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戦争から平和が産まれる(2)

2023-02-27 18:17:12 | 戦争
戦争から平和が産まれる(2)
“シーチン”修一 2.0

【雀庵の「大戦序章」143/通算575 2023/2/27/月】朝夕はちょっと寒いが昼間は随分春めいてきた。有難いことだ。先日、ブログにも書いたが、川崎市役所に以下のメールを送った。

<【二か領用水沿いの桜伐採に反対します】川崎市多摩区宿河原の多摩沿線道路「新船島橋」と南武線鉄橋の間の二か領用水沿いの桜が5本ほど伐採されるようです。先人が60年もかけて育ててきた立派な桜は街の誇りであり、伐られるのは、とても残念です、云々>

25日に散歩から帰ったカミサンが「桜を伐るのは止めたみたいよ」と言うので26日に見に行くと、用水路を跨ぐ街灯用の送電線保守のため一本だけは伐採されるが、それ以外は存続する由。一件落着、ホッとした。日本は良い国だ。日本と同志国を守るべし、イザッ!

前回に続き、木元寛明著「戦術の本質 進化する『戦いの原則』をひも解く」(2022/10/4刊)の「戦略・作戦・戦術の視点から分析するウクライナ戦争」から引用、紹介する。(小生の意見・感想は★で示した)

<プーチン・ロシアの国家目標は、ウクライナのゼレンスキー政権を打倒して親ロシアの傀儡政権を立て、ウクライナのNATO加盟を阻止し、ウクライナをNATO圏とロシアの間の緩衝地帯にすることだ。そのために、
1)圧倒的な軍事力の誇示による威嚇、
2)首都キーウの占領、
3)ウクライナ軍の抵抗意志の破砕
が軍事目標になる。

国家が戦争を決意するとき、国家目標と軍事目標とのリンクは通常、統括作戦司令官が策定する「作戦計画」として具体化される。本戦争の進捗状況を見る限り、「ロシアは戦争準備間に状況判断・意思決定をまともに行ったのか?」という疑念が残る。

開戦当初、露軍は北、東、南の3方向から侵攻を始めたが、3正面の全部隊を統括する司令官が存在しなかった。「指揮の統一の原則」の無視である。露軍は5月6日にキーウ周辺(北正面)から撤退し、急遽、全部隊を統括する司令官を任命、ドンバス地域(東正面)に重点を変更したようだ。

戦争の推移は予断を許さないが、短期的に露軍が東部と南部を占領する可能性はある。しかし、中長期的視点から、ロシアが冷戦末期の経済破綻に陥り、1991年のソ連崩壊の二の前になる可能性は否定できない。

(★「3正面の全部隊を統括する司令官が存在しなかった」・・・なぜか? 統括司令の役割はプーチンだからだ。プーチンはKGB(国家保安委員会)のスパイ出身で、怪しい奴を暗殺するのは得意だが、戦争については素人である。しかしプーチンに対して「現場は私が指揮します、任せてください、あなたは君臨し、将兵を鼓舞し、政治・外交に努めてください」と側近の将軍・元帥などが提言しようものなら、プーチンは「こいつは俺を排除するつもりだ、危険だ、追放すべし」となる。独裁者は異論を許さない、聞く耳を持たない、だから独裁者なのだ。

日本でも大企業ながら派閥抗争や無能なのに創業者一族が君臨しているケースは珍しくないが、結果的にプーチンの周りにいるのは無能な者ばかりになっているのではないか・・・素人の小生の見立てかも知れないと思っていたらロイター2023/2/20も「それでも更迭されないロ国防相、背景にプーチン氏の『情』」とこう報じていた。

《ウクライナ侵攻開始から1年、ロシア軍は3度の屈辱的な撤退を経験し、米国当局の発表によれば20万人近くの兵士が死傷したとされる。だが、ロシア軍を統率する立場にあるショイグ国防相(67)は失脚していない。プーチン大統領が職にとどめている。

欧米当局やロシア政治を長年見てきた専門家、元欧米軍司令官によれば、プーチン氏がショイグ国防相を重用するのにはいくつかの理由があるという。ショイグ氏が「極端なほど従順」なことや、プーチン氏の大統領就任を助けてきたこと、ウクライナの軍事作戦に関してはショイグ氏一人の判断ではなかったことなどが挙げられる。

「プーチン氏の側近の中で重視されるのは、常に能力よりも忠誠心だ」と、カーネギー国際平和財団のアンドリュー・ワイス氏は分析する。ワイス氏は米国家安全保障会議(NSC)の戦略策定に携わってきたほか、プーチン氏に関する書籍も執筆している。

ワイス氏によれば、プーチン氏は過去に「人を解雇する決断は難しいもので、個人的な問題として考えることが多い」と公の場で認めたことがあるという。「ショイグ氏を含め、複数の高官は求められているほどの職務を果たしていない。あまり知られていないプーチン氏の『情にもろい』性格によって得している部分がある」

ゲラシモフ軍参謀総長は先月、ウクライナでの軍事作戦を現場指揮する最高司令官に任命された。ロシアメディアの間で「アルマゲドン将軍」とも呼ばれるセルゲイ・スロビキン氏はゲラシモフ氏に次ぐ副司令官に降格された》

戦争能力よりもプーチンへの忠誠心が大事・・・何となくロシアは末期症状。デキル人はプーチン・ロシアからどんどん逃げ出しているようだ)

ウクライナ軍(ウ軍)と露軍を比較すればウ軍は圧倒的に不利だが、予想以上に健闘し、一部では優勢に戦いを進めているようだ。1)露軍の侵攻を想定して事前準備ができていたこと、2)大統領を核心とする国民の一致団結、3)欧米各国からの軍事支援、が奏功している。

ウ軍は内戦作戦(自国内が戦場)の原則通り、首都キーウに露軍が最短距離で迫る北部に戦力を集中し、激しく抵抗、2022年5月6日に露軍をキーウ周辺から完全撤退に追い込んだ。

