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中国の明日、日台の明日(2)

2023-02-14 06:32:25 | 戦争
中国の明日、日台の明日(2)
“シーチン”修一 2.0

【雀庵の「大戦序章」137/通算569 2023/2/14/火】日本共産党に限らないが、共産主義政党は基本的に異論を許さない。党首(とその側近)が決めたことに対して党員は批判できないのが初期設定だ。批判したら除名、追放、最悪の場合は裏切り者、階級の敵、反動、スパイとして牢獄や収容所に送られたり処刑されたりする。

日共は党にとって不都合な事を書いて出版した党員を党内規則により除名処分したが、党の味方、シンパと思っていた朝日新聞、毎日新聞にこの処分を批判されると切れた。朝日、毎日は容共左派が売りだったが、暴れまくる中露北に寄り添っていたら部数は減るばかりだから、容共左派路線を修正し始めたのだろう。背に腹は代えられない、座して死を待つわけにはいかない、と、遅ればせの転向。今さら何やってんだか、と小生はバカにしているが、まあ、部数減少が多少は抑えられるかもしれない。

「共産党は異論を許さない」、これをルールにしたのはレーニンで、トロツキーも賛同した。党や独裁者の決定に逆らう者は殺しても良いということで、スターリンもライバルのトロツキーをピッケルで殺したり、政権基盤を盤石にするためもあって恐怖政治を敷き、誰でもいいから反革命の罪人として処分していった。各支部に「反革命分子○○人を処刑せよ」と命令すると各支部は自己保身のためにその通りにする。ソルジェニーツィンは10年のシベリア送りになった。まったくの蛮族だ。

<1918年7月17日午前2時33分、元皇帝一家7人(ニコライ2世、アレクサンドラ元皇后、オリガ元皇女、タチアナ元皇女、マリア元皇女、アナスタシア元皇女、アレクセイ元皇太子)、ニコライ2世の専属医、アレクサンドラの女中、一家の料理人、従僕の計11人は、イパチェフ館の地下で銃殺された。これにより、元皇帝夫婦ニコライ2世とアレクサンドラの血筋は途絶えた>(WIKI)

レーニンとトロツキーはこの処刑を暫く隠蔽していたが、国民の反発を恐れていたからだろう。不都合な真実は隠す、嘘をつく、共産主義者の常套手段だ。

久し振りに最近の「フォーリン・アフェアーズ・リポート」からサワリを引用するが、米欧の識者は表向きは反中露の旗幟を鮮明にし始めたようだ。
☆まずは「中国は国際秩序を破壊しかねない、戦争に備えよ」派の論から。

【レッドチャイナの復活――習近平のマルクス主義】2022年12月号 ケビン・ラッド アジア・ソサエティ会長
<習近平の中国は、トウ小平路線に象徴される改革開放路線、プラグマティズム路線と完全に決別した。改革時代の終わりの儀式を司ったのが第20回党大会だった。マルクス・レーニン主義の信奉者である習の台頭はイデオロギー的指導者の世界舞台における復活を意味する。

共産党による政治・社会の統制時代へ回帰し、中国における少数意見や個人の自由のための空間は小さくなっていくだろう。経済政策も市場経済路線から国家主義的アプローチへ戻され、国際的現状を変化させることを目的とする、ますます強硬な外交・安全保障政策が模索されるようになる。

考えるべきは、この計画が成功するのか、それとも、このビジョンに抵抗する政治的反動が内外で引き起こされるかだろう>

【対中露二正面作戦に備えよ――新しい世界戦争の本質】2022年12月号 トーマス・G・マンケン 戦略予算評価センター会長
<アメリカが東欧と太平洋で二つの戦争に直面すれば、米軍は長期的なコミットメントを強いられる。北京の影響圏が広がっているだけに、対中戦争の舞台が台湾と西太平洋に限定されることはなく、それは、インド洋から米本土までの複数の地域に広がっていくだろう。

そのような戦闘で勝利を収めるには、アメリカの国防産業基盤を直ちに拡大・深化させなければならない。部隊をどのように動かすかなど、新しい統合作戦概念も必要になる。(第二次世界大戦期同様に)多数の戦域における戦争という戦略環境のなかで、アメリカの軍事的焦点を、どのタイミングでどこに向かわせるかも考えなければならない。

