハジア、南オセチア、シリア、ブラジル、キューバ、アルゼンチン、そしてインド?)では経済低迷を余儀なくされる、これは確かだ。


大国の中共とその敵である大国のインドは、ロシアとは持ちつ持たれつの怪しい関係にあるが、それ以外の国は経済力から見てもとてもロシアの助っ人にはなりそうもない。このままではロシア国民は日用品の物不足、さらに食糧難で飢え、以前のように店には長い行列ができ、やがてオウツカがなくなれば男は確実に暴動を起こすだろう。


ウクライナの北にあるベラルーシは、プーチンの犬のような大統領ルカシェンコがロシア支持を掲げているが、ベラルーシの野党からは「ロシアの野蛮な行為に協力するルカシェンコ政権への制裁」を世界に求める声もあがっているという(六辻彰二・国際政治学者「ベラルーシはなぜロシアに協力的?」2020/3/3)。


「英チャタムハウスが不自由な中でも時々、ベラルーシで世論調査らしきものをやってくれているのは助かる」と言うロシア・ウオッチャーの「服部倫卓ブログ」2020/3/30によれば――


<ロシアによるウクライナ侵略を受け、チャタムハウスは3月5~14日にベラルーシ国民896人を対象に本件に関する意識調査を行った。「ロシアの行動を支持するが、ベラルーシ自身は紛争には関与しない:28%」「完全な中立を表明し、外国の軍隊はすべてベラルーシから撤収させる:25%」「ロシアの行動を非難するが、ベラルーシ自身は紛争には関与しない:15%」「ウクライナを支持するが、ベラルーシ自身は紛争には関与しない:4%」「ロシア側に付いて紛争に関与する:3%」だった>


盟友のはずのベラルーシ国民でさえもプーチンを見放しているということだ。発狂帝暴君プーチン一派を排除する「自由民主革命」という体制変換をしなければロシアの明日はないだろう。強権独裁を排除し、家族と同胞により良きロシアを手渡す・・・己の命より大事な大義のために今こそロシア人は立ち上がるべきだ。世界は必ず支援するだろう。
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雀庵の「大戦序章/18)露中北は無策の日本を狙っている」

2022-03-29 10:02:15 | 日記
雀庵の「大戦序章/18)露中北は無策の日本を狙っている」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/451 2022/3/29/火】「女への不信感がある」と言えば女からも男からも叩かれるから言わないようにしてきたが、尊敬する川口 マーン 惠美氏の論稿を読んでショックを受けた。「インテリでも女は女、感情と勘定で動くか・・・これが女の正義なのか」と。現代ビジネス2022/3/25「ゼレンスキーは『英雄』か? ウクライナに武器と金を送ることは本当に『正義』なのか?」から。


<【オンラインスピーチに感じる違和感】ウクライナのゼレンスキー大統領が、世界各国であたかも英雄のように奉られている。2月19日、ロシアの大軍がウクライナ国境に張り付き、緊張が高まっていた最中、突然、ミュンヘンの安全保障会議に現れてスピーチをしたのには大いに違和感を持ったが、今では立て続けにオンラインスピーチが続く。


ウクライナから流されてくるのは、ロシア軍が攻めてきたとき抵抗するために、市民がビールの空き瓶でせっせと火炎瓶を作ったり、若い女性が機関銃の操作を教わったりしている映像だ。そして、そんな市民に向かってゼレンスキー氏は、祖国防衛だ、武器を持って戦え! と発破をかける。これではまるで玉砕の勧めだ。


しかも彼は、ウクライナは世界の民主主義の防衛のために戦っているのだからと、世界中に向かって、自分達を助けろ、武器をくれと、せっせと呼びかける。援助を受けることが、まるで彼らの当然の権利であるかのように。


【武器や資金を拠出することの意味】戦争は目下進行中であり、状況は単純ではない。もちろん他国に攻め込んだロシアに弁解の余地はなく、これを許してはいけないことは当然だが、しかし、戦争の意味を判定するのはのちの歴史であり、国会議員でもNATOでもない。


いや、戦争の歴史は概ね勝者が作るものなので、いくら時間が経っても、本当はどちらが正義であったかがわからないことがほとんどだ。それなのに、今、戦争当事者の一方を善と決めつけて、援助一本槍でいこうとしている欧米、および日本の態度には大きな落ち度があるのではないか。


そもそも、民間人でも武装したからには、敵にやられても文句は言えない。だから、現在のキエフのように、大統領が民間人に武器を配って市街戦や籠城をさせるなら、政府が彼らの死や苦しみに責任を持たなければならない。少なくともこの点においては、すべての犠牲をロシア軍のせいにはできないはずだ。


そもそもゼレンスキー氏は、いったい何人までなら、民間人を犠牲にしても良いと思っているのだろう。また、民間人を犠牲にした責任を取る覚悟があるのか? 私にはどうしても、氏は誰かの指令のままに動いており、脚本通りの勇猛な大統領を演じているだけのような気がしてならない。ルックスもどんどん野生的になって、闘士の役にすっぽりハマっていく。


一方、ゼレンスキー大統領に援助を呼びかけられた方はどうしたか? 拍手だけは惜しまない欧米だが、NATOごと戦争に巻き込まれるのは困るので、盛んに武器と財政支援を行い、しかも、それをすることが正義のような顔をしている。日本はいつも通り追随。武器は送らないが、資金や備品の援助をしている。


しかし、ウクライナに対して武器や資金を拠出するというのは、「ウクライナ国民よ、ゼレンスキー大統領と共に頑張って戦え!」と言っているに等しい。武器を送り、資金援助をすれば、当然、戦争は長引き、ウクライナ、ロシア双方で犠牲者が増える。いわば、そのための武器、そのための資金だ。


つまり、私たちの税金で不毛な戦争が引き延ばされ、より多くの罪もない人間が命を失うことになる。私たちはそれを良しとするのだろうか。


【こうなる前に出来ることはなかったのか】本来ならば、どの国の政治家であろうとも、まずは殺し合いをやめるよう、戦闘モチベーションの高すぎる大統領を説得するのが筋ではないか。それなのに、皆で拍手。これ以上、犠牲者を増やし、武器商人を儲けさせてどうする!?