戦闘の様相は、ウ×露の枠を超えてNATO×露へと移っている。NATOの支援が続く限りウ軍の内戦作戦が破綻することはないだろう。

NATOの支援が続けば、ウ軍と露軍が攻守所を変える可能性があるかも知れない。マイケル・ハワード著/奥山真司監訳「クラウゼヴィッツ『戦争論』の思想」(勁草書房)から。

「防御側は、味方の領土内で補給線に沿って後退している。一方で、攻撃側は前進すればそれだけ補給の問題が深刻化し、戦闘力も弱まり、周囲の環境も敵意に満ちたものとなる。
それが続き、攻撃側の戦力が極限まで弱体化し、防御側が最大限の力を蓄積した瞬間に、攻撃側と防御側の優勢は逆転する。
この瞬間のことを、クラウゼヴィッツは「限界点」と表現した。それは、ギラついた刀を引き抜いて報復のために反撃に転じるべき時点のことだ。そして戦略家の最大の力量は、この瞬間の到来を正しく見極められるか否かという点にあるというのだ」

露軍のドクトリンは「縦深作戦理論=縦深突破理論」である。特色は全縦深同時打撃、包囲殲滅戦、火力重視、装甲機動力の発揮、空地協同など近代的機甲戦を特色としている。しかし、被弾すると戦車の砲塔が吹き飛ぶのはソ連時代以来の欠陥で、後継の露軍は「縦深作戦理論」を遂行できるだけの武器、練度に達していないようである>
・・・・・・・・・
以上で木元寛明氏の論稿紹介を終える。それにしてもロシア兵は戦場に出ると強盗団のように金目のものを盗み、非戦闘員の住民を殺しまくっているが、まるで1800年頃のナポレオン戦争時代のようだ。戦場では「殺しまくれ、奪いまくれ、お咎めなし」、これをロシアは今なお兵士のインセンティブにしている。兵士からすれば「それがあるから戦場に行く、なければ行かない」、これがロシア流なのだ。一種の蛮族。

フォーリンアフェアーズ2023年3月号のロバート・ケーガン/ブルッキングス研究所シニアフェロー著「国益と自由世界擁護の間――ウクライナとアメリカの国益」から。

<第一次世界大戦、そして第二次世界大戦から今日までの80年間、(失敗があったにせよ)アメリカがそのパワーと影響力を行使して自由主義の覇権を擁護し、支えてきたのも事実だ。ウクライナの防衛も、アメリカではなく、自由主義の覇権を守ることが目的なのだ。
「アメリカはウクライナに死活的に重要な利益をもっている」とみなす米議員たちの発言は、ウクライナが倒れれば、アメリカが直接脅威にさらされるという意味ではない。関与しなければ「リベラルな世界秩序が脅かされる」という意味だ。
アメリカ人は、再び世界はより危険な場所になったとみなし、紛争と独裁に支配される時代に向かいつつあるとみている>

ロシアと中共・・・史上最悪最強の暴力団連合、ダーティペアである。自由陣営が結束して冷戦・熱戦で露中をつぶさないと我々の子供や孫たちは酷い目に遭うだろう。危機感を募らせて頑張ろうぜ、イザッ!
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戦争から平和が産まれる

2023-02-26 10:38:15 | 戦争
戦争から平和が産まれる
“シーチン”修一 2.0

【雀庵の「大戦序章」142/通算574 2023/2/26/日】特定の思想に染まると「これこそ正義だ、それ以外は邪道だ、敵だ」となりやすい。恋愛の場合は振られても「仕方がない、縁がなかったのだ」と諦めて新たな対象を探すのが普通(本能?)だが、思想、価値観、主義主張、性格などはご先祖さまのDNAが随分影響しているようだ。

小生は一時期(19~21歳)共産主義思想にかぶれたが、30年以上かけて奇跡的に除染できたものの、今度は反共一直線。アカからシロへ変わっただけで「私は正義」というDNAのままということか。人間は多かれ少なかれ「正義病」なのかもしれない。「人民寺院事件」を思い出した。

<人民寺院(Peoples Temple of the Disciples of Christ)は、1955年にアメリカ合衆国で創設された社会主義キリスト教系新宗教(カルト)。創設者および教祖はジェームス・ウォーレン“ジム”ジョーンズ。ジョーンズはキリスト教と共産主義や社会主義の考え方とを組み合わせ、人種平等を訴えた。

1978年11月18日に南米ガイアナで人民寺院が開拓したコミューンのジョーンズタウンで、大量殺人、集団自殺によって信者918人が命を落とした。この惨劇は、2001年9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生するまで、アメリカ合衆国民最多の被害者数を記録した事件であった>(WIKI)

特定思想・特定宗教などに染まるとロクなことにならないのではないか。色々な主義・思想を知っておくほうが良さそうだが、共産主義国や一神教国に生まれ育った人は「強権独裁」のために、独裁者に都合の良い主義・思想しか知らないようである。たとえ知っていても報復を恐れて口には出せない。米国留学中の中国人青年が「民主主義は良い制度なのだろうが・・・でも自分の国には合わない」と言っていたが、諦観するより仕方がないというのがDNAになっているようだ。

今のロシアを見ていると「長いものには巻かれよ」、これが数千年も続いて民族のDNAになっているのだろうなあと、何となく淋しい感じがする。国民の命、衣食住より、己と子分の命、暮らし、名誉、利益を最優先する独裁政治・・・根絶するには100年、200年もかかるのだろうか。

戦時である、勉強しなければ、と、図書館で木元寛明著「戦術の本質 進化する『戦いの原則』をひも解く」(2022/10/4刊)を借りてきた。読み始めたが軍事に疎い小生には恐ろしく難しいので、末尾の「戦略・作戦・戦術の視点から分析するウクライナ戦争」から読むことにした。氏の経歴は――

<1945年、広島県生まれ。1968年、防衛大学校(12期)卒業後、陸上自衛隊入隊。以降、陸上幕僚監部・方面総監部幕僚、第2戦車大隊長、第71戦車連隊長、富士学校機甲科部副部長、幹部学校主任研究開発官などを歴任して2000年に退官(陸将補)。

