同一機関車が重なって走る姿は、いつ見ても心躍るものだ。アントンKの場合は、鉄道写真に目覚めた頃から、機関車の重連運転は気になっていて、それがそのまま撮影対象になっていた。思い返せば、八王子機関区のデッキ付きの電機まで遡れる。回送を兼ねた重連運転で本物ではなかったが、次位のパンタは一つしか上がらないものの、長いタンクを牽く姿には熱くなったものだ。そんな鉄人生の創成期だったから、やはり機関車の重連運転はその後も大いに気になっていた。
重連運転で括れば、ED75やEF64、そしてDD51の重連総括運転は、中でも最も魅力的だったように思う。本務機と補機どちらも力を合わせて突き進む走行姿が頼もしく、まさに五感が痺れる感動を味わえたものだった。
現在全国で唯一重連総括運転が見られる中央西線のEF64 1000だが、来月のダイヤ改正で重連運転消滅という噂が流れているようだ。国鉄型電機がこれだけ数を減らし、逆に新型電機が次々とロールアウトする中で、現在のEF64 1000の状況を考えれば避けられない成り行きだろうと誰もが考えるだろう。歴代の機関車たちがそうしてきたように、やはり時代は繰り返すということになりそうだ。
掲載写真は、武蔵野線を走るEF64 1000重連運転の貨物列車。この時代は、重連運転で都心まで運用されていた。むろん中央東線経由で関東の地まで足を踏み入れてきたEF64 1000だったが、その後単機牽引とはいえ天下の東海道を稲沢(愛知区)から行き来するとは、誰が想像できただろうか。この時代残念なのは、いくらロクヨンとはいえ更新機がほとんどを占めてしまい、国鉄色の原色は極稀にしかお目にかかれなかったことだ。今の逆転現象なんて夢のまた夢だったのである。
2010-08-07 88列車 EF64 1045+1008 武蔵野線:新三郷付近