万国の庶民、団結せよ!
“シーチン”修一 2.0
【雀庵の「大戦序章」98/通算530 2022/10/6/木】5日、6日は小雨だったので屋外の営繕作業は休んでのんびりしたが、気になっていた室内の掃除ができたのは幸いだった。まあ、相変わらずの多動爺だ。
一休みしながら産経や書籍を読んでいると脳みそが活性化され、俄然と執筆意欲が湧く。このところ物忘れが進んでいるようなので脳みその劣化を少しでも遅らせるには物書きが効くだろうと思っているから、繰り返しのような雑文でもいいのである。何か一つでも新しい発見、刺激があれば「良し」ということで・・・落語みたいだな。
えー、毎度おなじみの話でございます・・・良い予感は概ね外れるが、悪い予感は大体当たりになる。しかし、苦い経験を重ねているうちに馴れてきて、「まあ、人生そんなもの、思うようにはならんわな。捨てる神あれば拾う神あり、あざなえる縄の如し、今さらクヨクヨしたってどうしようもない、たまにはいい思いをするから、ま、いいか」。ま、そんなもん。
いずこの時代、いずれの国でも「無病息災、面白おかしく暮らせればそれで御の字」という人が80%で、まあ庶民とか市民、国民とかの圧倒的多数はそういう人である。
<庶民とは、人口の多数を占める一般的な人々のこと。庶民には、通例、平民などが該当し、貴族などの特権階級に対して、一般階級の人々を指すことが多い。現代社会においては、一般市民とも呼ばれることも多い。また庶民と言う言葉を大衆と同義で用いられることもあるが、厳格に区別して用いられることもある。庶民は、風俗の担い手でもあり、民俗学や文化人類学などにおいても注目されている>(WIKI)
残りの20%は特権階級かどうかは分からないが「80%を率いる指導者」である。政治家とか経営者、学者、有識者、貴族、皇族あたりか。中でも政治家の影響力は強いが、自由民主の国では選挙で庶民に選ばれなければ政治家にはなれないし、選挙で負ければ政治家ではなく只の庶民になる。
政治家は指導者だが、選挙で勝つためには支持者に迎合しなければならない。支持者の利益を維持発展させなければ次の選挙で落ちてしまう。庶民が政治家の生殺与奪を握っているから、結局、政治家は指導者でありながら庶民のポチでもある。できる政治家が伸びて国家の発展に寄与するという場合もあるが、支持者の利益優先で国家のためにはならないという政治家も多いようだ。
庶民の民度がそこそこなら政治家も政治もそこそこになる。政治がそこそこなら国家もそこそこで、一流にはなかなかなれない。一流になっても長続きしない。
第2次大戦後には“唯一の戦勝国”だった米国がピカピカ輝いていたが、1970年代にはベトナム戦争で戦死者6万人を含めて30万人を超える人的損失を出しながら敗戦して以来、何となく「斜陽」で、加齢なるまだら呆けバイデンの今はオーラがすっかりなくなった印象だ。米国民主党自体が赤色ポリコレ病の病膏肓、米国をぶっつぶすつもりか?