世界レベルでの軍事紛争を勝利に導くには、アメリカにとってその存在が不可欠な同盟諸国との調整と計画をもっと洗練していく必要がある>

☆次は「中国の暴発を抑えるため対話と協力も大事だ」派の主張。

【変化したグローバルな潮流――多極化時代の新冷戦を回避するには】2023年1月号 オラフ・ショルツ ドイツ連邦共和国首相
<ツァイテンヴェンデ(時代の転換、分水嶺)は、ウクライナ戦争や欧州安全保障問題を超えた流れをもっている。ドイツとヨーロッパは、世界が再び競合するブロック圏に分裂していく運命にあるとみなす宿命論に屈することなく、ルールに基づく国際秩序を守る上で貢献していかなければならない。

われわれは民主国家と権威主義国家の対立は模索していない。それでは世界的分断を助長するだけだ。その歴史ゆえに、私の国はファシズム、権威主義、帝国主義の流れと闘う特別な責任を負っている。

同時に、イデオロギー的・地政学的な対立のなかで分断された経験ゆえに、新たな冷戦の危険を直接的に知っている。多極化した世界では、対話と協力を民主主義世界のコンフォートゾーンを越えて広げていかなければならない>

☆以下は「中国を追い詰めるな、崩壊すると窮鼠猫を噛む、14億の難民が世界に押し寄せて来るぞ」という宥和派の論。

【中国の衰退が招き入れる危険――その意味あいと対策を考える】2023年2月号 ジョナサン・テッパーマン 前フォーリン・ポリシー誌編集長
<中国は、アメリカのメディアや指導者たちが描写するような台頭する覇権国ではなく、いまや、よろめいて崖っぷちに立たされている。

問題は、アメリカの政治家の多くが、依然として米中間の争いを中国の台頭という視点で組み立てていること、しかも、中国が高まる危機に直面していることを認めつつも、それをアメリカにとって中立的か肯定的な展開とみていることだ。

だが真実はその逆だ。よいニュースであるどころか、中国が弱体化して停滞し、崩壊へ向かえば、中国にとってだけでなく、世界にとっても危険な存在になる>

これは「戦争、ダメ、絶対!」のリベラル≒アカモドキっぽい論調だが、「フォーリン・ポリシー」(Foreign Policy)は有名な国際政治学者、サミュエル・ハンティントンが創刊した政治外交誌だ。

ハンティントンの主著「文明の衝突」は小生もざっくり読んだが、フランシス・フクヤマがソ連崩壊で「冷戦が終わった、嬉しいな」と書いた脳内お花畑本「歴史の終わり」へのアンチテーゼとしては興味深かった。今、ネットで調べたらフクヤマはハンティントンの教え子だと言う。

ハンティントンはハーバード大学教授、リアリズム理論家として日本でも敬意を表されているが、米民主党右派(中道派)支持者で、本質的にリベラル≒アカモドキなのだろう、「フォーリン・ポリシー」が中国に優しいのは当然か。

それにしてもこの期に及んで「戦争、ダメ、絶対!」とか、「大地」のパール・バックや「偉大なる道」のアグネス・スメドレーみたいな中国ファン(共産主義礼賛者とか平等主義者?)がいるというのは驚きだ。一種の宗教とか飯のタネなのか?

戦狼というか狂犬病みたいな習近平に威嚇されている台湾人は中共に擦り寄る国民党と独立志向の民進党が永らく対峙しているが、現状の危機をどう思っているのだろう。

☆台湾人は戦意喪失、戦争放棄? 中共を刺激したくない? 

【現状維持を望む台湾市民――統一はもちろん、独立も望まぬ理由】2023年2月号 ネイサン・F・バトー 中央研究院(台湾)政治学研究所副研究員
<圧倒的多数の台湾人が、北京に統治されることにはほとんど関心をもっていない。正式な独立宣言を表明したいわけでもない。独立への支持は年々上昇してきたが、半分をゆうに超える人々が「現状の維持」を望んでいる。

なぜ統一に人気がないかは明らかだ。中国と統一すれば、台湾は苦労して手に入れてきた政治的自由のほぼすべてを手放さなければならなくなる。台湾は独自の歴史、文化、アイデンティティ、そして民族的プライドをもっている。

ほとんどの人にとって、台湾はすでに完全な主権国家であり、中途半端な状態で存在する自治の島ではない。既成事実をあえて正式に宣言して、波風を立てる必要はない。自らの理想と現状との違いは微々たるものであり、争う価値はないと判断している>

ん?「波風を立てたくない」って、無抵抗主義? ネイサン・F・バトー、中央研究院(台湾)政治学研究所って何なのだ?

