愛孫との約束を果たすべく、東武鬼怒川線へと行ってきた。
もちろん目的は、「SL大樹」への乗車であり転車台での見学だったのだが、道中の東武線特急「スペーシア」及び「リバティ」にもリクエストが出ていて、今回はなかなか嬉しい要求が重なったのである。
当日は、不安定な寒いくらいの天候で、どうなることかと思いながら予定通りスペーシアへと乗り込んだが、何と先行列車が人身事故に遭遇、こちらも予定より60分以上の遅延となってしまった。この遅延のおかげで、下今市駅を下車してまもなく、「SL大樹5号」の発車がベストのタイミングとなり、ごった返すホームにSLの入線を待ったのだった。
慌ただしい構内放送とともに、姿を現わしたC11型は、207号機の通称「カニ目」と呼ばれている人気者。ホームにたたずむあらゆる老若男女が蒸機を出迎える。とりわけ愛孫も含むちびっ子達に絶大なる人気なのが見てとれ、アントンKは、なぜかそれだけで嬉しくなってしまったのである。
「人間に最も近い鉄道車両は蒸気機関車である」と、昔より趣味仲間から教示され、憧れが確信に変わっていったアントンKではあるが、環境問題だSDGsだと騒がれる現代においても、蒸気機関車の存在は偉大であり、通用していることが目の前で理解できたのである。そして次の世代まで、こういった素晴らしい鉄道文化を継承していくことが最も大切なことに思えたのだ。
愛孫が撮影した一コマも添えておく。ほんの20分足らずで400カットも撮影してしまうのは、正にデジカメしか知らない世代の撮影。しかし見様見真似でカメラを向けて撮影した画像を後で確認すると、思いもよらぬカットが飛び出して度肝を抜かれる。嬉しさ半分寂しさ半分の複雑な心境になったことを書き添えておく。
2022-04-30 東武鉄道:下今市にて