しかも、あれほど戦争反対だったドイツメディアが、キエフの街で「私は逃げない。最後までここに止まって戦う」と言っている若い女性のことを、ものすごく肯定的に報道しているという不思議。それだけではない。平和主義のドイツ国民が、武器援助にさして反対もしない。


戦後のドイツでは、ヒトラーのトラウマのせいで、少しでも軍国主義を連想させるものは全てご法度だった。勇敢に戦うことも、国のために命を捧げることも、この国では美徳ではない。


お国のために壮絶な戦死を遂げた人間が英雄扱いされた時代は、とっくに終わっていたはずなのに、今、皆がウクライナのジャンヌ・ダルクに魅入っているのは、いったいどういうことだろう。いつからそれが美談になったのか?・・・


日本は今後、さらにロシア制裁を強め、全面的にウクライナを支援するそうだが、肝心の日本の国益はどうなっているのか? ウクライナは親中の国だし、ウクライナの政治家たちは天使ではない。もっと冷静になるべきだ。・・・


今のウクライナで、何千、何万もの無辜の人々を離散させ、苦しめ、命を賭してまで守らなければならないものとは何だろう。世界中で、これだけ多くの目がウクライナを見守っているのだ。こんな悲惨ことにならない前にロシアの侵攻を防ぐ方法、あるいは、降伏などせずとも早々と停戦に持ち込む方法はあっただろう。


しかし、ゼレンスキー大統領はそれにはあまり興味を示さず、外に向かってはもっぱら援助集めのスピーチで、内に向かっては「祖国を守れ」。私はゼレンスキー大統領に聞いてみたい。あなたの国の国民は、本当にあなたと共に最後まで闘おうと思っているのですか?と。


いつものことながら、欧米の国々はこの危機を自分たちの利益に結びつける方法を冷静に考えているはずだ。その中で日本だけが、単純にウクライナに同情し、支援の大盤振る舞いで自己満足するということにならないよう心してほしい。


政治家の役目とは、国民の命と国土を守ることだ。ウクライナにも、ロシアにも、そして、もちろん日本にも、それ以上に大切なものはあり得ないと、私は思っている>


長いのでカットしたが、川口氏はこう言っているわけだ。


「ゼレンスキーは英雄ではない」「祖国防衛、武器を持って戦え!は玉砕の勧め」「民間人でも武装したからには、敵にやられても文句は言えない」「すべての犠牲をロシア軍のせいにはできない」「ゼレンスキーは民間人を犠牲にした責任を取る覚悟があるのか」「氏は誰かの指令のままに動いており、脚本通りの勇猛な大統領を演じているだけのよう」


「私たちの税金で不毛な戦争が引き延ばされ、より多くの罪もない人間が命を失う」「戦闘モチベーションの高すぎる大統領を説得するのが筋だ」「お国のために壮絶な戦死を遂げた人間が英雄扱いされた時代は、とっくに終わっている」「攻め込んだロシアは悪い」「戦争の意味を判定するのはのちの歴史」「一方を善と決めつけのは大きな落ち度」・・・云々。


強盗やゴロツキに襲われて危険を感じたら「女子供を守るために戦うのは当たり前だ」と男は思う。しかし川口氏は「戦うのではなくて抵抗しないで欲しいものをくれてやればいい」と思っているどころか心の底から信じているわけだ。宗教? キリスト教? 


小生はお釈迦さまを尊敬するが、「親や子が殺されても報復するな」と説いており、これだけは理解に苦しんだ。最近ようやく「報復すると、報復の連鎖になるから、そうならないように耐えなさい」ということだと気づいた。が、納得したわけではない。報復がないとなればワルは「奴らは根性なしのヘタレだ、殺すぞと脅せばカネはもちろん女房子供でも差し出す、俺の天下だ!」となる。ゴロツキと独裁者はまったく似たり寄ったりだ。


キリスト教も「報復の連鎖を断つ」という傾向があるが、南米を襲った白人キリスト教徒は先住民を人間と思っていないから男を殺しまくった、あるいは追放したり奴隷にした。先住民の女は犯されたが、その代わりに食糧を提供され、さらに生まれた赤ん坊はハーフでなかなか美しい。こうなると女は白人こそ理想の男だと積極的に迎合するようになり、やがて先住民の男を「まるでサルみたい」と嫌い、遠ざけるようになった。かくして先住民の純粋種は瞬く間に消滅したと同時代人のモンテーニュらは書いている。


我にも正義、彼にも正義、この世は正義と正義のぶつかり合い。歴史は勝者が創る。女は子を産み育てるのが天命、男は食糧を得たり敵から女子供、仲間を守るのが天命である。これが初期設定だ。


動物の女=雌は強い男=雄に寄り添う。ニホンザルは群を作るが、厳しい序列がある。「若いオスは群れの中での順位が上がると次第にリーダー的な行動を取るようになり、サブリーダー(ボス見習い)となるが、ボスとなって群れの中央に入るにはメスグループの了承を必要とする。メスは終世、群れの中央にいる」(WIKI)。オスが立候補してもメスの賛成票がないと当選しない!


女にとっては強くていいタネであれば白だろたアカだろうが黄色だろうが黒だろうがノープロブレム! 縄張り争いで一帯を焦土にするなんて私たち女の迷惑、子供が可哀想。戦争するくらいなら縄張りを譲った方がまだマシだ。強い相手とガチンコで戦い、たとえ勝ったところで焦土だらけ、領土が広がるわけでもないし、賠償金もありゃしない。国土がボロボロになり、血と涙が流れ、飢餓と悲しみ、悔恨の明日・・・戦争はダメ、絶対!


女の思考、眼鏡、価値観で見れば「強者から売られた喧嘩を買うのは下策」。一方で男はこう思う、「ここで尻尾を巻いたら国家も民族も終わりだ。たとえ死屍累々、廃墟と化しても、命懸けで祖国防衛の戦いに立ち上がったという民族の歴史は残る。いつしか再起三起の機会は来るだろう。魂は売らない! 撃ちてし止まん!」


男と女の人生観、価値観は違う。我が母は「綺麗なべべ着て旨いものを食って面白おかしく暮らす」を良しとした人生だった。職業軍人を目指した父は敗戦で夢破れ、第2の人生で商売を成功させることにより鬱屈を晴らしていたように見えたが、“露助”“アメ公”を生涯嫌っていた。


男と女の生き方はそれぞれだが、違うからいいのかも知れない。互いに「理解できない」から加齢とともに「干渉しない」ようになる。だから40年50年を一緒に暮らせるのではないか。小生の経験でもそうだ。


川口氏は「欧州を覆う熱戦前夜」の不安、危機感から「安定を良しとする」女の感性、本能が甦ったのだろう。何となくパニックのようだが、しばらくすれば落ち着きそうだ。論客は理性をもってドーンと構えていて下さい。


男はその同じ不安、危機感を「大変革のチャンス、好機到来」と見て勇武の心、血が騒ぐのかも知れない。プーチンが開けたパンドラの箱から、もしかしたら「希望」が出てくるかも・・・男はそう考える傾向があるようで、西側諸国のリーダーはなにやら急に元気になって来た印象がある。