落ち目になった米国を尻目に「豊かな国、評判の良い国」などのランキングで北欧4か国、スイス、カナダ、豪州、NZなどが上位だったが、プーチン・ロシアのウクライナ侵略で危機感を高めたフィンランドとスウェーデンがNATO加盟を申請した。核恫喝するプーチンに永世中立を国是としてきたスイスまでが倉庫と化していた核シェルターを掃除し、NATO、EUとの関係強化を進めている。
日本はプーチン・ロシアに領土領海を奪われている上に今では軍事威嚇を受けている。同時に習近平・中共に領土領海を侵略されつつある。北朝鮮は日本上空を越える弾道ミサイルをぶっ放している。パンダハガーの宏池会・岸田政権はなす術もない。日本と苦境を共にする台湾への同情の一言さえない。
自民党自体、引いては左右を問わず、日本人自体が中露北の赤色ゴロツキ国家への危機感がなかった、なさ過ぎた。小生も1981年には中国旅行を促進するため訪中取材したから人のことは言えやしないが、「共産主義=悪とは距離を置く」という最低限の危機感がなさ過ぎた。日本に限らず世界中が「善意で接すれば中共も善意で遇するだろう」という、自分勝手な甘さがあった。今、そのツケを払うことになったのだ。
古森義久先生の「日本はモンスターを育てたのか――日中国交半世紀に」(日本戦略研究フォーラム2022/9/29)から。
<この9月29日は50年前(1972年)に日本と中国が国交を樹立した記念日である。「日中国交正常化」という言葉が日本政府の公式用語して使われるが、1972年までは日本は台湾の中華民国を中国全体の代表とみなして国交を保っていた。その状態が正常ではなかったのか。いちがいに断定はできまい。
中華人民共和国(以下、中共)との半世紀の国交が日本にとってなにを意味するのか。全体図を俯瞰するには好機だろう。日本の対中政策はなにが特徴だったのか。その政策は正しかったのか。現状を熟視しながら自省をすべき機会だろう。
では日本のこれまでの中国に対する政策の特徴とはなんだったのか。それは巨額の経済援助である。
戦後の日本の対外関係でも中国に与えた援助の金額は記録破りである。日本政府は1979年から2018年までODA(政府開発援助)総額3兆6000億円を供与した。そのうえに同じ趣旨の中国への経済援助として「資源ローン」という名目の資金を総額3兆数千億円を与えた。日本から中国への援助総額は実際には約7兆円という巨大な金額だったのだ。この資金はすべて日本政府の公的資金、つまり日本国民の税金が基盤である。
日本のODAは中国の国家の骨組み建設への正面からの貢献となった。すべて中国側からの要請で選ばれた経済開発のインフラ建設に大部分が投入された。鉄道、高速道路、空港、港湾、通信網などの建設だった。中国全土の鉄道の電化の40%、港湾施設の15%が日本のODA資金で建設された。他の諸国がこの種のインフラ建設にはまったく援助を出さなかったことを考えると、驚嘆すべき中国政府への貢献だった。
中国側の民間の貧困救済とか人道支援とかに投入される部分というのはほとんどゼロだった。中共政権の富国強兵の国是をまともに推進する結果となったのである。
このODAは日本側が当初、目標に掲げた日中友好の促進にはつながらなかった。中国政府が日本からの援助を国民に知らせなかったのだ。中国側の民主主義の促進にも寄与しなかった。共産党の一党独裁政権の鉄のような支配はこの半世紀、変わらず、むしろ強化されたといえる。
だがこの対中ODAの最大の問題的はその援助が中国の軍事能力の増強に寄与した点である。その実態を伝えよう。
【第一には日本のODA資金が中国政府に軍事費増加への余裕を与えたことである】 中国政府が非軍事の経済開発に不可欠とみなす資金が多ければ、軍事費には制約が出てくる。だがその経済開発に日本からの援助をあてれば、軍事に回せる資金は増える。ごく単純な計算である。たとえば中国の公式発表の国防費は1981年は167億元、日本円で約2600億円だった。この金額は1980年代から90年代にかけての日本の対中ODA一年分に等しかった。だから日本のODAが中国の国防費を補っていたといえるのだ。