2008年以降は軍事史研究に専念。主な著書は『戦車の戦う技術』『機動の理論』『気象と戦術』(サイエンス・アイ新書)、『戦術学入門』『陸自教範「野外令」が教える戦場の方程式』(光人社)、『戦争と指揮』『戦術の名著を読む』(祥伝社新書)>

さあ、読んでいこう、趣旨だけのツマミ食いだけれど、プーチン・ロシアを叩き、二度と侵略できないようにするアイディアが見つかるかも知れない。叩けよさらば開かれん、イザッ!(小生の意見・感想は★で示した)

<21世紀の今日でも、このような古典的な侵略戦争があるのか、と驚かざるを得ない。2022年2月24日、ロシア地上軍19万人の部隊が北・東・南の3方向からウクライナに軍事侵攻を開始した。

プーチンはこの侵攻を「特別軍事作戦」と称し「戦争ではない」と言っている。言い分はさておき、独立国家を武力侵攻することは明らかに侵略戦争だ。2022年8月下旬時点では終結の気配はない。マリウポリなどは廃墟と化し、多数の住民が犠牲となり、現代戦争の破壊力と残虐性を見せつけている。

戦いは指揮官と指揮官の「意志の衝突」であり、「信念の闘争」だ。勝敗はプーチンとゼレンスキーのいずれかが勝敗を認めた時点で決まる。

米陸軍はベトナム戦争に負けたことを研究素材にワインバーガー・ドクトリン(1986年度国防報告書)をまとめ、軍事力使用の条件を以下のように定めた。

(1)米国または同盟国の死活的な国益が脅かされている。(2)勝利を確実にするために圧倒的な戦力を使用する。(3)政治目標・軍事の目標が明確に規定されている。(4)状況に応じて戦力構成や作戦計画が変更される。(5)世論・議会の支持が保障されている。(6)合衆国軍隊の派遣は最後の手段である。

古典の「孫子」「戦争論」も研究して米国はこのドクトリンを創り、それに則って湾岸戦争(1990年8月~1991年2月)で米軍部隊をサウジアラビアに派遣、100時間戦争でイラク軍を圧倒撃破し、クウェート解放という戦争目的を達成した。

(★米国はイラク軍を叩きフセインを絞首刑にしたが、「角を矯めて牛を殺す」みたいで、以来、イラクは今なお政情不安が続いているようだ。アフガンでも大失敗した。戦争は生モノで、理論通りには展開しないのだろう。日本を叩き、去勢し、洗脳し、手なずけたようにはいかないのが現実だ)

プーチンは2022年5月の演説で開戦についてこう語った。
「ロシアは西側諸国に対して、互いの国益を考慮するよう促した。しかし、全ては無駄だった。NATO加盟国は我々の話を聞く耳を持たなかった。

ドンバスでは(ロシアに対する)懲罰的な作戦の準備が公然と進められ、クリミアを含む我々の歴史的な土地への侵攻が画策されていた。ウクライナ政府は核兵器取得の可能性を発表していた。NATO加盟国はロシアに隣接する地域で軍事開発を始めた。

我々にとって絶対に受け入れ難い脅威が計画的に、しかも国境の間近に作り出された。NATO加盟国からウクライナへ最新鋭の兵器が定期的に届けられる様子を我々は目の当たりにした。

危険は日増しに高まっていた。ロシアが行ったのは、侵略に備えた先制的な対応だ。それは必要であり、タイミングを得た、唯一の正しい判断だった」

(★盗人にも三分の理? ものは言いよう? アカの伝統的やり口だ。読売2023/2/10「共産党の田村智子政策委員長は10日の記者会見で、10日付の毎日新聞が『共産党党首公選制を求めた党員の除名処分は時代にそぐわぬ異論封じ』と論じたことに対し、『政党の自由に対する攻撃で、あまりにも見識を欠いたものだ』と批判した。同党は同様の社説を掲載した朝日新聞にも反論している。言論での提案や批判に『反撃』する姿勢を巡り、主張の近い左派系知識人からも苦言が相次いでいる」

まるでヤケノヤンパチ。黒を白に変換、偽装するのは共産主義者の常套手段だ。前科者の強盗殺人犯が「世間が俺をノケモノにした、世間が悪い」と居直るのとそっくり。プーチン・ロシアは中共、日共と共にますます嫌われる。父曰く「アメ公、露助、チャンコロに気をつけろ」、安易に信じるとひどい目に遭うということだ)

プーチンが脅威とみなすNATO(北大西洋条約機構)の東漸・拡大の経緯を見よう。NATOとWPO(ワルシャワ条約機構)の対立は、ベルリンの壁崩壊(1989年11月)、東西冷戦終結(同12月のマルタ会談)で終結した。NATOの「血を流さない勝利」だった。1991年12月のソ連崩壊で、ウクライナなど多くの構成国が独立し、WPOは消滅した。

ソ連構成国の多くはNATOに加盟した。年代順に[1999年]ポーランド、チェコ、ハンガリー、[2004年]ブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、スロバキア、スロベニア、[2009年]アルバニア、クロアチア、[2017年]モンテネグロ、[2020年]北マケドニア

プーチンはNATOの東漸・拡大を脅威とみなし、ウクライナがNATO加盟を示唆したことに「堪忍袋の緒が切れた」のだ。曰く「(ウクライナへの侵攻はロシアに対する)侵略に備えた先制的な対応で、タイミングを得た唯一の正しい判断だった」。

ウクライナ侵攻はプーチンの独断という一面は否定できないが、ロシアは伝統的に「周辺から包囲され圧迫を受けている」という被害者意識が強い。危機感が対ウクライナ開戦の目的と直結するかは疑問の余地があるが、ロシアは安全保障には極めて敏感なのだ。

ロシアがウクライナ侵攻を正当化する一方で、フィンランドとノルウェーが2022年5月、NATO加盟を申請した。NATOの東漸・拡大の先制的阻止がウクライナ侵攻の目的であったとすれば、ウクライナという「藪」を突いてフィンランドとノルウェーのNATO加盟(申請)という「蛇」を招いたのはプーチンの誤算、失態であり、自らの首を絞めたと言えるだろう。