ロシアと中共に必要なのは「自由民主人権法治」ワクチンだ。重度の共産主義独裁病でも、最初は副作用に悩まされるものの、10年、20年で健康というか、まあ落ち着いて来る。「世界制覇したい、そうしないと亡国だ」という妄想はなくなり、軍事費を減らして民生に回せるから不満分子はずいぶん減る。「自由民主人権法治」は選挙による民意で政策が規制される「ろくでもない制度」だが、今のところは一番マシな制度と言われている。慣れれば諦観?というか安定もある。


ロシア、中共、北がそれを受け入れるには何十年もの歳月が必要だろう。この三悪のターゲットになっている日本が最優先ですべきは核兵器の開発配備である。社会心理学者エーリッヒ・フロム曰く――


<破滅の危険に絶えず脅かされていると、大抵の人間は「恐怖、敵意、冷淡、その結果として生ずる大切な価値観への無関心」などの心理的症状を呈するようになる。このような条件は、我々を野蛮人に変えてしまう。それは複雑な装備を持った野蛮人である。


戦争と平和と国際紛争の問題は、一挙にこれを解決する方法がない。軍縮の段階や、あるいは完全軍縮がなされても、世界の平和のためには恒久的な警戒と決意が必要である>(高坂正堯著「国際政治 恐怖と希望」から)


備えなければ亡国である。危機感がない国民は危機感がない政治家しか選べない。ウクライナは核兵器を放棄したからプーチン・ロシアに襲われた。痛恨のミスだ。ウクライナは明日の日本である。無為無策ならロシア、中共、北は日本の領土領海を明日にでも侵攻し、三分割するだろう。
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雀庵の「大戦序章/17)勝つために戦争のイロハを学ぶ」

2022-03-27 09:54:33 | 日記
雀庵の「大戦序章/17)勝つために戦争のイロハを学ぶ」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/450 2022/3/27/日】若い時と言っても40歳辺りの頃だが、28歳ほどの“友達以上、恋人未満”の女友達、あだ名は「フェロモン」から誘われて代々木のプール、正式には「国立代々木競技場 室内水泳場インドア50プール」に行ったことがある。


もちろんスケベ心があったのだが、彼女の水着姿を見てびっくりした。すごいガタイ、肩から二の腕が逆三角形なのだ。「そうだ、フェロモンは水泳選手だったのだ」と思い出した。もちろんスケベ心は萎えてしまった。


一往復半、150mだけで小生はダウンしたが、何往復もして上がって来たフェロモン曰く「ああ、気持ち良かった、久し振りのスイマーズ・ハイだわ」。帰りに原宿で飲んだが、小生は慣れない水泳で消耗し、かつリビドーも失せてしまったのでジョッキ一杯しか飲めなかった。「うーん、女は細雪、神戸弁に限るなあ」なんて思ったものだ。


その後、フェロモンは結婚したが、旦那は社会人ラグビーの選手だった。「まったく天の配剤、夜は格闘技だな」と男どもは悔しがっていた。フェロモンの新居は白金で、「あーん、私はシロガネーゼになっちゃいました」なんて喜んでいた。


「運」というものがあるのかどうか分からないが、「運が良い人、悪い人」はいる。大体、子供は親を選べない。人間とか世の中は本人の意志や努力ではどうにもならない面はある。理不尽だが、「置かれた場所で精いっぱい生きる」しかない。宗教は癒し、救いだろう。


古人曰く「天災は忘れた頃にやってくる」、天災か人災かはともかく、戦争は災難の最たるものだ。しかし「歴史、時代は戦争が創る」と言ってもいい。弱肉強食、勝者がいい思いをし、敗者はそれに阿るか、再起を期すか、消えるか。♪死んだはずだよソ連さん、生きていたとはお釈迦さまでも知らぬ仏のソ連さん、プーチン・ロシアはどこへ行く。


プーチンは「このままだとウクライナは西側陣営になってしまう、そうなればロシアは緩衝地帯を失い、西側の圧迫を直接受けることになる、国防の危機だ、それは絶対許さない」とウクライナに侵攻したのだろう。西側陣営との直接接触が嫌なら、自国の領土に立入禁止区域を造ればいい。世界最大の国土を持っているのだから自国内に国境フェンスを造り、幅10キロの地雷ベルトにでもすれば防げるだろう。ベルリンの壁のようなロシア・ウクライナの壁。実際、不法移民対策で米国も欧州も国境フェンスを造っている。自国内に造るのなら国際社会から文句を言われる筋合いはない。


結局、プーチンは戦争したいのだ。勝って箔をつけたい、世界を睥睨、君臨するプーチン帝国の絶対君主、唯一神になりたい・・・まるでヒトラー・ナチスの狂気そっくり。我らは如何にせん。世界は「プーチン・ロシアを封じ込めるべし」と覚悟を決めたようである。


小生はこのところ「戦略論」に大いに関心を寄せている。野中郁次郎編著「戦略論の名著 孫子、マキアヴェリから現代まで」を読み始めた影響だ。宣伝文に曰く「戦略とは何か。勝ち抜き生き残るために、いかなる戦略をとるべきなのか――。古今東西の戦略思想家たちの叡智が結集された戦略論の中から、『失敗の本質』で知られる編著者が現代人必読の12冊を厳選。孫子、マキアヴェリ、クラウゼヴィッツの三大古典から20世紀の石原莞爾、リデルハート、クレフェルト、そして21世紀の最新理論まで網羅し、第一線の研究者が詳細に解説する決定版」。


「現代人必読の決定版!」、これを読めば必勝!とはならないが、難しくて小生のオツムではなかなか理解できないので、ネットで勉強しながら咀嚼している。前回は孫子、今回はクラウゼヴィッツに挑戦してみる。


「日本クラウゼヴィッツ学会」というのがあり、クラウゼヴィッツの著作「戦争論」などを中心に「戦争学」を研究しているようだ。WIKIによると「戦争論」が日本に初めて伝えられた時期については諸説あり、幕末の頃に江戸城の御蔵書のなかに含まれていたという説、蘭語訳されたものを西周が持ち帰ったという説、長崎の出島を通じて入手した説などがあるようだ。


<しかし「戦争論」が戦争哲学を学ぶ書であると軍人達の間で理解されるようになったのは、森林太郎(森鴎外)によってである。森が留学中に仲間と輪読していたことからもあわせてみても「戦争論」の紹介者としての森の地位は揺るがない。また軍内で戦争理論の徹底を図り軍人勅諭の作成等一定の成果をあげた田村怡与造も見逃せない。


その後、多くの翻訳が出されており、馬込健之助(淡徳三郎)、篠田英雄、清水多吉、日本クラウゼヴィッツ学会訳などが出版されたが、現在、邦訳で入手可能なものでは、清水多吉訳、日本クラウゼヴィッツ学会訳版が、最も原本に忠実なものとなっている>