【第二には日本のODAで築かれたインフラ施設が中国軍の軍事能力の強化に間接に寄与したことである】 日本の対中援助で建設された鉄道、高速道路、空港、港湾、通信網などのインフラ施設は軍事的な効用を発揮する。人民解放軍総後勤部(補給や輸送を担当)の楊澄宇参謀長は1998年に『地域戦争のための兵站支援』という論文で述べていた。
《戦時には鉄道、自動車道、地下交通路を使っての軍需物資や兵員を運ぶ総合的システムが必要となる》
まさに戦争遂行能力の向上には日本のODAの主対象のインフラ建設が不可欠だというのだった。
1999年はじめに人民解放軍系の『中国国防報』に載った『高速道路も国防の実力』という大論文はもっと直截だった。南京・上海間の高速道路について『戦争が起きたらどれほど大きな役割を果たすかと感嘆した』と書き出す同論文は、中国の高速道路が(1)軍事基地や軍事空港との連結(2)砲弾やミサイルの被弾への強度(3)軍事管理への即時切り替え(4)軍用機の滑走路や軍用ヘリ発着場への即時転用——という要因を重視して設計される、と述べていた。
この高速道路の建設に貢献したのが日本のODAだったのだ。日本は1999年までに中国の高速道路建設に2500億円を提供し、延べ2000キロ12本を開通させていた。
【第三には日本のODAの一部は直接に中国側の軍事力強化に投入されていた】 日本のODA30億円で蘭州からチベットのラサまで建設された3000キロの光ファイバーケーブルの敷設はすべて人民解放軍部隊によって実施され、その後の利用も軍優先だった。中国西南部の軍事産業の重要地域として有名な貴州省にODA資金約700億円を供与された。鉄道、道路、電話網など、ほとんどがインフラ建設だった。
この貴州省には戦闘機製造工場はじめ軍用電子機器工場群や兵器資材を生産するアルミニウム工場や製鉄所があった。その軍事産業インフラへの日本の資金投入は当然、中国側からすればほぼ直接の軍事的寄与だった。
日本のODAが中国軍の台湾攻撃能力を増強させたという指摘もあった。なんと私はそのことを1997年に当時の台湾の総統だった李登輝氏から直接に告げられた。台北での単独インタビューの場だった。李登輝氏は次のような趣旨を切々と語ったのだった。
《日本政府が中国に援助をすることはわかるが,福建省の鉄道建設強化へのODA供与だけはやめてほしい。福建省の鉄道網強化やミサイルへ兵隊の運搬を円滑にして、台湾への攻撃能力を高めるからだ》
《当時も現在も中国軍は台湾に近い福建省内に部隊とミサイル群を集中的に配備しています。明らかにいざという際の台湾攻撃のための大規模な配備です。そうした軍事態勢では兵器や軍隊を敏速に動かす鉄道は不可欠であり、軍事態勢の一部だといえます。日本政府は1993年にその福建省の鉄道建設に67億円の援助を出していたのです》
日本政府は本来「ODA大綱」に従えば、この種の軍事寄与につながるODAは出してはならなかったのである。日本政府自身がODA供与の指針とした「ODA大綱」は日本のODAの「軍事用途への回避」を明記していたからだ。とくに相手国の「軍事支出、大量破壊兵器、ミサイルの動向に注意」することを義務づけていた。だが対中ODAはこのあたりの規定にすべて違反していたことになる。
その中国がいまや国際規範に背を向けて覇権を広げ、日本の領土をも脅かす異形の強大国家となった。軍事力をテコに日本の尖閣諸島を奪取しようとする行動をみても、いまの中国は国際モンスターだといえる。この日中国交樹立50周年の記念日当日にも中国の武装艦艇は尖閣沖の日本領海に侵入してきたのである。
日本政府は対中ODAという手段でそんな覇権志向の軍事大国の出現に寄与したのだ。自分をも襲うことになるモンスターの成長にせっせせっせと公的資金を与え、強くすることに貢献してしまったのである。
日本の外交政策の大失態だと言えよう。日中国交樹立50周年のこの機に改めての反省、自省が欠かせないだろう>(以上)
日本は甘かった、お人好しだった、愚か過ぎた。「共産主義は世界暴力革命を狙う危険極まりない戦狼だ」という認識を持たないどころか「理想郷」だと思い、信じ、称揚するという重大なミスを犯した。中露北のみならず、立憲共産党に代表される我らの内なるアカを絶滅しない限り、自由民主の日本と世界は確実に地獄に陥るだろう。万国の庶民、団結せよ!