NATOの東漸・拡大とロシアの安全保障の問題は、戦争による解決も手段の一つかも知れないが、基本的には外交による解決を優先すべき課題であろう。

(★「外交は血を流さない戦争、戦争は血を流す外交」と西郷先生も毛沢東も言っている。戦争のリアルは「戦争が新しい秩序を創る、停戦するのは戦況が有利な時になってからにすべし。追い詰められてからの停戦ではの不利な結果になる」ということだろう。平和、安全が欲しければ戦争・外交で勝つしかない。

曽野綾子女史曰く――
<努力すれば人生は自分の思い通りにいく、と考えている人がいるようですが、私は子供の時から、この世は思い通りにいかないと感じていました。家庭内暴力と戦争を経験したからです。

物心つく頃から両親が不仲で、父が母に暴力をふるうのを目の当たりにしていた私は、この世の原型を「ろくでもないところ」だと思っていました。

父は真っ正直な人で、人の目には気さくな紳士に映っていましたが、家庭では狭量な厳しい人でした。母は、父より1分でも遅く家へ帰ることを許されず、私の遠足に付き添ってきていても父の帰宅時間を気にして、いつもはらはらしていたのを覚えています。

どうしたら父の機嫌をそこねないでいられるか、どうしたら母が傷つかないでいられるだろうか。私は毎日、おびえながら暮らしていました。機嫌をそこねると、夜も眠れません。父は私にも手を上げました。顔を腫らして学校へ行ったこともあります。小学5年生くらいの時、母の自殺の道連れになりそうなこともありました。

やがて私は「火宅」を出て、60歳を過ぎた両親に離婚を勧めました。母が、父と別れたその夜ほど安心して眠ったことはなかった、と言ったのを覚えています。

私はいつの間にか、人とは少し異なる家庭環境を与えることで私を鍛えてくれた親の存在に感謝している自分を感じるようになりました。

家庭に問題があるほうがいいのか、ない方がいいのかと言えば、ない方がいいに決まっています。けれど、問題があればあったで、いいこともあります。私は、子供時代の精神的な圧迫のおかげで鍛えられ、その後の暮らしには何だって耐えやすくなりました。人間の生涯というものは、どう考えてもろくなものではなさそうだ、と思いましたから、それ以後、不幸にあまり動揺しなくなったんです・・・>《「思い通りにいかないから人生は面白い」》

曽野綾子氏はカトリック教徒だが、驚くほどの行動家、実践派だ。視力、体力が衰えた今でも口述筆記で布教、広宣流布に努めている。凄いパワー!

小生の散歩コースにはカトリック系のカリタス女子中学校・高等学校があり、時々生徒の母親が数十人群れているのに出くわすが、いかにも知的で大人しい、良き羊の印象を受ける。服装も皆同じ黒。カトリック修道女の渡辺和子氏著「置かれた場所で咲きなさい」も勉強になったが、カトリック信者は小生が大好きな個性とか野趣があまり感じられないのはどういうわけだろう。宗教革命でプロテスタントに叩かれたから大人しくなったのか?

艱難汝を玉にす、曽野氏のパワーの源は苛烈な経験と信仰(主義、哲学)に加え、凄まじいほどの好奇心、行動力があったのだろう。小生は一神教は好かないが、人生哲学として学ぶべきことは多い。知行合一、中露殲滅まで頑張らなければ・・・)
長くなったので以下次号。
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“狂犬”露中に効く処方箋

2023-02-23 06:22:55 | 戦争
“狂犬”露中に効く処方箋
“シーチン”修一 2.0

【雀庵の「大戦序章」141/通算573 2023/2/23/木】2/20はとても良い陽気ですっかり春のようだった。図書館に本を返却し、警察署で新しい運転免許証を受け取った。免許の有効期限は2026年までのたった3年・・・まあ3年後は75歳だから運転はしないし、第一、生きているかどうかもすこぶる怪しい。最後の免許証・・・使うことはないだろうが、ちょっと淋しい感じはするね。

免許証を取得したのは22歳の頃で、都市ゲリラ戦で爆弾を運ぶ際に無免許で逮捕されるというのはいかにも間抜けだから・・・という動機だった。そういう赤い邪心は間もなく消えたが、“人生やり直し・敗者復活”には運転免許証は大いに役立った。

特に日本人観光客に売れそうなスポットを探す海外取材では運転ができた方がいい。Off the Beaten Track(よく知られていない、ひと気の少ない、常道をはずれた、不慣れで、風変わりなところ)を探すのが仕事なのだからだ。

その仕事は役立ったのか? 現実は厳しいもので、世界中の旅行会社はほとんどが「定番」志向なのである。例えば外国人向けの日本での観光ルートは東京→箱根→富士山→京都→大阪・・・客が満足し、旅行会社も慣れているから明治以降、変わっていない。広大な欧州旅行では8~10日間で主要都市をそれぞれ1泊2日でピョンピョン移動するだけ。昔(1964~1970年)は40日間のツアーが当たり前(高額、今なら700万円ほど)だったのが今や10日前後の安価なツアーでないと売れないのだ。

一所懸命に新しいネタを発掘してもパッケージツアーに採用されることは余りない仕事だったが(豪州キャンベラは結構上手くいった、米国アラスカはアンカレッジ直行便がなくなり頓挫)・・・考えようでは遊び、趣味とも言え、今も同じことをやっているようなものかも知れない。

趣味と言えば、小生はコナン・ドイル≒ワトソン先生(「シャーロックホームズ」)などに触発されてパイプ煙草ファンになったが、ブログを書いていて疲れると引き戸を開け、空と多摩丘陵と庭を見ながら一服する。小生の少ない読者にはパイプ党のHさんもいて、今一番気に入っているパイプはその方から頂いたものだ。先日Hさんから「なかなか良かったよ」と感想を頂いたので、こう返信した。

<ありがとうございます。読者がいるのかなあ、といつも孤立感を抱いていますので、とても励みになります。

パイプは生活の一部です。心が落ち着きます。沈思黙考の友です。頂いたパイプ、実にGOODです。良い味です。マウスピースのつけ根が折れてしまったのでテープを貼っています。他のパイプで吸うのと味が全然違います。不思議です。「実によく考え抜いて作ったのだなあ」と感心します。