日本クラウゼヴィッツ学会は小生が「地政学」の初心者向けイロハを学んだ奥山真司先生(地政学者、戦略学者)が副会長代理を務めている。時々読んでいるルトワックの「戦争にチャンスを与えよ」は奥山先生の訳だ。産経が月1回、ルトワックの論稿を掲載しているが、日本にルトワックを広めるに奥山先生は大いに貢献した。これからも期待したい論客だ。


前書きが長くなった。「戦争論」もインテリでないと分かりにくいので、鈴木博毅氏(ビジネス戦略コンサルタント・MPS Consulting代表)の「3分でわかるクラウゼヴィッツの『戦争論』 相手の強みを真似て無力化する『逆転優位戦略』」ダイヤモンドオンライン2014.9.4から引用する。


<【占領下で虎視眈々と練られた軍事改革】ナポレオン・ボナパルト(仏皇帝)は1812年に60万の軍勢でロシア遠征を行い、壊滅的な敗北を喫します。フランスに占領されていたプロイセン(現ドイツの一部)は、好機と考え打倒ナポレオンを掲げ、宣戦布告。しかし、あえなく撃退されたため、各国を誘い第6次対仏大同盟を結成します。


オーストリア帝国軍、ロシア帝国軍などがフランスへの攻撃に参加、プロイセン軍はナポレオン指揮下のフランス軍を撃退、祖国を取り戻すことに成功します。翌1814年に同盟軍はフランス領内に侵攻、3月にプロイセン軍がパリへ入城し、皇帝ナポレオンは退位してエルバ島に流刑となります。


“ナポレオンの戦争”は、オーストリア帝国やイギリスとの確執、ロシア大遠征が歴史上知られていますが、直接的な退位の引き金はプロイセン軍の侵攻でした(プロイセン王国は現在のドイツ北部に相当)。


プロイセン王国は1701年から1918年に存在した国家です。兵隊王と呼ばれたヴィルヘルム一世以降、欧州の名門軍事国として栄えますが、1806年にナポレオン率いるフランス軍に敗れ、国土の半分を失います。


存亡の危機を迎えたプロイセン王国は、フランス人の支配によって愛国心が強く芽生え、占領下で秘かに軍制改革に励みます。祖国復活を目指して必死に研究を重ねたプロイセン軍人の一人が、のちに名著『戦争論』を書いたクラウゼヴィッツだったのです。       


【4人の捕虜士官が仕掛けた逆襲劇】意外かもしれませんが、対ナポレオン戦争の最終勝利に大きく寄与したのは、『戦争論』の著者クラウゼヴィッツよりも、その師であるシャルンホルストなどの上官たちでした。


1806年にフランスに敗戦、ブリュッヘル、シャルンホルスト、グナイゼナウ、クラウゼヴィッツという4人のプロイセン軍人が9ヵ月ほどフランス軍の捕虜になっています。4人は、のちに人質交換で解放されますが、プロイセン王国の再建に燃え、フランス軍とナポレオンの強さの秘密を解明し、乗り越えることを狙います。彼らは一体、どんな対策を進めたのでしょうか。


【フランス軍の強さの秘密を解明せよ!】クラウゼヴィッツは「王族による戦争は、傭兵を使う半ば八百長試合だったが、ナポレオンはフランスのために命をかける兵士を育て、敵を殲滅するまで戦う戦争に変えた」と語りました。


国民徴兵制度による膨大な兵数と、フランスの自由を守るため、自ら勇敢に戦うフランス国民軍、大部隊を効果的に戦闘に参加させる軍団制度とナポレオンの軍事的天才。欧州大陸最強のフランス軍に勝つためには、相手の強みを無力化する、あるいは凌駕しなければなりません。


しかしプロイセン王国は、フランスを除く他の国と同様に傭兵が主力であり、身分制度の壁で平民は将校になれず、肩書で出世が決まり、国王の軍隊ゆえに、フランスのように市民革命を起こすこともできません。そのため、次のような対策が実行されました。


【プロイセンの対フランス作戦】(1)義務兵役制の採用(国民軍創設のため)、(2)師団制を取り入れた、(3)優れた参謀将校を育成する教育機関の充実、(4)門戸を広げ、平民からも優れた人物を将校に登用、(5)政治行政改革・教育改革、(6)社会制度改革(農奴解放)、(7)祖国愛の醸成(ナショナリズムの鼓舞)


プロイセン軍の改革は、フランス軍の強みと極めて似ています。彼らはナポレオンの強さの秘密を正確に分析して、組織として徹底導入したのです。ちなみに、(5)(6)(7)は軍制ではなく社会制度の改革です。フランス兵と同じように、プロイセン人の被占領状態を打ち破るべく、祖国愛を醸成するためだったのでしょう。


【規模を拡大したプロイセンが逆転できた二つの戦略】王国ながら社会制度の改革を進めたプロイセンでは、愛国者の国民軍を創設する準備が整い、師団制度の導入で勇猛果敢に戦う大軍というナポレオンのフランス軍と同じ条件を手に入れます(一方のフランスは相次ぐ戦争で、国民全体が疲弊していた)。


士官教育制度を充実させ、平民からも優れた人材を広く集めて登用し、軍中央の作戦指揮と、現地師団の連携が迅速になりました。フランス軍の強さがナポレオンの軍事的天才にあったならば、プロイセンは同じことを、軍全体で実行できる組織に仕上げたのです。彼らは、ナポレオンの優れた機動力を封じるため、次の二つの戦略を徹底します。


(1)各個撃破させない大軍による包囲布陣:戦場で的確な判断を下すナポレオンは、各国の軍隊が主戦場で合流する前に素早く行軍し、各個撃破によって多くの敵を、より少ない自軍で打ち破っています。1813年の会戦では、プロイセン軍は各個撃破されないように、北・東・南の三方面から同盟国と共に侵攻し、じりじりと包囲を狭めてナポレオン軍を閉じ込めました。フランス軍に一点集中の攻撃をさせず、大軍の優位性をそのまま活かす戦いを仕掛けたのです。


(2)側面攻撃を受けたら粘らず退却する:ナポレオンの得意な戦術である「側面攻撃」は、複数師団の中で一部が敵を足止めし、すぐに他のフランス師団が敵の側面か背後に回ることで、相手を挟撃する効果を最大限発揮するものでした。正面攻撃には強い軍隊でも側面攻撃には極めて弱く、側面攻撃を受けた状態で粘ると、壊滅することも多かったのです。


プロイセンの研究後、ナポレオンに側面攻撃を受けた場合は粘らず退却し、殲滅されずに兵力の温存が可能になりました。最後の戦場であるワーテルローでは、ナポレオンは肉体的な衰えから作戦指揮の迅速さを欠き、各個撃破のチャンスを逃し、側面攻撃した敵に逃げられた上、戦場の最終局面でプロイセン軍から逆に側面攻撃を受けて大敗しました。


