アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

重連に燃ゆる時~EF64 1000

2025-02-09 18:00:00 | 鉄道写真(EL)
 同一機関車が重なって走る姿は、いつ見ても心躍るものだ。アントンKの場合は、鉄道写真に目覚めた頃から、機関車の重連運転は気になっていて、それがそのまま撮影対象になっていた。思い返せば、八王子機関区のデッキ付きの電機まで遡れる。回送を兼ねた重連運転で本物ではなかったが、次位のパンタは一つしか上がらないものの、長いタンクを牽く姿には熱くなったものだ。そんな鉄人生の創成期だったから、やはり機関車の重連運転はその後も大いに気になっていた。
 重連運転で括れば、ED75やEF64、そしてDD51の重連総括運転は、中でも最も魅力的だったように思う。本務機と補機どちらも力を合わせて突き進む走行姿が頼もしく、まさに五感が痺れる感動を味わえたものだった。
 現在全国で唯一重連総括運転が見られる中央西線のEF64 1000だが、来月のダイヤ改正で重連運転消滅という噂が流れているようだ。国鉄型電機がこれだけ数を減らし、逆に新型電機が次々とロールアウトする中で、現在のEF64 1000の状況を考えれば避けられない成り行きだろうと誰もが考えるだろう。歴代の機関車たちがそうしてきたように、やはり時代は繰り返すということになりそうだ。
 掲載写真は、武蔵野線を走るEF64 1000重連運転の貨物列車。この時代は、重連運転で都心まで運用されていた。むろん中央東線経由で関東の地まで足を踏み入れてきたEF64 1000だったが、その後単機牽引とはいえ天下の東海道を稲沢(愛知区)から行き来するとは、誰が想像できただろうか。この時代残念なのは、いくらロクヨンとはいえ更新機がほとんどを占めてしまい、国鉄色の原色は極稀にしかお目にかかれなかったことだ。今の逆転現象なんて夢のまた夢だったのである。
2010-08-07     88列車 EF64 1045+1008      武蔵野線:新三郷付近

 


国鉄型電機の行方~EF81 300

2025-02-07 17:00:00 | 鉄道写真(EL)
 春のダイヤ改正を前に、ファンの間で様々な推測が飛び交うこの時期。改正まで残り1か月ちょっとだから、過ぎてしまえば全容がわかるのだが、色々ファンの間で推理して話題が事欠かないのもまた楽しい出来事だろう。
 国鉄型機関車が引退すると言われ続けて何年経ったのだろうか。春のダイヤ改正ごとに、行路が減少し仲間が引退していく現実を眼の当たりにしながら、また次の改正を迎える訳だ。よくカメラを持って出向く川崎界隈でも、あれだけ幅を利かせていたEF65PF型が脇に追いやられ、すでに俺様の時代とばかりEF210が機待線を占拠していた。EF65の今や限られた定期列車にお若いファンが群がって撮影していると聞こえてくる。そういえば、高崎に配置されていた旅客の機関車も昨年秋引退してしまい、今回の改正でさらに追い打ちをかけられる状況だ。もっとも民営化されて38年の時間が経過し、現段階で国鉄型機関車が現役で活躍しているという現実の方が、むしろ感動的かもしれない。
 掲載写真は、九州で撮影したEF81牽引の貨物列車。もう10年以上前の撮影旅行だった。当時の目的は色々あったが、今でいうギンガマをもう少し真面目に撮っておけばと、こんなふざけた画像を見て振り返っている。
2010-09-25     EF81 304            鹿児島本線:福間付近

佐渡 裕のマーラー演奏

2025-01-27 14:10:00 | 音楽/芸術
 先日テツ仲間からお誘いを頂き、マーラーの演奏会に行ってきた。
 鉄道撮影の仲間内だから、いつもは線路端でカメラを持ちながら撮影を楽しむ間柄なのだが、アントンKと同じように音楽鑑賞にも日頃親しみをもち、趣味として楽しんでいるお仲間からのお誘いは、何にも増して嬉しいものだ。鉄道撮影のお誘いより心弾むような気がしている。お互い同じような趣味の中でも、別次元の話ができ、新たな発見にも気づかせられることも多く楽しい時間なのである。
 今回のオーケストラは長年集中して鑑賞してきた新日本フィルだが、ここのところ、ちょっとご無沙汰が続いてしまっていた。コロナ禍の大変な時期を越し、昨年から音楽監督に佐渡裕氏を迎えた同オケだが、アントンKにとって、佐渡氏の作り出す音楽が経験上あまり好まなかったこともあり、少しだけ足が遠のいていた。アントンKにとっては、尊敬すべき演奏家であるコンマスの崔 文洙氏が君臨するオケゆえ、常に気になっていたことは確かで、当日も久しぶりに彼のソロパートの響きに感銘を受け、相変わらずの舞台姿に勇気をもらったのである。
 この日は、マーラー第9交響曲1曲というプログラムで、指揮者佐渡氏にとっても、プレトークによると思い入れのある楽曲らしく、どんな演奏になるのか楽しみだった。この演奏、今まで感じてきたようなエネルギッシュな煽りや力づくの要求は影を潜め、ハーモニーを感じて音楽を作り上げ、決してフォルテがうるさくならない内容で、ハッとするほどそれまでとは変化していたように思う。全体的にたっぷりとした情感ある響きがホールを包み込み、とても満足した演奏会だった。木簡パートは相変わらず素晴らしく、特にClなどは冴えわたっていた印象だが、アントンKにとっては、何と言ってもアダージョ楽章の深く高貴な響きに心打たれたのである。このアダージョを聴きに来たと言っても過言ではないくらい、今思い返しても素晴らしい内容だった。出の弦合奏の音色がホールに響き渡ったところから、アントンKはすぅーと音楽に引き込まれてしまった感覚で集中でき、コンマス崔氏率いるVn郡の切ない音色に自然と涙があふれてしまった。この楽章は、息を引き取るように静かに、細く長く消えていくが、その最後の数小節の最弱音は、ピンと張りつめたホールの隅々まで染み渡り、この日の感動を決定づけたのである。