調べたら毛沢東に大陸から駆逐されて台湾を不法占拠した蒋介石・国民党のシンクタンクだった。外省人・国民党は相も変わらず習近平・中共との「国共合作」で危機を乗り切ろうとしている。無抵抗でゴロツキ共産主義者の妾になって命とカネを守ろうというわけだ。もちろん日本統治時代を含めた本省人(先住民)のことなんぞ無視である、仮想敵なのだから。「国民党≒中共」と思っていた方がいい。

【米中にとっての台湾の軍事的価値――台湾とフィリピン海そして同盟諸国】2022年8月号 ブレンダン・L・グリーン シンシナティ大学准教授(政治学) ケイトリン・タルマッジ ジョージタウン大学外交大学院 准教授(安全保障研究)
<台湾は、日本、フィリピン、韓国を中国の威圧や攻撃から守る上で、フィリピン海へのゲートウェイとして極めて重要な軍事的価値をもっている。

中国にとっても、台湾統一を求める大きな動機はナショナリズムよりも、その軍事的価値にある。実際、北京が台湾を攻略して、そこに軍事インフラを設営し、フィリピン海への影響力を高めれば、中国の軍事的立場は大きく強化され、アジアの同盟国を防衛する米軍の能力は制限される。

将来的に北京が静音型の攻撃型原子力潜水艦や弾道ミサイル潜水艦の艦隊を編成し、台湾の基地に配備すれば、北東アジアのシーレーンを脅かし、核戦力も強化できる。

ワシントンの対中政策に関するすべてのジレンマが集約される場所であるだけに、台湾は世界でもっとも困難で危険な問題の一つだ。だが困ったことに、そこにあるのは、災いをもたらしかねない悪い選択肢ばかりだ>

【台湾防衛のための軍事能力強化を――抑止力強化を急げ】2022年10月号 ミシェル・フロノイ元米国防次官(政策担当)、マイケル・A・ブラウン元米国防省ディレクター(防衛イノベーションユニット)
<中国軍の新戦力の多くはオンラインで大規模に結ばれており、米軍の作戦上の課題をひどく複雑にしている。一方、台湾有事の際に中国軍に対抗するためのもっとも有望な米軍の能力の多くは2030年代まで整備されず、戦力に完全に統合されることはない。

このため、2024年から2027年にかけて、台湾防衛が脆弱化する危険があり、習近平はこの段階で軍事的な台湾攻略が成功する可能性がもっとも高いと判断するかもしれない。特に、台湾に対する政治的強制策や経済的封鎖策などの優先策が失敗していれば、そう考えるだろう。

米中がともに相当量の核兵器を保有していることを考えると、先制的に紛争を抑止することがゲームの要諦だろう。アメリカは台湾の自衛能力の近代化と強化を支援するとともに、台湾への武力行使を抑止する米軍の能力を強化しなければならない>

台湾はアジアにおけるウクライナだ。独裁者が「箔」をつけるための侵略ターゲットになっている。こんなデタラメなことがまかり通れば第3次世界大戦になり、世界中でヒロシマ、ナガサキが増えるだろう。

習近平は共産主義国有経済を資本主義経済に変えた“走資派”トウ小平を越えるために、何としてでも台湾を併呑し、箔を付け、毛沢東時代の共産主義体制へ戻したいのだ。台湾占領後は尖閣諸島、さらに日本を屈服させ、アジア太平洋の覇者になり、歴史に名を刻みたいのだ。

「建国の父・毛沢東、中興の祖・習近平」・・・習近平は毎晩ベッドの中で夢想し「俺は偉大だ」とニンマリしているか、それとも「上手くいくか」と不安を覚えるのか。人民網2023/2/13「日本とNATOの結託強化によるアジア太平洋秩序撹乱に警戒すべき」によると、
<日本の岸田文雄首相とNATOのストルテンベルグ事務総長がこのほど会談し、協力を強化することを表明した。これにより日本とNATOの戦略的協力関係は格上げされ、新たな段階へと入った。日本とNATOの結託と接近は、アジア太平洋地域に陣営対立と分断のリスクをもたらすものであり、地域諸国は強く警戒すべきだとアナリストは指摘する>

小生が中共トップなら「敵は着実に備えを固め中国包囲網を強化している、一方で我が国の経済は減速気味だ・・・拙速とは言え電撃作戦で早めに開戦し、台湾と尖閣だけは制圧、占領し、既成事実化した方がいい」と思うだろう。

プーチンとコラボしての東西2正面作戦・・・米欧は焦る、日本はビビる、腰を抜かす、習近平にとっては「今がチャンス、ラストチャンス」と思うが、「臆病で狡猾、焦らず、手堅く、着実に必勝を目指す」習が乾坤一擲のラストチャンスを活かせるかどうか・・・肝心のときに立てない人っているから・・・姑息な習は内外で敵をつくり過ぎた。これは致命的な失敗だ。ツケが回ってくるだろう。
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