フランス軍の組織的な強みと、ナポレオンの用兵エッセンスを分解し、敵の強みを取り上げながら、自軍が「より大きな規模で」実行できるようにしたのです。異なる戦略なら「スピード」があるほうが有利であり、同じ戦略なら「規模」が大きいほうが有利となる。プロイセンはフランス軍の速さを封じ込め、規模の戦いに持ち込んだのです。


【天才は理論を超越しない 解き明かされた勝利の秘密】世界中で読まれている名著『戦争論』は全8編、戦争の定義から始まり、「戦争の性質」「戦争の理論」「戦略編」「戦闘」「戦闘力」「防御」「攻撃」「作戦計画」の章に分かれています。


ナポレオンの出現で、傭兵による緩慢な戦闘から、敵を撃滅するまで必死で戦う戦場になり、国民軍によって国家の総力を動員する総力戦に変わったことなど、パラダイムの変化を指摘する部分も多いです。


ナポレオンという稀代の軍事的天才を打ち破り、フランス革命により生まれた新しい組織体制の強みを見事に模倣・先鋭・拡大したプロイセン軍の軍制改革。それらは探究心と、組織に対する深い理解がつくり出したものだったのです>


ゲルマン(ドイツ)民族は長らく「統一国家」を持たなかったが、プロイセンを核とした統一ドイツは“鉄血宰相”と呼ばれたビスマルクが対仏戦争に勝利し、1871年(明治3年)1月に「ドイツ帝国」を創った。クラウゼヴィッツの「戦争論」は1832年から夫人が彼の友人の協力を得ながら遺稿として出版したものだという。当然、ビスマルクや軍人は最先端の軍事学として学んでいただろう。


ビスマルクが首相を務めている1868年に日本では明治維新が成り、近代化を進める。岩倉具視、大久保利通らはヨーロッパの制度を吸収しようと岩倉使節団をヨーロッパに派遣した。1873年3月には統一して間もないドイツを訪れ、ビスマルクに歓迎された。この時、ドイツと同様の新興国家である日本に「西欧国家は強盗だ、世界は弱肉強食だ、油断するな、富国強兵に勤めるべし」とアドバイス、大久保らは大いに啓発されて「日本はドイツに学ぶべき」と傾斜したから、当然ながら「戦争論」などの存在を知っただろう。


森鴎外が陸軍省の派遣留学生としてドイツに滞在したのは1884~1888年の4年間だが、「舞姫」を書くためではなくドイツの軍事学、欧米先進国の軍事事情を学ぶためだった。明治初期以来の「富国強兵」において鴎外が持ち帰っただろう「戦争論」や「近代ドイツ陸軍の父」と呼ばれる参謀総長・元帥モルトケの戦略・戦術は日本陸軍に多大な影響を与えたと言える。(この稿つづく)
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雀庵の「大戦序章/16)敗戦ロシアは長い氷河期へ向かう」

2022-03-24 19:53:37 | 日記
雀庵の「大戦序章/16)敗戦ロシアは長い氷河期へ向かう」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/449 2022/3/24/木】産経は保守論壇のリーダー格だが、年号は和暦と西暦を使い分けている。国内の記事では和暦、国際記事では西暦が基本になっているようだが、記事によっては和暦と西暦が入り混じるから困ることが多い。例えば連載中の「日本共産党100年」の記事には「平成12年」「51年綱領」「31年」「昭和26(1951)」「平成5年」「昭和26年」・・・とあり、時系列を把握するのにとても疲れる。


日共の「51年綱領」は1951年の暴力革命の開始を決定したものだと小生は知っているから分かるが、歴史の流れを辿るときに「和暦・西暦混交表示」はいささか面倒、面妖だ。


世界史的な時代の流れを追う面では西暦がいいし、その時代の日本の雰囲気を知る面(ウェット)では和暦が役に立つようだが、それでも混じり合うとややこしい。


「君、何年生まれ?」「昭和26年です」、「1951年と言えば団塊世代の後だね、朝鮮戦争特需で急速に戦後復興が加速し始めた時だ」「翌年にはサンフランシスコ講和条約が発効しました」、「1956年には“もはや戦後ではない”と『昭和31年度経済白書』でうたわれたから、敗戦から10年ちょっとで復活した」「1964年の東京五輪は世界に向けての復活宣言ですね」、


「・・・ん? 雪だな・・・降る雪や 昭和は遠くなりにけり、昭和は62年あたりまでかな?」「えーっと、スマホでは・・・1989年、平成元年・昭和64年とありますね。昭和は1989年・昭和64年の1月7日で終わり、平成は翌日1月8日からです」、「昭和を西暦にするときは25を足せば良かったが、平成とか令和はどうやっているのかなあ」「やり方はあるみたいですけど・・・難しそうです」、


「産経は2022年(令和4)とか表記してくれるとヂヂババには助かるんだが・・・せめて令和4年(2022)とかにならんものか」「今どき新聞読むのはヂヂババですからね、そんな声が高まれば改善してくれるんじゃないですか。とりあえず自分なりに西暦和暦表を作ってみたらどうです? そこにあれこれ・・・たとえば家族の出来事なども書き込んでいくと家族史にもなりますから、きっと面白いですよ」


まあ、明治からの西暦和暦表を作ってPCの傍に置いてみるか。これにて一件落着・・・面倒臭いが、生きるとはそういうものか? カミサンは楽しそうに生きているなあ、“買っては捨て、捨てては買う”消費人生・・・ストレスが小さいと長生きするみたいだ。


長生きは手段ではなく、「長生きすること自体が目的」なのか、どうも分かりにくい。夏彦翁曰く「理解なき妻」、「あなたの書いていることはさっぱり分かりませんと妻は言う。それでもファンの集いを喜んでくれた」、奥さんに先立たれて夏彦翁は後を追うように昇天。男女はついぞ理解し合えないが、それでいいのだ、ということか。


ああ、人生は分からないことばかり、絶対的な解がない、蜃気楼や逃げ水みたいだ。ま、「だから面白い、興味深い、悲喜こもごも、スリリング」ということにしておこう。


「なにぶつぶつ言ってるのよ、えっ?・・・バカバカしい、アンタを看取るために私は長生きするの! お米3合、仕掛けておいてよ、行ってきまーす!」


老兵は死なず、ゴミ出し、米研ぎ、何でも致します・・・男は兵隊、女は娼婦の役だとビシッと決まると言った映画監督がいたが、大昔から戦場では兵士と娼婦はコラボしていたのだろう。平時の感覚で戦時を云々するのはどうかと思うが、従軍娼婦などは終戦になると後ろ指をさされることが多かったようだ。石光真清の手記には戦地のお娼妓さんの愛国心あふれる支援が記されているし、荷風散人の「墨東奇譚」もお娼妓さんがいなければ生まれなかった。落語の「紺屋高尾」、プルーストやワイルドの作品も然り。平時でもお娼妓さんは大事な職業であり、世話にならなかった男はまずいないのではないか。娑婆ではとても相手にできないだろう美女が癒してくれるのだ。そういうお娼妓さんを叩くのは女で、一種の嫉妬のよう。嫌な感じ。