新日本フィルハーモニー交響楽団1月定期演奏会
マーラー 交響曲第9番 ニ長調
指揮    佐渡 裕
コンマス  崔 文洙
      立上 舞

2025年1月25日 すみだトリフォニーホール

光陰矢の如し

2025-01-25 11:00:00 | 鉄道写真(EL)
 新しい年になってほぼ一か月経ってしまった。
「光陰矢の如し」月日の経つのは本当に早いもの。そして一度放たれた矢は、二度と戻らない。今この時を大切にしたいものだ。

 先日、新年会と題して中学時代からの友人と出会ってきた。毎年年末にセッティングして長年続いている間柄。よく考えたらクラスメイトなのである。コロナ禍の時には流石に流れたが、社会人になり、そしてそれぞれ所帯を持ってからも、家族の付き合いに発展していった。お互いに近況報告ならぬ愚痴大会になってしまうのが、ここ最近の傾向か。
 一人は、近年身体の動きが不自由になり、杖を持ちながら現れた。奇病とも呼べる病にかかり、今回も彼を中心に集まれる時間、場所を設定したのだった。見かけだけでは全く分からないが、毎日の生活となるとやはり苦労を伴っている様子で気の毒だった。そしてもう一人は、親御さんの介護真っ只中で、やはり思いもよらぬ苦労が押し寄せているらしい。小一時間、こんな話をしていると気が滅入ってしまうものだが、逆に昔話にも花が咲き、旧友たちの変わらない笑顔を見ているだけで、足を運んで良かったと思えてしまうのである。そして同時に、とりあえず変わることなく仕事に趣味にと、日々過ごせている自分自身を再確認でき、改めて家族の有難みを感じているところだ。
 今年の目標として掲げたものの一つとして、画像データの保存方法の変更がある。保存方法にもいくつかの選択肢がある訳で、どの方法が自分にとって都合が良いのか、今まで試行錯誤してきたが、今年は少しずつ実践に移そうと思っている。長年積み重ねてきた撮影画像も、今後を見据えれば、さほど増えていくとは考えにくく、今までの画像をデータ化し管理していくことに時間を割いていくべきだと思っている。

 さて今年最初の画像は、新鶴見界隈の日常の光景であった、EF65PF型の到着、並び、そして発車という一連のドラマ。とうとうというか、ついに3月ダイヤ改正後、貨物機EF65PFの定期運用が消滅すると聞いた。一時期は、大部分が更新色機となり、被写体としては魅力に欠けていた同機だったが、重連運転にその撮影活力を見出し、そして更新色→国鉄色へと再び美しく懐かしい姿に戻っていった65PF型。思い出は尽きないが、アントンKの中では、機関車云々よりも、機関車を介して知り合った仲間たちが心の砦であり、未だフィールドへ立とうと奮起させる原動力になっていることは確かなようだ。
2022-04-28   遅77ㇾ   EF65 2085  &  4073ㇾ   EF65 2085   御幸信号場   

 

ゆく年を想う~EF65PF

2024-12-31 16:00:00 | 鉄道写真(EL)
  2024年も残り僅かとなり、このタイミングでPCに向かえる時間を捻出している。とにかく毎度のごとく瞬く間に時が流れ、気が付くと今日大晦日になっていた忙しない感覚だった。年末仕業で、老体に鞭打ってやり繰りしてきたが、何とか体調も崩すことなくここまで来た。
 今年はブルックナーの生誕200年に当たる年だったが、いつもと変りなく差し当たって書き留めておく成果は無かったかもしれない。カーチュン・ウォンという若手指揮者のブルックナーに新たな発見があり、来年に向けて更なる期待を寄せているところだが、彼の場合は、やはりマーラーでその実力が発揮できているようで、どちらにしても、こういった好みの楽曲で新たな境地へとアントンKを導いて欲しいものだ。
 鉄道撮影についても、年明け早々に課題を決めて1年を通じて目標としてきたが、マンネリの度合いも強く達成感は得られていない。しかし、今年は孫と多々地方へ出向き、良い時間を過ごすことが出来たのは幸運だった。これは来年にかけても、さらに拍車がかかりそうだが、行ける時に確実に行くため念入りに品定めをしていきたい。
 掲載写真は、今年思い出に残った写真の中から1枚。今年になって鉄道撮影を同行するようになった趣味の先輩からお声がけ頂き、まだ明けやらぬミカン畑から狙ったEF65PF。昔のアントンKなら考えられない構図だが、今はもう全く考え方が違う。撮影の幅を意識するだけで、随分と思考が開けることができ、最近では満足感も得られるように心変わりしている。写真はまだまだ深い世界がありそうなのだ。
2024-06-19      5087ㇾ EF65 2096       根府川

 今年1年、いつも当拙いブログにお立ち寄り下さり誠に有難うございました。皆様のお陰で今年は、ブログ開設から5000日を越えることができました。来年も同じような代わり映えのない内容が予想できますが、引き続き宜しくお願い致します。
 皆様、良いお年をお迎えください。