・・・・・・・・・・・・・・
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
https://note.com/gifted_hawk281/n/n9b3c7f4231f9
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【雀庵の「大戦序章」98/通算530 2022/10/6/木】5日、6日は小雨だったので屋外の営繕作業は休んでのんびりしたが、気になっていた室内の掃除ができたのは幸いだった。まあ、相変わらずの多動爺だ。
一休みしながら産経や書籍を読んでいると脳みそが活性化され、俄然と執筆意欲が湧く。このところ物忘れが進んでいるようなので脳みその劣化を少しでも遅らせるには物書きが効くだろうと思っているから、繰り返しのような雑文でもいいのである。何か一つでも新しい発見、刺激があれば「良し」ということで・・・落語みたいだな。
えー、毎度おなじみの話でございます・・・良い予感は概ね外れるが、悪い予感は大体当たりになる。しかし、苦い経験を重ねているうちに馴れてきて、「まあ、人生そんなもの、思うようにはならんわな。捨てる神あれば拾う神あり、あざなえる縄の如し、今さらクヨクヨしたってどうしようもない、たまにはいい思いをするから、ま、いいか」。ま、そんなもん。
いずこの時代、いずれの国でも「無病息災、面白おかしく暮らせればそれで御の字」という人が80%で、まあ庶民とか市民、国民とかの圧倒的多数はそういう人である。
<庶民とは、人口の多数を占める一般的な人々のこと。庶民には、通例、平民などが該当し、貴族などの特権階級に対して、一般階級の人々を指すことが多い。現代社会においては、一般市民とも呼ばれることも多い。また庶民と言う言葉を大衆と同義で用いられることもあるが、厳格に区別して用いられることもある。庶民は、風俗の担い手でもあり、民俗学や文化人類学などにおいても注目されている>(WIKI)
残りの20%は特権階級かどうかは分からないが「80%を率いる指導者」である。政治家とか経営者、学者、有識者、貴族、皇族あたりか。中でも政治家の影響力は強いが、自由民主の国では選挙で庶民に選ばれなければ政治家にはなれないし、選挙で負ければ政治家ではなく只の庶民になる。
政治家は指導者だが、選挙で勝つためには支持者に迎合しなければならない。支持者の利益を維持発展させなければ次の選挙で落ちてしまう。庶民が政治家の生殺与奪を握っているから、結局、政治家は指導者でありながら庶民のポチでもある。できる政治家が伸びて国家の発展に寄与するという場合もあるが、支持者の利益優先で国家のためにはならないという政治家も多いようだ。
庶民の民度がそこそこなら政治家も政治もそこそこになる。政治がそこそこなら国家もそこそこで、一流にはなかなかなれない。一流になっても長続きしない。
第2次大戦後には“唯一の戦勝国”だった米国がピカピカ輝いていたが、1970年代にはベトナム戦争で戦死者6万人を含めて30万人を超える人的損失を出しながら敗戦して以来、何となく「斜陽」で、加齢なるまだら呆けバイデンの今はオーラがすっかりなくなった印象だ。米国民主党自体が赤色ポリコレ病の病膏肓、米国をぶっつぶすつもりか?