一方で敗戦になると男は将兵のみならず老いも若きも多少はあれど鬱勃とした気分になるみたいだ。父が銃と実弾を多摩川に捨てたのは1962/昭和37年あたりだった。父の大東亜戦争がようやく終わったのだ。


戦争はないに越したことはないが、戦争が新しい時代を創ってきたのは歴史の真実だ。勝者がいい思いをするのは当たり前だが、敗者も「終戦」により少なくとも戦死から免れるから「残念無念ながら敗戦を受け入れる」となるのだろう。しかし、敗者となった男どもの鬱屈はやがて「臥薪嘗胆」「敗戦の屈辱を忘れまい」、そして「リベンジ」志向になるのが珍しくない。「軍事で負けたが経済で勝ってみせる!」、それが日本の高度成長のパワーにもなった。


プーチン・ロシアのウクライナ侵略は、ソ連崩壊で失った誇りとシマを取り返し、屈辱を晴らし、世界を睥睨したソ連帝国を再生したい、というリベンジのように見える。ほとんどビョーキだが、2014年のクリミア侵略で制裁されて経済が伸び悩み、支持率も下がっていたので、一点突破、全面展開の賭けに出たようだ。一気呵成にウクライナを黒帯の背負い投げで潰すつもりが、イソップ童話の「北風と太陽」のようにウクライナは北風に負けじと必死で反撃している。


この反撃も大誤算だったが、クリミア侵略ではさしたる反発をしなかった米英EU日豪加はもとより、永世中立国のスイス、ロシアとの緊張を回避してきた北欧のフィンランドとスウェーデン、さらにシンガポールまでが激怒してプーチン・ロシア叩きを開始した。自由陣営のこの激しい動きはプーチン・ロシアの想定外であり、自滅か、一か八かの戦線拡大による滅亡しか選択肢がないのではないか。屋山太郎・日本戦略研究フォーラム会長/政治評論家の「世界再建の道は民主政治」から。


<国連が全く機能しなくなり、核大国のロシアが国際秩序をぶち壊し続けている。世界秩序をどう回復すべきか、世界中が知恵を絞る必要がある。その前提として、我々が認識しなければならないのは、世界に二種類の政治体制が存在しているという現実である。一つは自由・民主体制を守ろうとする政治、もう一つはプーチン氏のロシア、あるいは習近平氏の共産主義中国のような、軍国主義的な専制国家である。


今、世界中がプーチンの動きに注目しているが、ロシアはすでに国際社会の中では脱落した。プーチンに下された評価は「常人ではない」というものだ。常人でない人の下した判断は誰にも信用されない。中国は、中露一体となった台湾奪取を試みることはないだろう。片割れが危なっかしすぎるからだ。


プーチンはウクライナ全土をロシアに組み入れたいのだろうが、自由・民主制陣営が削り取られ、専制主義の支配下に入ることだけは阻止しなければならない。NATOやアメリカの主張、要求はビタ一文負けてはならない。ウクライナ報道を見ていると、全ジャーナリズムが勝敗の行方や惨劇だけを注視して、専制主義化が成功した場合の大きな負の部分を見ていない。ベラルーシの後を追わせてはいけないのだ。


ロシアへの金融制裁にはNATO主要国、日本が同調した。ドイツはかつてモスクワまで攻め込んだのに、ロシアが東西ドイツの統合を認めてくれたことに恩義を感じていた。だからこそエネルギーの半分をロシアに依存する程、信頼したのだ。このドイツの政策転換はまさに「目覚めた」という程の転換で、ヨーロッパ史の流れを直角に曲げる程の衝撃だった。加えてショルツ首相は軍事予算の増額を打ち出した。これをきっかけに「眠れるNATO」ははっきりと目覚めたのである。


プーチンが引っ込んでも、ロシアの専制主義体質は変わらないだろうが、西側は彼らが専制主義国の面積を拡大させないことを見張ってなければならない。


日米両国は中国が台湾奪取に来るのを前提に「インド太平洋戦略」を構築しつつある。日米豪印のクアッド、米英豪のAUKUSも成熟しつつある。この種の防衛構想の深化とともに、中国も対抗策を練ってくるだろう。


中国の上空から東向きに撮った航空写真がある。沖縄、尖閣列島、台湾が一列になって中国が本土から太平洋へ向かう道を遮断している。「太平洋を半分」さらに、米国本土をも視野に入れる中国にとって、台湾を所有することは必要不可欠である。台湾が国の将来の道を塞ぐように見えるに違いない。


それなら香港のような一国二制度で共存すれば良かったのだが、軍国・中国は納得しない。共産党は、中国を治める政治家や官僚を操るシステムだから、予想し得る将来に亘って共産主義を捨てることはなかろう。自由・民主主義陣営にとって負けてはならぬ勝負なのである>(令和4年3月23日付静岡新聞『論壇』より転載)


「ドイツの(反ロシアへの)政策転換はまさに『目覚めた』という程の転換で、ヨーロッパ史の流れを直角に曲げる程の衝撃だった」・・・これはちょっと違うのではないか、屋山先生、油断禁物ですぞ。


メルケルの育てたドイツのアカ政権はピンクに衣替えしただけで本質は共産主義社会を目指していると警戒しておいた方がいい。つまりプーチン・ロシアの同志みたいなもの。川口マーン惠美氏「シュトゥットガルト通信:寒がりません勝つまでは? ドイツの『ロシア制裁』が早くも行き詰まっている理由」2022.3.11から。


<EUが輸入しているガス全体の40%がロシアから来ている。安全保障上、ロシアシェアは3割程度に抑えるということが不文律となっていた。つまり、現在の40%というのは、誰が見ても依存度が高すぎる。ところが、ドイツを単独で見てみると、依存率はさらに高く、55.2%(2020年)。こんな国はEUには他にない。


ノルドストリーム(古い方)は2011年に稼働した巨大なパイプラインだが、これでロシアからドイツへのガス輸送に弾みがつき、ロシアシェアが鰻登りになったのである。もちろん、この安いガスで、ドイツ経済は繁栄した。ドイツは石炭の48.5%、石油の33.9%もロシアからの輸入だ。


EUがロシアからのガスを減らすなどというのは烏滸がましい話で、もし、何らかの理由でガスが来なくなった場合にどうしようかという算段の方が喫緊の課題だ。その答えは少なくともドイツの場合、一つしかない。ロシアのガスを引き続き輸入するということ。


つまりドイツ政府は、「ロシアに最大の痛みを感じさせるための大規模経済制裁」を敷いていると言ってはいるものの、実際にはノルドストリームも、ベラルーシおよびポーランド経由のヤマル・パイプラインもフル回転中なのである>