2年ほど前に新宿紀伊国屋ビルのタバコ屋に行ったら同じパイプの中古品がありました。今度行く用事があったら買っておこうと思っていますが、新品はどこで売っているのやら・・・隣町(向ヶ丘遊園駅そば)にはパイプファンのタバコ屋がありましたが、再開発で今は休業中です。似たようなサイズ、型のパイプがありましたが、味がいいかどうかは分からないので購入しませんでした。

タバコ人口は激減しています。絶滅危惧種です。パイプ大会の会場探しは大変だろうなあ、などと、色々なことを思いながらパイプを楽しんでいます。チャーチルはパイプを吸って心を冷静にしタバコ嫌いのヒトラーに勝ったのだ、俺も習近平、プーチンに勝つのだ!なんて思ったり・・・

今、日本パイプクラブ連盟のサイトを見ましたが、愛煙家は踏ん張っているようですね。入院すると吸えないから健康でいなければ、と思っています>

新大陸発祥のパイプタバコは癒し系のクスリとして世界に普及したが、1970年代からの嫌煙思想で今は先進国では「絶対悪」になってしまった。多勢に無勢でスモーカーは大人しくしているが、50年後にタバコ(ニコチン)は精神安定&高揚剤として復権したりして・・・

良きにつけ悪しきにつけ、世の中を最初に動かすのはごく少数派、異端児である。やがてフォロワーが増えて動きを盛んにする。エジソン、アインシュタインはADHD(発達障害の一種)だったと言われるが、「デキル少数派が歴史をリードる」と言っても良いだろう。

2018年頃のデータだが、日本の政党別党員数は自民106万8000人、立民76万2000人、国民7万6000人、公明43万5000人、日共30万人、維新1万8000人だという。

人口の2%が結束すれば革命や選挙で政権奪取が可能だと小生は思っているが、日本の人口を1億とすれば、2%=200万人。自・公合わせて49万人、人口の1.5%だが、それでも他党を圧勝している。

有事の際にはこの2%が4%、8%、16%、32%・・・と拡大していく。ヒトラー・ナチスは40%程で政権を獲得し、一気に政敵を叩き潰して独裁政権を確立した。2%は小さく見えるが一朝事あれば大膨張、大爆発する火種なのだ。

八幡和郎氏(徳島文理大学教授、評論家、歴史作家)の「G7参加国で日本だけ共産党が生き残っている?」アゴラ2021/10/20から。

<日本の政治について世界の人々が、不思議に思っているのが、「共産党」という「20世紀の赤い亡霊」がまだ生き残って支持率と議席を維持していることだ。

世界には200ほどの国があるが、共産党ないしその同類が政権にあるのは、中国、キューバ、北朝鮮、ベトナムとラオスだ。だが、中国は経済についてはとても共産主義とは思えないし、ベトナムとラオスも実質的には宗旨替えしている。

G7諸国では、米国とイギリス、カナダでは歴史的に(共産党は)国会に議席をもたない。

西ドイツでは、ナチスと同じくその存在が憲法上否認されていたが、1968年に別組織の共産主義政党の設立が認められた。だが、党勢は振るわず、東ドイツで政権党だったドイツ社会主義統一党と、西ドイツ社民党のラ・フォンテーヌなど左派が合流して、西欧的民主主義を標榜する「左派党」になった・・・>

上記でロシアが共産主義国から抜けているのは、2022年2月のウクライナ侵略まで世界は「ロシアはプーチン独裁政権臭いが、経済システムは資本主義だし自由民主諸国と問題なく商売している」と見ていたからだ。小生は脳内にこびりついたアカの除染に30年ほどかかった経験から「一度アカ、一生アカ」と思っているが、プーチン・ロシアは結局、共産主義独裁のソ連に先祖帰りしてしまった。

プーチンは健康状態が悪いようだが、それ以前から「本物のプーチンはとっくの昔に暗殺された、今のはソックリさん」説が広まっているとか。中村逸郎氏著「ロシアを決して信じるな」(新潮新書 2021/2/17)は大いに勉強になった。WIKIによると中村氏は――

<中村逸郎(なかむら いつろう、1956年11月2日 - )日本の国際政治学者。筑波大学名誉教授、島根県立大学客員教授。専門研究分野は現代ロシア政治、日露関係。
2022年5月、ロシアのウクライナ侵攻に伴うロシア政府による日本への報復措置(ロシア連邦への日本政府の政策に対する報復措置に関してのロシア外務省声明)によって、ロシア連邦への入国を恒久的に禁止された>

プーチン・ロシアにとって中村先生は許し難い敵、小生にとっては学ぶべき師匠である。同書から引用する。

<2015年3月27日付のドイツ紙「ビルト」に掲載されたという記事に、ロシア国内は騒然となった。プーチン大統領の元夫人、リュドミーラ氏へのインタビューである。プーチンと彼女は2013年に「文明的な離婚」(プーチン)を発表したものの、その後の彼女の所在は明らかではない。ロシア人の間では「殺されたのではないか」という噂が広がっていた。

そうした憶測が飛び交う中、離婚表明から2年後に飛び出してきたのが元夫人の証言である。内容があまりにも衝撃的だった。

「夫(ヴラジーミル・プーチン)の死について打ち明けたことはありません。当時、夫にとっても、とても辛い時期だったと思います。彼の表情は日々、どんどん暗くなっていきました。実は夫が亡くなる(消える)1か月前、娘たちは別の場所に連れて行かれましたが、そこがどこなのか、私は知りません。

その後、夫は姿を消しました。真夜中、自宅に見知らぬ人たちがやってきました。その中には知っている人もいました。家宅捜査し、全ての文書を調べ、壁を叩いて点検もしていました。彼らは私にこう告げました。『もし生きていたいならば、今日の出来事を誰にもしゃべるな』。夫について質問すると、短くこう答えました。『彼はもうすぐ帰宅します。今はまだ国家の安全にかかわる緊急の会議中です』。