落ち目になった米国を尻目に「豊かな国、評判の良い国」などのランキングで北欧4か国、スイス、カナダ、豪州、NZなどが上位だったが、プーチン・ロシアのウクライナ侵略で危機感を高めたフィンランドとスウェーデンがNATO加盟を申請した。核恫喝するプーチンに永世中立を国是としてきたスイスまでが倉庫と化していた核シェルターを掃除し、NATO、EUとの関係強化を進めている。
日本はプーチン・ロシアに領土領海を奪われている上に今では軍事威嚇を受けている。同時に習近平・中共に領土領海を侵略されつつある。北朝鮮は日本上空を越える弾道ミサイルをぶっ放している。パンダハガーの宏池会・岸田政権はなす術もない。日本と苦境を共にする台湾への同情の一言さえない。
自民党自体、引いては左右を問わず、日本人自体が中露北の赤色ゴロツキ国家への危機感がなかった、なさ過ぎた。小生も1981年には中国旅行を促進するため訪中取材したから人のことは言えやしないが、「共産主義=悪とは距離を置く」という最低限の危機感がなさ過ぎた。日本に限らず世界中が「善意で接すれば中共も善意で遇するだろう」という、自分勝手な甘さがあった。今、そのツケを払うことになったのだ。
古森義久先生の「日本はモンスターを育てたのか――日中国交半世紀に」(日本戦略研究フォーラム2022/9/29)から。
<この9月29日は50年前(1972年)に日本と中国が国交を樹立した記念日である。「日中国交正常化」という言葉が日本政府の公式用語して使われるが、1972年までは日本は台湾の中華民国を中国全体の代表とみなして国交を保っていた。その状態が正常ではなかったのか。いちがいに断定はできまい。
中華人民共和国(以下、中共)との半世紀の国交が日本にとってなにを意味するのか。全体図を俯瞰するには好機だろう。日本の対中政策はなにが特徴だったのか。その政策は正しかったのか。現状を熟視しながら自省をすべき機会だろう。
では日本のこれまでの中国に対する政策の特徴とはなんだったのか。それは巨額の経済援助である。
戦後の日本の対外関係でも中国に与えた援助の金額は記録破りである。日本政府は1979年から2018年までODA(政府開発援助)総額3兆6000億円を供与した。そのうえに同じ趣旨の中国への経済援助として「資源ローン」という名目の資金を総額3兆数千億円を与えた。日本から中国への援助総額は実際には約7兆円という巨大な金額だったのだ。この資金はすべて日本政府の公的資金、つまり日本国民の税金が基盤である。
日本のODAは中国の国家の骨組み建設への正面からの貢献となった。すべて中国側からの要請で選ばれた経済開発のインフラ建設に大部分が投入された。鉄道、高速道路、空港、港湾、通信網などの建設だった。中国全土の鉄道の電化の40%、港湾施設の15%が日本のODA資金で建設された。他の諸国がこの種のインフラ建設にはまったく援助を出さなかったことを考えると、驚嘆すべき中国政府への貢献だった。
中国側の民間の貧困救済とか人道支援とかに投入される部分というのはほとんどゼロだった。中共政権の富国強兵の国是をまともに推進する結果となったのである。
このODAは日本側が当初、目標に掲げた日中友好の促進にはつながらなかった。中国政府が日本からの援助を国民に知らせなかったのだ。中国側の民主主義の促進にも寄与しなかった。共産党の一党独裁政権の鉄のような支配はこの半世紀、変わらず、むしろ強化されたといえる。
だがこの対中ODAの最大の問題的はその援助が中国の軍事能力の増強に寄与した点である。その実態を伝えよう。
【第一には日本のODA資金が中国政府に軍事費増加への余裕を与えたことである】 中国政府が非軍事の経済開発に不可欠とみなす資金が多ければ、軍事費には制約が出てくる。だがその経済開発に日本からの援助をあてれば、軍事に回せる資金は増える。ごく単純な計算である。たとえば中国の公式発表の国防費は1981年は167億元、日本円で約2600億円だった。この金額は1980年代から90年代にかけての日本の対中ODA一年分に等しかった。だから日本のODAが中国の国防費を補っていたといえるのだ。
【第二には日本のODAで築かれたインフラ施設が中国軍の軍事能力の強化に間接に寄与したことである】 日本の対中援助で建設された鉄道、高速道路、空港、港湾、通信網などのインフラ施設は軍事的な効用を発揮する。人民解放軍総後勤部(補給や輸送を担当)の楊澄宇参謀長は1998年に『地域戦争のための兵站支援』という論文で述べていた。