ドイツでもアカは平気で嘘をつくが、TV、新聞などマスコミもほとんどアカだからまったく問題にならないようだ。まともな国民が「それはおかしい」などと言えば殴られるか村八分になるのは野党AfD(ドイツのための選択肢)への日常的な暴力と一緒だろう。


どこの国のアカも似たようなもので、彼らが善人面のお面を剝いで牙をむくのは「帝国主義戦争を内乱へ転化せよ」といった有事や国政選挙、すなわち権力奪取の時である。そもそもドイツ人は「我らは優秀な民族であり、正義は我らにある」という自惚れが強いから、いったん思い込むと暴走しやすい。ヒトラー・ナチスに心酔して自滅したが、警戒心が薄いのだ。マルクスの故郷でもあるから今でもロシアや中共に親和性があるように見える。ワルに対してノーズロ、そう言えばメルケルは先月、スーパーで財布を盗まれた。古人曰く「油断大敵」。


孫武「孫子」の「第2 作戦編」に曰く――


<戦争の原則は戦車千台、輜重車千台、武具を付けた兵士十万、千里の外に食糧を運搬する場合には、一日千金をも費やしてはじめて軍隊を動かせる。従って、戦いが長引くと軍を疲弊させて鋭気をくじくことにもなる。


その状態で城を攻めれば戦力が尽き、軍隊を露営させておけば国家の経済は窮乏する。軍も疲弊し鋭気をくじかれて力も尽き財貨も無くなったということであれば、外国の諸侯たちはその困窮につけこんで襲い掛かり、たとえ味方に智謀の人がいても防ぐことはできない。


だから戦争は拙速(まずくとも素早く切り上げる)がよい、長引いてうまくいった例は少ない。そもそも戦争が長引いて国家に利益があるというためしはない。戦争の損害を十分に知り尽くしていない者は、戦争の利益を十分に知り尽くすこともできない>


「第12 火攻編」に曰く――


<戦って勝ち、攻撃して奪取しながら、その戦果をおさめ整えないのは不吉なことで、これを「費留」(無駄な費用をかけてぐずついている)と言う。だから聡明な君主は良く思慮し、立派な将軍はよく修め整えて、有利でなければ行動は起こさず、利得がなければ軍を用いず、危険が迫らなければ戦わない。


君主は怒りに任せて軍を興すべきでなく、将軍も憤激にまかせて合戦を始めるべきでない。有利な情勢であれば行動し、そうでなければ止めるべし>


失敗は成功の元だが、成功するとそれを繰り返す傾向がある。負けた方は敗因を必死で研究し、「二度とその手は食わない」となる。結局、勝者は前回の戦術を「必殺技」と思い込んで同じ戦術を繰り返すから大負けすることが多いようだ。


プーチンとその取り巻きは2014年のクリミア侵略で大成功した戦略・戦術を繰り返した、一気呵成にウクライナを屈服させられると思った、これがウクライナのみならず国際社会から思わぬ猛反撃、猛反発を買ってしまい、怒涛の進撃とはならなかった。初戦でミスった。


アゼルバイジャン軍に30年勤務しナゴルノ・カラバフ紛争などの実戦経験もある、ロシア軍の内情を知る軍事評論家アギーリ・ルスタムザデ氏は3月19日、「ロシア軍の侵攻は準備に欠けた非常識な戦術だった」と断じた。以下、ルスタムザデ氏の分析(ロイター3/24)。


<ロシアは兵力と兵器の数では世界で2番目の軍事大国だが、新しい戦略での戦闘を行っていない。歩兵と戦車隊中心の第二次大戦と同じ戦術だ。この「特別軍事行動」は失敗するだろう。戦争計画を立てた段階では、ウクライナの民衆とウクライナ軍の抵抗を計算していなかった。これは許されない過ちだ。


ロシアはもはや侵攻を始めた時のロシアではない。強力な経済制裁にさらされ、日々弱体化している。これほどの規模の経済制裁は例がなく、専門家でも1カ月後、1カ月半後を占うことはできない。しかし1カ月後のロシアは戦争前とは全く違った国になるだろう。経済状態は破局へ向かうだろう。平時と戦時では軍の費用は10倍違う。ロシア経済はそれに耐えられないだろう>


プーチンは撤退=事実上の敗戦を受け入れることはできない。となればロシアの高官や軍幹部が「プーチンは体調を崩して入院した、プーチンの指示により休戦、軍は撤収する」というソフトランディングのシナリオしかないだろう。ロシアの事実上の敗戦だが、戦後復興には最低でも10年はかかる。厳寒の10年・・・自由民主の国へ変革できるかどうか、第3次ロシア革命への道は霧に包まれている。革命がどこへ向かうのか、今は誰も分からない。
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雀庵の「大戦序章/15 露中の悪党に悲惨な結末を!」

2022-03-22 12:20:09 | 日記
雀庵の「大戦序章/15 露中の悪党に悲惨な結末を!」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/448 2022/3/22/火】彼岸中日を挟む三連休はコロナ禍警戒も緩みしや、子、孫、愚妻ら甲斐国石和温泉にて遊びし。多くの町民もまた遠出したるか、スーパー市場の客足は三割ほどの様子にて、街の商人はいかなる思いにや。小生の散歩道なる多摩川べりの運動場にては野球、蹴球の子供と写真機構えたる親、楽し気に蝟集したり。欧州の戦乱は遥か遠きのことなる如し・・・


荷風散人の1941年開戦前後の日記を読み直していたら、こんな「文語体」を真似たくなった。文語体は口語体より趣があるが、GHQが日本人から知性と品位を奪うために、いささか軽佻浮薄的な口語体を押し付けたため、今や文語体を読み書く能力もずいぶん落ちているだろう。先人や歴史から現代人を切り離す・・・勝者は敗者のご先祖様まで処刑、追放するわけだ。キリスト教などの一神教民族・国民はそういう傾向が強いのではないか。思い出すべし、黒船ペリー、帝王マックによるレイプ・オブ・ジャパン!