数日後の昼間、彼の『代役』の姿を見ました。私が気付いたのは、ヴラジーミルの暗殺がすでに計画されており、彼の偽者が大統領の職に就く準備がされているということです。外見は夫にとてもそっくりでしたが、全く別人でした。

娘たちは既に姿を消しており、私に迫られたのは、従来通り献身的な妻を演じるか、または娘たちと同じ運命をたどるかのどちらかでした。私は見知らぬ男の相手をすることだけは絶対に嫌でした。

私がこうして生きていることができるのは奇跡です。私を救ってくれた人がおり、その男性の名前を明かすことはできません。その人は『離婚』という方法を提案してくれました。私は今、外国に住んでいますので、大丈夫です。でも、ロシアではとても怖いことが起こっています」

元夫人はプーチン氏の暗殺を示唆している。ドイツ紙「ビルト」は欧州で最も売れている大衆紙だ。ロシア国内でもネットを中心に大いに話題になった。

しかし、本当に元夫人の証言なのだろうか。「見知らぬ人たちがやってきた」日時などが特定されていないので信憑性に疑問が残る。ただ、ビルト紙が架空のインタビューを掲載するようには思われない。元夫人の発言によれば、どうやらプーチン氏は2008年頃に亡くなり、その代役が仕立てられたようだ、云々>(以上)

物心ついた時から自由、民主、人権、法治の国で育った小生には、それが全くないどころか、独裁、KGB(国家保安委員会)、暗殺、謀略に満ち溢れたロシアはまるで悪夢のよう・・・恐ろしい国だ。

「ロシアを信じるな」を読んだ印南敦史氏(作家、書評家)もショックを受けたようだ。東洋経済2022/02/28「ロシアを信じるな ロシア通の日本人が断じる訳 約束に要注意、現地の人々の予測不能だった現在」でこう書いている。

<ロシアのプーチン大統領は(2022年)2月25日、国家安全保障会議でウクライナ軍兵士に向け、ウクライナの現政権を倒すよう激しく呼びかけた。ところが彼はその数時間前、中国の習近平国家主席との電話会談において、「ウクライナとハイレベル協議を行うことを希望している」と“停戦”を視野に入れているかのような発言をしてもいる。

一般的な尺度で捉えればおかしな話だが、そもそもプーチン氏のこうした発言を真に受ける人は現実的に少ないのではなかろうか。事実、私の心のなかにも「どうせまた嘘だろ」というような思いがある。

だが『ロシアを決して信じるな』(新潮新書)の著者、中村逸郎氏によると、「嘘に嘘を重ねるのがロシア流」らしい。中村氏は筑波大学人文社会系教授。40年にわたり、ロシア(ソ連)の各地を訪ねてきたという人物である。1980年8月に3週間、モスクワとレニングラード(現サンクトペテルブルク)に滞在したのを皮切りとして、渡航回数は100回以上。4年間のモスクワ留学も経験しているという。

その経験のなかには、日本人の感覚からすると理解に苦しむようなことも少なくなかったという。つまり本書はそうした実体験に基づいた、机上の空論とは異なるロシア論になっているわけである。

【人間を追い詰めることで運命を試す】(《 》内は中村氏の著書より引用)《ロシアという国は、人間を追い詰めることで、精神力、もっといえばその人の運命を試すようなところがある。だれがそのような試練をあたえるのか。もちろん答えは不明なのだが、不思議ななにかが迫ってくるように思う。

もはや、日本で勉強してきた知識や論理はなんの役にも立たないどころか、問題解決にあたっては障害になるだけだ。無駄ではないが、ロシアではそれらを主張したり、自分の判断基準にしたりすると不幸になってしまう》

本書が刊行されたのは2021年2月、つまり(2022年ウクライナ侵略の)ちょうど1年前なのだが、この記述はまさに、いま起きていることそのままではないだろうか?

ロシア人の持つそうした不可解さは「嘘をつく」ことにもあてはまるようで、たしかにそう考えると冒頭で触れたプーチン氏の話の信憑性のなさにも納得できる。端的にいえば、ロシア人にとって嘘をつくのは当然のことだというのだ・・・>

本心を明かせば殺されるから、強者に対しては面従腹背、嘘、誤魔化しを処世術とするか、政権や強者のプロパガンダに唯々諾々と騙され続けるか、あるいは諦観・沈黙するか、他国へ逃げるか・・・恐怖政治下では誰もがこの4択しかないようだ。

プーチン・ロシアがウクライナ侵略に勝てば、それは日本を含めた西側諸国の敗北である。それ行け!と習近平・中共はインド・太平洋侵略を速攻で開始するだろう。識者は「習近平は軍事力を万全にしてから開戦する」と言うが、そもそも西側諸国との軍拡競争は終わりがないのだから、チャンスがあれば一気呵成に開戦するのが筋だろう。

ヒトラー・ナチスドイツは「英仏は戦争を恐れている、腰が引けている、スターリン・ソ連と同盟すれば欧州一帯を2分割できる」とソ連を口説き、1939年9月に独ソは手を携えて侵略戦争を始めた。2年後の1941年6月、ドイツは独ソ不可侵条約を破棄してソ連へ侵攻し、独ソ戦が始まった。「昨日の友は今日の敵」というわけだ。連合国とソ連は「昨日の敵は今日の友」になった。

戦争に道徳や仁義はありゃしない。勝った方が正義なのである。勝者が歴史を創るのだ。

<欧州議会は大戦勃発から80年だった2019年9月、ナチスとソ連という「2つの全体主義体制」による密約が大戦に道を開いたとする決議を採択した。この決議はEU諸国の政府に「スターリニズム独裁体制の犯罪への認識を高め、法的調査を行う喫緊の必要性がある」と促した>(産経2021/7/18)

プーチン・ロシアはスターリン独裁のソ連回帰を、習近平・中共は毛沢東独裁の文革時代回帰を目指している。アカの目標は共産主義世界革命である。スターリンも毛沢東もできなかった夢を実現し、歴史に名を刻みたいのだ。