《戦時には鉄道、自動車道、地下交通路を使っての軍需物資や兵員を運ぶ総合的システムが必要となる》
まさに戦争遂行能力の向上には日本のODAの主対象のインフラ建設が不可欠だというのだった。
1999年はじめに人民解放軍系の『中国国防報』に載った『高速道路も国防の実力』という大論文はもっと直截だった。南京・上海間の高速道路について『戦争が起きたらどれほど大きな役割を果たすかと感嘆した』と書き出す同論文は、中国の高速道路が(1)軍事基地や軍事空港との連結(2)砲弾やミサイルの被弾への強度(3)軍事管理への即時切り替え(4)軍用機の滑走路や軍用ヘリ発着場への即時転用——という要因を重視して設計される、と述べていた。
この高速道路の建設に貢献したのが日本のODAだったのだ。日本は1999年までに中国の高速道路建設に2500億円を提供し、延べ2000キロ12本を開通させていた。
【第三には日本のODAの一部は直接に中国側の軍事力強化に投入されていた】 日本のODA30億円で蘭州からチベットのラサまで建設された3000キロの光ファイバーケーブルの敷設はすべて人民解放軍部隊によって実施され、その後の利用も軍優先だった。中国西南部の軍事産業の重要地域として有名な貴州省にODA資金約700億円を供与された。鉄道、道路、電話網など、ほとんどがインフラ建設だった。
この貴州省には戦闘機製造工場はじめ軍用電子機器工場群や兵器資材を生産するアルミニウム工場や製鉄所があった。その軍事産業インフラへの日本の資金投入は当然、中国側からすればほぼ直接の軍事的寄与だった。
日本のODAが中国軍の台湾攻撃能力を増強させたという指摘もあった。なんと私はそのことを1997年に当時の台湾の総統だった李登輝氏から直接に告げられた。台北での単独インタビューの場だった。李登輝氏は次のような趣旨を切々と語ったのだった。
《日本政府が中国に援助をすることはわかるが,福建省の鉄道建設強化へのODA供与だけはやめてほしい。福建省の鉄道網強化やミサイルへ兵隊の運搬を円滑にして、台湾への攻撃能力を高めるからだ》
《当時も現在も中国軍は台湾に近い福建省内に部隊とミサイル群を集中的に配備しています。明らかにいざという際の台湾攻撃のための大規模な配備です。そうした軍事態勢では兵器や軍隊を敏速に動かす鉄道は不可欠であり、軍事態勢の一部だといえます。日本政府は1993年にその福建省の鉄道建設に67億円の援助を出していたのです》
日本政府は本来「ODA大綱」に従えば、この種の軍事寄与につながるODAは出してはならなかったのである。日本政府自身がODA供与の指針とした「ODA大綱」は日本のODAの「軍事用途への回避」を明記していたからだ。とくに相手国の「軍事支出、大量破壊兵器、ミサイルの動向に注意」することを義務づけていた。だが対中ODAはこのあたりの規定にすべて違反していたことになる。
その中国がいまや国際規範に背を向けて覇権を広げ、日本の領土をも脅かす異形の強大国家となった。軍事力をテコに日本の尖閣諸島を奪取しようとする行動をみても、いまの中国は国際モンスターだといえる。この日中国交樹立50周年の記念日当日にも中国の武装艦艇は尖閣沖の日本領海に侵入してきたのである。
日本政府は対中ODAという手段でそんな覇権志向の軍事大国の出現に寄与したのだ。自分をも襲うことになるモンスターの成長にせっせせっせと公的資金を与え、強くすることに貢献してしまったのである。
日本の外交政策の大失態だと言えよう。日中国交樹立50周年のこの機に改めての反省、自省が欠かせないだろう>(以上)
日本は甘かった、お人好しだった、愚か過ぎた。「共産主義は世界暴力革命を狙う危険極まりない戦狼だ」という認識を持たないどころか「理想郷」だと思い、信じ、称揚するという重大なミスを犯した。中露北のみならず、立憲共産党に代表される我らの内なるアカを絶滅しない限り、自由民主の日本と世界は確実に地獄に陥るだろう。万国の庶民、団結せよ!
・・・・・・・・・・・・・・
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
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