古代ギリシャ時代の彫刻や建造物、哲学は美しいが、古代ローマに亡ぼされた後のギリシャはどうなったのか、印象がとても薄い。古代ギリシャと現在のギリシャは別物だという説があるし、今やEUのオニモツみたい。小生が崇敬かつ畏怖する塩野七生先生の「逆襲される文明」から。


<(EUにとって)ギリシアは救済する必要はあるのか。歴史的、文明的、文化的に見れば答えは「YES」である。ギリシアが入っていないと「ヨーロッパ連合」とは言えなくなるからだ。なにしろ「ヨーロッパ」という言葉からして2500年昔のギリシア人が発明したのである。言葉を創造したということは、理念も創造したということだ。


古代のギリシア語を受け継いだ古代のローマ人がラテン語に直し、そのラテン語を語源にして生まれたのが英語、仏語、独語の60%の言葉である。理工科系の言語はギリシア語を直接に語源にしたものが多いので、それを加えれば現代の欧米人の言語と、それによって立つ理念の8割までが、古代のギリシア人に負っているとしても間違いではない。


とは言え、2500年昔のギリシア人と現代のギリシア人が似て非なる民族であるのはもちろんだ。我々の知っている、ゆえに深い敬愛の思いなしには口にすることもできないギリシアは、その象徴であったオリンピックが、キリスト教化したローマ皇帝によって4世紀末に廃止された時に死んだのである>


看板は老舗の「ギリシア」でも外見も中身も違う国・・・理念と行動が違う国、民族、集団、人というのもよくある話だ。


歴史は勝者が創るというが、不都合な真実は早晩ポロポロ出てきて、ネットで世界各地の個人までが同時性で繋がる今は、為政者は一方的な言論統制がしにくいから随分やりにくいだろう。


実際、習近平・中共は外国からの情報を恐れてネット規制しており、「Google、インスタグラム、YouTube、Netflix、ウィキペディアなど多数のサイトやアプリがブロックされている」(VPN MENTOR)。個人間の通信も検閲され、不都合な言論は遮断されている。


それを倣ったのだろう、プーチン・ロシアは今、許されざるウクライナ侵略戦争を隠蔽、糊塗するためにネット規制を進めている。産経2022/3/18「ロシア、SNS規制 インスタ遮断 次はユーチューブか」から。


<ウクライナに侵攻したロシアが米欧系のSNS(会員制交流サイト)やインターネットサービスの規制を急速に強化している。露通信規制当局は18日までに、フェイスブックとツイッターに続いてインスタグラムへの接続を遮断した。政界からはユーチューブも規制すべきだとの声が出ている。プーチン露政権は侵攻の実態を国民から隠すことに躍起だが、人々が慣れ親しんだネットサービスの遮断は反政権機運を高めることにもなりかねない。


14日に遮断されたインスタグラムの利用者は、アカウント登録者以外も含めて露国内で約3800万人とされる。当局は遮断の理由について、インスタグラムやフェイスブックを運営する米IT大手メタ社(旧Facebook)が、ロシアを対象とした暴力的な投稿を容認したためだと説明している。


これに先立ち露当局は4日、フェイスブックとツイッターも遮断した。露下院情報政策委員会のゴレルキン副委員長は、「対露情報戦争」が続けられる場合、米グーグルが運営するユーチューブの遮断も検討されると述べた。


プーチン政権は近年、外国からサイバー攻撃を受けた場合に備えるといった名目で、ロシアのネット空間全体を外部から遮断する研究や準備を進めてきた。事態の推移によっては今後、当局がそうした大規模な措置を試みる可能性も指摘されている>


プーチンは不都合な真実を隠蔽できるかどうか・・・「焦点:ウクライナ侵攻による正教会の混乱、孤立するロシア総主教」から。


<[バチカン市2022/3/14 ロイター]ロシア正教会のキリル総主教が、ロシアによるウクライナ侵攻に高らかな祝福を与えたことで、世界中の正教会は分裂の危機に陥り、専門家から見ても前代未聞の反乱が正教会内部で生じている。


プーチン大統領の盟友であるキリル総主教は今回の戦争について、同性愛の受容を中心に退廃的であると同師が見なす西側諸国への対抗手段であると考えている。キリルとプーチンを結びつけるのは「ルースキー・ミール(ロシア的世界)」というビジョンだ。専門家の説明によれば「ルースキー・ミール」とは、旧ソ連領の一部だった地域を対象とする領土拡張と精神的な連帯を結びつける構想だという。


プーチンとってそれはロシアの政治的な復権だが、キリルから見れば、いわば(邪教と戦う)十字軍なのである。だが総主教の言動は、ロシア国内にとどまらず、モスクワ総主教座に連なる諸外国の正教会においても反発を引き起こしている。


ロシアでは「平和を支持するロシアの司祭」というグループに属する300人近い正教徒が、ウクライナで行われている「非常に残忍な命令」を糾弾する書簡に署名した。この書簡には、ロシア政府とウクライナ政府の板挟みになっている数百万もの人々に触れ、「ウクライナの人々は、銃口を突きつけられることなく、西からも東からも圧力を受けることなく、自らの意思による選択を行うべきだ」と書かれている>


ロシアのキリスト教は「宗教を抹殺しないと確約すれば共産主義政権を支持する」とレーニンと手打ちした経緯がある。もともと皇帝を“生き神様”と敬ってきた長い伝統があるから、今度はレーニンが、続いてスターリンが、そして今はプーチンが“生き神様”となったのだ。


ロシア御用メディアの国民世論調査ではプーチン支持率は70%に上昇した。不都合な真実を隠蔽する言論統制によるのだろうが、民は“生き神様”を信じており、ロシアを悪魔から守りたい、プーチン皇帝を守ろう!という気分だろう。(今朝読んだ産経3/20にロシアに精通した早大教授・三浦清美氏の「プーチンを神にした『帝国』ロシア ウクライナ侵攻の深層」がとても詳しく説明している。学術的で1回読んで疲れてしまったが)


自由世界の敵、プーチン・ロシアはコロナ禍から回復しつつあるような世界経済に大きなブレーキを掛けるかも知れない。カネ勘定に疎い小生が40年近くお世話になっている税理士のTさんに「コロナ禍とウクライナでの戦争で日本、世界の経済はどうなるのでしょうか。ご教授いただければ幸いです」とメールしたら、早速以下の返事が来た。


<おっしゃる通り、現況は大変厳しい状況です。うちの顧問先も売上が落ち込み、営業休止に追い込まれる会社も出てきました。精神的にも追い込まれている社長も多いです。コロナは今は高止まりというところでしょうか。早く前の状況に戻ってほしいです。


しかしテレワークなどが定着して、以前のような社会にはならず、しばらくは経済も停滞するでしょう。われわれもコロナ以後の新社会経済に順応していく必要があるのではないでしょうか。


戦争は仕掛けたプーチンの負けでしょう。冷静・沈着と思われていたプーチンが、ウクライナ侵攻・侵略という判断ミスをしたのではないかと思われます。しかし本当に残虐極まりないですね。許しがたいです。彼にとっては悲惨な結末になるではと予想しています>


「君子危うきに近寄らず」、古人の教えを無視して怪しいロシアや中共という共産主義独裁国家と商売したのが間違いだったのだ。黒船プーチン、帝王習近平による世界制覇が始まっている。自由世界は鉄壁の包囲網と核兵器装備で「赤色露中なき21世紀」を実現しなければならない。悪党に悲惨な結末を! それが我らの義務、天命である。
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