どうすべきか。自己肥大病末期症状のプーチンと習近平とその一派を駆除し、西側諸国が分割統治してズブズブの「自由民主薬」依存症にするしかない。一種の去勢だ。効き目は抜群で、戦意喪失、終日カネカネカネと楽しそうに鳴き、繁殖力は衰える。この治療で日いずる処の国はすっかりポチになった。露中北にも効くだろう。
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人の加齢と国家の加齢考(2

2023-02-20 09:53:00 | 戦争
人の加齢と国家の加齢考(2
“シーチン”修一 2.0

【雀庵の「大戦序章」140/通算572 2023/2/20/月】余生をノンビリ心穏やかに過ごしたい・・・と思っても、いろいろ問題が出てきて頭が痛くなる。「無視するか」と思っていたらカミサンも問題視しているから川崎市役所に以下のメールを送った。

<【二か領用水沿いの桜伐採に反対します】川崎市多摩区宿河原の多摩沿線道路「新船島橋」と南武線鉄橋の間の二か領用水沿いの桜が5本ほど伐採されるようです。先人が60年もかけて育ててきた立派な桜は街の誇りであり、切られるのは、とても残念です。

「日当たりが悪いから切って」と言う人もいるかも知れませんが、一部を剪定すれば良いのではないでしょうか。善処をお願いいたします>

生きるというのはやっかいなものだ。人間は孤立しては生きていけないし、色々な価値観の人がいるから嫌なことも少なくない。時々、緑が多くて静かなところへ引っ越そうかなあと思うが、緑が少なくて騒々しいけれど5分も歩けば何でも買える、アクセスできるという便利な駅前繁華街からは離れることはできない。「あなた一人で行けば・・・私は嫌です」と奥さんは絶対言うね。

「大自然に包まれて」なんていう生活・・・現実は過酷なものだろう。蚊、蠅、蜂、蛇、狸、時々猿、熊・・・ゴキブリもいっぱい。医者に行くのも一日がかり。田舎の過疎化は進むばかりだ。若い人は♪俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら・・・

そこそこの会社に就職し、結婚してマンションや戸建てを買って子供をもうけたりできればいいが、結婚しない(できない)人も増えているから、このままなら日本の明日は曇か斜陽か?

ユダヤ人の国、イスラエルも昨年は政権が不安定で鬱病みたいだった。ユダヤ教徒が圧倒的多数の国なのだから安定してもよさそうなものだが、どうなっているのか。橘玲氏著「言ってはいけない 残酷過ぎる真実」を読んで知ったが、同じユダヤ教徒でも随分マインドは違うようだ。以下ざっくり引用する。(注)は小生の補足。

<ユダヤ人は世界人口の600分の1にも満たないが、過去60年でユダヤ人は科学関連のノーベル賞の4分の1以上を獲得した。米国人口において3%未満の彼らはCEO(最高経営責任者)の20%、アイビーリーグ学生の22%を占めている。

なぜなのか。イスラエルにおけるIQ検査などによると、極めて知能が高いのは「アシュケナージ系」ユダヤ人だけで、かつてスペインに住んでいた「セファルディー系」や、中東や北アフリカで暮らしていた「ミズラヒム系」など、他のユダヤ人の知能は平均と変わらない。

アシュケナージとは「ドイツの」という意味である。彼らのIQは112~115で、欧州の平均である100より高い。彼らはライン川沿いのユダヤ人コミュニティを発祥とし、ポーランドやロシアなどに移住した。

アシュケナージ系には際立った特徴があった。欧州における激しいユダヤ人差別によって人口の増加が抑えられていたこと(注:結果的に同民族婚が進み、弊害もあるが、優秀なサラブレッドが生まれやすくなる)、また、キリスト教で禁忌とされていた金貸しで生計を立てざるを得なかったことである(注:金融業で数学的知能が発達)。金持ちが多産であることも人口回復、人口増につながった>

アシュケナージ系のデキル人が一所懸命に勉強し、仕事をし、かつ繁殖もしたから、人口950万人の小さな少数民族国家であってもイスラエルは存在感があるということだ。米国でさえ中東の要石としてイスラエルには一目を置いている。

「ピュー・リサーチ・センターの2020年の報告によると、アメリカに住むユダヤ人の数は750万人と推定されている。その多くは、中・東欧を祖先に持つアシュケナージ系ユダヤ人」(米国大使館)

イスラエルはユダヤ教徒が74%を占めているが、デキル人からデキナイ人まで千差万別、それでも投票は1票で同じ。デキル人はデキナイ人の支持を得るために媚びを売ったりバラマキしたり・・・政権維持は自由民主国では皆似たようなものか。

NHK2022/12/30「イスラエル 連立政権が発足 ネタニヤフ元首相が返り咲く」から。

<2022年11月に総選挙が行われたイスラエルで、右派や極右政党などによる連立政権が発足し、ネタニヤフ元首相が返り咲くことになりました。新政権では極右政党の議員が重要閣僚に就任するなど、これまでで最もパレスチナに対して強硬な政権となっていて、今後の中東情勢にどのような影響を与えるかが焦点となっています。

イスラエルでは右派とそれ以外の政治勢力がきっ抗し不安定な政治が続くなか、11月、3年半で5回目となる総選挙が行われ、議会第1党となった右派政党「リクード」を率いるネタニヤフ元首相が連立交渉を進めていました。

その結果、ネタニヤフ元首相はパレスチナ人の追放などを訴える極右政党と宗教政党との間で連立政権の発足で最終的に合意し29日、議会で承認されました。これにより、ネタニヤフ元首相はおよそ1年半ぶりに首相に返り咲きました。

新たな連立政権では、極右政党の議員が財務相や国家治安相として重要閣僚入りすることになり、これまでで最もパレスチナに対して強硬な政権となっています。今回の連立政権には政治的スタンスで大きな隔たりがない極右政党などを取り込んだことでこれまでよりは安定した政権運営ができると見られています>

ネタニヤフ政権は右に大きく舵を切った。日本も宗主国の米国にハッパをかけられたのか、防衛予算を増やし戦時に備え始めている。

人は加齢とともに保守的になる、変化を嫌う、現状維持の傾向が強まるようだ。小生もそうだが、穏やかな晩年を願う。一方で老人は暇でもあるから政治への関心が高い。

老人票に支えられた国家・政権も同様で、加齢とともに安定・平和志向になる。安定を脅かす“戦狼”独裁国家は許し難い敵になる。火をつけたプーチンが消えなければウクライナでの熱戦は続き、どさくさに紛れて習近平はインド・太平洋侵略を始めるだろう。

外交で危機が解決できないとなれば、平和のために戦争せざるを得ない、と老人と為政者は思い始めている。老人は老い先短いし短気な猪突猛進の人も多そうで、政権、政治家も同様だろう。

加齢、長寿、好々爺は“戦老”を目指す・・・日比谷焼打事件(1905年)で小村寿太郎曰く「国民はそれくらい元気な方がいい」。「パワースーツで戦老目指せ!」となるか? 七十翁の小生もお役に立ちたいが、邪魔か?
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人の加齢と国家の加齢考(1

2023-02-19 07:58:49 | 戦争
人の加齢と国家の加齢考(1
“シーチン”修一 2.0

【雀庵の「大戦序章」139/通算571 2023/2/19/日】散歩コースの作延城址(緑ヶ丘霊園内)の白梅は八分咲き、今春初めて出会うメジロ2羽が蜜を吸っていた。春子、会いたかったぜ、君はいつも美しい・・・カ、カ、カッフンショ!の季節でもあるなあ。

加齢のせいだろう、このところ日増しに“好々爺”になってきた。前期高齢者的な新しい自分との出会いみたいだが、カミサンを見る目が急変したのにはびっくりした。「炊事、洗濯、掃除・・・一所懸命にやってくれるのだから、狂気のように“買っては捨て、捨てては買う”と言ってもタカが知れているのだからいいじゃないか、好きにさせればいい、機嫌良くさえずっている、結構なこと」

これは諦観ではなく寛容だろう。人はそれぞれ感性、理性、主義主張、喜怒哀楽、嗜好、夢、本能、価値観があるのだから、余程のこと(最近は「車を買い替えたい!」)以外は干渉しなくなった。18歳から70歳までナースとして働き、子供3人を一人前にし、エキセントリックな変人(小生)を操縦し、ようやくノンビリし始めたのだから、好きなように晩年を過ごす「権利」(彼女はこの言葉が好きだ、権利主義者?)があるのだ。

小生は加齢で人格が丸くなっていく感じだが、人間、人種、国民の価値観、喜怒哀楽、欲望、嗜好も変わっていくのだ。当たり前と言えば当たり前だが、何となく新発見した気分。

振り返れば、日本では1964年の東京五輪あたりから「3C:カー、クーラー、カラーテレビ」があれば幸せという時代になり、自家用車の普及、モータリゼーションが始まった。その頃、ジャガーに乗っていた伊丹十三は「ジャガーじゃない、ジャギュアだ!」と訓示していたが、交通事故が急増し始めていたのだろう、こう警告していた。

「雨の夜に街灯もない道路を黒い傘をさして黒い服を着て歩く・・・運転手には非常に見えにくいからとても危険だ」

以来、小生は「目立つ格好=良いこと」と思うようになり、1984年に独立してからは白、赤、ピンクの、ほとんどチンドン屋とかボードビリアンのようなスーツを好むようになった。顧客に名前を覚えてもらうという効き目はあり、「シーチンさん? ああ、サングラスで鼻ヒゲで派手な格好している人でしょ」と。今から思えば綾小路きみまろ風ファッションだが、調べたらきみまろ氏は同学年、米軍占領下、朝鮮戦争中の生まれだった。

小生が禄を食んだ海外旅行業界は五輪の1964年が元年という新しくて若い業界、しかも欧米に行く機会が多いのでその影響を受けたのだろう、部長以上の幹部連中は黒っぽいスーツでも、課長くらいまでは服装は明るかった。才媛の美女がド派手のワンピースを着て社内を闊歩する姿は、まるでファッションショーみたいで、きみまろ風の小生のファッションなんぞ大したことではなかったのだ。宴会好きのただの出入り業者、便利な財布みたいなもの・・・当時の営業マンはそんな風だった。お代官様と越後屋の美味しい関係、今でも大して変わっていないのではないか。

小生が現役時代の2000年頃まで、大手広告代理店は「電・博・アサツー・読広・一企」などと呼ばれていた。電通、博報堂、旭通信社、読売広告社、第一企画の略だ。30歳で業界紙の編集長になったら営業部長から「広告代理店をゴルフ接待するために車を買ってくれ」と言われ、「そういうものなのか」とゴルフバッグが4つ入る「トヨタ マークII グランデ」を中古ながら400万円で買った(金利込みの分割払い)。これが地獄の始まりだった。

ゴルフクラブやウェアを買い、練習場に通う、そしてコースデビュー。4時起きで広告代理店の2人と営業部長をピックアップして袖ヶ浦CCへ・・・甘かった、甘過ぎた、滑稽を通り越して悲惨、惨敗。麻雀の才もないが、ゴルフの才も全くないことを思い知った。帰路は皆を無事送ったが、結局、最初で最後の接待ゴルフになった。

以来、顧客の接待は酒宴一筋。得意分野で戦うのが良いとやってきたが、2001年の9.11テロによる海外旅行不況には勝てなかった。当時は売上の7割程が米国企業依存で、多角化を怠ったのが致命傷になった。平和はいつまでも続くと思っていたのだ。

ところで「ユダヤ人」。イスラエル王国は紀元前11世紀から紀元前8世紀まで古代イスラエルに存在したユダヤ人の国家とされる。亡国となったユダヤ人は1948年にイスラエル国を建国、再興したが、ユダヤ人は苦労した分、結束が強いはずなのに政権はいつもゴタゴタしている。

何故か? どうも「ユダヤ人もデキル人からデキナイ人までピンキリなのだ」という、当たり前のことを脇へ置いて、多角化を怠ったツケが回ってきたように見える。以下次号。
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